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“できない学生”向けの 
学習(修)支援サービス 
- 企画・提案- 
2014年9月7日(日) 
Code4LibJapan2014(鯖江) ライトニングトーク 
株式会社エムエムツインズ 
代表取締役田邊稔 
tanabem@mmtwins.jp
Career Summary 
• 1988-1998 NTT & NTT DATA: SE and PM of Financial network 
system and Administrative information system 
• 1998-2011 KEIO Univ. Media Center: System Librarian 
• 2011-2013 NII: JAIRO Cloud and ERDB project 
• 2013- IT Consulting and Development: 
– SSO, EZproxy, E-Resource Stat, E-Book Delivery, Data analysis, CRM, 
Skill Database… 
・・・“Pirates of the Librarian”
背景:中央教育審議会(中教審)の審議・答申 
• 2008年3月、中教審において, 「学士課程教育の構築に向け 
て(審議まとめ)」が出された。審議まとめのなかで注目されて 
いるのが、学士課程で育成する「21世紀型市民」の内容を示 
した「学士力」である。 
• 2012年8月28日、中教審の第82回総会において,「新たな未 
来を築くための主体的に考える力を大学教育の質的転換に 
向けて~生涯学び続け、育成する大学へ~(答申)」を取りま 
とめた。
学習支援サービスの必要性 
学習支援サービスとは、学術情報からソーシャルメディアまで利用者の学習目標 
や学習方法にマッチした情報を定期的に自動配信し、それがどれだけアウトプット 
に貢献できたかを自己管理できる「インプット~アウトカム管理システム」である。 
期待される効果 
①情報の発見 
力や取捨選択 
能力(情報リテ 
ラシー)の向上 
②学びの姿勢 
の改善(主体的 
に学ぶ,失敗か 
ら学ぶ,他者か 
ら学ぶ) 
③主体性と協調 
性を学ぶことで 
就活にも役立て 
ることができる 
システム概要 
目的 
利用者の「学士力」向上利用者が選択した授業の課題に対して自 
・主体的な学習態度の形成 
・授業外の学習環境の充実 
授業の理解度、満足度向上 
・目標設定と達成度評価に 
よる徹底した自己分析 
・学習プロセスの可視化と共 
有による協調学習の実現 
課題 
①教員や関連部署への 
学内合意の形成 
②セキュリティと信頼性 
の確保 
③シングルサインオンに 
よる学内サービスのワン 
ストップ化の実現 
ら目標設定を行うことにより、参考文献や 
必要と想定される良質な情報を幅広く自動 
収集して定期配信を行うことで、学びのリ 
ズム(習慣)やきっかけを与える。 
また、その情報が成績などのアウトプット 
にどのように貢献したかを記録することで、 
確実な積み上げが可能となる。 
さらに、成績優秀者の学習プロセスを共有 
することで利用者は自分の学習態度や方 
法を見直す絶好の機会が得られる。 
※実装する機能 
①参考文献の自動収集と定期配信 
②情報の取捨選択と貢献度評価 
③シラバス連携、目標設定、達成度入力 
④情報共有、モデルケース参照 
⑤シングルサインオン、コミュニティ連携 
学力低下への対策について--( 2008 年3 月)中央教育審議会(以下、中教審)において、「学士課程教育の構 
築に向けて」(審議まとめ)が出された。審議まとめのなかで注目されているのが、学士課程で育成する「21 世紀型 
市民」の内容を示した「学士力」である。
参照モデル 
(文科省ICT 
生涯学習支援 
事業)
e-ポートフォリオ活用の基本的な考え方
ビジョン・ミッション 
・利用者に自分と向き合う勇気を持たせる 
・利用者に筋の良い情報を提供する 
・利用者と徹底的に寄り添う 
・利用者をリアルなコミュニケーションへ誘導する
学習支援サービス全体の概要 
■文献の自動レコメンド機能 
利用者の属性情報や興味・関心をベースに学術情報、ソーシャルメディア 
などを自動収集し、シラバスと連携して利用者へ定期配信する機能 
■情報の取捨選択機能 
レコメンドされた情報の中から利用者が必要なものとノイズを仕分ける機能 
■シラバス連携&目標設定機能 
シラバスより授業内容や課題等を自動収集し利用者が目標設定できる機能 
■達成度入力機能 
設定した目標に対し、どのぐらい達成できたのかを自己採点し記録する機能 
■情報の評価機能 
セレクトした情報がどれだけ役に立ったかの評価ポイントを入力する機能 
■メンバー間情報共有&モデルケース参照機能 
グループメンバー間で上記情報の一部を共有したり、成績優秀者の情報を 
モデルケースとして参照できる機能 
■その他の機能(各プロセスのロギング機能、統計機能など) 
データソース 
■学術情報 
■ソーシャルメディア 
■参考図書 
■シラバス 
■成績情報 
■就活情報など 
機能 
現在提案中のため詳細は非公開となります。 
アウトプット 
■授業内容や課題に 
マッチした文献情報 
■課題に対する目標 
■目標に対する達成度 
■情報ソースの評価 
■他のメンバーの情報 
■成績優秀者の情報 
■ログ・統計情報 
多様な情報を取 
捨選択する力が 
アップする 
学ぶ姿勢や 
予復習する癖が 
身に付く 
結果だけでなくプ 
ロセスについても 
分析が容易になる 
成績優秀者との 
比較ができ、次 
に活かせる 
期待される効果 
①どのようなデータ 
を使って、 
②どのようなシステム機能を 
構築すると、 
③どんな結果が 
得られるのか? 
④その結果、どのような効果が 
もたらされるのか? 
他のメンバーと情報 
交換したり、教職員 
からアドバイスを受 
けられる 
何卒ご容赦ください。
サービスの特徴 
• メインターゲットは「できない学生」 
• 学習プロセスや思考のクセを分析し、できる学生と比較 
• 教務課のシラバスや成績情報、情報センターの認証ログ、図 
書館の利用ログなど関連部署が持っている学生の情報を持 
ち寄ってつなぐ 
• 図書館の「文献レコメンドエンジン」をコアとする 
• 自己分析、評価分析をベースにした目標設定支援 
• 学生の属性、習熟度、興味・関心などにクラスタリング。さらに 
はパーソナライズ 
• セキュリティ、プライバシー情報への配慮
できる学生とできない学生の基本的な違い 
できる学生 
(学ぶ体制ができている学生) 
できない学生 
(学ぶ体制ができていない学生) 
できない学生に必要な要素 
特徴・性質 
・自分のことがわかっている 
・成功パターンを持っている 
・失敗分析もできている 
・他人の意見をよく聞く 
・自分のことがわかっていない 
・失敗してもほったらかし 
・他人の意見はスルー 
・自分の強み、弱みを知る 
・どんなに小さくても良いか 
ら数多く成功事例を作る 
学習態度① 
自分でツールを選び、他人から 
言われなくても自ら考え・行動 
できる 
・何から始めたらよいかわからな 
い。前に進めない。 
・すぐ折れる。自分で限界設定。 
徹底的に寄り添い、伴走す 
る 
学習態度② 
・学習が習慣化されている 
・1つの目標に集中 
・場当たり的で目移りしやすい 
・積み上がらない 
学習するきっかけと学ぶ楽 
しさ 
情報収集 
・文脈や仮説・シナリオがある 
・網羅的に情報を集める 
・図書館を積極的に活用 
・文脈がなく断片的 
・情報源はインターネットのみ 
・図書館を活用しない 
学習者の目標、理解度、利 
用シナリオに即したコンテン 
ツの提供(by図書館) 
目標設定 
・目標が最適化されている 
・到達目標から日々の学習行 
動が逆算設定されている 
・目標が漠然としている 
・目的・目標と手段を混同 
・自分に合った目標設定 
・最適な目標の設定と見直 
しの機会
なぜ、できない学生を対象とするか? 
• 仮説 
できる学生は・・・ 
– 自分で考え行動する習慣がある 
– 自分を知っている 
– 成功パターンを身に付けている 
– 放っておいても自分にあった勉強法やツールを見出すことができる
検索記録 
アクセス 
記録 
シラバス 
統合学習支援サービス 
学術情報収集&提供基盤(図書館) API連携学習支援基盤(教務) 
シングルサインオン(SSO) 
学内統合認証基盤(情報センター) 
利用記録 
履修記録成績情報 
提 
供 
ソーシャル 
メディア 
収 
集 
収 
集 
提 
供 
気づき 
発見 
学び 
習慣 
共有 
喜び 
組織間データ連携モデル 
文献情報 
認証ログ
文献レコメンドエンジンの利用シナリオ 
毎日定 
刻(毎朝 
8時等) 
に配信 
<〇〇さんへのお勧め 
文献リスト> 
□ AAAAA / 図書 
■ BBBBB / EJ 
□ CCCCC / 雑誌 
■ DDDDD / ブログ 
■ EEEEE / FB 
□ FFFFF / Tw 
除外保存 
チェックし 
た本を図 
書館で確 
認&貸出 
レポート 
を書く 
・ 
試験勉強 
をする 
OK / NG 
チェック 
データ 
収集 
データソース群 
成績 
優秀/不振 
? 
<貢献度ポイント> 
50点BBBBB / EJ 
20点DDDDD / ブログ 
30点EEEEE / FB 
<貢献度ポイント> 
80点AAAAA / 図書 
90点CCCCC / 雑誌 
60点FFFFF / Tw 
成績が不振だっ 
たBさんがチェッ 
クしたデータの 
成績貢献度が 
低かった 
成績優秀者Aさ 
んがチェックした 
データの成績貢 
献度が高かった 
次回に向けてフィードバック! 
機械に 
も結果 
を学習 
させる 
次回より推薦されにくくなるMy Spaceに保管 
要因分析 
評価 
AさんBさん 
データ 
分析 
レコメンド 
サービス 
フィードバック 
新たな気 
づき・ 
学習の習 
慣化 
自分が選択 
したデータ 
の成績貢献 
ポイントを 
入力する 
ログイン
・属性(所属,学年,専攻) 
・興味,関心キーワード 
・卒論テーマ(予定) 
・就職したい企業 
・尊敬する人物等々 
機関リポジトリ 
外部RSS 
成績情報 
CiNii/ERDB 
文献レコメンドエンジンのデータモデル 
プロフィール登録 
授業選択 
課題選択 
目標設定 
情報収集 
(自動・手動) 
到達度入力, 
情報評価入力 
ギャップ分析, 
プロセス比較 
シラバス 
My Space 
基本情報 
授業授業授業 
課 
題 
課 
題 
課 
題 
課 
題 
課 
題 
課 
題 
目 
標 
目 
標 
目 
標 
目 
標 
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標 
目 
標 
情 
報 
情 
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情 
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情 
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図書館 
ディスカバリー 
Twitter, 
Facebook,blog 
評 
価 
評 
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評 
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評 
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評 
価 
評 
価 
成績不振のBさん 
Aさん 
未 
達 
未 
達 
達 
成 
達 
成 
未 
達 
グループ共有, 
フィードバック指導者 
Bさん 
Cさん 
Zさん 
Xさん 
Yさん 
成績優秀者 
達 
成 
成績優秀者(A,X,Zさん)の行動記録を参照・比較成績不振者
図書館(員)に期待される役割 
• キュレーション(発見し、つなぐ) 
• サマライズ(要約する) 
• エンベディッド・ライブラリアン(様々な状 
況に図書館の機能を埋め込む) 
• データサイエンティスト(データ分析官)
学習支援システムの動向 
• JMOOC 
• SNS型データ管理システム「eポートフォリオ」(阪南大) 
• 教育のプロではない人が学習支援サービスについて積極的 
に考え、システムやコンテンツを生み出し始めている 
EduTech Japan 
http://www.ellab.jp/event/edtech-pitch-fes-vol-4/ 
• 誰から学びたいか?誰とつながりたいか?が重要なポイント 
に!
課題 
• 即効性が求められるが・・・ 
– そもそも成果を上げるには1-2年は必要 
– 気づきやきっかけを与え、そこから行動を起こさせ、楽しく継続でき 
るものでなくてはならない 
• シラバスの見直し 
– 地域格差、大学格差、先行や授業内容による格差、先生による格 
差をどう考えるか 
• プライバシーの確保 
– 利用ログや成績情報など個人情報と切り離す 
– PPDM(プライバシー保護データマイニング)の活用
展望 
• 電子リソースへの期待 
–文献を借りた(ダウンロードした)後に文献をどう利用 
したかが自動抽出できる時代に 
–図書館ビッグデータ 
• 図書館の評価指標の変革 
–来館者数、貸出冊数、アクセス数、ダウンロード数か 
ら利用者の利用行動、思考プロセスへ 
• 「自分史」の作成支援

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  • 1. “できない学生”向けの 学習(修)支援サービス - 企画・提案- 2014年9月7日(日) Code4LibJapan2014(鯖江) ライトニングトーク 株式会社エムエムツインズ 代表取締役田邊稔 tanabem@mmtwins.jp
  • 2. Career Summary • 1988-1998 NTT & NTT DATA: SE and PM of Financial network system and Administrative information system • 1998-2011 KEIO Univ. Media Center: System Librarian • 2011-2013 NII: JAIRO Cloud and ERDB project • 2013- IT Consulting and Development: – SSO, EZproxy, E-Resource Stat, E-Book Delivery, Data analysis, CRM, Skill Database… ・・・“Pirates of the Librarian”
  • 3. 背景:中央教育審議会(中教審)の審議・答申 • 2008年3月、中教審において, 「学士課程教育の構築に向け て(審議まとめ)」が出された。審議まとめのなかで注目されて いるのが、学士課程で育成する「21世紀型市民」の内容を示 した「学士力」である。 • 2012年8月28日、中教審の第82回総会において,「新たな未 来を築くための主体的に考える力を大学教育の質的転換に 向けて~生涯学び続け、育成する大学へ~(答申)」を取りま とめた。
  • 4. 学習支援サービスの必要性 学習支援サービスとは、学術情報からソーシャルメディアまで利用者の学習目標 や学習方法にマッチした情報を定期的に自動配信し、それがどれだけアウトプット に貢献できたかを自己管理できる「インプット~アウトカム管理システム」である。 期待される効果 ①情報の発見 力や取捨選択 能力(情報リテ ラシー)の向上 ②学びの姿勢 の改善(主体的 に学ぶ,失敗か ら学ぶ,他者か ら学ぶ) ③主体性と協調 性を学ぶことで 就活にも役立て ることができる システム概要 目的 利用者の「学士力」向上利用者が選択した授業の課題に対して自 ・主体的な学習態度の形成 ・授業外の学習環境の充実 授業の理解度、満足度向上 ・目標設定と達成度評価に よる徹底した自己分析 ・学習プロセスの可視化と共 有による協調学習の実現 課題 ①教員や関連部署への 学内合意の形成 ②セキュリティと信頼性 の確保 ③シングルサインオンに よる学内サービスのワン ストップ化の実現 ら目標設定を行うことにより、参考文献や 必要と想定される良質な情報を幅広く自動 収集して定期配信を行うことで、学びのリ ズム(習慣)やきっかけを与える。 また、その情報が成績などのアウトプット にどのように貢献したかを記録することで、 確実な積み上げが可能となる。 さらに、成績優秀者の学習プロセスを共有 することで利用者は自分の学習態度や方 法を見直す絶好の機会が得られる。 ※実装する機能 ①参考文献の自動収集と定期配信 ②情報の取捨選択と貢献度評価 ③シラバス連携、目標設定、達成度入力 ④情報共有、モデルケース参照 ⑤シングルサインオン、コミュニティ連携 学力低下への対策について--( 2008 年3 月)中央教育審議会(以下、中教審)において、「学士課程教育の構 築に向けて」(審議まとめ)が出された。審議まとめのなかで注目されているのが、学士課程で育成する「21 世紀型 市民」の内容を示した「学士力」である。
  • 7. ビジョン・ミッション ・利用者に自分と向き合う勇気を持たせる ・利用者に筋の良い情報を提供する ・利用者と徹底的に寄り添う ・利用者をリアルなコミュニケーションへ誘導する
  • 8. 学習支援サービス全体の概要 ■文献の自動レコメンド機能 利用者の属性情報や興味・関心をベースに学術情報、ソーシャルメディア などを自動収集し、シラバスと連携して利用者へ定期配信する機能 ■情報の取捨選択機能 レコメンドされた情報の中から利用者が必要なものとノイズを仕分ける機能 ■シラバス連携&目標設定機能 シラバスより授業内容や課題等を自動収集し利用者が目標設定できる機能 ■達成度入力機能 設定した目標に対し、どのぐらい達成できたのかを自己採点し記録する機能 ■情報の評価機能 セレクトした情報がどれだけ役に立ったかの評価ポイントを入力する機能 ■メンバー間情報共有&モデルケース参照機能 グループメンバー間で上記情報の一部を共有したり、成績優秀者の情報を モデルケースとして参照できる機能 ■その他の機能(各プロセスのロギング機能、統計機能など) データソース ■学術情報 ■ソーシャルメディア ■参考図書 ■シラバス ■成績情報 ■就活情報など 機能 現在提案中のため詳細は非公開となります。 アウトプット ■授業内容や課題に マッチした文献情報 ■課題に対する目標 ■目標に対する達成度 ■情報ソースの評価 ■他のメンバーの情報 ■成績優秀者の情報 ■ログ・統計情報 多様な情報を取 捨選択する力が アップする 学ぶ姿勢や 予復習する癖が 身に付く 結果だけでなくプ ロセスについても 分析が容易になる 成績優秀者との 比較ができ、次 に活かせる 期待される効果 ①どのようなデータ を使って、 ②どのようなシステム機能を 構築すると、 ③どんな結果が 得られるのか? ④その結果、どのような効果が もたらされるのか? 他のメンバーと情報 交換したり、教職員 からアドバイスを受 けられる 何卒ご容赦ください。
  • 9. サービスの特徴 • メインターゲットは「できない学生」 • 学習プロセスや思考のクセを分析し、できる学生と比較 • 教務課のシラバスや成績情報、情報センターの認証ログ、図 書館の利用ログなど関連部署が持っている学生の情報を持 ち寄ってつなぐ • 図書館の「文献レコメンドエンジン」をコアとする • 自己分析、評価分析をベースにした目標設定支援 • 学生の属性、習熟度、興味・関心などにクラスタリング。さらに はパーソナライズ • セキュリティ、プライバシー情報への配慮
  • 10. できる学生とできない学生の基本的な違い できる学生 (学ぶ体制ができている学生) できない学生 (学ぶ体制ができていない学生) できない学生に必要な要素 特徴・性質 ・自分のことがわかっている ・成功パターンを持っている ・失敗分析もできている ・他人の意見をよく聞く ・自分のことがわかっていない ・失敗してもほったらかし ・他人の意見はスルー ・自分の強み、弱みを知る ・どんなに小さくても良いか ら数多く成功事例を作る 学習態度① 自分でツールを選び、他人から 言われなくても自ら考え・行動 できる ・何から始めたらよいかわからな い。前に進めない。 ・すぐ折れる。自分で限界設定。 徹底的に寄り添い、伴走す る 学習態度② ・学習が習慣化されている ・1つの目標に集中 ・場当たり的で目移りしやすい ・積み上がらない 学習するきっかけと学ぶ楽 しさ 情報収集 ・文脈や仮説・シナリオがある ・網羅的に情報を集める ・図書館を積極的に活用 ・文脈がなく断片的 ・情報源はインターネットのみ ・図書館を活用しない 学習者の目標、理解度、利 用シナリオに即したコンテン ツの提供(by図書館) 目標設定 ・目標が最適化されている ・到達目標から日々の学習行 動が逆算設定されている ・目標が漠然としている ・目的・目標と手段を混同 ・自分に合った目標設定 ・最適な目標の設定と見直 しの機会
  • 11. なぜ、できない学生を対象とするか? • 仮説 できる学生は・・・ – 自分で考え行動する習慣がある – 自分を知っている – 成功パターンを身に付けている – 放っておいても自分にあった勉強法やツールを見出すことができる
  • 12. 検索記録 アクセス 記録 シラバス 統合学習支援サービス 学術情報収集&提供基盤(図書館) API連携学習支援基盤(教務) シングルサインオン(SSO) 学内統合認証基盤(情報センター) 利用記録 履修記録成績情報 提 供 ソーシャル メディア 収 集 収 集 提 供 気づき 発見 学び 習慣 共有 喜び 組織間データ連携モデル 文献情報 認証ログ
  • 13. 文献レコメンドエンジンの利用シナリオ 毎日定 刻(毎朝 8時等) に配信 <〇〇さんへのお勧め 文献リスト> □ AAAAA / 図書 ■ BBBBB / EJ □ CCCCC / 雑誌 ■ DDDDD / ブログ ■ EEEEE / FB □ FFFFF / Tw 除外保存 チェックし た本を図 書館で確 認&貸出 レポート を書く ・ 試験勉強 をする OK / NG チェック データ 収集 データソース群 成績 優秀/不振 ? <貢献度ポイント> 50点BBBBB / EJ 20点DDDDD / ブログ 30点EEEEE / FB <貢献度ポイント> 80点AAAAA / 図書 90点CCCCC / 雑誌 60点FFFFF / Tw 成績が不振だっ たBさんがチェッ クしたデータの 成績貢献度が 低かった 成績優秀者Aさ んがチェックした データの成績貢 献度が高かった 次回に向けてフィードバック! 機械に も結果 を学習 させる 次回より推薦されにくくなるMy Spaceに保管 要因分析 評価 AさんBさん データ 分析 レコメンド サービス フィードバック 新たな気 づき・ 学習の習 慣化 自分が選択 したデータ の成績貢献 ポイントを 入力する ログイン
  • 14. ・属性(所属,学年,専攻) ・興味,関心キーワード ・卒論テーマ(予定) ・就職したい企業 ・尊敬する人物等々 機関リポジトリ 外部RSS 成績情報 CiNii/ERDB 文献レコメンドエンジンのデータモデル プロフィール登録 授業選択 課題選択 目標設定 情報収集 (自動・手動) 到達度入力, 情報評価入力 ギャップ分析, プロセス比較 シラバス My Space 基本情報 授業授業授業 課 題 課 題 課 題 課 題 課 題 課 題 目 標 目 標 目 標 目 標 目 標 目 標 情 報 情 報 情 報 情 報 情 報 情 報 情 報 情 報 情 報 図書館 ディスカバリー Twitter, Facebook,blog 評 価 評 価 評 価 評 価 評 価 評 価 評 価 評 価 評 価 成績不振のBさん Aさん 未 達 未 達 達 成 達 成 未 達 グループ共有, フィードバック指導者 Bさん Cさん Zさん Xさん Yさん 成績優秀者 達 成 成績優秀者(A,X,Zさん)の行動記録を参照・比較成績不振者
  • 15. 図書館(員)に期待される役割 • キュレーション(発見し、つなぐ) • サマライズ(要約する) • エンベディッド・ライブラリアン(様々な状 況に図書館の機能を埋め込む) • データサイエンティスト(データ分析官)
  • 16. 学習支援システムの動向 • JMOOC • SNS型データ管理システム「eポートフォリオ」(阪南大) • 教育のプロではない人が学習支援サービスについて積極的 に考え、システムやコンテンツを生み出し始めている EduTech Japan http://www.ellab.jp/event/edtech-pitch-fes-vol-4/ • 誰から学びたいか?誰とつながりたいか?が重要なポイント に!
  • 17. 課題 • 即効性が求められるが・・・ – そもそも成果を上げるには1-2年は必要 – 気づきやきっかけを与え、そこから行動を起こさせ、楽しく継続でき るものでなくてはならない • シラバスの見直し – 地域格差、大学格差、先行や授業内容による格差、先生による格 差をどう考えるか • プライバシーの確保 – 利用ログや成績情報など個人情報と切り離す – PPDM(プライバシー保護データマイニング)の活用
  • 18. 展望 • 電子リソースへの期待 –文献を借りた(ダウンロードした)後に文献をどう利用 したかが自動抽出できる時代に –図書館ビッグデータ • 図書館の評価指標の変革 –来館者数、貸出冊数、アクセス数、ダウンロード数か ら利用者の利用行動、思考プロセスへ • 「自分史」の作成支援