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Plus de Hiroshi Takahashi (20)
デジタルサービス化による変革(改訂)
- 7. ABB Marine & Portsの概要
• DS化に向けた取り組みは 10 年以上
• 以前は製品サプライヤーだったが、2006~2009 年頃
にシステムインテグレーターに転身
• 統計学者やビジネスアナリストなど、新システムに向
けて新たな従業員を採用
• 船舶に搭載する新たな機器を特別開発
– 既存機器を改良し監視・リモート診断やトラブルシュー
ティングができるように変更
– その機器を3rdパーティのハードウェア向けにも拡張
– 船舶のエネルギー使用を最適化するためエネルギー消
費を監視し、航行条件 (天候など) 下での意思決定もサ
ポート
– 機器と連動したバックオフィスプロセスの変更も実施
• 建設中の船舶に機器を事前に搭載する戦略も実施
• 初期には無料提供。最終的には保証期間終了後も
有償サービスを利用し続ける顧客が大幅増加 7
歴史
中身
- 20. ABB Marine & Portsの場合
• 早期にビジネスモデルを製品中心からサービス
指向に明確にシフト
• 新規開発機器を3rdパーティー向けにも拡張し、
パートナーとの連携を拡大
• 当初、全顧客にサービスを無償提供し、価値あ
るデータを収集
• 顧客ニーズに合わせ航行条件最適化機能、
バックオフィス機能などのカスタマイズを実施
• サービスカテゴリーはサービス3で開始
• DS5→DS4→DS6でプロセス移行と推定
– 当初の高度・統合サービスレベルをモジュール化/
標準化等の実施で連携ソフトと整合を確保した後、
DS化段階での再統合に移行している(仮説1)。
20
モデル
プロセス
- 24. 複雑性の概念的フレームワーク
• サービス プロセスにアジリ
ティを追加する
• 実行の自由度を追加する
• 発散を追加する
認知的複雑性 関係的複雑性
吸収戦略
削除戦略
• サービスネットワークを
形成し拡大する
• ネットワーク内の接続
の多様性を高める
• 標準化されたルーチンと
プロセスを定義する
• 標準化された製品、マスカ
スタマイゼーションを使用す
る
• モジュラー提供構造を使
用する
• モジュール編成を使用す
る
• ソリューションを統合する
複
雑
性
管
理
の
ア
ク
シ
ョ
ン
複雑性の性質が異なる構造(行為)
Ⅰ
Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
サービス
化におけ
る複雑性
の管理:
最適な
複雑性
レベルを
追求すべ
きである
- 27. ABB Marine & Portsの場合
• 船舶所有企業は多様(規模、航行海域、船種、品物、
季節変化、・・)
• 世界的レベルで一貫した対応が必要
– 人工衛星利用、各種港湾設備との連携、船舶規格など
対応が複雑
– 船舶に搭載される特定機器の機能・バージョンも多様
• DS5→DS4→DS6のように、一旦モジュール化/
オープン化してPSSwを再構成しても、
• その上で削減戦略と吸収戦略を組合せて統合化を
進めそれぞれの環境に最適な複雑性レベルのニー
ズに対応が必要
– 削減戦略
• 新規搭載機器の標準化、モジュール化、・・
– 吸収戦略
• 旧機種のインタフェースを吸収、互換性の保証、・・
27
複雑性
- 29. • ソリューションの自己開
発を促進させる
認知的複雑性 関係的複雑性
吸収戦略
削除戦略
• オープン化を促進しネット
ワーキングを強化する
• 多様なリソースの組み合わ
せを受け入れる
• コラボレーションを強化する
ためのツールを提供する
• 共通ルールとプロトコル
を設定する
• マーケットプレイス論理
を使用する
• モジュール性を使用する
複
雑
性
管
理
の
ア
ク
シ
ョ
ン
複雑性の性質が異なる構造(行為)
Ⅰ
Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
プラットフォーム:複雑性を制御する新たな手段
プラット
フォーム
での複雑
性管理:
メカニズ
ム間の相
乗効果を
追求すべ
きである
①
②
① プラットフォームが共通のルール、プロトコルを採用することで市場を作成し、安定
した相互作用が可能になる。
② システム部品数が減少することで高度なソリューションの自己開発が容易になる。
- 31. • 航空宇宙産業の中心的企業の一つ
• 航空宇宙産業では、航空機、エンジン、コンポーネン
トの製造企業で資産売却を含む価格競争が発生
• このプレッシャーを克服するため、Airbus社も航空機
の保守、修理、およびオーバーホールを含む新サー
ビスを新収益源にする活動を開始
• 米Palantir社と共同でAirbus関連のトータルデータプ
ラットフォームを開発
• それをオープン化して既存の保守運用会社および航
空機運用会社に提供
– 既存の保守会社(例:Lufthansa Technik の Aviatar など)
とも競合はしているが、
– DS化の推進で有利にサービス提供している状況
• DS化は航空宇宙産業に破壊的な影響を及ぼし企業
内および企業間のビジネスを大きく変化させている。
31
歴史
中身
Airbus Skywiseの概要
- 36. 36
日本企業の取組み例(続)
コマツ LANDLOG 日立 Lumada
• 建設現場の生産性を向上させるため生
産プロセス全体をつなぐオープンなIoT
プラットフォーム
• コマツ、NTTドコモ、SAPジャパン、オプ
ティムの4社からなる合弁会社で運用
• IoTなどで収集したデータを分析し、価
値創造して社会の役に立てるコンセプト
• 日立の様々な技術を活用して、より幅
広い課題に貢献しようという点に焦点を
あてている。
- 39. DS化に向けた先進企業の評価
• 卓越した製造企業が特定グローバルニーズを早期に発見
し早くから準備することは有利に働く(ABB Marine &
Ports)。
• 自社製品由来のサービスビジョンの範囲内でITベンチャー企
業を買収しDS化を進める方式は有りだが、組織改革、
実施スケジュールなどには細心の注意が必要である(ブリ
ジストンのフリート管理)。
• 寡占業界の寡占企業は圧倒的に有利である(Airbus)。
• 卓越した企業が先行している自社ソリューションを切り出し
てプラットフォーム展開することは有りだが
(Mindspher,LANDLOG,Lumada)、想定パートナー群の特
性や層の厚さなどで、競争企業との間に差異が生じる
可能性がある(Mindspher)(仮説2)。 39
特定用途向けソリューション
プラットフォームを活用したソリューション