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監視映像システムのための複数センサを活用した
イベントドリブン型適応レート制御の性能評価
Performance Evaluations of Event-driven Rate Adaptation
Using Multimodal Sensors for Video Surveillance System
小川啓吾 金井謙治 竹内健 甲藤二郎 津田利隆
Keigo Ogawa, Kenji Kanai, Masaru Takeuchi, Jiro Katto, Toshitaka Tsuda
Waseda University
アウトライン
1. 研究背景
2. 関連研究
3. 提案システム
4. 評価実験
5. まとめ
6. 今後の課題
1
NICT 「ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発」
鉄道とその周辺による情報センシング・通信ネット
ワーク基盤
2
クラウド
 土砂災害予測
 車両搭載センサからのデータ収集
・センサー
データ
・監視映像
データ
エッジサーバ
高品質な映像
モニタリ
ング
公衆網/自衛網
高機能ネット
ワーク
・エッジキャッシング
・エッジコンピューティ
ング
 地上設置センサからのデータ収集
: Senor nodes : Data aggregation nodes
3
研究背景
映像監視(video surveillance)システムの普及
• 行動の検知(歩いている,走っている)
• セキュリティー(空港や駅などの不審者検知)
• インタラクティブ(スマートルーム)
このようなアプリケーションに対する要求
• 高精度であること
• 低遅延であること
• システムがネットワーク帯域を圧迫しないこと
4
研究背景
現在の監視システム
• カメラにて撮影した動画をそのまま中央管理センターに送信
• 中央管理センターにて人が検知する
システムの大規模化,カメラの高精細化が進む
システムの生成するデータ量が増加
ネットワークの輻輳を引き起こす
前処理を行い,ネットワーク負荷を緩和する
スマートな監視システムが求められている
5
関連研究 - センサネットワーク
複数センサを活用した人物検知,追跡,位置推定の研究が進む
• レーザースキャナを利用した人物位置推定[1]
• スマートフォンのセンサを利用した人物位置推定[2]
[1] Y. Wada, T. Higuchi, H. Yamaguchi, and T. Higashino, “Accurate positioning of mobile phones
in a crowd using laser range scanners,” IEEE WiMob., pp. 430– 435, 2013.
[2] Jiang Xiao, Zimu Zhou, Youwen Yi, Lionel M. Ni, “A Survey on Wireless Indoor Localization
from the Device Perspective”,ACM Computing Surveys, 49.2, p25, 2016
6
関連研究 - センサネットワーク
カメラによって構成されるセンサネットワーク,
ビジュアルセンサネットワーク(VSN)[3]
データとして,動画像を収集できる
画像処理技術を活用することで,様々なタスクに応用可能
計算資源,ストレージなどの
リソースをどのように割り当てるか
という研究課題
[3] Youssef Charfi, Bell Canada, Naoki Wakamiya,
Masayuki Murata,
“Challenging Issues in Visual Sensor Networks”,
IEEE Wireless Communications, 16.2, pp44-49,
2009
7
関連研究 - エッジコンピューティング
ユーザに近い場所にサーバーを配置
• クラウドコンピューティングでネックとなってい
た通信遅延を改善
• エッジサーバーでデータの前処理を行うことで,
トラフィック量を削減
エッジサーバー
エンドユーザー
エッジサーバー
クラウドサーバー
8
提案システム
高品質な監視映像システム
a)高精度なイベント検知(e.g.,人物追跡)
b)低遅延な警告メッセージ配信
c)低負荷なネットワーク
の 3 つの要求条件
• エッジコンピューティング技術
• 複数センサを活用したイベント検知
• イベントドリブンレート制御
により要求を達成するシステムを提案
9
提案システム - 概要図
監視エリアに
接近
ビデオセグメント
センサーデータ
制御メッセージ
エッジサーバー
複数センサ
カメラ
監視エリア
(e.g., 踏切)
電車
クラウドサーバー
駅
 監視映像
 検知イベント (アラート)
低遅延通信
 イベント検知/予測
 動画品質制御
 コンテンツキャッシュ
エッジ処理
トラフィック削減
10
提案システム - 概要図
監視エリアに
接近
Video segments
Sensor data
制御メッセージ
エッジサーバー
複数センサ
カメラ
監視エリア
(e.g.,踏切)
電車
クラウドサーバー
駅
 Monitoring video
 Detected event (Alert)
Low latency delivery
 Event detection/prediction
 Control video quality
 Content caching
Edge processing
トラフィック削減
監視エリアに
カメラ,センサを設置
センサ,カメラ端末から物理的
に近い位置に計算資源を配置
(エッジサーバー)
データはクラウドサーバーに蓄積
システムの情報を利用する
エンドユーザ(駅,監視エリ
ア近くの電車など)
11
提案システム - 概要図
Approach to
monitoring field
ビデオセグメント
センサデータ
制御メッセージ
エッジサーバー
Multi-modal sensors
カメラ
監視エリア
(e.g., 踏切)
Train cars
クラウドサーバー
駅
 監視映像
 検知イベント (アラート)
低遅延通信
 イベント検知/予測
 動画品質制御
 コンテンツキャッシュ
エッジ処理
Traffic reduction
センサ,カメラから取得し
たデータをエッジサーバー
に送信,収集
エッジサーバーからセンサに
制御メッセージを送信
エッジサーバーではこれらの処理を行う
12
提案システム - 概要図
監視エリアに
接近
Video segments
Sensor data
Control
message
エッジサーバー
Multi-modal sensors
Camera
監視エリア
(e.g.,踏切)
電車
クラウドサーバー
駅
 監視映像
 検知イベント (アラート)
低遅延通信
 イベント検知/予測
 動画品質制御
 コンテンツキャッシュ
エッジ処理
トラフィック
削減
検知したイベント,動画をエン
ドユーザ(駅,監視エリア近く
の電車など)に低遅延で配信
13
提案システム - 概要図
監視エリアに
接近
ビデオセグメント
センサーデータ
制御メッセージ
エッジサーバー
複数センサ
カメラ
監視エリア
(e.g., 踏切)
電車
クラウドサーバー
駅
Low latency delivery
 Event detection/prediction
 Control video quality
 Content caching
Edge processing
トラフィック削減
エッジサーバーからクラウドサー
バーにアップロード
イベント情報を利用して,データ量を削減
14
提案システム - 概要図
監視エリアに
接近
ビデオセグメント
センサーデータ
制御メッセージ
エッジサーバー
複数センサ
カメラ
監視エリア
(e.g., 踏切)
電車
クラウドサーバー
駅
 監視映像
 検知イベント(アラート)
低遅延通信
 イベント検知/予測
 動画品質制御
 コンテンツキャッシュ
エッジ処理
トラフィック削減
15
提案システム - プロトタイプ
提案システムのプロトタイプを実装,評価
監視対象エリアを踏切と想定
踏切内における
• 人の有無
• 動作(動いているか,止まっているか)
を複数のセンサを活用して検知
16
提案システム - プロトタイプ
利用するセンサ
• レーザースキャナ[5]
• Windows PCでデータ収集
• 赤外線測距センサ[6]
• Arduino + Raspberry Pi3 でデータ収集
• Webカメラ[7]
• Linux PCでデータ収集
[5] HOKUYO UST-20LX [online]:
http://www.hokuyo-aut.jp/02sensor/07scanner/ust_10 lx_20lx.html
[6] SHARP GP2Y0A21YK [online]: http://www.sharpsma.com/webfm_send/1208
[7] Logitech HD Pro Webcam C920 [online]:
http://www.logitech.com/en-us/product/hd-pro-webc am-c920?crid=34
17
提案システム - プロトタイプで用いるセンサ
レーザースキャナ
扇形の領域に対して周期的にレーザー光を照射
物体からの反射光の伝搬遅延時間を計測,物体位置推定を行う
背景差分手法[8, 9]を利用し人物検知,追跡を行う
[8] Y. Wada, T. Higuchi, H. Yamaguchi, and T. Higashino, “Accurate positioning of mobile phones in a
crowd using laser range scanners”, IEEE WiMob., pp. 430– 435, 2013.
[9]A. Fod, A. Howard, and M. Mataric, “A laser-based people tracker”,Proceedings of the 2002 IEEE
International Conference on Robotics & Automation, pp. 3024–3029, 2002.
18
提案システム - プロトタイプで用いるセンサ
赤外線測距センサ
直線上の物体までの距離を計測
レーザースキャナと比較して機能は劣るが,安価で複数設置可能
システムに冗長性を持たせるために使用
出入り口に配置,人物の通過検知,人数検知を行う
19
提案システム - プロトタイプで用いるセンサ
Webカメラ
動画像による人物検知を行う
HOG特徴量およびオプティカルフローを活用し
た人物検知手法[10]
[10]S. Saika, S. Takahashi, M. Takeuchi, and J. Katto,
“Accuracy Improvement in Human Detection Using HOG Features on Train-Mounted Camera,”
IEEE GCCE 2016.
20
提案システム - ネットワークトポロジー
エッジサーバー
検知処理
検知結果
センサーデータ
レーザースキャナ,測距センサは
エッジサーバーにセンサーデータを送信
カメラはカメラ自身の計算資源を使用し検知,
検知結果のみエッジに送信
センサーベース,動画像ベースの
両手法のORを取り最終的な
イベント判定を行う
21
提案システム - イベント定義
表のようにイベントを定義,イベントに応じて動画品質を変更
イベント定義 監視対象 対象の状態 動画品質
危険度:高 歩行者 停止 高
危険度:中 歩行者 移動 中
危険度:低 歩行者 存在しない 低
危険度:高 危険度:中 危険度:低
❗️停止 ⚠️移動 ✅無人
表1 イベント定義
22
提案システム - レート制御
動画像圧縮レートについて
ネットワークの帯域 > 圧縮レート
とならなければいけない
式(1)のようにレートRを選択する
),,min( // backboneaccesshighmiddlelow BBRR  (1)
BbackboneBaccess
エッジサーバー クラウドサーバーカメラ
Rlow/middle/high
23
評価実験
提案システムを評価するために,研究室内にセンサを設置,実装
センサ,動画像データを取得後,イベントを判定
判定結果をもとにビットレートを変更してエンコーディング
データサイズについて評価
24
評価実験 - 実験環境
環境
図
赤外線測距センサ
レーザースキャナ
Web カメラ
赤外線測距センサ
3650mm
2100mm
25
評価実験 - 実験シナリオ
シナリオ
表
No.
歩行者の
数
停止の有
無
1 1 無
2 2 無
3 1 有
4 2 有:1,
無:1
5 2 有:2
No. 危険度:高 危険度:中 危険度:低
1 Default Default Default
2 Default Default 100kbps
3 Default 500kbps 100kbps
4 Default 1000kbps 500kbps
※Default: 3Mbps
表2 実験シナリオ 表3 動画像圧縮レートの組み合わせ
26
評価実験 - 実験結果(シナリオ5)
動画
27
評価実験 - 実験結果
1秒毎のデータサイズおよび検知された危険度の推移
危険度:中
危険度:低
危険度:高
検知ミスの発生
28
評価実験 - 実験結果
結果
グラフ2
動画像圧縮レートの組み合わせ間の
シナリオ全体におけるデータサイズの比較
29
まとめ
複数センサを活用したイベントドリブン型レート制御手法を提案
カメラ,レーザースキャナ,赤外線測距センサを活用し
イベント検知
危険度に応じて配信する動画像の品質を変化
結果→約60%にデータ量を抑えることに成功
30
今後の課題
イベント検知について
今回はセンサーベース,動画像ベースのORを取った
→より良い選択の仕方があるのではないか
検知の結果について
→QoSとしてどのように評価尺度を設定するか
実地検証
→実地にてシステムを実装,評価を行う
Q & A
1. 研究背景
2. 関連研究
3. 提案システム
4. 評価実験
5. まとめ
6. 今後の課題
1

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監視映像システムのための複数センサを活用したイベントドリブン型適応レート制御の性能評価

Notes de l'éditeur

  1. はじめまして,小川啓吾と申します. 本日は,監視映像システムのための複数センサを活用したイベントドリブン型適応レート制御の性能評価と題しまして,発表を行いたいと思います.
  2. こちらが本日の発表のアウトラインです.
  3. まずはじめに,研究背景について説明します. 近年,日本における社会インフラの監視,危険予知などが重要な研究課題の一つとなっています.この課題に対して,センサ-端末を鉄道車両や災害が起きやすい崖といった監視対象に設置し,日々の状態変化を監視する動きが盛んとなっています.我々はさらに,これら収集されたセンサーデータを効率良く処理するために,エッジコンピューティングの活用も想定しており,エッジコンピューティングを活用することによるアプリケーション遅延の向上も検証しています.
  4. こういった事例の応用例として,映像監視,ビデオサーベイランスシステムが存在します. この分野では,監視エリア内にいる人物が歩いているのか走っているといった行動の検知,空港や駅などの不審者検知などを行うせきゅりティー関連,スマートホームなどのユーザーと対話するインタラクティブシステムなどのアプリケーションが存在します. このようなアプリケーションに対する要求として, ・・・ があげられます.
  5. しかし,現在の監視システムなどにおいては,エリア内に設置したカメラにて動画を撮影し,それをそのまま中央管理センターに送信,そこで人力で検知しています. 今後,システムの大規模化,カメラの高精細化が進むと,このような手法ではシステムの生成するデータ量が増加し,ネットワークの輻輳を引き起こしたり,QoSの低下を招きます. そこで,何らかの前処理を行い,ネットワーク負荷を緩和するスマートな監視システムが求められています.
  6. 次に,この分野の関連研究について説明します. まず,一つ目は,センサネットワークです. 近年,複数のセンサを活用した人物検知,追跡,位置推定の研究が進んでいます. この分野では, レーザースキャナを利用した人物位置推定,スマートフォンのセンサを利用した人物位置推定などが先行研究として存在します. 監視エリアにあらかじめ設置したセンサを利用して検知を行うパッシブ型,ユーザーの保持するセンサを利用して検知を行うアクティブ型に分けられることが多いです.
  7. また,センサネットワークの一分野として,カメラによって構成される,ビジュアルセンサネットワークという分野が存在します. カメラを利用することで,データとして,動画像を収集できるため,画像処理技術を活用することで,様々なタスクに応用が可能となります. この分野では, 計算資源,・・・という研究課題が存在します
  8. 関連研究の最後は,エッジコンピューティングです. エッジコンピューティングとは,クラウドコンピューティングと比較してエンドユーザーにより近い場所にサーバーを設置します. これにより,くらうど...改善できたり,エッジ・・・を削減できるなどのメリットが生まれます.
  9. このような研究背景,関連研究をもとに,我々が今回提案するシステムについてお話しします. 高品質な監視映像システムでは,・・・の3つの要求条件が存在します. そこで,・・・を組み合わせて活用することで,これらの要求を達成するシステムを提案します.
  10. こちらが我々が提案するシステムの概要図です. 今回は,システムの想定環境を踏切と設定し,この概要図について解説します.
  11. 我々が提案するシステムにおいては,まず,踏切などの監視エリアがあります. 監視エリアには,カメラを含むセンサを複数設置します. そして,センサ,かめら端末から物理的に近い位置,たとえば近くの通信基地局などに計算資源を配置し,これをエッジサーバーと呼びます. また,システムの情報を利用するエンドユーザ,たとえば駅,監視エリア近くに接近している電車などが存在します. 最後に,取得した情報を蓄積するためのクラウドサーバーも設置します.
  12. センサやカメラから取得したデータは,エッジサーバーに送信され,収集します. データを受け取ったエッジサーバーでは,・・・の3つの処理を行い,センサには制御メッセージを送信します.
  13. エッジサーバーにて処理を行い,イベントの検知を行った後に,検知したイベント,動画をエンドユーザーに配信します. ここで,エッジサーバーとエンドユーザーの距離が近いため,低遅延で通信を行うことができます.
  14. また,エッジサーバーで収集したデータは,クラウドサーバーにアップロードします. この際に,イベント情報を利用して,データ量を削減することで,システムが生成するトラフィック量を削減します.
  15. 以上が我々の提案するシステムの概要です.
  16. これをもとに,今回我々は提案システムのプロトタイプを作成しました.プロトタイプでは,監視対象エリアを・・・
  17. 今回,プロトタイプでは,3つのセンサを利用しました....です.これらのセンサの概要と用途について説明したいと思います.
  18. まず,レーザースキャナです.レーザースキャナとは,・・・・を行うセンサです. 今回我々は,背景差分手法という手法を用いて,人物検知,追跡を行います.
  19. 次に,赤外線測距センサです. このセンサは,・・・を計測します.レーザー・・・・使用します・ 今回は,・・・を行います.
  20. 最後に,Webカメラです.Webカメラでは,接続しているPCにて,動画像による人物検知を行います. 人物検知の手法として,・・・を利用します・
  21. これらのセンサを,次のようにネットワークに配置し,通信と処理を行います.
  22. そして,今回のプロトタイプでは,先ほど申しましたように踏切を想定し,表1のように3つの危険度からなるイベントを定義しました. 今回のイベント定義では,対象を踏切内を通過する歩行者と設定し,歩行者の状態,踏切内にいないか,歩いているか,停止しているかで危険度を分けました.
  23. イベントを定義した上で,システムが使用する動画の品質を決定する必要があります. システムの動画品質を決定する動画像圧縮レートですが,・・・とならなければなりません. よって,式(1)のようにレートを選択します. R low, middle, highはそれぞれ対応する危険度の動画品質です. これらと,エッジサーバーセンサー間の帯域,エッジサーバークラウド間の帯域のうち,もっとも小さいものを選択します.
  24. 以上のプロトタイプを評価するために,研究室内に・・・ この評価実験では,・・・を判定し,・・・・しました. そして,システムが生成するデータサイズについて評価しました.
  25. こちらが今回の実験環境です. 研究室内に前述したセンサを設置し,情報を取得しました.
  26. また,表2のように5つの実験シナリオについて実験を行いました. 各シナリオにおいて,監視エリア内を通過する歩行者の数,歩行者が監視エリア内で停止するかどうかを変更させて実験を行いました. 取得した動画像をイベント検知した後,表3に示す動画像圧縮レートの組み合わせで動画像を圧縮しました. 表3についてですが,まず一つ目に,レート制御を行わない場合,次に,危険度が低い場合のみ低画質にする場合,最後に,3つの危険度に応じてレートを制御する場合に分けました.
  27. 以上をもとに,実験を行いました. この発表では,シナリオ4,歩行者の数が二人で,一人が停止,一人が通過するシナリオについて結果を示します. こちらが今回の実験の様子です. 右側がレート制御を行わなかった場合,左側が行った場合です. それぞれ,上側が秒毎のデータサイズ,下が実際の動画となっています. エリア内で歩行者が停止している間は高画質,通過している間は中画質,存在しない場合は低画質になっていることがわかります.
  28. 次に,1秒毎のデータサイズおよび検知された危険度の推移のグラフを示します.
  29. 最後に,動画像圧縮レートの組み合わせ間の,シナリオ全体におけるデータサイズの比較について示します. グラフより,レート制御を行うことでデータサイズの圧縮に成功していることが分かります. 今回の実験では,グラウンドtruthと比較してセンサを活用したときの方が圧縮率が下がってしまっていますが,これは先ほど申しましたように センサによる検知ミスが発生しているため,本来高画質で圧縮するべき所を違う品質で圧縮してしまっているためです.
  30. 最後に,まとめと今後の課題を話します. この発表では,・・・を提案し,そして・・・を用いてプロトタイプを実装しました. このシステムでは,・・・させることで,・・・に成功しました.
  31. 今後の課題ですが, まず,
  32. 以上で発表を終わります.なにか質問はありますか