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Plus de 中ザワヒデキ Hideki Nakazawa (19)
ミケランジェロ、ロダン、人工知能
- 7. ミケランジェロ VS ロダン
ミケランジェロ
• 彫 carving
• 大理石を削っていってなめらかな
表面形態・単純性の美学・イデア
論・トップダウン
• 一神教の神のごとく人を創る
• 動物的 単体 方程式
ロダン
• 塑 modeling
• ブロンズに鋳造する前の原型は粘
土。複雑混沌な量塊・複雑性の
美学・原子論・ボトムアップ
• 多神教的なやおろずの神からアニ
ミズム的な何かが生まれる
• 地下茎で繋がってる植物的 座
標系 データベース
- 10. 記号主義 VS 結合主義
記号主義(シンボリズム)
• プログラマーは神
• 分析的アプローチ、王道
• 論理思考は得意なのだがどうして
も自然発生するような意識の芽
生えには至らない。
• トップダウン…脳が身体に指令を
出して動かすイメージ
• 動物的 単体
結合主義(コネクショニズム)
• 学習単位を脳をまねて積み上げ
てみた
• 3rdAIブーム…ニューラルネットを
何段も積み重ねた深層学習
• 研究者が驚くほどよく動く。しかし
仕組みがはっきりわからない
• いきなり結論。直観
• ネットワーク→地下茎的植物的イ
メージ 座標系
Notes de l'éditeur
- お手元に講義内容のテキストがあると思います、これについて短時間凝縮トークをします。
- ミケランジェロ。盛期ルネッサンスを代表する彫刻家。
- ミケランジェロ。盛期ルネッサンスを代表する彫刻家。
- ロダン。19世紀を代表する彫刻家。近代彫刻の父。代表作に『地獄の門』。「考える人」はこれの一部
- ロダン。19世紀を代表する彫刻家。近代彫刻の父。代表作に『地獄の門』。「考える人」はこれの一部
- ミケランジェロ 彫 carving 大理石を削っていってなめらかな表面形態・単純性の美学・イデア論・トップダウン ミケランジェロは一神教の神のごとく人を創る、動物的 単体方程式
ロダン 塑 modeling 仕上がりはブロンズですが鋳造する前の原型は粘土。粘土を積み上げていって複雑混沌な量塊・複雑性の美学・原子論・ボトムアップ・ロダンは多神教的なやおろずの神からアニミズム的な何かが生まれる。地下茎で全部繋がってるような植物的イメージ 座標系データベース
- ここで先に結論を言うと、人工知能開発における2大方法である記号主義と結合主義がそれぞれミケランジェロとロダン
彫刻を作ることも人工知能を作ることも人間的なものまたは生命的なものを作りだそうとするわれわれの根元的な欲動に根ざしている(役立つからとかではなく)。
- 記号主義 symbolism
結合主義 connectionism
- 記号主義 symbolism プログラマーは神 で、こちらは分析的アプローチで王道で論理思考は得意なのだがどうしても自然発生するような意識の芽生えには至らない。トップダウン。脳が身体に指令を出して動かすイメージ。動物的 単体
結合主義 connectionism 学習単位を脳をまねて積み上げてみた 今は第三次AIブームだがそれはニューラルネットを何段も積み重ねた深層学習の発展。で、これは、研究者がむしろ驚くほどよく動く。しかし仕組みがはっきりわからない。つまり、いきなり結論が出る(人間にわからない手をアルファ碁が打つ)。論理思考よりは直観みたいな。ネットワーク→地下茎的植物的イメージ 座標系
- もともと人間は昔から実用意図ではなくおそらく本能的に、人間を作ろうとしてきた
キリスト教では「神は自分に似せて人を創られた」が出発点。
- アプローチは逆でもミケランジェロもそうだしロダンもそうだった
アプローチは逆でも記号主義も結合主義もそうだった
こうした対立するアプローチは、古代哲学以降の二潮流、イデア論と原子論で説明できる。美術史もそう。