1. 論文のいろは
坂本 嵩
Shu Sakamoto
Faculty of Environment and Information Studies,
Keio University
Bachelor’s-Master’s Four-Year Integrated Education Program
Aoyama Atsushi Lab, Neuromusic Lab
2. Introduction to Academic Papers Slide 2
Today’s Topic
目的: 論文の読み方・探し方について理解していただく
論文とは
そもそも論文とは何だろう。
どんな種類があるのか、
またそれぞれの役割や特徴
をざっくりとお話します。
論文の書き方
論文は研究の終着点でも
あります。
論文が掲載されるまで、
どのようなプロセスを経る
のでしょうか。
論文の読み方
論文は最新の科学を吸収で
きる媒体です。
でも、順番通りが一番とは
限りません。賢い読み方に
ついて、お話します。
論文の探し方
論文は探すのにもコツが
必要です。
効率良く正しい論文に辿り
着けるように、良い研究が
組めるように、探し方を
知る必要があります。
Big Picture Create Absorb Discover
4. おはよう世界 Slide 5
Hello, World!
流石に自己紹介しようかなと
mosh-shu.com
Basic Info
• 青山研SA・藤井研SA
• SFCメディアセンター データベースコンサルタント
• NTT CS研、脳科学若手の会
Research Topics
• “エモいコードの脳科学”:
和音の予測誤差と感情の神経科学的・数理的モデル化
• 相対ピッチに着目した想起音のデコーディング
• 結合音に着目した和音の脳内処理メカニズム
Shu Sakamoto
坂本 嵩
環3 (四年修士一貫)
7. Introduction to Academic Papers Slide 8
Different Sorts of Papers
論文の種類
原著論文
スタンダードな形式。
8-14ページくらいが多い。
Nature Neuroscience,
Science, Neuroimage,
Frontiers in 〇〇, PLOS ONE
など、普段読むもの。
レビュー論文
分野における知見や動向の
まとめ。本と論文の間
4ページ-長いものまで様々。
分野の流れや全体像を掴むの
に適している。
大御所の先生が書いている
ことが多い。
レター論文
研究成果をいち早くpublish
したい時に書く論文、
1-2ページと短い
ライバルより先に成果を出し
たい、小さめの成果を手っ取り
早く出したいなど使う理由は
様々。
国際会議論文
カンファレンスに書く論文だが、
これが無い会議もある。
4ページくらいが多い。
情報科学の分野に多い。一生
お世話にならない人もいる。
9. Introduction to Academic Papers Slide 10
The Research Itself
論文を書くまで
テーマ
決め
実験組み 実験
データ
解析
興味分野と先行研究から、
「分かってない」「分かりたい」
ことを絞っていく
執筆
脳死で実験する
めんどい
どう科学に貢献したか？
先行研究にない新奇性は？
今後どんな研究が必要？
どんなデータが欲しいのか？
テーマに答えられるのか？
どんな刺激が必要なのか？
条件？被験者群？呈示法？
生のデータへの意味付け
何が言えるのか？言いたい事
は言えたか？先行研究とは？
10. Introduction to Academic Papers Slide 11
The Review
執筆した論文が掲載されるまで
三報社印刷株式会社 (http://www.sanposha.co.jp/etc/review.html)
12. Introduction to Academic Papers Slide 13
Structure Of Papers
原著論文の構成
Abstract
• 論文の要約
• ここだけ読んで流す論文もある
• アブストに出てくる用語は全部分かりたい
Intro-
duction
• 研究の背景、先行研究からの流れ
• 研究の意義、知りたいこと、仮説
Materials &
Methods
• 実験手順、刺激、解析方法
• 読めば論文の再現ができる (はず)
Results
• 解析したデータ、統計検定の結果
• 解釈は書かない、データだけ
Discussion
• 結果の解釈、示唆される知見
• 先行研究との比較、どう科学に貢献したか
• 逆にこの研究では未解明なこと
Conclusion
• 論文の要約 + 将来への展望
• 無い論文も結構ある
13. Introduction to Academic Papers Slide 14
Structure Of Papers
ひとことでまとめると…
Abstract
• 何を何故知りたくて、何が分かった？
Intro-
duction
• 何故知りたい？何を知りたい？
Materials &
Methods
• どう知った？
Results
• 何が知れた？
Discussion
• 何が分かった？何が嬉しい？
Conclusion
• 次は何を知りたい？
16. Introduction to Academic Papers Slide 17
How I Personally Read Papers
僕はこう読む、最初は順番通りでもいいけど
筑波大落合先生の読み方も参考になるかも
https://www.slideshare.net/Ochyai/1-ftma15
Abstract
• 舐めるように読む
• 一言一句理解するつもりで
• 何をして何が分かったのか、予習する
Discussion
頭
• 分かったことが抽象的書いてある
• アブストの深いバージョンみたいな
• 予習を深める
Materials &
Methods
Fig.
• Fig. を見れば実験内容が大体分かる
• 分からなかったら本文を覗き見する
Results
• 何で以て「分かって」いるのか
• どんな神経・行動指標を使っている？
Discussion
残り
• 何が嬉しいのか、「分かった」のか
• 慣れたら飛ばし読み
Intro-
duction
• 先行研究がまとまってる
• 特に分野に馴染んてない時は役立つ
18. Introduction to Academic Papers Slide 19
How To Find Papers
ググるだけじゃない
検索エンジン
キーワードでググる (後述)。
なるべく専門用語でググろう。
読んでるうちに分かる。
Brain Wave → EEG
Imaging Sound → Auditory
Imagery
レビュー論文
研究の流れと共に主要論文が
紹介されている。
Big Pictureが掴めて研究の
方向性も見える。
個人的にとてもオススメ。
原著論文の引用論文
イントロに前提となる論文が
紹介されている。
ツリーを上流に遡る作業。
Scopusなら被引用論文 (下流)
も探せる。
著者ローラー
やたらと名前が出てくる著者
がいたら、著者の業績欄を
ひたすら漁ってみる。
当然、ドンピシャな論文が
溢れている。
写真はZat●rre大先生
19. Introduction to Academic Papers Slide 20
How To Find Papers
ググるだけじゃない
検索エンジン
キーワードでググる (後述)。
なるべく専門用語でググろう。
読んでるうちに分かる。
Brain Wave → EEG
Imaging Sound → Auditory
Imagery
20. Introduction to Academic Papers Slide 21
How To “Google” Papers
検索エンジンの種類
参考: https://www.library.osaka-u.ac.jp/doc/TA_SCOPUS_SEL.pdf
Scopus
天下？のElsevierが開発。
広い領域をカバー、大規模。
被引用分析・著者分析が充実。
アラート機能など、研究支援も充実。
1996年以降の論文のみ。
Web of Science
Thomson Reutersが開発。
資料の質を重視。それでも大規模。
個人的にUIが好きじゃない。
Google Scholar
Googleが開発。
“巨人の肩の上に立つ”
とにかくなんでも乗っける。乱雑。
Googleの安心感以外のメリットがない。
22. Introduction to Academic Papers Slide 23
How To Access Scopus
辿り着き方
新KOSMOS (search.lib.keio.ac.jp)
「データベース」に飛ぶ
色々と同意しておく
28. Introduction to Academic Papers Slide 29
How To Use Scopus
論文評価指標の見方
被引用数は分野によって平均が違う→FWCIで分野ごとの重み付け (1が平均)
Prominence PercentileはTopicの勢いを示すもの。Music/Speech/Congenital Amusiaは上位2%のホットトピックらしい。
被引用論文もここからアクセスできる
29. Introduction to Academic Papers Slide 30
How To Use Scopus
論文のダウンロードの仕方
フルテキストのリンクから各種サイトに飛ぶ
慶應義塾大学のロゴをクリックすればKOSMOSに飛べる
