Contenu connexe Similaire à 奉仕プロジェクトの流れ(ライフサイクル)(第3回):プロジェクトに役立つリソース (11) Plus de Rotary International (20) 奉仕プロジェクトの流れ(ライフサイクル)(第3回):プロジェクトに役立つリソース26. プロジェクト資金について
インド:灌漑施設プロジェクトの資金調達内訳
提唱者
第3060地区
DDF
上乗せ額
11,500
バローダ
メトロRC
第2680地区
現金
14,250
12,000
14,250
9,000
25,750
計
11,500
24,000
芦屋RCおよ
び他7協同
提唱クラブ
WF
上乗せ額
4,500
33,000
42,250
101,000
Jan 2014
Notes de l'éditeur <モデレーター>本日、モデレーターを担当させていただきます、国際ロータリー日本事務局財団室室長の清水優季です。よろしくお願いいたします。<モデレーター>同じく、モデレーターを務めさせていただきます、国際ロータリー日本事務局財団室の山本律子です。よろしくお願いいたします。 <モデレーター>本日のウェビナーシリーズでは、どのようにすれば成果が長続きする奉仕プロジェクトを実施できるかに焦点を当てて、実際のロータリアンによるプロジェクトの事例、ベストプラクティスの紹介を行うほか、奉仕プロジェクトに役立つロータリーのリソースもご紹介していきます。奉仕プロジェクトには、大規模、小規模なものなど、さまざまな特徴があります。ロータリーの補助金を利用するプロジェクトもあれば、クラブや地区が資金を提供して実施するものもあります。このウェビナーでは、さまざまな種類の奉仕プロジェクトの事例をご紹介し、実際にプロジェクトを実施したロータリアンのパネリストの方々からお話しをうかがっていきます。このウェビナーシリーズの詳細、今後のウェビナーへのご登録は、ロータリーウェブサイトの「ラーニング&参考資料」から、「ウェビナー」をクリックしてください。このページへのリンクは、本ウェビナー終了後にお送りするEメールにも掲載させていただきます。 <モデレーター>それでは、本日の研修目的をご紹介します。(モデレーター、スクリーンの研修目的を読みあげる) <モデレーター>先ほど、それぞれの奉仕プロジェクトには特徴がある、と申し上げましたが、すべてのプロジェクトに共通しているものがあります。それはずばり、「奉仕プロジェクトの流れ(ライフサイクル)」です。画面のスクリーンは、その奉仕プロジェクトの流れを表したものです。奉仕プロジェクトには次のような流れがあります。 [break these out into separate slides]計画と準備リソースの収集プロジェクトの実施活動成果の評価と広報今回のウェビナーシリーズでは、皆さまにプロジェクトの実施にすぐに役立てていただけるよう、この4つの各段階における特徴、ベストプラクティスやヒントをご紹介していきます。 <モデレーター>シリーズ3回目の今回は、プロジェクトにおける「リソースの収集」に焦点を当てていきます。リソースとは、プロジェクトに必要な資金、物資、ボランティア、パートナーなどを指します。 リソースの収集にあたる際には、プロジェクトの目標を念頭におきましょう。また、どのようなツールや方策が自分たちのプロジェクトに最も必要であるかを時間をかけて検討することが必要です。 <モデレーター>それではここで、プロジェクトに役立つロータリー関連のリソースをご紹介します。冒頭に記載されているideas.rotary.orgのウェブサイトについては、次のスライドで詳しくご説明します。その他にロータリーのリソースとしては、ロータリアン行動グループ(RAG)、ロータリー地域社会共同隊(RCC)、ローターアクトクラブ、ロータリーの補助金、地区委員長などの地区リーダー、派遣側・受入側提唱者、ロータリーの国際行事などが挙げられます。プロジェクトに必要なリソースの収集で成功を収めるためには、ロータリー内外の地元や海外のネットワークを駆使する必要があります。 <モデレーター>ここでロータリーリソースの一つとして、新しいクラウドソーシングのウェブサイトをご紹介します。Idea.rotary.orgと呼ばれるもので、奉仕プロジェクトに必要な寄付金、ボランティア、物資、活動パートナーを募るためのウェブサイトで、以前のProjectLINKに替わるものです。ロータリーファミリー同士がつながるだけでなく、ロータリアン以外でプロジェクトへの寄付やボランティアを考えている方々にもご利用いただけます。このページへは、ideas.rotary.orgのアドレスを直接ブラウザに入力していただくか、My ROTARYの「行動する」から、「ボランティアで活動する」または「プロジェクトに寄付する」をクリックしていただくとページが開きます。画面左側がウェブサイトのトップページです。一番左側にあるプロジェクトをクリックしますと、右側のようなページが開きます。ここでは、このプロジェクトのさらなる詳細、寄付受付の残り時間、資金、物資、ボランティア、活動パートナーの集まり具合などを確認することができます。また、フェイスブックやツイッターと連動していますので、プロジェクトの情報を地区やクラブのフェイスブックやツイッターでご紹介いただくことも可能です。これは新しいウェブサイトではありますが、すでに多くのクラブや地区がプロジェクトのパートナーをこのサイト上で見つけていますので、皆さまもぜひご利用をご検討ください。 <モデレーター>次にご紹介するロータリーのリソースは、「ロータリアン行動グループ(RAG)」です。ロータリアン行動グループとは、ある特定分野で専門知識を有するロータリアンとその家族、ローターアクターが集まったグループで、クラブや地区の奉仕プロジェクトへの支援を提供します。メンバーは少なくとも5つの国の出身者でなければならず、その意味で非常に国際的かつ多文化のグループです。現在、18のロータリアン行動グループがあり、ロータリーの重点分野に沿った活動の支援を行っています。例えば、家族の健康とエイズ予防のためのロータリアン行動グループは、ナイジェリア、ウガンダ、ケニアのロータリークラブと協力し、138,000人にHIV検査と保健相談を行う3日間のイベントを実施しました。<エディターへ:この部分はウェブサイトから取りました>グループのリストは、ロータリーのウェブサイトの「行動する」から、ロータリアン行動グループへ進んでご覧ください。 <モデレーター>それでは次に、「ロータリー地域社会共同隊(RCC)」について簡単にご紹介します。RCCは、ロータリークラブ会員以外の人びとが、ロータリーの取り組みに賛同し、地域社会のためにボランティア活動をするグループです。世界80カ国以上に、7,500を超えるRCCがあり、クラブによる地域社会のニーズ特定などにおいて支援を提供しています。RCCは、ロータリークラブによって提唱され、ローターアクトやインターアクトと同じように、地元地域での奉仕活動のパートナーとなります。RCCと協力することによって、クラブが地域社会と密接につながることができ、より大きなインパクトを与える活動が実施できるようになります。さらに、RCCとの協力でプロジェクトの持続可能性が確保されれば、ロータリーの補助金を利用した活動の場合に、プロジェクトを一段上のレベルへと押し上げてくれるでしょう。RCCの例としては、自ら障害を抱えた米国のメンバーが、フードバンクや動物保護団体でボランティア活動を行ったり<エディターへ:この部分はウェブサイトから取りました>、日本で提唱されたRCC「半田災害支援ボランティアコーディネーターの会」は、災害発生時の支援活動に関するさまざまな研修を行っています。RCCの詳細は、ウェブサイトの「行動する」からロータリー地域社会共同隊をクリックしてください。ご質問がある場合は、地区地域社会共同隊委員長にご連絡いただくか、rotary.service@rotary.orgまでご連絡ください。 <モデレーター>リソースとして役立つものの一つにローターアクトクラブがあります。若い職業人や大学生などが集まったローターアクトクラブは、クラブや地区による奉仕活動での素晴らしいパートナーとなります。ローターアクターは、地域社会のニーズ特定に役立つだけでなく、ある特定のスキルや専門性を提供し、ソーシャルメディアを利用したボランティア動員やネットワークづくりなどに力を貸してくれるでしょう。奉仕プロジェクトの実施にあたっては、ぜひローターアクトクラブとの協力をご検討ください。地元にローターアクトクラブがなく、提唱をお考えの場合は、地区ローターアクト委員長またはrotaract@rotary.orgまでご連絡ください。 <モデレーター>ロータリーのリソースとして欠かせないのが、ロータリーの補助金です。ロータリー財団は現在、奉仕活動にご利用いただくため、グローバル補助金、地区補助金、パッケージ・グラントの3種類の補助金を提供しています。 <モデレーター>グローバル補助金は、ロータリー財団の6つの重点分野に該当する、長期的なプロジェクトに利用できる補助金です。プロジェクトは、持続可能性の要素が含まれ、かつ結果が測定できるものである必要があります。さらに、プロジェクトの最低資金が3万ドルと、比較的高額な補助金が提供されます。グローバル補助金では、異なる国のクラブや地区が協力し、人道的プロジェクト、奨学金、職業研修チームまたはそれらを複合した活動などを実施することができます。 <モデレーター>地区補助金は、地元と海外の両方で、比較的規模が小さく、短期間で実施するプロジェクトに利用できるものです。また、活動内容はロータリー財団の使命に沿ったものであることが期待されますが、重点分野に沿う必要はなく、クラブや地区は幅広い活動を実施することが可能です。地区は毎年、地区補助金の使用計画を提出し、年に一度一括して補助金を受け取ります。 <モデレーター>最後の種類の補助金は、パッケージ・グラントです。この補助金は、ロータリーとロータリーの戦略パートナーがあらかじめ内容の大枠を決定しているもので、クラブや地区は自分たちのスキルやエネルギーをプロジェクトに集中させることが可能です。グローバル補助金と同様、パッケージ・グラントもロータリーの6つの重点分野に該当する活動(奨学金、人道的プロジェクト、職業研修)に充てられます。パッケージ・グラントの参加者は次のような役割を担います。地域社会のニーズ調査、プロジェクト受益者の特定奨学生の選考と援助職業研修を受ける(または提供する)専門職業人チームの募集と編成専門能力の提供プロジェクトの推進と広報プロジェクトのモニタリングと評価 <モデレーター>ここまで、ロータリーが提供する補助金について簡単にご説明いたしましたが、各補助金の詳細、参加資格認定や申請手続き、持続可能性などの情報は、ロータリーのウェブサイトの「行動する」から「補助金を申請する」のページをご覧ください。さらに、「ラーニング&参考資料」から「ラーニングセンター」に進んでいただくと、さまざなオンラインコースを受講したり、その他の資料をご覧いただけます。ご質問は、地区補助金小委員会委員長、地区ロータリー財団委員長または日本事務局財団室までご連絡ください。 <モデレーター>これまでご紹介してきたリソースのほかに、毎年行われるロータリーの行事や、皆さまの奉仕プロジェクトに関心を寄せる地区リーダーなども重要なリソースとなります。国際大会、国際協議会、ゾーン研修、研究会などの行事は、世界各地からロータリアンが集うため、さまざまなスキル、プロジェクトの経験、成功談、学んだことを共有できるほか、奉仕活動のパートナーを見つけるのに最適です。すでにこれらの行事で活動のパートナーを見つけたという方も多くいらっしゃると思います。これらの行事に参加するロータリアンは、現在進行中やこれから行われるプロジェクトの情報を持参し、友愛の家、ワークショップ、円卓討論、分科会、食事会などでプロジェクトのパートナーを見つけまししょう。また、ある地域で実施されるプロジェクトフェアも、パートナーを見つける絶好の場です。プロジェクトフェアは、フェアが開催される地域のクラブが、支援を必要とする人道的プロジェクトを紹介するものです。海外からの参加者はフェアに参加することでその地域について学べるだけでなく、新しい友人をつくり、国際奉仕プロジェクトのパートナーを見つけることもできます。プロジェクトフェアの開催地などについては、地区リーダーにお問い合わせください。 <モデレーター>それではここから、パネリストによる事例紹介に入ります。 <モデレーター>本日1人目のパネリストは、第2660地区、茨木西ロータリークラブの宮里唯子様です。宮里様は1998年に茨木西ロータリークラブに入会され、その後世界社会奉仕委員、同副委員長、地区国際奉仕・WCS委員長、地区研修委員、地区財団未来の夢計画委員会委員長、地区災害支援プロジェクト副委員長、地区国際大会推進委員長などを歴任され、本年度は地区財団補助金小委員会委員長をお努めでいらっしゃいます。宮里様、どうぞよろしくお願いいたします。 <モデレーター>続いて2人目のパネリストは、第2680地区、尼崎中ロータリークラブの室津義定様です。室津様は、1999年尼崎中ロータリークラブの創立会員として入会され、2001-02年度に同クラブ会長、その後GSEチームリーダーとしてアメリカ、インドで活動されたご経験もあり、今年度は第2680地区ガバナー補佐、地区ロータリー財団副委員長、地区ロータリー財団補助金小委員会委員長をお努めになられています。室津様、本日はご参加をありがとうございます。 <モデレーター>それではまず、本日ご紹介いただくプロジェクトの概要について、宮里様からお伺いいたします。 <宮里様>ご紹介にあずかりました宮里です。私のクラブは、カンボジアにおいて、診療所のリハビリ施設の増築と、現地理学療法士の育成を目的としたグローバル補助金プロジェクトを昨年4月に申請、8月に承認を受け、10月には補助金全額を受領、現在活動中です。カンボジアはその経済発展に伴い、交通事故が激増しています。先進国ならリハビリにより社会復帰可能な患者が、理学療法士はもとよりリハビリという治療概念が定着していない現在のカンボジアの医療水準では、患者が寝たきりあるいは身障者として一生貧困家庭の負担になって行く事が多く、リハビリ施設の整備と理学療法士の育成が火急の課題です。 当該プロジェクトでは、現地で貧困患者のために設立され、貧困患者への医療サービスや救急医療を提供する診療所において、リハビリ施設の増築を行っています。 新しいリハビリ施設の開所で富裕層の患者を取り込むことが可能となれば、診療所が経済的自立を果たし、今後も長期にわたり貧困層の患者への医療提供を実現することができます。 またボランティア旅行者として日本から整形外科医を派遣、現地で理学療法士を育成することにより、交通事故被害者の社会復帰を促す事ができます。 さらに、理学療法の受講生は、カンボジア国立病院/公立病院より派遣されてきますので、理学療法の技術が国内医療機関へ波及すると同時に、カンボジアにおけるリハビリ治療の定着が期待されています。 プロジェクトの成果が受益社会の手によって、継続されていく活動だと考えています。<モデレーター>ありがとうございます。それでは、室津様のプロジェクト概要をご紹介いただけますでしょうか。お二人ともグローバル補助金でのプロジェクトをご紹介いただけるということですが、グローバル補助金ではパートナーとの協力が一つの重要な要素となります。今回のウェビナーの焦点となっている「リソース」の中にもこのパートナーが含まれます。では、各プロジェクトにおいて、パートナーと協力されましたでしょうか。その場合、どのようにパートナーを見つけられましたでしょうか。室津様からお願いいたします。 <室津様>尼崎中ロータリークラブの室津です。私たちの地区では、インド・グジャラート州の最貧困部族に対して、農業灌漑などの自立支援を行うプロジェクトを、グローバル補助金で実施する予定です。支援内容は、雨水を蓄える簡易ダムの構築、雨季降雨の貯水用地下ダムの構築、降雨による土壌浸食を防ぐ灌漑管理、簡易井戸の設置、家畜小屋付きモデルハウスの設置、青年開発センターの設置、これには技能訓練、識字率向上の支援が含まれます。スライドの写真は構築される予定の貯水槽の写真です。<モデレーター>ありがとうございます。現在グローバル補助金に申請中ということですね。お二人ともグローバル補助金でのプロジェクトをご紹介いただけるということですが、グローバル補助金ではパートナーとの協力が一つの重要な要素となります。今回のウェビナーの焦点となっている「リソース」の中にもこのパートナーが含まれます。では、各プロジェクトにおいて、パートナーと協力されましたでしょうか。その場合、どのようにパートナーを見つけられましたでしょうか。宮里様からお願いいたします。 <宮里様>はい、私たちのプロジェクトの実施国代表提唱者は、タイの第3350地区、援助国側代表提唱者は第2660地区茨木西RC、協同提唱クラブ/地区は、第3350地区バンコク・クロントイRC、第2660地区国際奉仕委員会および大東中央RC、カンボジアのプノン・ペンメトロRCです。また、外部の協力団体は日本のNPO法人で医療支援を中心に活動している「サイド・バイ・サイド インターナショナル」のカンボジア事務所です。<モデレーター>ありがとうございます。さまざまな地区やクラブとパートナーとなって協力されたようですが、これらのパートナーをどのように見つけられましたでしょうか。<宮里様>タイ国ロータリークラブ及び地区については、これまで10年以上タイ国内で人道的国際奉仕活動を共同で提唱してきた実績があり、今回のプロジェクトの実施国カンボジアは、タイ3350地区に所属しているため、支援を要請し、快諾を得ました。日本においては、第2660地区第1号のグローバル補助金申請案件ということで、地区国際奉仕委員会にもプロジェクトに参画していただきました。また、外部の協力団体であるNPO法人については、当地区の元国際親善奨学生が、NPO法人の現地責任者としてカンボジアに赴任し、支援先の診療所の開設と運営に深く関わっていたため、必然的に協力の申し出がありました。<モデレーター>ありがとうございます。プロジェクトの実施において、外部パートナーが果たせる役割にはどのようなものがあるとお考えですか。<宮里様>はい。まず、プロジェクトの立案段階では、受益社会のニーズ調査と情報、各種リソースの提供です。また、プロジェクト承認後の実施段階においては、現地関係者との調整、スケジュールの監視、業者との交渉、また実施国のロータリアンと共同での補助金管理等などで大きな役割を果たしていると思います。このプロジェクトでは、現地NPOから、ニーズ調査を基にした提案書、統計、診療所の活動実績、見積もり、図面などを提供していただきました。 活動開始してわずか3か月の間に既に2度にわたり予算及び実施業者の変更がありましたが、迅速に見積もりを入手したり、関係ロータリアンにも常に報告や相談があります。これは協力団体が活動に積極的に関与してくれている結果に他ならないと思います。<モデレーター>ありがとうございました。では、室津様はいかがでしょうか。では次に、資金についてお伺いしたいと思います。いずれのプロジェクトもグローバル補助金を利用されていますが、室津様のプロジェクトの資金内訳を教えていただけますでしょうか。 <室津様>はい、まずこのプロジェクトの実施国側・援助国側提唱者ですが、実施国側がインドの第3060地区とBaroda Metroクラブ、援助国側が日本の第2680地区と芦屋、神戸、神戸東、神戸西、尼崎中、伊丹、甲子園、姫路の各クラブです。さらに、外部団体のパートナーとして、Baroda で活動しているNGO法人 Shroffs Foundation Trustからの協力を得ました。それにより、青年開発センター(Youth Development Center)を設立し、青少年の識字教育、技術訓練などを行い、最貧困層部族の自立と農村の維持管理を推進する予定です。<モデレーター>ありがとうございます。このプロジェクトでは地区内の多くのクラブが援助国側協同提唱者となっていますが、これらのクラブをどのように募っていらっしゃるのでしょうか。<室津様>はい。2680地区では、実施国提唱者からプロジェクトの提案があれば、それらを3カ月ごとに集約し、補助金小委員会傘下のWCS小委員会でプロジェクトの内容を検討した後、グローバル補助金の対象となりうるプロジェクトを、地区内の全クラブに提示し、当該プロジェクトへの参加を要請することによって協同提唱クラブを探しています。<モデレーター>ありがとうございます。パートナーとの協力は非常に重要であることが分かりますが、パートナーの条件としてはどのような要素があるとお考えですか。<室津様>まず、地域社会のニーズに対する認識とプロジェクトの価値を共有できること。次に、プロジェクトの実現を協同して推進する意欲があること。補助金管理を確実に行えること。プロジェクトの実施過程の情報を共有できるとともに、プロジェクトの成果を文書化し、報告できること、これらがパートナーの条件だと思います。<モデレーター>ありがとうございます。では次に、資金についてお伺いしたいと思います。いずれのプロジェクトもグローバル補助金を利用されていますが、室津様のプロジェクトの資金内訳を教えていただけますでしょうか。 <室津様>はい。このプロジェクトの資金調達内訳は、スライドの通りです。実施国側提唱者である3060地区、バローダメトロRCが、それぞれ11,500$のDDFと24,000$の現金を拠出し、それぞれにWFが上乗せ、さらに、われわれ援助国側協同提唱者の2680地区が1万4250ドルのDDF、芦屋およびその他7クラブから9,000ドルの現金拠出があり、それぞれにWFの上乗せを受けるとして、合計10万1,000ドルの資金が調達される予定です。<モデレーター>ありがとうございます。合計金額が101,000ドルということですが、このプロジェクトの実施にはこの程度の金額がかかるという念頭のもとにDDFや現金拠出の金額を設定されたのでしょうか。<室津様>予算額は、現地の事情を知る実施国側が見積りました。それに基づき、実施国側が調達可能な「現金」および「DDF」)の額を示した上で、残りの資金を援助国側が調達することで、当該プロジェクトを提案してきました。これを受けて、当地区のWCS小委員会において、プロジェクト内容、予算規模を検討した結果、協同提唱プロジェクトとして受入可能と判断しました。次に、プロジェクト内容を地区内の全クラブに提示し、協同提唱者に加わるクラブと現金拠出額を募集しました。これにより協同提唱クラブおよび現金拠出額が決まりましたので、代表提唱者を決め、地区が拠出すべきDDFの額を算定しました。その額は当地区として拠出可能であることから、地区としても協同提唱者となることを補助金小委員会で決定しました。なお、当地区では現金拠出額の最大2倍をDDFとして拠出可能とすることを内規で定めています。<モデレーター>ありがとうございました。 <モデレーター>次に宮里様にご質問します。カンボジアでのプロジェクトのグローバル補助金の申請について、オンラインでの申請で大変だったところや役に立った資料、申請時のヒントなどがあればご紹介いただけますでしょうか。<宮里様>申請の際に大変だったこと・・・当該プロジェクトは「現地診療所のリハビリ棟増築と理学療法士の養成(研修)」でしたが、申請書を提出とほぼ同時に財団管理委員会で補助金による「増築は不可」という決定がおりました。 案の定、財団担当者から「増築」を予算から外すよう複数回指示が参りましたが、「増築」が認められていた旧「授与と受諾の条件」の下、1年以上にわたり計画準備してきたプロジェクトであり、受益者の事を考えると中止は不可能でした。 途方に暮れていたところ、東京財団室の清水様のお力添えで、漸く承認が下りた次第です。 また、日本よりボランティア旅行者として整形外科医であり緊急医療のエキスパートの渡航を申請致しましたが、「理学療法士に整形外科医は不要」との財団の見解で、やはり予算削除を指示されました。 日本のドクターから御教示で、医学的見地からどうしても必要であると交渉致しましたがなかなか認められず、最後に実施国の代表連絡者から交渉を試みたところ、すんなり承認が下りました。 こちらも、清水様より「実施国代表提唱者の意見が尊重されます」というアドバイスの結果でした。役だった資料(役だっている資料)・・・財団の「補助金ニュース」(旧 未来の夢ニュースレター)及び財団室ニュースが一番役に立っています。 世界や他地区の補助金活動やヒントが取り上げられていたり、新しい資料が発行されたというニュースが掲載されれば、そこからRIのウェブサイトの詳細資料に目を通します。 それでも理解ができなかったり、あるいは情報不足の場合は、東京財団室より御教示を頂いています。 オンラインについて・・・お困りのロータリアンは当地区でも沢山いらっしゃるようです。 これは、何をおいても会員の高齢化が大きな原因です。 特に現行のシステムでは会員登録のうえログインしなければ、何も始められません。 当地区では、なるべくわかりやすいスクリーンショットなどを用いた説明書を作成したり、あるいはクラブでオンライン申請が可能な会員とログイン情報を共有して頂き、申請手続きのアシストを奨励しています。 自分自身で困った事は、補助金申請記録をプリントアウトしようとするとPDFに変換されますが、変換されると一部写らなかったり、歪んでしまったりという不具合程度だったと記憶しています。 地区として困っている点は、申請クラブが途中で作成をやめたり、申請をギブアップしたGG申請書が、いつまでも記録として残ってしまっていることです。 こういったプロジェクトには、プロジェクト名を「Delete」と変更して、財団のウェブ管理者が削除してくれるのを待っていますが、なかなか消去されないのが現状です。 申請の際に考慮した点、気をつけた点・・・これは申請者としてではなく、地区財団委員会として気をつけた点です。 地区内クラブが申請書をオンラインで作成した段階で、自動メールでガバナー及びDRFCに承認要請が参ります。 申請クラブから地区に対して、DDF承認どころかDDF申請さえない時点で、計画段階のプロジェクトをガバナーとDRFCが承認してしまい、その後クラブで資金調達の変更が不可能になったという事態に至りました。 よって、現在は、DDF審査の総責任者であるDGSCからお二人に依頼が行かない限りは、自動メールによる承認要請をしないようにして頂いています。<モデレーター>ありがとうございました。 <モデレーター>それでは次に、地区補助金の例についてお伺いします。室津様も宮里様も補助金小委員会委員長を務めていらっしゃるため、地区補助金についても色々と情報をお持ちのことと思います。地区で実施された地区補助金の中から、2つ以上のクラブが共同で行ったものや、地元の組織と協力したプロジェクトの例をご紹介いただけますでしょうか。室津様からお願いいたします。 <室津様>はい。当地区の地区補助金の実績ですが、2012-13年度が9件で、補助金総額が212万円でした。今年度、2013-14年度においては、奉仕プロジェクトが24件、地区奨学金が2件、VTTが1件で、補助金総額は845万円と、昨年度より大幅に増加いたしました。その中で、地元の団体と協力したプロジェクトとして、香住ロータリークラブによるたくましい「かすみ海っ子」育成事業があります。このプロジェクトでは、海の町香住の子どもたちに、地引網を体験してもらい、たくましい心を育てることを目標としました。この際、「地引き網の貸与」および「その操作方法の指導」において、地元漁業協同組合の協力を得ることができました。<モデレーター>ありがとうございます。今年度、地区補助金で合計27件のプロジェクトが実施されているようですが、地区補助金を授与するクラブプロジェクトをどのように決定していらっしゃいますか。<室津様>はい。本年度は、地区補助金申請の締切日を4月5日とし、各クラブから提出された申請書を、まず予備審査会で2名の委員が申請評価書を用いて評価したのち、その結果を補助金小委員会に報告し、最終審査を行って採否を6月2日に決定しました。申請評価書の主な評価項目は、次の通りです:①地域のニーズとそれに対応して行う活動および主要経費が適切かどうか、②実施する必要性が明確かどうか、③ロータリアンの直接的な関与が適切かどうか、④見積書の添付を含めて、必要経費の算定が適切かどうか、⑤受益者および地域社会に与える効果や恩恵が明確かどうか、などです。<モデレーター>ありがとうございました。それでは、宮里様はいかがでしょうか。 <宮里様>はい。当地区では地区補助金の活動は44件(総額1,700万円程度)ございますが、そのうち比較的若い会員がそろったクラブの活動をご紹介したいと思います。このクラブによるプロジェクトは「公立保育所(児童館)の遊具修繕」というもので、老朽化した遊具の塗装などを子供達と共に実施しながら、物を大切にする心を持ってもらおうという趣旨の事業です。 当地区の「補助金申請ハンドブック」には、DG申請要件として「ロータリアンの活動が財政援助や物品寄贈等にとどまらず、プロジェクトに積極的に関わっていなければならない」という一項があり、これを充足した大変良い事例だと思います。 <モデレーター>ありがとうございます。室津様にもお伺いいたしましたが、地区補助金を授与するクラブの活動を選択する上で、何か基準のようなものを設けていらっしゃいますでしょうか。<宮里様>はい。当地区では、補助金に関し、「財団補助金申請ハンドブック」というものを作成し、昨年8月に配布しております。この中で、補助金の種類、概要、選び方だけでなく、地区補助金の予算、申請の要件、審査担当委員会、補助金授与額などについても言及し、クラブが補助金申請する際、簡単かつ明瞭にその手順がわかるように致しました。地区補助金の地区予算については、財源となるDDFの50%のうち40%を人道的国際奉仕活動(国外)、残り60%を社会奉仕プロジェクト、奨学金、職業研修、臨時費、管理費に配分しております。この比率は、クラブの動向を見ながら、年度ごとに柔軟に変更する予定です。申請の要件としては、なるべく多くの受益者に恩恵を与える、1年以内に完了するプロジェクトや活動、ロータリアンの活動が財政援助や物品寄贈にとどまらず、プロジェクトに積極的に関わっていること、クラブが地区からの参加資格の認定を受けること、代表提唱の場合は一クラブ一申請、ロータリアンの旅費は不可、利害の対立回避、あるいは利害対立の可能性の開示などを主な要件としております。申請スケジュールとしては、2月にクラブは資格認定、つまり補助金管理セミナーに参加のうえ覚書に署名し、4月~5月末までに申請書を地区財団補助金小委員会に提出します。補助金小委員会は、申請書の審査を経て6月初旬に地区からTRFへ一括申請を完了し承認を受けます。 そして7月以降にTRFから地区へ入金が有り次第クラブへ配分、という流れです。また、申請の最終審査は、財団補助金小委員会及び補助金担当グループが担当しています。不備のない申請書を原則とし、活動プログラムに応じて第一審査、最終審査を経て、地区が財団へ申請するかどうかを決定いたします。<モデレーター>ありがとうございました。いずれの地区もしっかりと要件を設けて審査をしていらっしゃることがよく分かりました。 <モデレーター>お二人とも大変参考になる事例をご紹介いただき、ありがとうございました。最後に、補助金活動実施におけるアドバイスをご紹介いただけますでしょうか。では、宮里様からお願いいたします。<宮里様>地区補助金による人道的国際奉仕活動(プロジェクト)は、事後に正確な会計報告を必要としていますので、★ 現地語による見積書や領収書に、必ず翻訳を添付して頂くこと ★ 領収書宛先は、協力団体や受益者ではなく、クラブ名で発行を現地に要請して頂くようお願いしています。 また★プロジェクト終了後に予定活動内容が変更されていることが判明する事もあり、これは実施国が遠隔地である為に状況の把握に遅れが出ていると思われますので、現地との密な情報交換などコミュニケーションへの積極的な努力を要請しています。 同時に承認後の活動の変更には、実施前に再度承認を得る必要があるという事を徹底するよう努めています。地区補助金による奨学金では、申請の段階で見積書の添付が必要ですが、奨学金が生活費や交通費等を支援の対象とする場合には入手は困難です。よって見積書のかわりに、経費予算書の作成して頂きます。ただし、最終報告書には、他の活動と同様に領収書は必要です。グローバル補助金による人道的国際奉仕活動(実施国の代表提唱者)当地区のクラブあるいは地区は、援助国側代表提唱者あるいは共同提唱者となることはできますが、プロジェクトのニーズ調査〜立案〜完成、及び多額の補助金管理は実施国側の責務が重大です。 加えて、オンライン申請及びその後の財団からの追加情報の要請にも英語で迅速に回答する必要がありますので、比較的成熟した(財団に精通した)ロータリークラブや地区がパートナーであることが望ましいと思います。 (申請の留意点)申請書提出後に財団から必ずと言ってよいほど追加情報の要請がありますが、プロジェクトは様々であっても、その質問には多くの共通点が見られます。ですから、これから申し上げる点を申請書に予め言及しておかれますと、早期の承認につながるはずです。継続性について・受益社会による寄贈物品や施設の維持費の捻出・地域社会への将来の(長期にわたる)の恩恵と根拠研修について・成果の継続性のために研修は必須である・研修を実施する講師の資格・研修の内容(カリキュラムなど)協力団体について・詳細な活動計画(プロジェクトの役割)受益者について・受益者(研修の受講者)がいかに選定されるのかボランティア旅行者・学歴と職歴及び行程表(行動計画書)(補助金管理の課題)★プロジェクトは長期にわたり実施されるはずですから、調達物資や購入業者、その他予算や活動の変更の可能性が高いはずです。全ての変更については財団から事前の承認を得る(あるいいは相談する)必要があると認識し、実施国代表提唱地区/クラブと密にコミュニケーションをはかり、状況の把握が必要です。★補助金が不正あるいは不適格に使用された場合、実施国側だけではなく援助国側代表提唱者も等しく責任を問われる事を忘れないで、相談・報告・連絡を実施国に依頼しておくべきです。<モデレーター>ありがとうございました。室津様はいかがでしょうか。<室津様>①地区補助金では、地元のニーズを掘り起こし、機器、物品等の寄贈や催しものの実施に加えて、ロータリアンが自ら参加するソフト面の活動を充実させることが望ましいと思います。②グローバル補助金の人道的プロジェクトでは、信頼できる実施国提唱者を見つけ、協同して地元のニーズを見出し、それに基づいて重点分野の基本方針に沿ったプロジェクトを立案し、申請書も協同して作成することができれば理想的だと思います。③グローバル補助金奨学金では、申請者が重点分野における職歴や活動歴があり、将来のキャリア計画が明確であること必須だと思います。<モデレーター>ありがとうございました。 <モデレーター>最後に、これまでにあげたリソースのほかにご利用いただけるものをご紹介します。まずは、matchinggrant.orgのウェブサイトです。このサイトは、地区が作成・維持しているサイトで、グローバル補助金に関する情報が掲載されています。このサイトを利用して補助金でのパートナー探しを行うことが可能です。また、ソーシャルメディアを代表とするインターネットの活用は、プロジェクトのリソース収集でも大変重要な要素です。フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、ロータリーのウェブサイトMyROTARYから閲覧できるフォーラム、ブログ、ニュースレター、クラブや地区のウェブサイトなど、さまざまなインターネット上での媒体を利用して、プロジェクトに関する情報を広げ、ボランティア、資金、物資などを募っていきましょう。 <モデレーター>それではここから、質疑応答に入りたいと思います。ご質問がある方は、皆さまの画面に表示されているコントロールパネルにある「Questions」と書かれた部分にご質問を入力の上、「Send」をクリックして送信してください。*モデレーターが質問を読み上げ、パネリストにご回答いただく*<モデレーター>それでは、終了時間となりましたので、質疑応答を終了とさせていただきます。お答えできなかった質問については、後ほど別途Eメールでご回答いたします。 <モデレーター>皆さま、本日は、第5回シリーズ3回目のウェビナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございました。第4回目のウェビナーへの登録をぜひお願いいたします。ウェビナーの登録は、ロータリーのウェブサイト内、「ラーニング&参考資料」の部分から、ウェビナーをクリックしてご登録ください。第4回のウェビナーは、奉仕プロジェクトの流れの第3段階である「プロジェクトの実施」に焦点をあてていく予定です。また、今ご紹介しましたウェビナーのウェブページでは、本日のウェビナーの録音・録画もご視聴いただけます。ページ上部にある「On Demand」をクリックしていただくと、これまでのウェビナーのリストが表示されます。ご希望のウェビナーの部分から「View Now」をクリックし、録音・録画をご視聴ください。本日のウェビナー終了後には、皆さまにアンケート調査をお送りいたします。今後のウェビナー改善のため、ぜひこのアンケート調査にご協力ください。また、本日のウェビナーに参加できなかった方のために、録音・録画のリンクをご転送いただき、4月22日の第4回ウェビナーへの登録を推進していただければ幸いです。リンクは、数日後にEメールでお送りいたします。そのEメールには、本日のウェビナーで言及されたリソースについての情報、次回のウェビナーへの登録用リンクも含まれる予定です。パネリストの室津様、宮里様、本日はお忙しいところ誠にありがとうございました。4回目のウェビナーでは、〇〇ロータリークラブの〇〇様と〇〇ロータリークラブの〇〇様にパネリストとしてご参加いただく予定です。それでは、本日のウェビナーはこれで終了といたします。ありがとうございました。