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Plus de Kazuhiko Kawasaki (20)
1304白夜
- 2. 創立35年 を迎える
北海道スウェーデン協会
杉 本 I・F
北欧 との出会いは、25年前の川崎先生によるも
のです。 ノールウェイ トロムソ市で行われる
北方都市会議の下打ち合わせの途上、ス トック
ホルムで先生 がセ ミナー「サ ッポ ロデイinス
トックホルム」を企画 して くださいました。著
名な方々にお集 まりいただいて、川崎先生が「滋
賀県出身の私が 何故ス トクホルムか ら札幌に
移 り住んだかJを お話 しにな り、そして私が札
幌市 を紹介 させていただいた感激は今で も鮮明
な記憶 となっています。その後たびたび北欧諸
国の地域 を訪れ社会福祉、産業振興、自然環境
及び芸lj文 化等多 く学ぶ ことができた ことは、
私の人生にとって大 きな糧 とな りました。自夜
の紙面 を借 りて感謝申 し上げます。
さて、北海道スウェーデン協会は1978年 の創
立ですか ら、今年で35年 の年月を経過すること
にな ります。 これ まで多 くの人々によって有意
義な歩みをitけ てきた ことに敬意 を表 します。
地理的にも、自然 気候 も共通することの多い
北欧諸国、スウエーデンと姉妹都市提携をして
いる自治体 もあり、 また、札ll■ にはスウエーデ
ン名誉領事館、当別町には財団法人スウエーデ
ン交流セ ンターが存在 しています。更に北方圏
セ ンターか ら改称 した公益法人北海道国際交
流 協力総合センターが開催する北方圏講座な
ど、本年 もこれ ら関係団体 と連携 を密にしなが
ら北海道民 とスクエーデンとの交流を図つてい
くとともに、5年 後の日瑞交流150年 に思いを馳
せて協議 してまい りたい と考 えます。
く本 協会会長〉
木年 2月 、北海道出身の渡遣芳樹駐スウエー
デン日本大使 を昨年に続いてお招 きし、最近の
スゥェーデン情勢、そして「未来のために今 日
日本 とスウエーデンが出来 ることJと 題 して ご
講演 をいただ きました。当初 ジアリエ駐 日ス
ゥェーデン大使F■i下 との対談 を予定 していまし
たが、大使のマーシャル諸島への公務出張のた
めやむな く変更 になった ものです。しかし、ヴア
リエ大使は、ほぼ―昼夜航空機 を乗 り継いで大
変厳 しい吹雪の札幌においで下 さ り、短時間で
したが渡遷大使 と日本 北海道 とスウエーデン
の将来 について語 られた ことに出席者―同大変
感銘 を受 けました。その中で、大使 は2018年が
日瑞外交関係樹立150年、その時に何か両国の関
係を深化させる企画をと、希望 と夢 を私 どもに
与 えて くださいました。あまり時間はありませ
んが、知恵 を出し合いたい と考 えます。
そして今年はまた、北海道スウェーデン協会
にとつて つ の山が り角 を迎 えます。それは、
これまで中心 となってお働 き下 さつた東海大学
"1崎
一彦教授が、定年で札幌 を離れてスウエー
デンに転出されることです。スウエーデンと北
海道 とのパイプ役に一段のおl■lき をいただける
とのことですが、一l■ の不安 を覚 えます。私 ご
とにな りますが、スウエーデンをはじめ とする
- 3. 四半世紀の北海道
川 崎 一 彦
してはオし幌が最長です。期間だけではな く、 内
容 もこれ までの人生 で最 も充実 した もので し
た。 これ もお会い出来た皆様のおかげと、心 よ
り感謝 してお ります。
く北欧 〉
子 ども2人 力
'ス
トックホルムにお り、私 は毎
年夏休み、冬休みなど年に数回ス トックホルム
に行 き来する生活で した。
公私 を兼ねてス トックホルム と│し 幌の 2ヶ 所
で定点観調1を していた ことにな ります。定点観
測のメ リットは、ス トックホルムに居 る時は日
本 に居ては見 えない点が、そして札幌に居 る時
にはスウェーデンにいては見えない点が見 えて
くることです。
私が札幌 に住 んでいた四半世紀 はいわ ゆる
「失わitた 日本Jの 時期で したが、逆にJヒ 欧のさ
まざまな政策への注 目度 は世界的に高まって来
ています。た とえば、英国エコノミス トの 2月
2日 号は「北欧一次のスーパースターJの 大 き
な特集をしました。
世界が北欧に注 目する理由を一言で表現する
なら、福祉 (分 配)+経済 (生産)+持続可能性
総 量)を 3つ すべて手 にしている、からでしょ
うか。
〈教育 (改 革)〉
私は過去15年 ほどは、北欧、 とくにフィンラ
ン ドを ヒン トとする倉1造 性教育 の実践研究 に
もっとも力を注いできました。
矢Π業の現代 は、工業の時代 とは違 う教育 シス
テムが必要である、 との権信か らです。
知業時代に必要な能力は、何 よつも創造性で
'。
そ してクリエイテ ィブなアイデアを実行す
る能力 も大切です。 このような考え方か ら、払
はすべての長業にI● ける学生の到達目標 を創造
1生 と自己効力感 (自 分でも出来 るという確信)
の 2点 に業約 してきました。
全国にある東海大学の付属校園では知的財産
教育 (自 」造性教育 +起業―信
神教育)を 展開 し
北海道における私の四半世紀 (19882013)を
思 い起 こしてみ ます と、以下 の ような 6つ の
キーワー ドが浮かび上がってきました。
北海道
北欧
教育 (改 革)
幸せ
利他性 (altruヽm)
多樅 (d"ersity)
以下それぞれのキー7-ド についての想いを
簡単 にご説明させて頂 きます。
(北海道〉
私は北海道 とはもともと縁 もゆか りもありま
せんで した。
しか し、ジェ トロ (日 本貿易振興会)ス トッ
クホルム事務所勤務時代には、く北方圏交流)に
注力 していた北海道からの訪間者が多 く、たと
えば本協会の呈谷和貝Jさ ん とは、NoREX qヒ 方
圏経済交流協会)の北部スウェーデンミッショ
ン (1986年)で お手伝いをさせて頂いて以来の
おつ きあいです。
スウェーデンの生活が F・ かったので、 もう日
本の生活には戻れない、と私は思っていました。
そ して東海大学のオυ幌キャンパスに日本初の国
際文化学剖
`を
つ くるので来ないか、 というお誘
いを頂 きました。IL幌 せ
ド
見に来た時の私の印
象は、「札幌は日本離れ している。日本 にはしめ
ないが オU見 なら住 めそうJと いうもので した。
この印象は今で も変わ りません。
そして1,88年 ,月 にll任 してから北海道/札
幌 に25年間 四半世紀お世話にな りました。
私 は65歳 ですが、一カ所に住んでいた場所 と
- 4. てきました。 とくに、付属四高 (札 幌)で の工
幼推園の同児が ピツクカサル ミ幼稚国児 (フ イ
ンラン ド バ サ )と 共同で第1作 したアニメは
フィンラン ドの国際映画祭で最優秀作品の一つ
に選ばれました。
近年 に参加型 の授業 にも力 を入れてきまし
た。ファシリテーシヨン、ワークシヨツプな ど
評価からみると、学びやモチベーシヨンも確実
に高 まりました。
(幸せ〉
幸せは人類 にとつて古 くか らのテーマです。
しか し20世紀後半から近年 とくに幸せへの関
心
ドックス (先
も生活の満
課題先進国
と原発事故
の幸福度、な どがあります。
具体的には幸せについてOST(オ ープン ス
ペ_ス テクノロジー、北 ヨーロツパ学会‐2012
ベ ン トを開催 し、参l」 1名 か らは高い評価を頂 く
ことが出来 ました。
′ヽ 。
に北海道│こ おいて産業
クラスターづ くりを導入するお手伝いをさせて
頂 いた戸日―夫さん (元北電社長、会長、道経
連会長)や秋山喜代 さん (元 秋山愛生籠社長)
の強い印象が私の眼に焼 き付いているのは、自
分の会社の ことだけで
'ま
な く、より良い北海道
のことを常 に考 え、行動されていた利他性だか
らこそで しよう。
201011年 度に私 は内閣府の予算 による北海
道における社会的企業の起業支援 コンペの委員
を押せつか りました。この 2年間で123の 社会的
jL業が誕生 しました。年齢、性別、地域に関係
な く、「IL会 貢献 をするためl‐ 起業Jへ の関心の
高 さを実感 した事業で した。
学生の間でも社会貢献 に対する関心は確実 に
面 まつています。
く多様性 dVerJty〉
創造性 は多様性か ら■ まれます。 日本社会や
若者 を見ていると、むしろ―様性の方向に逆行
している懸念があ ります。昭和初期の詩人金子
みす ゞは「みんなちがつてみんないいJと 表現
しましたが、今 日の若者 は「みんな同 じでみん
ないいJな のか もしれません。
世界最大の家具チエ ン イケアジヤパ ンの
社員 (コ ワーカ )の 国籍 は30近 くもあるそう
です。多様性の中か らクリエイテイブな発想 と
企業の活力が出ています。Mar● n ProSp● rit 7
1nSittlteの Cloba CreatiVity lndcヽ
によオしばス
ゥェーデンが世界― クリエイテイブ、 との結果
が:Lて います。
北海道 におけるすげらしい四半世紀 をJ是 供 し
て下 さった皆様 とθ)出 会いに私は大切 にしてい
る 鵬 遁 (か いこう)Jと いう言葉 を使わせて頂
きたい と思います。
$ ( , +r"rr.rr rl rrL l
,L.n' a &, 1) rrt i aS|. t L/:
1 L-{ ,.l. v , l. )v t li l3ft1. L OftJt- illtu
- 5. お会 いす るの を楽 しみ に して お ります。Vaト
koml■ e,!
〈参考文献〉
川崎―彦「北海道と北欧との交流および大学生
力を活用した教育プロジエクト②Jビ ョルク
vOl l17 (2013 1)
"口
奇―彦「幸せについてWhy,ヽVhat?Ho゛ J
HOPPOKEN vol161(2012秋 号)
川崎―彦「北海道 における北欧 との交流および
大学生力を活用 した教育プロジェク トの実践
研究報告J北 ヨーロッパ研究 voL8(2012)
川崎―彦「コープきつぱろのCSR活動への大 き
な期待」コープさつぽろCSRレ ポー ト2012
く北海道スウェーディ協会常任理事、東海大学名
誉教授〉
川崎教授講演会「北欧
せ、日本の幸せ、北海道
の 幸
の華
せ、そして…」
横 山 隆
平成25年 1月 28日 月曜 日、ホテルモン トレー
エーデルホフオし幌にて、本協会新年交礼会 と常
任理事川崎―彦東海大学教授 による請演会 と
ワール ドカフェ方式による「 しあわせカフェJ
が開催 された.謝演の前半は
'脚
奇先生による多
角的な視点による「 しあわせJの 分析、L― 半は
70名 ほどの参加者が 3人 ずつのグループに分か
'■
たワール ドカフェ形式のワークショップ「し
あわせカフェJ力 河口嗜先生の司会で行われた。
このようなフークショップは初体験の参加者
も多 く、参加型の楽 しい譜演会形式に興省気味
の参加者 もいて、あつという間の 1時 間半 を過
ごしました。参加者の意見を,口嗜先生が下記の
様に極めて くださいました。
参加者の気 づ き、疑問点
く気づ き〉
60秒 で無駄な言葉 を使わないで相手 に伝 える
ことの難 しさを学んだ。
ディベー トの有用性
〈最幸な国〉いい言葉です │ これか らどんど
ん使 おうと思います。
幸せは自分の考 え方一つで感 じることが出来
る。
幸せか どうかは自分の考 え方次第。 とにか く
笑っていれば、幸せはやって来 る。辛せは L
を見ても下 を見て もきリカ
'な
い。
や りたい ことを見つけた時の自分に戻 ってみ
よう=幸せ
幸福 とは多面的な意味 を持っている。
幸せ といっても、過去の幸せ と現在の幸せの
どちらを考 えるのか ? 私は今の幸せを言い
た。
目標 を持つこと。何かにワクワク興味を持つ
時間 を持つ。振 り返 りをすること。
日本 は課題先進国
く疑 間点〉
今のLの 中は人間が幸せを求めて作 り上げた
便利 な世の中だが、環境汚染など代lQ‐ は多大。
もし人類 に リセッ トが出来た として も、人類
はまた同 じ道 を進み、それを幸せ と位置づけ
るのだろうか ?
個人的充足感 とマクロ 社会的満足度の相克
がある (寛 容な社会)
なぜ憲法に く幸せの追求)力`ないのか ?
スウェーデンは日本の参考 になるか ?
このままでは、子 どもの時代 には日本 はどう
なって しまうのか ? 産業全般が沈 んでい
る。
く本協会事務局長)