9. §2 2 次 関 数
1 2次関数とグラフ
【 2次関数 】
2つの変数の関係を2次式で表すことのできる関数を2次関数といいます。
2次関数には、基本形: y = ax2、一般形: y = ax2 + bx + c 、標準形:
y = a (x – p)2 + q の3つの形があります。通常、2次関数は一般形で表さ
れることが多く、グラフの軸や頂点を求めたいときなどに標準形へ変形しま
す。この変形のことを平方完成といいます。
【 2次関数とグラフ 】
では、2次関数の基本の形である y = ax2 のグラフを描いてみましょう。
y = ax2 のグラフは、y軸を軸、原点を頂点とする放物線になります。そし
て、a の値が正のときグラフは下に凸となり、負のときグラフは上に凸と
なります。(上下どちらに出っ張っているのか: 下に凸→
上に凸→
)
y = ax2 のグラフを x軸方向にp、y軸方向に q だけ平行移動したグラフの
方程式を考えてみましょう。この場合の平行移動は、y = ax2 の y に
y – q、x に x – p を代入すればよいので、整理すると 標準形の形である
y = a (x – p)2 + q になることが分かります。このグラフは、直線 x = p を
軸、点(p, q)を頂点とする放物線になります。
10.
11. 例 題
(1) 関数 y = x2 のグラフを x 軸方向に1、y 軸方向に – 2 だけ平行移動したグ
ラフの方程式を、y = ax2 + bx + c(一般形)、y = a (x – p)2 + q
(標準形)のそれぞれの形で求めよ。
(2) (1)で求めたグラフの方程式のグラフについて、頂点の座標と軸の方程式
を求め、グラフを描け。
解 答
(1)
x 軸方向に 1、y 軸方向に – 2 の平行移動であるから、y = x2 の x に
x – 1、y に y + 2 を代入します。
それぞれ代入すると、
y + 2 = (x – 1)2
y = (x – 1)2 – 2
… y = a (x - p)2 + q(標準形)
展開して、
y = (x2 – 2x + 1) – 2
y = x2 – 2x – 1
… y = ax2 + bx + c(一般形)
(2)
頂点の座標や軸の方程式を求めたいときは、y = a (x – p)2 + q の形を見
よう。(1)より、y = (x – 1)2 – 2 だから、
頂点: 点(1, –2)
軸の方程式: 直線 x = 1
また、グラフは右のようになります。
※ y 軸との交点は、x に 0 を代入して求める。
12.
13. 2 2次関数の最大・最小
2次関数の最大値、最小値を求めるときには、グラフを描いてみると分か
りやすくなります。では、y = x2 + x + 1 の最大値、最小値について考えてい
きましょう。
【 2次関数の最大・最小 】
y = x2 + x + 1 のグラフを描きます。そして、グラフを見てみます。そうす
1
3
ると、最小値は x = –
のとき – 、最大値はないと簡単に求めることがで
2
4
きます。
【 区間における最大・最小 】
では次に、x の変域(変数 x が取る値の範囲)に制限のある場合を考えてみ
ましょう。次の3つの変域での y = x2 + x + 1 の最大値、最小値を(グラフ
に変域を書きながら)求めていきます。
① –2 ≦ x ≦ –1
グラフに変域を書いてみると、最大値は x が –2 のとき、最小値
は x が –1 のときの y の値であることが分かると思います。
② –1 ≦ x ≦ 0
①と同様にグラフに変域を書き加えてみると、最大値は x が –1、0
のとき、最小値は、x が
のときの y の値であることが分かります。
③ 0≦x≦1
①と同様にグラフに変域を書き加えてみると、最大値は x が 1 の
とき、最小値は x が 0 のときの y の値であることが分かります。
あとはそれぞれ、 y = x2 + x + 1 に x の値を代入すれば、最大値、最小値
が求まります。
61. §4 a n d ・ o r
1 and,or
andと or の違いについて説明します。
andとは「かつ」ということで、orとは「または」のことです。
A と B という2つの集合があるとすると、
A and Bとは「A かつ B」、A or B とは「A または B」ということを示しま
す。
この2つは、前々回の内容の和集合・共通集合と一致します。
和集合は、「A 、Bの少なくとも一方に属している要素全体の集合」
共通集合は、「Aと B のどちらにも属している要素全体の集合」でしたね。
63. 例 題
(1) A and B と、(2) A or B は、次のどの集合に一致するか。
・和集合 ・共通集合 ・補集合
解 答
(1)
A and Bは「AまたはB」なので、
「A 、Bの少なくとも一方に属している要素全体の集合」である和集合と一
致します。
(2)
A or Bは「AかつB」なので、
「 Aと B のどちらにも属している要素全体の集合」である共通集合と一致し
ます。
64. 【 練習問題 】
部分集合A = {1, 3, 5}、部分集合B = {1, 2, 5}とします。
(1) A and Bを求めなさい。
(2) A or Bを求めなさい。
(3) Ā and B と Ā or B を求めなさい。