SlideShare une entreprise Scribd logo
1  sur  10
2019/01/18
ホロモン
自己紹介(ホロモン)
 MRが楽しい
http://bluebirdofoz.hatenablog.com/
 Twitter:ホロモン(@HoloAdventure)
https://twitter.com/HoloAdventure
 ほぼ毎日更新
 現在はモデリング記事を連載中
 ほんとデジモン好き
公開中モデルの宣伝
 「HoloLensに自作キャラを登場させる」
というブログ初期の目的を達成できた
 ニコニ立体で FBX/VRM 形式で公開中
 ホロ恋子(れんこ)
https://3d.nicovideo.jp/works/td45484
 ポリゴン数
 8,240
 テクスチャ
 2048x2048(1枚)
今日のお話
 今年は母方の祖父とVR空間で正月挨拶をしました。
事の経緯
 祖父は去年の6月、天寿を全うした。
 写真は去年の正月休みのもの。場所は祖父自身が色々と自作したサンルーム。
 去年、2018年の正月休みに会ったとき、フォトグラメトリーを勉強していた自
分は、祖父にその技術についてどういったものか説明した。
 そのとき、フォトグラメトリーを試して見せるため、写真を12枚撮影した。
フォトグラメトリー
 複数枚の写真から被写体の3Dモデルを生成する。
 綺麗に3Dモデルを復元するには条件がある。
 様々な角度から撮影した写真があること
 光沢や照明環境などの変化が少ないこと
 被写体に特徴点が多いこと
 対象が静止した物体であること
3Dモデルは生成できるが……
 12枚の写真では非常に荒いモデルになってしまった。
 じっとしてもらう祖父に遠慮して12枚しか写真を撮らなかったこと
 無意識に祖父がカメラの方向を向いてしまっていたこと
 祖父が亡くなると同時にサンルームも片付けられてしまい、再びこの写真を撮
る事は叶わなくなった
 しかし、写真から判断しづらい「物体の奥行き」はきちんと復元できているこ
とに気付く……あれから1年間で私はモデリングの技術が上達した
モデリングソフトで手動修正する
 「もしかして今の私のモデリングスキルなら、これ
を綺麗にリトポロジーできるのでは?」
 モデリングソフトでリトポロジー作業を行った。
 部屋の小物は写真の形状と復元モデルのサイズ感を元に作り直し
 ポリゴンが欠けている部分と背面はメッシュとテクスチャを作成して張り直し
 最終的な総オブジェクト数は50個、製作時間は50時間程度(大晦日)
OculusGoアプリを作成
 最後に復元したモデルを表示するOculusGoアプリ
を作成した。
 今回、背面の写真がなかったため、モデルの後ろは正確ではなかった
 OculusGoは位置トラッキングができないため、視
点を正面に固定できる点がメリットになった
 祖父の腹部を上下させるシェイプキーを作成し、
息をしているようなアニメーションを加えるなど、
人形や写真ではできない表現も行えた
まとめ
 VRに思い出のシーンの「体験」を保存するツー
ルとしての価値を見出すことができた。
 人の手で復元できたということは今後、自動化
できる望みがあるかもしれない。
 今年も爺ちゃんに正月挨拶を行うことが
できました。

Contenu connexe

Tendances (6)

家電の話
家電の話家電の話
家電の話
 
チームラボ忘年会
チームラボ忘年会チームラボ忘年会
チームラボ忘年会
 
кинолог
кинологкинолог
кинолог
 
100円を持ってゲーセンに行こう!
100円を持ってゲーセンに行こう!100円を持ってゲーセンに行こう!
100円を持ってゲーセンに行こう!
 
ガチャとは心の所作
ガチャとは心の所作ガチャとは心の所作
ガチャとは心の所作
 
VTuberハッカソン 福岡 2018 ポラリス 最終発表スライド
VTuberハッカソン 福岡 2018 ポラリス 最終発表スライドVTuberハッカソン 福岡 2018 ポラリス 最終発表スライド
VTuberハッカソン 福岡 2018 ポラリス 最終発表スライド
 

Plus de Holo Mon

Plus de Holo Mon (15)

20230121_HoloLensMeetupVol32_Lt
20230121_HoloLensMeetupVol32_Lt20230121_HoloLensMeetupVol32_Lt
20230121_HoloLensMeetupVol32_Lt
 
20220623_HoloLensMeetupVol30_Lt
20220623_HoloLensMeetupVol30_Lt20220623_HoloLensMeetupVol30_Lt
20220623_HoloLensMeetupVol30_Lt
 
20220323_KobeHoloLensMeetupVol5_Lt_HoloMon.pptx
20220323_KobeHoloLensMeetupVol5_Lt_HoloMon.pptx20220323_KobeHoloLensMeetupVol5_Lt_HoloMon.pptx
20220323_KobeHoloLensMeetupVol5_Lt_HoloMon.pptx
 
20220118 holo lensmeetupvol29_lt_holomon
20220118 holo lensmeetupvol29_lt_holomon20220118 holo lensmeetupvol29_lt_holomon
20220118 holo lensmeetupvol29_lt_holomon
 
20210423 kobe meetupvol4lt
20210423 kobe meetupvol4lt20210423 kobe meetupvol4lt
20210423 kobe meetupvol4lt
 
20210322 holo lensmeetupvol25_lt_holomon
20210322 holo lensmeetupvol25_lt_holomon20210322 holo lensmeetupvol25_lt_holomon
20210322 holo lensmeetupvol25_lt_holomon
 
20210118 holo lensmeetupvol24_lt_holomon
20210118 holo lensmeetupvol24_lt_holomon20210118 holo lensmeetupvol24_lt_holomon
20210118 holo lensmeetupvol24_lt_holomon
 
20201003 kobe hololensmeetup_lt_holomon
20201003 kobe hololensmeetup_lt_holomon20201003 kobe hololensmeetup_lt_holomon
20201003 kobe hololensmeetup_lt_holomon
 
20200831 x r_developerscommunityconference_holomon
20200831 x r_developerscommunityconference_holomon20200831 x r_developerscommunityconference_holomon
20200831 x r_developerscommunityconference_holomon
 
20200729 holo meetupvol21_lt_mrtk_channelmapmaker
20200729 holo meetupvol21_lt_mrtk_channelmapmaker20200729 holo meetupvol21_lt_mrtk_channelmapmaker
20200729 holo meetupvol21_lt_mrtk_channelmapmaker
 
xRLT vol.3 HoloMon LT
xRLT vol.3 HoloMon LTxRLT vol.3 HoloMon LT
xRLT vol.3 HoloMon LT
 
Hololens2 hackday 2020 in Tokyo
Hololens2 hackday 2020 in TokyoHololens2 hackday 2020 in Tokyo
Hololens2 hackday 2020 in Tokyo
 
Holo mon in 3d viewer
Holo mon in 3d viewerHolo mon in 3d viewer
Holo mon in 3d viewer
 
RS4 Animation 3D Launchers
RS4 Animation 3D LaunchersRS4 Animation 3D Launchers
RS4 Animation 3D Launchers
 
RS4 3D APP Launchers
RS4 3D APP LaunchersRS4 3D APP Launchers
RS4 3D APP Launchers
 

Dernier

Dernier (7)

新人研修 後半 2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
新人研修 後半        2024/04/26の勉強会で発表されたものです。新人研修 後半        2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
新人研修 後半 2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
LoRaWANスマート距離検出センサー DS20L カタログ LiDARデバイス
LoRaWANスマート距離検出センサー  DS20L  カタログ  LiDARデバイスLoRaWANスマート距離検出センサー  DS20L  カタログ  LiDARデバイス
LoRaWANスマート距離検出センサー DS20L カタログ LiDARデバイス
 
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
 
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
 
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアルLoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
 

Hololen smeetup 13 holomon

Notes de l'éditeur

  1. ではLTを始めます。 発表名は「爺ちゃんにまた会うアプリを作った話」です。
  2. 始めに自己紹介をさせていただきます。 ハンドルネームは「ホロモン」です。よろしくお願いします。 HoloLensの活動としては「MRが楽しい」というブログを書いています。 最近はtwitterも始めました。IDはHoloAdventureです。こちらもよろしくお願いします。 とってもデジモン大好き人間です。
  3. 自己紹介に合わせて少し宣伝です。 この10月に昨年5月から目標に掲げてきた。 「HoloLensで自作キャラクタを登場させる」を達成しました。 作成した自作モデルを公開中です。 FBX/VRM形式なので是非使ってみてください。
  4. では、「今日のお話」についてです。 いきなりですが、こちらの写真。写っているのは私の母方の祖父です。 今年は祖父とVR空間で正月挨拶をしました。
  5. 事の経緯を説明しますと、この私の爺ちゃんは去年の6月に天寿を全うしました。 これは去年の正月休みの写真です。場所は祖父自身が色々と自作したサンルームです。 去年、2018年の正月休みに会ったとき、フォトグラメトリーを勉強していた自分は、祖父にその技術についてどういったものか説明しました。 そのとき、フォトグラメトリーを試して見せるため、写真を12枚撮影しました。
  6. 「フォトグラメトリー」について少し説明します。 簡単に言ってしまうと、複数枚の写真から被写体の3Dモデルを生成する。 綺麗に3Dモデルを復元するにはいくつか条件があります。 様々な角度から撮影した写真があること 光沢や照明環境などの変化が少ないこと 被写体に特徴点が多いこと 対象が静止した物体であること
  7. 当時撮影した、12枚の写真をフォトグラメトリーにかけて3Dモデルを復元したところ、非常に荒いモデルになってしまっいました。 じっとしてもらう祖父に遠慮して12枚しか写真を撮らなかったこと。 無意識に祖父がカメラの方向を向いてしまっていたこと、などが原因と思われます。 祖父が亡くなると同時にサンルームも片付けられてしまい、再び追加の写真を撮る事は叶わなくなりました。 しかし、この作成された3Dモデルを見ていて気付いたのですが。 写真から判断しづらい「物体の奥行き」はきちんと復元できています。 冒頭の話に戻りますが、この1年間で私はホロ恋子のキャラクターモデリングを完成させるなど、モデリングの技術が上達しました。
  8. 「もしかして今の私のモデリングスキルなら、これを綺麗にリトポロジーできるのでは?」 そう思い、復元した3Dモデルをモデリングソフトに取り込み、モデルを綺麗な形に修正するリトポロジー作業を行いました。 かなりの力技です。 部屋の小物は写真の形状と復元モデルのサイズ感を元に作り直しました。 その後、ポリゴンが欠けている部分はメッシュとテクスチャを作成して張り直し。 背面は想像してモデリングし、テクスチャは写真から見えている部分を抽出しました。 最終的な総オブジェクト数は50個、製作時間は50時間程度です。 大晦日にフル稼働しました。
  9. そして最後に復元したモデルを表示するOculusGoアプリを作成しました。 今回、背面の写真がなかったため、モデルの後ろは正確ではありませんでした。 OculusGoは位置トラッキングができないため、視点を正面に固定できる点がメリットになりました。 祖父の腹部を上下させるシェイプキーを作成し、息をしているようなアニメーションを加えるなど、人形や写真ではできない表現も行えました。
  10. まとめです。 今回、VRに思い出のシーンの「体験」を保存するツールとしての価値を見出すことができました。 人の手で復元できたということは今後、自動化できる望みがあるかもしれない。 何より、今年も爺ちゃんに正月挨拶を行うことができました。