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1  sur  30
反転授業におけるワークシートの利用が
対面授業時のグループディスカッションの
発話内容に与える影響
京都大学大学院教育学研究科 修士1年 ◯澁川 幸加
京都大学高等教育研究開発推進センター 田口 真奈
E-Mail:shibukawa.sachika.86a@kyoto -u.jp
1
2017.9.18(月)9:00〜11:40 日本教育工学会 第33回全国大会 於 島根大学
研究背景:
事前学習と対面授業各々における課題
高次能力の習得を目的とした反転授業の実践が増えているが…
事前学習 対面授業時のディスカッション
映像を閲覧していても、学生の間に理
解の差がある(岩崎, 2017)
事前学習が不十分だと対面授業の際に
ディスカッションを意味あるものとして展
開できない(糸井, 2015)
反転授業で対面授業を活性化するためには
事前学習の仕方を検討する必要がある(三保ほか, 2017)
反転授業
2
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
先行研究:反転授業の事前学習支援
• 事前学習時のノートテイク:学習効果が向上(稲垣ほか,2015), (塙,2014)など
• 「事前学習時のノートをワークシート形式とし記入すべき事項を明確にする
支援が必要」(稲垣ほか,2015)
3
澁川ほか(2016)
→既有知識や事前学習の知識を
整理するワークシートを作成
→ワークシートで事前学習を
支援する実験を施行した。
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
研究対象とする実験の概要
澁川ほか(2016)
①事前学習時に既有知識や学習内容を
整理するためのワークシートを開発した。
②事前学習の取り組み方で
ワークシート群/自由記述群を設定した。
③実験的環境下で反転授業を実施した。
4
事前学習 対面授業時のディスカッション
ノートテイクの仕方
ワ ー ク シ ー ト 群 / 自 由 記 述 群
入力
学 習 ア プ ロ ー チ / 発 話
出力
2016年...
ワークシート群
では 深い学習
アプローチが
有意に向上した
今年...
発話内容に
どのような違い
を及ぼすのか?
事前学習の取り組み方の違いが
対面授業に影響を及ぼすか検討
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
研究目的
反転授業で対面授業時の活動に効果的な
事前学習の取り組み方を検討するために
事前学習時にワークシートを利用することが
対面授業時の発話の内容に及ぼす影響を
検討する
→事前学習の取り組み方支援へ示唆を与える
5
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
研究手法
発話分析
事前学習の違い(自由記述群/ワークシート群)によって
事前学習時の知識を活用した発言数が異なるか検討
6
事前学習を教授機能という観点から検討
エンゲストローム(1994)に基づき
事前学習の取り組み方を教授機能の観点から検討
澁川ら(2016)の実験データを対象に、次の整理・分析を行なう。
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
分析対象とする実験の詳細
7事前学習 対面授業時のディスカッション
講義映像
題材科目の担当教員が作成
電子書籍・出版に関する解説
1本あたり8分程度 合計4本
被験者:18名
自由記述群
9名 (3人×3班)
ワークシート群
9名 (3人×3班)
大学1〜3年 文理混合
グループディスカッション/電子書籍への
関心に学生間で差はなし
一度に連続して行う実験的環境
題材科目
メディア系基礎科目「コンテンツ概論」
→電子書籍・出版の回
議題
10年後の電子書籍・出版の未来を予測する
被験者への負担を考慮して…
学習目標
デバイス・コンテンツ・エコシステムの
3つの視点から電子書籍・出版の未来を検
討できるようになる
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
Pre質問紙調査(5分)
講 義 映 像 視 聴 前 に
設問1-3着手(10分)
講義映像を視聴(35分)
自由にノートテイクをする
設問4-11に着手する
(30分)
対面授業部分(45分)
Post質問紙調査(5分)
8
くじびきで1班3~4人の
グループに分類
本、出版流通、電子書籍等の
特徴を付箋に書く
根拠・補足などを踏まえて
グループ内で付箋を説明
付箋を分類し、討論テーマ(論点)
を決定する。
10年後の電子書籍・出版の
未来を予測する討論
討論内容を各班代表者が
90秒で発表
実験手順
ワークシート群 自由記述群 対面授業時の展開
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
事前学習の違いについて再検討する必要
9
事前学習 対面授業時のディスカッション
ノートテイクの仕方
ワ ー ク シ ー ト 群 / 自 由 記 述 群
入力
学 習 ア プ ロ ー チ / 発 話
出力
事前学習の取り組み方の違いが
対面授業に影響を及ぼすか検討
澁川ら(2016)
①事前学習時に既有知識や学習内容を
整理するためのワークシートを開発した。
②事前学習の取り組み方で
ワークシート群/自由記述群を設定した。
③実験的環境下で反転授業を実施した。
ワークシートを開発する際
開発意図はあったが
理論に基いて
作成していなかった。
→事前学習の取り組み方に
どのような違いがあった
か
再検討する必要がある
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
研究手法
発話分析
事前学習の違い(自由記述群/ワークシート群)によって
事前学習時の知識を活用した発言数が異なるか検討
10
事前学習を教授機能という観点から検討
エンゲストローム(1994)に基づき
事前学習の取り組み方を教授機能の観点から検討
澁川ほか(2016)の実験データを対象に、次の整理・分析を行なう。
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 分 析 ① 教 授 機 能 分 析 ② 発 話 分 析 ま と
め
エンゲストロームの「教授機能」
エンゲストローム(1994):探究的学習のサイクルを引き起こすための
教授者側の働きかけを一連の「教授機能」として定式化。
教授機能 特徴
準備 授業内容に入る前の準備を提供する。
動機づけ 学生の興味を喚起させる。
方向づけ 授業の目標や主題を明確に提示する。
新しい知識の伝達と
精緻化
学生がまだ知らないと考えられるような基本的知識の解説や
様々な教授形式を使い 新しい知識を発見・構造化・解釈させる。
体系化 授業の内容を組織化したり、整理する。
実践化 学生が授業内容を実際に用いるための練習をさせる。
応用
授業内容を実際的な事柄へ応用可能なことを解説したり、
学生にその応用を促す。
批評 授業の振り返りや、授業目標へ到達しているか検討する。
評価と統制 授業内容や教師、学習者自身について学生に評価させる。
11※エンゲストローム(1994), 田口ほか(2011)を参考に、筆者が表を作成
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
Pre質問紙調査(5分)
講 義 映 像 視 聴 前 に 設問1-3着手(10分)
講義映像を視聴(35分)
自由にノートテイクをする
設問4-11に着手する(30分)
対面授業部分(45分)
Post質問紙調査(5分)
12
ワークシート群 自由記述群
2つの事前学習の取り組み方の違いを
教授機能の観点で整理する
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
本実験で使用した講義映像が持つ教授機能の検討
13
授業の主題を明確に提示
→「方向づけ」
新しい知識を体系的に解説
→「新しい知識の伝達と精緻化」「体系化」
講義映像の視聴
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
問 設 問 概 要
1 紙の書籍や電子書籍の長所・短所を書く。
2
現在出版産業が抱えている困難や課題で
知っていることや事例を書く。
3
現在、出版産業で行われている先進的な
取り組みで知っていることや事例を書く。
14
ワークシートに組み込まれた教授機能の検討
設問1~3:視聴前に既有知識を整理させる設問
コンテンツ・デバイス・エコシステムに関する既有知識を整理させる
ことで、学生の興味を喚起させることを意図した。
→学生の興味を喚起させる「動機づけ」
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
15
ワークシートに組み込まれた教授機能の検討
設 問 設 問 概 要
4 設問1~3と同一内容
5
講義映像に関する知識確認穴埋
め問題
例:出版とは( 情報を公 )にする
ことである。
6
7
設問4~7
学生が授業内容を実際に用いることや
そのための理解を狙う
→授業内容を使う練習の「実践化」
設問8~10
講義映像で学んだことをもとに
自らの考えへ応用することを促進
→学生に応用を促す「応用」
設問 設 問 概 要
8
2025年頃の電子出版は次の点
についてどのように
変わっているか。
9
2025年頃の電子出版で紙の書
籍・出版と変わらない点は何
か
10
設問8,9のこと以外で変わる点
or変わらない点
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
事前学習と教授機能の対応
教授機能 学習ステップ ワークシート群 自由記述群
事
前
学
習
時
の
取
り
組
み
準備
動機づけ 動機づけ 問1~3
方向づけ 方向づけ
講義映像
(40分)
新しい知識の伝達と精緻化
内化
体系化
実践化 内化/外化 問4~7
応用 外化 問8~10
16
検討の結果…
→ワークシート群の方が事前学習時により多くの
教授機能を含んだ取り組み方であった
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
研究手法
発話分析
事前学習の違い(自由記述群/ワークシート群)によって
事前学習時の知識を活用した発言数が異なるか検討
17
事前学習を教授機能という観点から検討
エンゲストローム(1994)に基づき
事前学習の取り組み方を教授機能の観点から検討
澁川ほか(2016)の実験データを対象に、次の整理・分析を行なう。
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
発話分析:分析対象とする発話
事前学習の取り組み方の違いにより
発話内容がどのように異なるか検討するために
20分間の討論部分を対象に発話分析をした。
本、出版流通、電子書籍等の特徴を付箋に書く(5分)
根拠・補足などを踏まえてグループ内で付箋を説明する(4分)
付箋を分類し、討論テーマ(論点)を決定する(5分)
10年後の電子書籍・出版の未来を予測する討論をする(15分)
各班代表者が討論内容を発表(90秒) 18
対面授業時の展開
学習目標:
コンテンツ・デバイス・
エコシステムの観点か
ら電子書籍の未来を予
測できる
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
発話分析:分析の観点
事前学習時の十分な内化なしに 対面授業時に意味ある議論の展開は難しい
→議論を深めるためには 事前学習時の知識を活用した発話が必要
事前学習 対面授業時のディスカッション
事前学習時に習得した知識を
対面授業時に活用したかという観点で 発話分析をした
19
そもそも議論を深めるために求められるような発話があったのか検討するために…
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
発話分析:分析の手続き
20
1
• 講義映像中で解説or板書されたキーワードを抽出
1の結果
• 講義映像全4本から合計66単語が抽出された
2
• 全6班分に対し発言したキーワードを数えた
3
• 自由記述群/ワークシート群間で発言数をt検定で比較
4
• キーワードが発言されていた文脈を検討
5
• 事前学習の知識を活用していない場合
何にもとづいて発話していたか検討
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
1本目 2本目 3本目 4本目
講義映像の
概要
コンテンツの
読みやすさや
電子書籍/出版の
定義の解説
書籍界における
デバイスの
歴史的変換点
(巻物→冊子体へ
変遷した背景等)
出版業界の
エコシステム
について
電子出版の変遷
コンテンツ・デバイ
ス・エコシステムの
3観点から未来予
測をする解説
抽出された
キーワード例
雑誌
編集
(本の)信頼性
校正
etc...
スクロール
冊子体
グーテンベルク
活版印刷
etc...
取次
委託販売制度
再販制度
エコシステム
etc...
DTP
デバイス
コンテンツ
自主出版
etc...
発話分析:
各講義映像の概要と抽出したキーワードの例
21
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
発話分析:20分間の討論における
講義映像で解説されたキーワードの発言数
のべ発言回数(平均)
ワークシート群:40回 自由記述群:11回
発言したキーワードの種類(平均)
ワークシート群:8.3 自由記述群:5
22
群 班 キーワードの のべ発言数 キーワードの種類
ワークシート
1 39 13
2 44 6
3 37 6
自由記述
1 6 5
2 10 3
3 16 7
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
ワークシート群のほうが講義映像で解説されたキーワードの
発言数が有意に多い ( t(3.63)=8.21, p<.01, ⊿=5.83)
→ワークシート群のほうが事前学習の知識を
活用した議論を展開していたことが示唆された。
発話分析:
講義映像で解説されたキーワードの発言数
11
40
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
自由記述群 ワークシート群
講義映像で解説されたキーワードの平均発言数
平均発言数 23
**
** p<.01
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
学習目標である未来予測の観点について解説された4本目の発言数において
ワークシート群が有意に多い(t(2.07)=3.62, p<.05)
→ワークシート群に対して学習目標を到達できるよう
支援できた可能性
発話分析:量的分析
講義映像で解説されたキーワードの発言数
4.67
29.33
0
5
10
15
20
25
30
35
自由記述群 ワークシート群
平均発言数
平均発言数
24
*
* p<.05
特に何本目の講義映像に関する発言数に差がみられたのか検討…
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
ワークシート群では…
①事前学習の知識の理解があっているか尋ね合う会話がみられた
→「わかったつもり」を「わかった」に再構築する過程(森, 2017)が見られた
学生A「インタラクティブが何なのかわかってないから忘れちゃった。インタラクティブって
何?」
学生B「なんかiPadとかで動かすことができるみたいな。」
学生A「あー!なるほどなるほど!組み合わせを変えられるみたいなそういうかんじか。」
②事前学習の知識を反復する発言がみられた
→内化と外化の往還 (※反復とは、「◯◯は〜だよね」と知識の内容を再生することを意味する)
学生D「それこそさっきのビデオで今の電子書籍はレプリカ型で〜みたいなやつあったじゃ
ん?ただ本をそのまま電子化しただけみたいな。」
発話分析:事前学習の知識に基づいた発言
25
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
一方 自由記述群では…
①尋ね合い/知識を反復する発言はほとんどみられない
尋ね合い/知識を反復する(※反復とは、「◯◯は〜だよね」と知識の内容を再生することを意味する)
自由記述群では1発言のみ。(↔ワークシート群は15発言)
学生L「(委託販売制度により)逆に売れ残りもないんだよね。なんか大量に余ったりっていうのは。」
②新しく学んだ知識を意識できていない発言がみられた
学生K「でも個人的には、新聞はわりと電子書籍でいいなって思うんですよね。」
学生N「マンガはさ、集めるとこんなん(量が多く)なるじゃんか。あれ邪魔じゃん。
だから本じゃなくて電子書籍のがいいなあっていうのはあるかも。」
→学生K,Nは 書籍の定義を意識していない発言している。
(新聞,マンガは ”書籍” ではなく ”雑誌” に分類されると講義映像で解説済み)
分析②発話分析:事前学習の知識に基づいた発言
26
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
自由記述群は…
自らの経験に基づく発言や感覚的な発言が多い
学生J「なんか本棚に、こう飾りたいとかいう人いるんだよね。」
学生N「私はわりと(電子書籍を)読んでいるから広まっているかなあって気はしちゃう」
→自由記述群はワークシート群よりも事前学習外の
知識や経験をもとに議論をしていたと示唆できる
発話分析:経験や感覚に基づいた発言
27
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
分析結果のまとめ
①事前学習を教授機能から検討
事前学習に取り組む際に
より多くの教授機能を有していた
→動機づけ 方向づけ 新しい知識の伝達と精緻化
体系化 実践化 応用
28
• 事前学習の知識を対面授業時に活用した学習活動がみられた。
• ワークシートに設計した教授機能は
学習ス テッ プの 「 動 機 づけ」 「 内 化」 「 外 化 」 に対応する。
 ワークシートがこれらを促進したと示唆される。
②発話分析
対面授業時に
事前学習の知識を正しく活用したり
知識に裏付けされた議論を展開
したことが確認された。
ワークシート群は自由記述群よりも…
事前学習の取り組み方を検討する際に
教授機能に基づいた設計が重要
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
ま と め
動機づけ 方向づけ 新しい知識の伝達と精緻化 体系化 実践化 応
用
の教授機能が組み込まれた事前学習に取り組んだ班では
対面授業時に
事前学習の知識を正しく活用したり
経験的ではなく、知識に裏付けされた議論を展開
したことが確認された。
→事前学習の取り組み方を検討する際に、
教授機能に基づいた設計が効果的であると示唆された
29
反 転 授 業 の 事 前 学 習 時 に ワ ー ク シ ー ト を 利 用 す る こ と が
対 面 授 業 時 の 発 話 内 容 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 し 、
対 面 授 業 時 の 活 動 に 効 果 的 な 事 前 学 習 の 取 り 組 み 方 を 検 討 す る
研究目的
結果
研 究 背 景 研 究 目 的 分 析 対 象 教 授 機 能 の 検 討 発 話 分 析 ま と め
参考文献
岩﨑千晶(2017). 高等教育における反転授業に関する教員調査と教員支援. 関西大
学高等教育研究. p. 23-33.
糸井重夫(2015). 経済・金融教育における"反転授業"の有効性と課題. 経済教育.
144-148.
稲垣忠, 佐藤靖泰 (2015). 家庭における視聴ログとノート作成に着目した反転授業の
分析. 日本教育工学会論文誌. vol. 39, 97-105.
塙雅典. 大学専門科目におけるICTを活用したアクティブラーニング. 電子情報通信
学会総合大会講演論文集. 2014, vol. 2014, p. 40-42.
澁川幸加, 西岡貞一(2016). 反転授業における予習の取り組み方が学習アプローチ
へ及ぼす影響. 日本教育工学会第32回全国大会講演論文集, 603-604.
Engeström,Y.(1994). Training for change: New approach to instruction and learning in
working life. International Labour Office.
田口真奈, 松下佳代, 半澤礼之. 大学授業における教授のデザインとリフレクション
のためのワークシートの開発(2011). 日本教育工学会論文誌. vol.35, p. 269-277.
森朋子, 溝上慎一, 三保紀裕ら(2017). アクティブラーニング型授業としての反転授業
[理論編]. ナカニシヤ出版.
30

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反転授業におけるワークシートの利用が対面授業時のグループディスカッションの発話内容に与える影響

Notes de l'éditeur

  1. 反転授業におけるワークシートの利用が対面授業時のグループディスカッションの発話内容に与える影響のタイトルで 京都大学大学院修士一回生の澁川が発表させていただきます。
  2. 近年、高次能力の習得を目的とした、アクティブラーニング型の反転授業実践が増えてきていますが、事前学習と対面授業それぞれにおいて、課題も報告されています。 事前学習における課題では、例えば映像を閲覧していても学生の間に理解の差があると指摘されています。対面授業時の課題としては、事前学習が不十分だとディスカッションなどを意味あるものとして展開できないことが指摘されています。 この2つの課題は、学生がしっかりと映像の内容を理解していないため、議論が深められないことに関係しているようにも思われます。 そのため、反転授業で対面授業を活性化するためには、事前学習の仕方を検討する必要がある、とも指摘されています。
  3. 効果的な事前学習の仕方として、ノートテイクの事例があります。ノートを取ることで知識が取り出しやすくなる等のメリットが有り、学習効果も上がることが報告されています。 稲垣は反転授業で事前学習時に、ノートをワークシート形式として記入すべき事項を明確にする支援が必要と指摘しています。 稲垣が指摘しているように事前学習支援には改良の余地があると考えます。 これらをふまえ、私自身が昨年度、事前学習時にワークシートに取り組ませる実験を施行しました。
  4. 私が昨年行なった実験について簡単に説明をします。 まず、①事前学習時に既有知識や学習内容を整理するためのワークシートを開発しました。 その後、(左下を指差しながら)事前学習の取り組み方を比較するために、開発したワークシート群と、先程先行研究で効果が既に認められていた自由記述群を設定しました。 そして、実験環境下で、ディスカッション形式の対面授業を伴う反転授業を行い ました。 昨年度の発表では、ワークシート群は深い学習アプローチが向上することを報告しました。 深い学習アプローチは変化したが、事前学習の取り組み方の違いでどのような発話の違いがみられるのか?という点を分析した結果を今回報告させていただきます。
  5. 以上より、本報告では、反転授業で対面授業時の活動に効果的な事前学習の取り組み方を検討するために、 事前学習時にワークシートを利用することが対面授業時の発話の内容に及ぼす影響を検討し、 事前学習の取り組み方への示唆を得ることを目的とします。
  6. そのために、昨年度行なった実験データを対象にして、事前学習の取り組み方の違いを教授機能という観点から検討し、それを踏まえた上で、対面授業時の発話がいかに違うか検討するために発話分析を行いました。 この詳細についてお話する前に、先に分析対象とする実験についてもう少し詳しく説明させていただきます。
  7. 実験では大学1年生から3年生、18名を対象に、反転授業を実施しました。 実験では被験者の負担を考慮して、事前学習から対面授業まで一度に連続して行い、かつ正規授業ではない実験的環境下で行いました。 また、協力してくれる被験者には3名を集めて参加してもらうように要請したため、各群のグループは仲のいい学生同士で構成されています。 メディア系基礎科目「コンテンツ概論」のうち、電子書籍・出版をテーマにした回を題材としました。 題材科目を担当する教員が作成した4本の講義映像を事前学習に使用し、対面授業時には「10年後の電子書籍・出版の未来を予測する」ことをテーマにしたグループディスカッション形式の反転授業を行いました。 事前学習の取り組み方として、自由記述群とワークシート群を独立変数として設定しました。
  8. 実験はこちらの手順で行いました。 ワークシート群と自由記述群は、ともに講義映像の視聴時に自由記述のノートテイクをします。 ワークシート群はさらに、講義映像の視聴前後にワークシートに着手します。 その後の対面授業の展開等は、2群とも共通になります。 実験手順についてはお手元の要旨集もご参照下さい。
  9. 先程「ワークシートを開発した」と説明しましたが、開発意図はあったものの、何かの理論に基づき作成したものではありませんでした。 昨年度の実験では対面授業の効果に差が出たが、では事前学習の取り組み方にどのような違いがあったのかを検討する必要がありました。
  10. そこで、今回は講義映像を視聴したりワークシートに取り組んだりするといった事前学習には、 どのような教授機能があったのかを検討しました。
  11. 教授機能については、エンゲストロームが探究的学習のサイクルを引き起こすための教授者側の働きかけを一連の教授機能として定式化しているので、それを使いました。 具体的には、準備、動機づけや方向づけなど、この表で示したようなものです。 探究的学習のサイクルとは6つの エンゲストロームは、学習のプロセスを6つのステップから成る「探究的学習のサイクル」として提唱しました。学習者はこのサイクル全体をたどることで、有意味な学習が実現できます。今回は時間の都合上、探究的学習のサイクルの説明は割愛させていただきますが、意味のある学習を実現するような探究的学習のサイクルを引き起こすための教授者側の働きかけを「教授機能」として定式化しました。 各教授機能の説明は、この後触れさせていただきます。
  12. すなわち、ワークシートに取り組み、講義映像を視聴し、また取り組むワークシート群と、講義映像を見ながら自由にノートテイクをする自由記述群、それぞれについて、どのような教授機能があったのかを再検討しました。 2つの事前学習の取り組み方の違いを整理しました。 事前学習とは赤線で囲んだところで、ワークシート群と自由記述群でやっていることは違うが、それに含まれる ジユ記述群は見てもらったらわかるように、講義映像を見ることだけの教授機能 映像を見る前後にワークシートに取り組む群と ワークシート群と、映像を見るだけの自由記述群
  13. まずワークシート群、自由記述群ともに含まれている、講義映像視聴がどのような教授機能を持っていたのか検討しました。 本実験で使用した講義映像を分析したところ、、授業の主題を明確に提示していたことから、方向づけ、 新しい知識を体系的に解説していたことから、新しい知識の伝達と精緻化、体系化という教授機能を有していたことが確認されました。 〜〜このような特徴を持つ講義映像だった という教授機能を持っていたことがわかった。 次に、自由にノートを取りながら講義映像を視聴したときの教授機能を検討します。 講義映像の視聴 記述群と同様の箇所ではどうだったか検討しました。 <読み上げる> 今回使用した事前学習用講義映像がこちらになります。→流す。→このような講義映像を4本用意しました。 ※エンゲストロームは方向づけのベースとして5つあげている。そのうち、講義映像内に盛り込まれていた方向づけは、「どのように手続きを踏むか」の、タイプ3:アルゴリズムは、少なくとも入っていると思われる。
  14. 次に、ワークシート群で用いたワークシートの10の設問、それぞれについて、どのような教授機能があったかを検討しました。 まず設問1〜3では、講義映像の視聴前に、まず自力で思い出せる既有知識を整理させ、学生の興味を喚起させることを意図しました。そのため、動機づけという教授機能を有していたことが確認されました。 まず、ワークシートの設問に組み込まれた教授機能を分析しました。 ※各設問について軽く触れる。 この設問1〜3は、動機づけという教授機能を有していた。 学生の興味を喚起させる機能である動機づけが対応します。 どのようなワークシートに取り組んだかというと、〜〜 塚田や佐藤は既有知識を学習内容に合わせて分類する効果を述べています。 そこで本研究では、講義映像を視聴する前と視聴した後の既有知識の違いに注目しました。
  15. 同じように残りの設問で教授機能を検討したところ、 設問4〜7では、講義映像を視聴した後は、視聴前に取り組んだ設問と同じものに取り組み、新たに思い出した既有知識や新しく気づいたことを書きます。5〜7では これは、授業内容を使う練習にあたるので、実践化という教授機能を有していたことが確認されました。 設問8〜10では、講義映像で学んだことを元に、自らの考えへ応用することを促進するため、応用という教授機能を有していたことが確認されました。 エンゲストロームによると 実践化:知識の技能への発展、もしくは、行為に向けての準備状態を作るための主題事項の変換
  16. 以上の結果をまとめると、事前学習時の取り組み方と教授機能の対応はこちらのようになります。 検討の結果、ワークシート群のほうが、より多くの教授機能を含んだ取り組み方だと明らかになりました。
  17. 次に、発話分析の結果について報告させていただきます。
  18. 発話分析では、事前学習の取り組み方の違いによって、発話内容がどのように異なるか検討するために、特に対面授業時の活動でメインとなる、赤色で記した20分間の討論部分を対象に発話分析をしました。 また、この対面授業の学習目標は、コンテンツ・デバイス・エコシステムの観点から電子書籍の未来を予測できることです。 ※学習目標について説明するなら、ここで
  19. 事前学習のときに十分な内化をせずして、対面授業時に深い議論を期待することは難しいです。 そのため、議論を深めるためには、そもそも事前学習時の知識を活用するような発話が必要になります。 そこで、今回は、事前学習時に習得した知識を対面授業時に活用したかという観点で発話分析をしました。
  20. 分析は次の手続きをふみ、行いました。 まず、講義映像中で先生が解説したり板書をしたキーワードを抽出しました。具体例で提示された会社名や統計値などは除外しました。 その結果、全部で66個のキーワードが抽出されました。その後、全6班に対して、発言したキーワードを数え、t検定で比較したり、実際の発話の中身について健闘をしました。これから説明していきます。
  21. 講義映像4本それぞれの概要と抽出したキーワードの例です。講義映像は学習目標を達成するように意識して作成されました。特に4本目では、学習目標に関係する、コンテンツ・デバイス・エコシステムの3つの観点から未来予測をする解説についてなされています。 ※キーワードを増やす
  22. 各班の発話に含まれるキーワード数を、のべ発言回数と、66のうちの何種類のキーワードを発言したかを数えました。 キーワードの、のべ発言回数の平均は、ワークシート群で40回、自由記述群で11回でした。 キーワードの種類の発言は、平均して、ワークシート群が8.3、自由記述群が5でした。 発言数と種類で 各班のキーワードを数えたところ、平均発言回数はワークシート群で40回、自由記述群で11回 平均発言キーワード種は、ワークシート群が8.3単語、自由記述群は5単語でした。
  23. この発言数を2群間で比較するためにt検定をしたところ、ワークシート群の発言数のほうが有意に多いことが明らかになりました。 このことから、ワークシート軍のほうが事前学習の知識を活用した議論を展開していたことが示唆されました。
  24. 次に、何本目で解説されたキーワードの発言数が多いかを比較しました。その結果、講義映像の1,2,3本目の発言数に差は見られませんでしたが、4本目において、ワークシート群と自由記述群の間で、発言数に有意差が見られました。講義映像の4本目では、学習目標に関連する解説がなされていたことから、ワークシート軍に対して学習目標を到達できるように支援できたと考えられます。 何本目の講義映像について〜 その結果、4本目にのみ、有意な差があった。 具体的には、ワークシート軍の方に〜〜であった。 4本目はどんなものであったかというと、…。 4本目について見たところ、未来予測の観点について解説された講義映像で、…。
  25. 発言数に差があることは示されましたが、では具体的にどのような議論が展開されていたか。数え上げたキーワードの前後の文脈に注目して見たところ、 ワークシート群では、インタラクティブって何?と尋ねるなど、事前学習の知識の理解があっているか班員同士尋ね合う会話が見られました。これは、「わかったつもり」を「わかった」に再構築する過程といえます。 さらにワークシート群では、事前学習の知識を反復する発言がみられました。学習者は、他者に説明をすることで、さらに理解も深めると考えられることから、内化と外化の往還だといえます。
  26. 一方自由記述群では、事前学習の知識を尋ね合ったり、知識を反復したりする発言はみられませんでした。 さらに、新しく学んだ知識を意識できていない発言がみられました。例えば学生KとNは、新聞やマンガを書籍と認識しているように思われる発言をしています。講義映像では、新聞やマンガは雑誌に分類されると解説をしているため、本人たちは理解をしているかもしれませんが、書籍の定義を正しく理解しているか懸念される発言だといえます。
  27. では、自由記述群では何に基いて発言をしていたのかを分析したところ、自らの経験に基づく発言や感覚的な発言が多いことが特徴として見られました。 このことから自由記述群はワークシート群よりも事前学習外の知識や自らの経験に基づいた議論を展開していたと示唆されます。 事前学習外の知識や経験に基づいた発言数 ワークシート群 13回、自由記述群 33回 ※回数が不安。 ※感覚的な発言は、何か事実や統計値、解説などに基づいておらず、「好き」などの感情的な発言を指して分類したつもり。。。
  28. 以上の分析結果をまとめると 事前学習を教授機能という観点から検討した結果、ワークシート群はより多くの教授機能を有していることがわかりました。 発話分析の結果、ワークシート群は、対面授業時に事前学習の知識を正しく活用したり、経験出来ではなく、講義映像で学習した知識に裏付けされた議論を展開していたことが確認されました。 このように、ワークシート群では、事前学習の知識を対面授業時に活用した学習活動がみられました。 ワークシートに設計した教授機能は、学習ステップの動機づけ、内化、外化に対応していたことから、ワークシートがこれらを促進したと示唆できます。 以上より、反転授業の事前学習の取り組み方を検討する際に、教授機能に基づいた設計が重要であるといえます。
  29. 以上で発表を終わりにします。
  30. 12分35秒