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Community & Relationship
NPO法人CRファクトリー
コミュニティキャピタル研究会
シンポジウム
~NPO構成員調査から見えてきたコミュニティを良くする3つの因子~
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NPO法人CRファクトリー
コミュニティキャピタル研究会
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上智大学心理学科	
  
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コミュニティの状態を決める3つの因子
背景	
・心の病(特にうつ病)の増加	
  
・高い自殺率(年間約30,000人)	
  
・インターネットの普及によって孤立する若者の増加	
  
 例:ネトゲ廃人	
  
⇒ コミュニティの崩壊・機能不全	
  
 すなわち、「コミュニティによってもたらされる
キャピタル」の欠乏状態の恒常化	
  
上智大学コミュニティキャピタル研究会	
2012年10月29日設立	
  	
  
<取り組むべき課題>	
  
課題(1):各種コミュニティの状態を測定(数値化)できる	
  
ツール( 尺度)の作成	
  
課題(2):その尺度で各種コミュニティ(例:NPO団体)の	
  
      状態を測定し、問題点を抽出する。	
  
課題(3):その問題点を解決する方略を実行し、改善する。	
  
•  幸福感	
•  健康	
•  QOL	
個人	
  
レベル	
• 生産性(利益)	
• 活性化	
• 顧客満足	
組織	
  
レベル	
コミュニティフォーラム2015 久田満	
2015/3/1	
 仮説モデル(Perkins&Long,2002)
コミュニ
ティ感覚	
近所	
  
付き合い	
集合的
効力感	
市民

参加
初年度の研究テーマ	
 NPO団体の構成員のコミュニティ
感覚を測定する心理尺度の作成	
  
予備調査	
•  目的:調査方法の検討と質問項目の絞り込み	
  
•  調査期間:2014年1月~2月	
  
•  方法	
  
   対象:交流のあるNPO17団体の構成員329名	
  
   データ収集:ウェブによる無記名調査	
  
   データ分析:暫定88項目の心理測定学的分析	
  
•  結論:3因子36項目に絞られた
本調査	
•  目的:より少ない質問項目でのコミュニティ感覚の測定	
  
•  調査期間:2014年11月~2015年1月	
  
•  方法	
  
   対象:96団体の構成員 回答者:691名	
  
   データ収集:ウェブによる無記名調査	
  
   データ分析:因子分析及び信頼性・妥当性の検討	
  
•  結論:	
  3因子16項目の心理尺度が完成	
  
     (16項目をそれぞれ4段階で評定する)	
  
第1因子(8項目)-理念共感と貢献意欲	
•  この団体に貢献したい	
  
•  この団体に所属していることを誇りに思う	
  
•  この団体の活動理念に共感している	
  
•  この団体のためなら、とことん頑張れる	
  
•  この団体が理屈抜きで好きだ	
  
	
  	
  (他4項目)	
  
第2因子(4項目)-自己有用感	
	
  
・自分はこの団体に欠かせない存在だ	
  
・自分はこの団体の中で重要な役割を任されている	
  
 (他2項目)
第3因子(4項目)-居心地の良さ	
・この団体の仲間といると落ち着く	
  
・この団体は、居心地がよい	
  
 (他2項目)
妥当性(仮説モデル)の検討	
<方法>	
  
 3つの因子と精神的健康度との関係をみる。	
  
<結果>	
  
 第1因子、第2因子、第3因子との間に、	
  
 正の相関(相関係数0.24~0.37)が見られた。	
  
 すなわち、コミュニティ感覚が高いほど精神的
に健康であるといえる。	
  
	
  
	
  
•  幸福感	
•  健康	
•  QOL	
個人	
  
レベル	
•  生産性(利益)	
•  活性化	
•  顧客満足	
組織	
  
レベル	
われわれの仮説モデル
理念共感と
貢献意欲
•  チームビルディング	
•  コミュニケーション	
•  マネジメント
NPO法人CRファクトリー
コミュニティキャピタルの3因子
         理念共感と貢献意欲
      自己有用感
      居心地の良さ
NPO法人CRファクトリー
診断実施/提携・連携について
■コミュニティキャピタル診断を
       自分の団体でやってみたい
■コミュニティキャピタル研究会との
        提携・連携をしていきたい
と考えていらっしゃる方は、ぜひお声掛けください
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