ノッチがポインティングの操作時間に与える影響,スライド
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研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション（HCI），Vol.2022-HCI-199，Issue.2，pp.1-8，2022． 概要 MacBook Pro（2021）にはディスプレイの上端中央にノッチ（描画が行われない黒い領域）が配置された．デフォルトのカーソルサイズの場合，このノッチとカーソルが重なると，カーソルの全部もしくは一部が隠れてしまう状況が観察された．このような状況下では，ユーザはノッチ内でのカーソルの位置がわからなくなったり，カーソルを見失ってしまったりする可能性がある．それにより，ノッチを回避する経路をとったり，ノッチ付近で慎重に操作したりすることで操作時間が増加するかもしれない．本研究では，画面上端にあるターゲットから，同じく画面上端にある他のターゲットを選択する場合（例えば，メニューバーの「ファイル」項目を選択後，「検索」項目を選択する場合），ノッチが操作時間に与える影響を調査した．結果，本実験条件のうち，ノッチがターゲットの間にある条件では，操作時間が約 11.8% 増加することがわかった． https://research.miyashita.com/papers/D251
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ノッチがポインティングの操作時間に与える影響,スライド
- 5. !"#$ カーソルを⾒失うことによる影響 • Mouse Ether：複数の解像度の異なるディスプレイ間で起こるカーソルのワープを解消 • Field Mouse：⾼齢者がカーソルを⾒失いがちであることを指摘．マウスに触れると画⾯中央に配置 • Torus Desktop：ディスプレイをトーラスにしている場合，ワープ時にカーソルの探索が発⽣することを指摘 適切な視覚フィードバックの提⽰で，カーソルの探索を⽀援できることを⽰した Mouse Ether Torus Desktop (c)の視覚フィードバックが カーソルの探索に適する ※トーラス：画⾯端でカーソルを画⾯外側⽅向に移動させた時に反対側の画⾯端からカーソルが出てくる設定
- 6. !"#$%&'()*+,-./ フィッツの法則 ターゲットまでの距離(A)とターゲットの幅(W)から操作時間を予測 !" = $ + &'(，'( = log, - . + 1 0 1 6
- 7. !"#$%&'()*+,-./ ２次元ターゲットの操作時間予測モデル !" = $ + & log* + , - * + 1 − + , 0 * + 1 Yamanaka：画⾯端から同じ画⾯端のターゲットを選択する操作時間はこのモデルで予測できる , - 0 ターゲットの⾼さ(H)を考慮 7 本研究が対象とする状況の操作時間もこのモデルで予測できる可能性
- 8. !"#$%&'()*+,-./ ターゲット付近の障害物（他のターゲット）による影響 Blanchら：ターゲット付近の障害物の密度(!)が減少すると，操作時間が減少することを⽰す "# = % + '() − +(,， (, = log0 1 2 （0 ≤ ! ≤ 1，１が障害物とターゲットの間に間隔がないことを⽰す） Usubaら：ターゲットと障害物の間隔(I)が減少すると操作時間が増加することを⽰す ※ターゲットと全ての障害物のIDが等しい状況を想定している "# = % + '1() + '0 log0 1 ( + 0.0049 + 1 ( ( 8
- 9. !" タスク デザイン W： ターゲットの幅 6，14，23 mm I： ターゲットとノッチの距離 0，3.41，6.28，11.9，∞ mm Position： ノッチの配置 Inside：ノッチがターゲット間 Outside：ノッチがターゲット間の外側 A： ターゲットまでの距離 100，200 mm ピンク⾊の開始ターゲットを選択→緑の終了ターゲットを選択 Start： タスクのカーソルの開始位置 Contact：画⾯端に接する Far：画⾯端から6mm離れている ※! = ∞はノッチがない条件 9 終了ターゲットを選択するまでの時間，終了ターゲットを選択できたか（タスクの成否） 計測値：
- 10. 10
- 11. !" エラー率ER Wで主効果 エラー率ER 操作時間MT 操作時間MT A，W，I，Positionで主効果 !×#$%&'&$(で交互作⽤ ノッチとターゲットが隣接している条件と，ノッチがない条件を⽐較 ターゲット間にある場合： 約11.9%増加 ターゲット間の外側にある場合： 約4.93%増加 ノッチが操作時間を増加させることがわかった ノッチはエラー率に影響を与えない可能性 11
- 12. !" 操作時間MT ノッチとターゲットの距離が近いほど操作時間が増加 ノッチが配置されることで有意に操作時間が増加 ノッチ付近にターゲットを配置することは操作時間を増加させると考えられる ノッチとターゲットの距離(I)の影響 • ターゲット間の外側：! = 11.9， ! = ∞に有意差なし • ターゲット間の内側：! = 11.9， ! = ∞に有意差なし．有意⽔準5%に近かった． ノッチの左右⽚⽅のみにターゲットを配置し， ! = 11.9mm以上離すことでノッチの影響が最⼩になる → 現実的でない．左右に分けて' = ((. )mmより⼤きく離すことが望ましい 12
- 14. !"#$%&'() • 2次元モデルがフィッツの法則より⾼い!" !" = 0.929，()* = 583 • ターゲットと障害物の距離を考慮したモデルでも⾼い!" ./ = 0 + 23)4 + 2" log" 1 ) + 0.0049 + 1 !" = 0.934，()* = 579 ./ = 0 + 2 log" ; ( < " + 1 − ; ( > " + 1 ( < > ) ) 14
- 15. !"#$%&'() 2次元モデルに，ターゲットと障害物の距離を考慮した!の項を追加 "# = % + '( log, - . / , + 1 − - . 2 , + 1 + ', log, ( 345.5578 + 1 9, = 0.943，>?@ = 574 最も⾼い9, ，最も低い>?@ > C D ? 15 2次元モデル Iの項