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体液⑤
体液異常は8種類
Na量 or EC
F

不足
高N
a血
症
血
清 145
N
a
濃
度
(
浸
透 135
圧
)
低N
a血
症

高張性脱水++
(Na量も水も欠乏)

等張性脱水

低張性脱水

高張性脱水+
(Na量正常だが水欠
乏)

過剰
Na過剰

(Na過剰水欠乏も含
む)

Na量
に対
して
の自
由水
の
割合

正常

SIADH

不足

心不全
肝硬変
ネフローゼ症候群

過剰
脱水

浮腫性疾患
高Na血症の考え方①
血清Na濃度が146mEq/l以上の状態
Naと水の喪失−摂取バランスがNa>水
循環血漿量は病態によりさまざま
正常

Na

等張

水

水欠乏

Na

Na過剰

Na

水

低張

水

低張

水Na過剰

Na

水

低張
高Na血症の考え方②
高Na血症も問題点はICFが減少すること
神経系細胞の機能異常
1.
2.
3.
4.
5.

性格変化
せん妄
興奮
痙攣
意識障害(傾眠−昏睡)

 血管破裂による脳出血、くも膜下出血
高Na血症の鑑別①
Naと水の喪失−摂取バランスがNa>水の病
態
原因としては大きく分けて2つ
1. 水または低張体液の喪失でNa>水
2. 高張性のNa摂取でNa>水
高Na血症の鑑別その②
腎外性

腎性

 消化管:嘔吐、下痢、

 中枢性尿崩症:

チューブによる吸引
 皮膚:火傷、発汗過多

 不感蒸泄分の補充不
足:皮膚や呼吸器からの
喪失と摂取不足
Na

水

外傷後、腫瘍性、炎症性
疾患、肉芽腫性疾患、特
発性、動脈瘤、ギランバ
レーsyn

 腎性尿崩症:
髄質嚢胞性疾患、高Ca血
症、低K血症、薬剤(リチウ
ム)

 その他:ループ利尿薬、
低張
浸透圧利尿l、閉塞性解
除、急性尿細管壊死後
※水または低張性体液の喪失は腎性か腎外性か
の多尿
高Na血症の鑑別③
Naの投与:
1. 高張性食塩水や高張性重炭酸Naの輸液投与
2. 高張性経管栄養食
3. 食塩摂取や海水摂取

 原発性アルドステロン症
 クッシング症候群
高Na血症が持続する理由
通常なら視床下部の浸透圧受容体が感知
1. ADH分泌亢進
2. 口渇刺激亢進による飲水

このうち飲水(自由水)が補正には大切
つまり水補給がないと持続する
1. 不適切は輸液+ベッドに縛り付けられて水が
飲めない(医原生)
2. 脳障害でレセプターが障害
高Na血症の鑑別④
 ECFが増加しているか減少しているか正常か
 尿浸透圧↑(500-800)かつ尿量↓:
浸透圧利尿or腎外性体液喪失(腎機能正常)
 尿浸透圧↓尿量↑:ADH不足、尿崩症(腎機能異常)
ECF
減少

正常

尿中Na
高値

尿中Na
25以下

腎外性

増加

25以上

腎性

尿崩症
本態性
高Na血症

医原性Na
投与
鉱質コルチ
コイド過剰

病歴、身体診察、検査所見で多角的にかつ総合的に診断していく
高Na血症の治療
• 基本は原疾患の治療を行う

• 体液量が減少している場合には低張液
(5%TZ)で補正を行うが、循環血漿量が
極度に減少している場合には外液で補正
も
• 治療は症状の程度と発現速度を考慮する

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