IoT分野の権利化戦略（知財学会）

IoT分野における権利化戦略
2016/12/04
安高特許会計事務所
弁理士・公認会計士安高史朗

Copyright 2016 Ataka Patent Accounting Firm. All Rights Reserved.
IoT分野における権利化戦略
IoTやAIの発展により、従来の産業構造が劇的に変化。
ものづくり屋さんもシステムの特許を考える必要があるし、
ネット屋さんもデバイスの特許を考える必要がある。
IoT分野では、様々な領域（観点）から特許出願が可能。
どのような権利化が可能か？
どのような特許を取れば強いか？
それぞれの特許の注意点は？
1

ゲートウェイ端末
センサセンサ
サーバ
デバイス層
ネットワーク層（広域・狭域）
プラットフォーム層（基盤・クラウド）
アナリティクス層（データ解析）
アプリケーション層
典型例
「要介護老人のベッドに人感センサ
を付けて、居なくなったらスマホに
アラートするシステム」
IoTの様々なレイヤー
モノ
インターネット
2

デバイス層
3
センサセンサ
サーバ
デバイス、センサの特許
センサの構造、センサを取り付ける構造、デバイスの特
徴
侵害発見容易性は高い
アイデアを考えるのは簡単だが、進歩性を見出す
のは難しそう（∵デバイス自体の特徴が薄い）
もしシステムに必須なデバイス構造で権利化でき
れば強い
センサーの敷設をユーザーが自由にできるとした
ら、権利の取り方によっては間接侵害の論点が
出てくる

ネットワーク層
4
センサセンサ
サーバ
ネットワーク方式の特許
近距離無線通信のプロトコル、通信モジュール、チップ、
GW
侵害発見容易性は中程度
標準必須特許になり得るので、標準化戦略が必
要
権利化出来た仕様が広まれば強い

プラットフォーム層
5
センサセンサ
サーバ
プラットフォームの特許
基盤、セキュリティ、API、PaaS
侵害発見容易性は低い
プラットフォーム部分で強い権利が取れれば、幅
広いビジネスに影響を与えることができる

アナリティクス層
6
センサセンサ
サーバ
データ処理・解析の特許
データ処理方法、データ解析、AI、ソフトウェア、データ構
造
侵害発見容易性は低い
ビジネス上は非常に重要だが、ノウハウにするか
検討すべき領域

アプリケーション層
7
センサセンサ
サーバ
アプリケーションの特許
組み込みソフトウェア、アプリ、サーバの機能、ビジネスモ
デル
侵害発見容易性は高い
個別のシステム・ビジネスモデルの特徴が出やす
く、特許が取りやすい領域
サーバ側の機能に特徴があるケースと、端末側
のアプリに特徴があるケースとがある
権利行使の観点からは端末のプログラムクレー
ムで取りたいが、サーバのみに特徴があるときに
はサブコンビネーションの問題

システム全体
8
センサセンサ
サーバ
システムの特許
センサとサーバと端末とを有する○○システムであっ
て・・・
権利は取りやすい
間接侵害となりやすく、権利は弱い
配置を特定しないシステムクレームにする工夫

まとめ
業界をクロスオーバーした権利化戦略が必要
個別のサービスを保護するには、アプリケーション層・デバイ
ス層の特許
ネットワーク層は標準化戦略が必要
覇権を取るためには、プラットフォーム層・アナリティクス層
∵データの重要性
（ただし、強いプラットフォーマーになることと知財（特許）戦略の関係性は薄
い？取得した特許をどう使うかが難しい）
オープンイノベーション、オープン・クローズ戦略の再考
オープンにするための施策・パートナーへの交渉力としての特許権。
プラットフォーマーはオープンにしたいが、パートナーはクローズに
（独占）したい 9

IoT分野の権利化戦略（知財学会）

Recommandé

Recommandé

Contenu connexe

Tendances

Tendances (20)

Similaire à IoT分野の権利化戦略（知財学会）

Similaire à IoT分野の権利化戦略（知財学会） (20)

IoT分野の権利化戦略（知財学会）