19. Amazon FSx for Windows File Server 誕生背景
#jawsug
既存のストレージシステムとして、オブジェクトストレージには「Amazon S3」、「Amazon Glacier」があり、
ブロックストレージには「Amazon EBS」があり、ファイルストレージには「Amazon EFS」と大きく分けて4つ
のストレージがあった。そして、新しく「Amazon FSx for Windows File Server」と「Amazon FSx for
Lustre」の2つが発表された。
Andy Jassyがキーノートで誕生背景について語っており、『クラウドにおけるワークロードの多くは「Linux」
ベースだが、それでも「Windows」が重要である事は十分に認識している。
既存のファイルストレージであるEFSはWindowsインスタンスをサポートしておらず、
各所で不満の声が多く出ていた事に対して、対策を講じようと検討していた。
元々はEFSの一部の機能として動作させるよう検討していたが、ユーザは
フルマネージドで完全に互換性がある全く別のWindowsファイルシステムを求めており、
その声に応えるべく、今回の「Amazon FSx for Windows File Server」を発表する事と
なった』
20. Amazon FSx for Windows File Server 概要#jawsug
完全マネージド型のWindowsファイルサーバー
Windowsベースのアプリケーションが依存する互換性と機能を備えた共有ファイルストレージ
・SMB 2.0 - 3.1.1までサポートしているため、Windows 7、Windows Server 2008以降のWindowsに対応(Linuxも可)
・ストレージ最大64TB(Microsoft DFS Namespaceを使う事で最大300PBまで拡張可)、スループット最大2,048 MB/秒
・Active Directoryによるフォルダ、ファイルのアクセス制御が可能
・すべてのデータは保存時および転送中に自動的に暗号化
・すべてのデータはアベイラリティゾーン内で冗長化されている
・データのバックアップは増分バックアップにて日次での取得が可能
・現在対応しているリージョンは5つ(バージニア、オハイオ、オレゴン、アイルランド、東京)
・サービスを構築する前提として、AWS Managed Microsoft ADが必要
・世界的なセキュリティ標準であるPCI-DSS※1およびISO※2、HIPAA※3に準拠
※1:PCI-DSS:クレジットカード業界の情報セキュリティ基準
※2:ISO:国際標準化機構
※3:HIPAA:米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令
21. Amazon FSx for Windows File Server 料金体系①
#jawsug
Amazon FSx for Windows File Serverを利用する場合、以下の3点で従量課金される。
①ストレージ容量:ファイルシステムにプロビジョニングされた1ヵ月のストレージの平均容量の支払い
②スループットキャパシティ:ファイルシステムにプロビジョニングされた1ヵ月の平均スループットキャパシティの支払い
③バックアップ容量:バックアップは増分バックアップとなり、変更分のみが追加で保存される。1ヵ月あたりの平均バック
アップ保存容量の支払い
リージョン ストレージ容量
(GB/月)
スループットキャパシティ
(MBps/月)
バックアップ容量
(GB/月)
米国東部(バージニア北部) $0.130 $2.200 $0.050
米国東部(オハイオ) $0.130 $2.200 $0.050
米国西部(オレゴン) $0.130 $2.200 $0.050
EU(アイルランド) $0.143 $2.420 $0.050
アジア太平洋(東京) $0.156 $2.530 $0.050
22. Amazon FSx for Windows File Server 料金体系②
#jawsug
例:Amazon FSx for Windows File Serverを最低利用料金想定で利用した場合
前提:東京リージョン、ストレージ300GB、スループット8MBps、増分バックアップ100GB想定
①ストレージ:300GB×$0.156=$46.80
②スループット:8MBps×$2.53=$20.24
③バックアップ:100GB×$0.05=$5.00
◆合計:$72.04(ドル円112計算で8,068)
■既存ストレージ費用比較
・S3スタンダードクラス(300GB):$6.90
・EBS(300GB、スナップショット100GB):$35.00
・EFS(300GB):$90.00
■所感
用途がそれぞれ違うので、一概には言えませんが、Amazon FSx for Windows File Serverは上記に
加え、AWS MSADの料金($86.40)も加算される為、費用的なメリットは無いように感じられます。
23. FSx for Windows File Serverを使う上でのメリット
#jawsug
・これまでAWSで実現出来ていなかったWindowsインスタンスに対するSMBプロトコルを利用したフ
ルマネージドのファイルサーバと言う事で、AWS上でWindowsインスタンスを使っているユーザに対
して、数分で完全マネージド型のファイルシステムを提供する事が可能。
・既存オンプレADを利用しているユーザに関してもAWS Directory Serviceと信頼関係を結ぶ事で利
用可能となる。
・SMBプロトコルに対応した事により、Amazon EC2だけでは無く、Vmware Cloud on AWS、
Amazon WorkSpaces(仮想デスクトップ)、Amazon AppStream(アプリケーションストリーミング
サービス)をご利用されているユーザも簡単にファイルシステムを利用する事が出来る。
・クラウドのファイルサーバの為、通常オンプレミスでファイルサーバをNAS等で利用されているユー
ザは拡張要件や移行などを検討しなければいけないが、FSxでは拡張要件や移行などは考える必要無く、
利用頻度に応じて、容量を簡単に増減する事が出来る。
・セキュリティにおいてもユーザのデータが確実に保護されるよう、安全対策とコンプライアンスを多
層的に実装しており、保管中のデータや転送中のデータは自動的に暗号化されており、最高レベルの安
全基準を満たす事が可能。