3. 幸育
-CULTIVATE HAPPINESS-
9AWK1182 藤村 一成
I. 幸育とは
II. 幸せの定義
III. 幸育に必要な「幸福感」
Ⅲ−1.遺伝によって決まる幸福感
Ⅲ−2.
「環境」と「意図した活動」によって変動する幸福感
IV. 幸育を実践している企業
Ⅳ-1.ディズニーランド
Ⅳ-2.スターバックス
Ⅳ-3.コールドストーンクリーマリー
Ⅳ-4.共通する概念
V. 幸育の敵
ブラック企業とは
VI. 働く幸せ
VII. 「幸育」を広めるために
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13. 「Make People Happy」の精神である。すべての人が幸せになるために掲げられたこの精神
は、いたるところに息づいている。例えば、クルー同士のやりとりにもこの精神は生きて
いる。クルーというのは、コールドストーンで働く従業員を指す。このクルー同士のやり
と一つをとっても「Make People Happy」を見る事ができる。例えば、そのクルーのとった
行為(アイスを作る、ワッフルを焼く、店内清掃をする等)が、素敵だ。すごい。と思っ
たらすかさず「ナイス○○」(店内清掃を褒めるときは「ナイスクリーン」と言う。)と声
をかける。すると、言われたクルーは「センキュー(Thank you)」と返す。
「きちんとあな
たの事を見ていました。素晴らしい。」という思いと、「見ていてくれてありがとう。」とい
う思いが互いに見えて来て、言われた方はより向上心を持てるし、今度は誰かにこの思い
をあげたい。という思いにかられ、相乗効果でどんどん皆が Happy になっていく。もちろ
ん、クルーだけではなく、やはり一番はお客に満足して頂くことである。だからこそ、お
客一人一人にあわせた対応、アイスがあるため、マニュアル通りにはいかない。中には、
マニュアルには反するようなお客からの要望はある。だが、そこで「できません。」ではな
く、「何とかしたい。」そういう思いにクルーは駆り立てられるのだ。そういう教育が、コ
ールドストーンではしっかり根付いている。
だからといって、何も無い訳ではない。時には、クルー同士喧嘩することだってある。
しかし、ただ喧嘩をするのではなく、互いに店の事を、お客のことを第一に考えるからこ
そ、時にはその考えがぶつかるときだってあるのである。お客と接する仕事にはきちんと
した答えはない。それは、一人一人根本的に求めているものは違うからである。だからこ
そ、そのお客にあったニーズに答えなければならない。きちんとした正解がないからこそ、
各自が悩み、答えを見つけ出そうと必死になる。そうなれば、ぶつかることは避けられな
い。結果的に、すべての人が幸せになる道が見つかればいいのだ。
Make People Happy の他にもクルーの中での鉄則がコールドストーンには存在する。この
鉄則は5つあり、それぞれ
⑴DO THE RIGHT THING(正しい事をしよう)
⑵BE THE BEST …BE No.1(常にナンバーワンを目指そう)
⑶BRING OUT THE BEST OUR PEOPLE(仲間のいい所を引き出そう)
⑷PROFIT BY MAKING PEOPLE HAPPY(人々の幸せから利益を得よう)
⑸WIN AS A TEAM(チームとして勝利をつかもう)
となっている。
この精神がぶれないようにクルー達は、日々の活動でも気を配って生活している。例え
ば、⑴DO THE RIGHT THING では、嘘をつかない。遅刻をしない。など、日常的なルールを
破らないようにするためにある。悪口を言ったりするのももちろんアウトである。普通の
店や会社では、「店長って○○で困る」や「あの新人使えない」など、悪口の宝庫である。
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14. が、コールドストーンは、その人に言いたいことがあったら、直接口で言う。尐し躊躇し
そうなことでもだ。それで喧嘩になることはあるが、先ほども言ったようにその行き着く
先に幸せになる道がみつかればいいのである。⑵BE THE BEST …BE No.1 では、常に上を目
指すことによって向上心をつける取り組みがなされる。例えば、新人であってもおかしい
なと思えば、店のことに口を出す。そうすることにより、いままでずっといたクルーには
分からなかった問題も見えてくる。さらに、お店のことでよく話し合いが行われる。そこ
でたくさんの意見が出て、その意見が反映されるからこそ、率先して意見を出し合い、お
店をよりよくしようと頑張るのだ。⑶BRING OUT THE BEST OUR PEOPLE では、仲間のいい所
を最大限に引き出す工夫が、店内業務で見て取れる。店内の業務は主に5つに分かれる。
CLEAN, POS, RANNER, WAFFLE, CLEMERL である。CLEAN は主に食器洗いや、清掃を担当。POS
はレジを担当。WAFFLE はアイスに必要なワッフルを焼く。RANNER は、アイスを作る際のト
ッピングやアイスの補充をしたり、飲み物を入れたり、と何でもこなす。そして、CLEMERL
はコールドストーンには欠かせない仕事である。それはアイスを作る(混ぜる)こと。こ
れがないと、コールドストーンの存在意義がなくなると言っても過言ではなないかもしれ
ない。この5つの作業を1時間交代でこなす。しかし、やはり人には得意不得意がある。
この人は、食器洗いは得意でも、人と接するのは苦手。この人は、人と接するのは得意だ
が、ワッフルを焼くのは苦手。やはり誰でも苦手なことは極力避けたいものだ。そこで、
この BRING OUT THE BEST OUR PEOPLE である。ワッフルを焼くのが苦手なら得意な人が代
わってあげる。そのかわりその人の得意なことをさせる。“苦手を克服することよりも、得
意を伸ばすことを大事にしている”のである。もちろん、苦手を克服することも大切だが、
それよりもその人の得意分野、いいかれば“個性”を大切にして、その仲間の“個性”を
活かす。これも、コールドストーンの魅力のひとつ。⑷PROFIT BY MAKING PEOPLE HAPPY で
は、お店の利益よりも、お客様の利益を優先して考えることを示している。たしかにお店
の利益も大切だが、どうせ利益を得るなら、お客様に最大限に満足してもらい、そこから
利益を得たい。そういう思いが込められている。だからこそ、歌を歌いながらアイスを作
ったり、自分たちでアイスからワッフルまですべて手作りで提供したり、お客様の HAPPY
の為に頑張ったりするのである。⑸WIN AS A TEAM では、読んで字のごとく「チームとして
勝利をつかむ」ことを大切にしている。勝利は何にでも置き換えることが出来る。たとえ
ば、その日の目標額に到達する。だとか、すべてのお客様に満足してもらう。だとか、挙
げだしたらきりがない。しかし、自分たちがチームである以上、お互い協力しあい、時に
はぶつかりあいながら、ともに、成長していく。そういった精神が、この WIN AS A TEAM
には見てとれる。
Ⅳ-4.共通する概念
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