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オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題
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Masahiko Shoji
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2014年5月17日行政経営フォーラム講演資料
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1.
オープンデータ・オープンガバメント の現状と課題 庄司昌彦 Masahiko SHOJI 国際大学GLOCOM
主任研究員 一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン 代表 理事 1
2.
オープンデータとは 2 オープンデータとは、自由に使えて再利用もでき、かつ誰で も再配布できるようなデータのことである。従うべきはせい ぜい「作者のクレジットを残す」あるいは「同じ条件で配布 する」程度である。 出典: http://opendefinition.org/ インターネット上等で「公表されたデータ」ではなく、 ・法的にオープン(=オープンライセンス/広く開かれた利用条件の) ・技術的にオープン(=編集加工のし易い形式の) なデータ。 開放資料
3.
3 オープン クローズド 公共機関 民間企業・団体 個人など オープンデータ ビッグデータ 個人情報 機密情報 公開可能な情報 自由に使える情 報 (オープンデー タ) 機密情報や個人情報を公開することではありません ビッグデータとオープンデータ
4.
オープンデータに関する議論 • EU指令2003年 – “加盟国は、公的機関が保有する情報の再利用が可能な場合には、商業・非商業 の目的を問わずこれらの情報が再利用可能であることを確保しなければならな い” •
OECD(2005)”Modernizing Government” – 国民からの信頼性向上、新しい民主主義の模索 – 情報開示強化による一層の透明化、政策形成への一層の国民参加を期待、 – 政府と国民の協働や国民の政府への接触の改善 • OECD閣僚級会合 ソウル宣言(2008) – 文化遺産、科学データを含む公的セクターの情報やコンテンツを、よりいっそ うデジタル形式で入手しやすくする。 • Noveck, Beth (2010) ”Wiki Government” – 「新たな技術を積極的に活用した協働の拡大が、よりよい意思決定と積極的な 問題解決をもたらし、さらには経済と社会の成長に拍車」 • 欧州委員会プレスリリース、2011年12月12日 – “欧州の政府機関は、まだ実現されていない経済的可能性の金脈(公的機関によ り収集された大量のデータ)の上に座っているようなものだ。” 4
5.
5
6.
• 透明性 Transparenc y • 積極的情報公開 •
データドリブン 意思決定 • 意思決定・行政 • 参加 Participation • パブリックコメ ント、 • クラウドソーシン グ • 民間による公共 • 協働 Collaboratio n • 組織・セクター 間の本格的な連 携 • 「プラット 6 米国:オバマ大統領 「Transparency and Open Government」 覚書 2009年1 月 「Open Government指令」 2009年12月 ホワイトハウスのウェブサ ト
7.
日本政府は「鉄の三角形」から オープンな政策サイクルへ • 鉄の三角形 – 中央省庁がアジェンダ設 定・利害調整で強い影響力 –
業界と密接に連携し許認 可・行政指導で利害を調整 – 与党が承認し国会審議へ – 開発主義期の産業政策では 効率的・効果的 • 90年代以降の変化 – 特定非営利活動促進法(98 年) – 情報公開法(99年) – 国家公務員倫理法(00年) – 連立政権(93年~)の常態 化による、与党間調整とい う新たな政策過程 – 内閣機能の強化 – 情報化による国民の知識生 産や協力行動の活性化 7 参考:チャルマーズ・ジョンソン 『通産省と日本の奇跡 』(1982 年)
8.
資源を有効に活用し 課題を自ら解決していく社会へ 8 行政 企業 社会 組織 企業 社会 組織 行政 「透明性・参加・協働」 米国 オバマ大統領
2009年 OpenGov覚書 「プラットフォームとしての 政府」 「Do It Ourselves」 米国 ティム・オライリー 2009年 「大きな社会」 英国 キャメロン首相2009年 演説 「新しい公共」 日本 鳩山由紀夫首相 2010年 施政方針演説 行政 筆者作成
9.
社会的なデータ循環へ データ提供 • 一元化 • 権利処理 課題発見分析 •
対話と協働 • リテラシー向上 開発 • 解決策、価値創 出 事業化支援 • 企業育成 • 市民活動支援 データ生成 • 活用を前提とした 形式・内容 データ活用 社会 個 人 の 権 利 保 護 行 政 内 部 で の 利 用 9 筆者作成
10.
イギリス政府 • Show Us
a Better Wayコンテスト (07年) – 公共データの再利用・マッシュアップ方法を公募) • Data.gov.uk開設(2009年12月) – 政府機関のさまざまな情報をワンストップで提供 – 可視化やアプリ開発を促す – ティム・バーナーズ=リー( world wide web 開発者)が推進 役 • 首相 透明性方針表明の書簡(2010年6月) – 全契約のオンライン公表(2011年1月) • オープンガバメントライセンスの制定(2010年9月) • Open Data Institute設立(2012年9月) 10 ブ ラ ウ ン 政 権 時 代 キ ャ メ ロ ン 政 権 時 代
11.
11 出典:http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/it_yugo_forum_data_wg/pdf/003_06_00.pdf
12.
データポータルサイト:Data.gov.uk 12 Data.gov.uk
13.
Open Government Partnership OK Festival,
OK Conference 13 • 2011年9月~ • 汚職撲滅と行政透明化を目指して米国・ブラ ジル等が主導。 • 約60カ国が参加(日本は不参加) 主催: Open Knowledge Foundationほか 参加者: 約1,000名 テーマ: 国際協力(Open Government Partnership),透明性, グリーン, 経済、OSS等 2014年は7月にベルリンで開催 http://www.opengovpartnership.org 写真:筆者撮影 英国政府 「オープンデータはグローバルス テージへ」 世界銀行 「開発のためのオープンデータパート ナシップ」のため、120万ドルを拠出
14.
コンテストの開催 ポータルサイトの開 設 14ニューヨーク市、ストックホルム市、ヘルシンキ市 パリ市、ベルリン市、台北市
15.
G8オープンデータ憲章 (2013年6月) 15 無料の政府データは,人々がより快適な現代生活を送る ための手段や製品を作るために活用することが出来 (略)民間部門での改革のための触媒となり,新規の市 場,ビジネス及び雇用の創出を支援する。 我々は,オープンデータが,イノベーションと繁栄 を可能にし,また,市民のニーズに合致した,強 固かつ相互に繋がった社会(略)ための大きな可 能性をもった未開発の資源であることに合意する。
16.
G8オープンデータ憲章 技術的別添 16 翻訳:OKFJ
17.
日本政府は世界30位。加速が必要 オープン・データ・センサス 2013 17 • 日本は、政府支出、企業登記情報、交通時刻表、立法の分野で低評価 •
どの項目もオープンライセンスの採用については「Yes」の評価を得ず • 日本はG8構成8カ国中6番目。 • オープンライセンスの適用を本格的に広げることが必要。 Open Data Census 2013 by Open Knowledge Foundation
18.
Why the wealthiest
countries are also the most open with their data 18 図:Oxford Internet Instituteより EMILY BADGER ワシントン・ポスト Wonkblog JP
19.
日本の「IT革命」の到達点と課題 • 「e-Japan戦略」から12年。情報通信基盤整備では世界最高水準に。 • IT基盤を活用し、「国民主導でITの恩恵を最大限享受する社会」は 未達 19 出典:平成23年情報通信白書
(総務省「ICT基盤に関する国際比較調査」(平成23年))
20.
世界最先端レベルの業界 • 道路交通 – 主体:自治体・国交省・警察
→道路交通情報センター → 民間企業/メディア – 情報:道路渋滞、工事、事故、通行履歴 • → 到着時間予測、事故対策、被災時通行可能道路 • 鉄道・バス – 主体:鉄道バス会社・子会社 → 民間企業 – 情報:時刻表、運行情報、 • → ナビサービス • 気象 – 気象庁 → 気象業務支援センター → 民間企業/メディア – 情報:気象予報、警報、過去データ、緊急地震速報 • → 高度な気象情報サービス、防災・災害対応 20 利用条件の緩和、低価格化でもっと進化させることはできないか? Google 自動車通行実績情報マップ ゆれくるコール by: RC Solution Co. 東京アメッシュ by 東京都下水道 局
21.
東日本大震災震災(2011年) • 透明性 – 「直ちに健康に影響が出 るものではない?」 –
PDFではなくHTMLや CSVでの情報提供を要請 • 参加 – データ提供・編集 – IT サービス開発 21 風@福島原発 石野正剛 Sinsai.info NERV専用臨時電力供給 監視装置集団 @Molokheiya 東京電力電力使用状況 Chrome extension Yoshiki Takeoka
22.
22 1. (行政の)透明性・信頼性向上 2. 国民参加・官民協働 3.
経済活性化・行政効率化 1. 政府自ら積極的にデータ公開 2. 機械判読可能な形式で公開 3. 営利・非営利目的を問わず活用促進 4. 取組み可能なデータから速やかに公開 目 的 原 則 電子行政オープンデータ戦略(2012年) 『世界最先端IT国家創造』宣言(2013年) 公共データについては、オープン化を原則とする発想の転 換を行い、ビジネスや官民協働のサービスでの利用がしや すいように、政府、(略)地方公共団体等が保有する多様 で膨大なデータを、機械判読に適したデータ形式で、営利 目的も含め自由な編集・加工等を認める利用ルールの下、 インターネットを通じて公開する。
23.
政府主催イベント・コンテスト 23
24.
24 データセット別の公開の現状と今後の取組予定 (「日本のオープンデータ憲章アクションプラ ン」より) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai53/plan_jp.pdf
25.
25
26.
政府データカタログサイト試行版 26 省庁名 データ数 国土交通省 2771 文部科学省
832 環境省 802 内閣府 755 財務省 705 厚生労働省 701 経済産業省 452 総務省 427 法務省 419 農林水産省 368 警察庁 276 防衛省 254 公正取引委員会 148 人事院 126 金融庁 93 外務省 93 宮内庁 78 消費者庁 45 内閣法制局 35 内閣官房 17 復興庁 11 合計 9408
27.
オープンデータの進め方 27
28.
5つ星オープンデータ byティム・バーナーズ=リー 28 ★ (どんな形式でも良いので) データをオープンライセンスでWeb上に公開 する ★★
データを構造化データとして公開する (例: 表のスキャン画像よりも Excel) ★★★ 非独占の形式を使う (例: ExcelよりもCSV) ★★★★ 物事を示すのにURIを使う。他者がデータにリンクすることができる ★★★★★ データのコンテキスト(文脈・関係)を提供するため他のデータへリンク する
29.
「5つ星」を目指すべきか? • 福野泰介氏(鯖江市、jig.jp) – 「RDFはまだ技術者にも浸透が浅く、Linked
RDFも完璧 ではないので、まずは三ツ星を目指したデータ公開を流行 らせたい」 • 「1つ星」化が最も低コストで、最も難しい – 2つ星:画像でなはくExcel – 3つ星:Excelではなくcsv – 1つ星(オープンライセンス)データの加工は民間でも可 能 • Rufus Pollock(Open Knowledge) – 「スモールデータこそが革命である」 29
30.
データ活用における課題 • 著作権、ライセンスに関する課題 – 収益性・インセンティブと創造性のバランス –
楽しみ方の変化→創造的消費 – クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC) • BY 出典明記 • NC 非営利 • ND 派生コンテンツ禁止 • プライバシーに関する課題 – 技術・制度的保護と心理的問題 • 非識別化、連結化等による再識別化の回避 • 不安を緩和するための透明性、信頼性確保(利用目的、 社会規範) 30
31.
31 (出典)総務省「ICT基盤・サービスの高度化に伴う新たな課題に関する調査研究」(平成25年) • 「オープン」化が原則だが、個別判断も必要 – 社会課題とプライバシーの兹合い –
地域での対話プロセス等が必要(マルチステークホルダープロセス) – 相談や被害届出、差止、救済の方法(ブレーキ)を用意してアクセル を踏む • 消費者、有権者の判断を支援するデータ提供 – 誰のためにデータを使うか?
32.
情報提供側の課題 • 利用しにくい – 「ネ申Excel」 –
スキャン画像 – 語彙、形式の不統一 • 本当に「All Rights Reserved」 なのか – 営利利用禁止 – 学術利用限定 • 無駄な業務 – 紙でしか保存しない – デジタルで作成したものを紙提 出(その後手入力) • 法的根拠の整理 – 公開が定められている • 「書面」と書いてある – 公開が禁じられている – 可否が定められていない – 「目的外利用」の可否 • 所在・管理の状態 – 把握されていない – 探せない – 死蔵されている • マインド – 誤解・批判を避けたい – 問題が起こるリスクの回避 32
33.
情報公開制度と商用目的の利用 • 名古屋市 – 平成
24 年度3,311件の請求のうち 商用目的が1,922件と半数以上 (58%) • 新井氏(明石高専) – 情報公開請求への対応で1日を費 やす職員もいるため、この労力は 深刻 – 情報公開請求の対象となることが 多いデータについて、オープン化 を是非検討していただきたい。 • 他市の状況 – 商用目的請求が多く、制度の趣旨 に合わない濫用として問題化 – 手数料増額、濫用防止規定設置等 • 政府 情報公開法改正案 (2013年※廃案) – 第二十五条 2 行政機関の長は、同一の行政文書 について二以上の者から開示請求 があり、その全ての開示請求に対 して当該行政文書の全部を開示す る旨の決定をした場合であって、 当該行政文書について更に他の者 から開示請求があると見込まれる ときは、当該行政文書を適時に、 かつ、国民が利用しやすい方法に より提供するよう努めるものとす る。 33 名古屋市についての新井氏の指摘は経産省公共データWG (2014.03)より
34.
地方自治体の取り組み 34
35.
福井県「データシティ」鯖江市 35 • 市内公園等のトイレ情報(XML) • 鯖江百景の位置情報等(XML) •
災害時の避難所の位置情報(XML) • 市内のAED情報(XML) • 鯖江市の施設(XML) • 市内のwifiの設置場所(XML) • さばえ検定100問(XML) • 人口、気温(XML) • さばかん(鯖江観光)情報(XML) • 公式ホームページのRSS • 鯖江市議会UST録画とトピック(XML) • 市が機械可読形式 データを提供 • 民間企業等が50種 以上のアプリを開発 ATR Creative Inc. 福野泰介
36.
静岡県 データカタログサイ ト 福井県 県・全市町の標準 化 36 • 県と17市町による電子自治体 推進協議会にオープンデータ推 進部会を設置 • 公開するデータの種類、内容な どを今後検討。 •
データ形式は、CSVに当面統 一する方針 • 県政策統計・情報課 – 「オープンデータ化の全国トッ プランナーになるよう県と市町 が協力して推進し、公開した データが県民に役立つ形になる よう取り組んでいきたい」(福 井新聞)
37.
37 横浜オープンデータソリューション 発展委員会 調査季報 オープンデータ特集 • 多様なテーマ・参加者でイベント •
人的ネットワークの形成 • 政府、他都市、海外、 市内の取組みを網羅 • クリエイティブコモ ンズライセンス「表 示」(CC BY)で 公開 • 日本初の地域版データポータル • 世界最多級の参加者 インターナショナルオープンデータデイ 2014
38.
川崎市(平成25年度政策課題研究) 「行政情報のオープンデータ化~川崎市における取組のあり方を考える~」 • 概要 – 市役所内意識調査、市内ニーズ調査、国内・海外先進事例調査を実施 –
具体的取組みを短期・中期・長期目標に整理し提言 • (1)オープンデータ化に向けた環境整備 – CCライセンス付与、市ホームページ全体の利用規約の変更・追加項目を提 案 – 二次利用可能化に向けた法的制約チェックリストの作成のための注意点提 示 – 委託契約約款の規定の変更等について提案 – 機会可読化のためデータ表記方法を「数値(表)」「文章」「地理空間情 報」に整理 – 現CMSを活用した取組→多機能専用ポータル構築を提案 – 市民・事業者からのニーズが高いと考えられる具体的なデータの分野を例 示 • (2)市民・事業者への普及啓発・利活用促進・ニーズ把握に向けた取 組 38
39.
ビッグデータ・オープンデータ 活用推進協議会 • 目的 – ビッグデータ・オープンデータ について、多くの市民に役立つ 情報の共有化のための活用及び 新産業創出・経済活性化などに 結びつくビジネスへの活用等の 面から、具体的な事業を展開す ること。 •
設置日 – 平成25年4月1日 • 構成団体 – 武雄市、千葉市、奈良市、福岡 市、三重県、室蘭市 • 会長 – 福岡市長 • 具体的な事業案 – ビッグデータ・オープンデータ 活用アイデアコンテスト – ビッグデータ・オープンデータ 活用に係る公開シンポジウム 39 http://www.city.chiba.jp/somu/joho/kaikaku/4city_meeting.html
40.
政令市・都道府県・東京特別区が推進 40独立行政法人情報処理推進機構 マーケット分析WG 地方自治体における情報システム基盤に関する調査
41.
制度的検討、施策の進め方、具体例、スキル等に課 題 41独立行政法人情報処理推進機構 マーケット分析WG 地方自治体における情報システム基盤に関する調査
42.
利活用・普及のための方法 1. 開発イベント – アイディアソン、ハッカソン –
データ発掘・登録 2. コンテスト – 賞金授与、開発協力、買取り、 オーソライズ 3. 仲介者・中間支援者 – 需要者のニーズを把握し情報公 開を政府機関に働きかける – ビジネスインキュベーション – ツール開発、交流 – データの整形・加工ビジネス 4. ポータルサイト – ワンストップ提供 – 国だけではなく自治体も開設 5. コンソーシアム – 会員等にデータを提供 6. API公開 – 復旧・復興支援制度データベー ス(復興庁等) 7. ランク付け・進捗評価 – Linked Open Data 5 Star” 8. 技術者・行政マッチング – Code for America 42
43.
International Open Data
Day 2014 • 2014年2月22日(土) • 世界170都市、日本32都市で開催 43 OKF Japan Flickrページより
44.
ハッカソンの課題と意義 • 課題 • 週末イベントだけでは、できることが限られる •
本当に現実の社会課題を解決しているか? • 市民・消費者向けの分かり易いものになりがち • 啓発・学習 – 社会課題やデータ、ツールに向き合う時間 – 異なる立場の人との対話からの気付き (官・民、業界、 職種) – 仕事から離れて自由な発想で課題に向き合う機会 • 人間関係 – 後につながるネットワーキング 44 プロダクトよりもプロセスが重要 長期で捉える (例:ヘルシンキ)
45.
ハッカソン以外の方法 • ニュース作成 – データジャーナリズムキャンプ •
データ発掘・登録 – データ発掘キャンプ • エディットソン – Wikipediaタウン • アーカイブづくり – Historypin 写真を用いた世代間対話 • ユーザ参加による既存サービスの改善 – イノベーションキャンプ(デンマーク政府) 45
46.
“Code For XXXXX” 46
47.
誰でも自由に使えるデータが 増えると どんなことができるか? 事例紹介 47
48.
晴れる確率 48 晴れ日数割合(%) 月\日 1 2
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 日/月 1月 72 73 72 73 73 75 65 72 78 73 77 68 65 78 78 67 85 65 73 73 68 72 65 68 80 72 73 77 72 65 70 1月 2月 68 72 67 78 70 68 72 68 68 67 57 67 75 68 68 63 55 60 58 52 65 67 58 55 67 47 57 63 2月 3月 43 58 58 52 58 53 57 58 58 57 58 53 73 65 53 50 57 60 67 53 47 45 43 47 50 55 62 48 48 53 45 3月 4月 55 42 58 53 57 62 43 40 48 42 45 42 43 47 53 35 58 50 48 53 45 50 43 45 52 50 53 55 50 47 4月 5月 38 33 43 42 45 48 35 50 47 40 35 45 50 48 45 42 42 43 30 40 62 40 50 37 52 60 47 48 37 52 35 5月 6月 45 50 42 42 45 45 42 33 37 28 25 27 23 27 28 38 42 23 38 25 22 27 32 33 15 27 27 25 42 30 6月 7月 25 25 22 30 35 38 28 37 32 32 40 37 25 45 40 37 33 35 38 40 35 43 55 50 43 58 58 60 57 63 63 7月 8月 60 57 58 62 62 60 57 65 55 57 53 52 60 60 55 55 52 58 55 53 42 33 45 57 58 33 50 50 57 42 48 8月 9月 62 50 57 42 47 48 40 45 48 53 50 38 35 40 33 40 38 43 53 43 45 35 42 33 37 38 35 40 37 43 9月 10月 38 53 50 47 32 37 32 37 45 58 45 52 48 50 58 57 52 62 47 52 53 60 68 52 48 60 63 55 57 55 65 10月 11月 65 62 68 70 55 57 53 65 58 50 62 67 58 58 57 58 48 55 58 52 65 65 60 67 67 73 60 57 68 58 11月 12月 67 72 72 63 70 63 72 72 65 73 60 67 73 72 77 77 72 77 68 77 75 72 78 73 68 65 80 75 70 75 67 12月 1953年から2012年の60年間のデータに基づく茨城県日立市に関するデータ 出典:日立市天気相談所 http://www.jsdi.or.jp/~hctenso/MetData/Statis/st_weat.htm
49.
By マット・スタイルズ 何月何日 生まれが 多いか? 49
50.
○○な人が多い地域限定のDM カスタムタウンプラス(JPメディアダイレクト) • タウンプラス – 日本郵便のサービス –
指定地域全戸に宛名なしDM を送付(配達地域指定ゆう メール) • カスタムタウンプラス – JPメディアダイレクトのサー ビス – 町丁目単位で最適な配布地域 を選定・分析し、タウンプラ スの効果を高める – 郵便配達箇所数や国勢調査な どの統計データを連動させた、 独自のGISデータベースを使 用 50出典:JPメディアダイレクト
51.
NGY Night Street
Advisor 明るい夜道を案内する安心・安全な歩行者ナビゲーションシステム • 明石工業高等専門学校 の作品 • 街路灯の配置・種類情 報から夜道の明るさを 推定表示 • ルート検索と組合せる ことで、安全な道を選 択 • 名古屋市提供データ10 万灯分を利用 • 経済産業省主催オープ ンデータユースケース コンテスト最優秀賞 51 明石工業高等専門学校
52.
民間による子育て情報の提供 • 千葉市 妊娠出産手続き 情報 –
Yahoo!と連携 – 「妊娠・出産 手続き&得 するお金チェックリスト」 サービスに活用 – 現時点では千葉市以外の自 治体では全国一律の一般的 な情報しか得られないが、 千葉市では妊婦や乳児向け 健康診断にかかる費用や、 独自の子ども医療費助成等 の情報を得られる 52 Yahoo!Japan
53.
民間による子育て情報の提供 • かなざわ育なび.net (横浜市金沢区) – 施設・イベント情報を場 所と生年月日で カスタマイズ提供使用 データは「二次利用可 能」な条件で一般にも提 供 –
行政内外からのアイデア で新サービス創出へ。ア イデアソン、ハッカソン 開催 53 かなざわ育なび.net
54.
米国MRIS: Metropolitan Regional
Information Systems 住む前に全てがわかる「不動産高度情報サービス」 • ワシントン・ボルチモア広域都市圏の不動産情報サービス(米国最大 規模) • 価格、写真、住宅ツアー、フロアプラン、地図のほか、公的機関から 入手したデータを選択・加工・編集し、利用者が理解しやすいような 形式で提供 • Homes Databaseというサイトを通じ一般消費者にもデータをわかり易 く提供 – 毎月平均50万人が訪れ、2万人もの新たな見込み客が生まれている – 住宅、住人、経済、学校、環境、QOL、地図等の分野ごとに詳細な情報を知ること ができる 54 高度、年間降水量、年間降雪量、1月の平均最低気温、7月 の平均最高気温、年間の降雤日数、年間の晴天日数、快適 指数、大気の品質、流域の品質、一人当たりの医師の数、 医療経費指標、汚染場所からの影響指数、紫外線指数など 学校の住所、電話番号、対象学年、生徒数、先生一人当た りの生徒数、生徒一人当たりの支出額、各学年の生徒数、 習熟度テスト(DC-CAS)の国語・数学・科学のテスト結 果 Metropolitan Regional Information Systems
55.
社会課題を解決する 5374.jp (Code for Kanazawa) 消火栓マップ(Code
for Aizu) 55 5374.jp (Code for Kanazawa) 消火栓マップ(Code for Aizu)
56.
Inteligent London 56 The interactive
tool for analysing data on the education and skills of young Londoners
57.
57 ちば市民協働レポート実証実験 [ちばレポ(トライアル)] • 参加者 • 約2ヶ月で765人 •
地域課題への関心や参画意欲が高い • 30-50代が多く若年層の尐なさが課 題 • 評価 • 63.5%がちばレポ経由の参画に肯定 的 • 仕組みは便利だと思う 95.4% • まちを見る意識の変化があった 69.0% • 約半数が市の対応に不満 • 「レポートがすぐに公開されない」 「対応中とされているのに進展がな い」「市以外の機関への連絡だけで 対応済みとなる」等、市民期待に 沿っていない • 迅速に対応できた案件や丁寧なコメ ントで対応した案件では満足度高い評価報告書より http://chibarepo.cloudapp.net/Pages/Map.aspx
58.
可視化による社会的インパクト 58 「税金はどこへ行った?」横浜市版 税金はどこへ行った? 市民参加型予算編成へ
59.
59 http://facts.city.fukuoka.lg.jp/
60.
60 伝わるインフォグラフィックス 経済産業省 自分で計算して みる尐子高齢化 (株)シンクトナイト 説明責任・啓発 可視化による社会的インパクト 日本の人口推移 by 徳間貴志 http://www.bowlgraphics.net/tsutagra/03/ http://www.thinktonight.co.jp/tt01.html
61.
漫画家:佐藤秀峰氏 「ブラックジャックによろし く」を 二次利用フリー化 電子書籍の売上が増大 7000万円以上の経済効果 61 野々下裕子「オープンデータシンポジウムに見る国内外のオープンデータの現状(下)イギリスの事例と二次利用フリーの経済効果」
62.
Open Open Open×
× Open Close d × 62
63.
G CB Bto
to to 地元産業 • 農林水産 • 観光 • 建築土木 • 伝統工芸 • エネルギー • 製造 • 流通…etc <現場の課題> ビジネス支援 ・ 業界プラット フォーム • コストの削減 • 仕事が楽になる • 事業機会の発見 • 市場の拡大 63
64.
農業:市場/直売所売上データ 株式会社いろどり (徳島県上勝町) • つまもの(葉っぱ)販売 – 年間2億円の売上(2011年) •
徹底した農家間データ共有 – 市場から上勝町JAに入った注 文情報 – 出荷状況、入札価格 – 販売動向予測、過去の出荷数 量と単価の比較 – 各生産農家の出荷実績、月間 売上金額(順位付き) 内子フレッシュパークから り (愛媛県内子町) • 道の駅(直売所) – 年間7億円の売上 • 販売情報管理「からりネッ ト」 – POS(販売時点即時情報管 理)を活用 – 出荷者はどこでも携帯電話で 売れ筋や残品をリアルタイム に確認 – 売れ行きに応じ、農家が新鮮 な作物を納入 – トレーサビリティにも対応 64 G to B to B to C
65.
The Climate Corporation
(アメリカ) • 農家向け保険商品Total Weather Insurance – 農作物の収穫を妨げる悪天候に対する収入補 償 – 地域や作物ごとの収穫被害発生確率を独自に 予測し農家・農場ごとにカスタマイズ – トウモロコシ、大豆、ソルガム。種まき期の 降水量、過剰降雤、干ばつ、日中の熱による 影響、夜間の熱の影響、冷害や凍結などの危 険要因が保険の対象 • データ – 国立気象サービスがリアルタイムに提供する 地域ごとの250万ヶ所から得る気象データ – 農務省が提供する過去60年の収穫量データ、 – 1,500億ヶ所の土壌情報 65 2006年に元Googleの従業員に よって設立された企業 数学、統計、神経科学等 の博士号を持つ解析専門 家10数名も参画 米モンサントが1100億円で買 収 ビジネス創出 The Climate Corporation
66.
Muse • オランダOpen Culture
Data Competitionで最優秀賞 • 著名な芸術作品を切り貼りし 新しい作品を創り出すことが できる – タブレットを使って、作品を選 び、好きな場所に配置し、組合 せ、個性的な芸術作品を創る • アムステルダム国立美術館が 保有するコンテンツを利用 • 素材(パーツ)から、作品や 作者への関心が芽ばえること を意図 66 出典:Muse App 教育・文化・芸術
67.
「個人」へのオープンデータ • イギリス「midata」 – ビジネス・イノベーション・職 業技能省のConsumer Empowerment
Strategy (2013) – エネルギー、金融、通信等20以 上の企業パートナー(個人デー タ提供者)が参加 – Open Data Instituteによるハッ カソンも実施 67 • 米国「Smart Disclosure」 – 政府による製品・サービスデー タ公開 • 保健社会福祉省:病院評価 • 教育省:教育機関情報 – 国民へのパーソナルデータの公 開 • 退役軍人省:各自の医療記録をダ ウンロードできるサービス (Blue Button) • メディケア受給者にも提供 • アプリ開発コンテストも実施 – 民間企業による製品やサービス 関連データの公開 • 国民へのパーソナルデータ提供 • 各自エネルギー使用情報をダウン ロードし分析できる ( Green Button ) 消費者の選択を支援する 出典:A federal government website https://mymedicare.gov/
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