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Plus de Yoichi Yamazaki (11)
イメージでわかるロボットさんの力学ぐんぐん
- 2. ホームエレクトロニクス開発学科 山崎研究室 yamalab.com
等加速度運動
○ 加速度,速度,位置の関係
加速度 𝒙 = 𝒂 のとき
① 速度 𝒙 = 𝒗 = 𝒗 𝟎 + 𝒂 𝒕
② 位置 𝒙 = 𝒙 𝟎 + 𝒗 𝟎 𝒕 +
𝟏
𝟐
𝒂 𝒕 𝟐
○ 便利な公式(移動距離と速さの関係)
③ 𝒗 𝟐 − 𝒗 𝟎
𝟐 = 𝟐𝒂(𝒙 − 𝒙 𝟎)
初速度 加速度の変化分
初速度の変化分 加速度の変化分初期位置
等加速度運動はなにはなくとも
加速度→速度→位置
の順でチェックや。
式は加速度を積分していけば導けるな。
𝑎
𝑥
𝑣
積分
微分
○ 𝒗 − 𝒕 図と距離
𝑣0
傾き 𝑎
𝑣
𝑡
𝑎𝑡
𝑣0
面積
1
2
𝑎 𝑡2
面積 𝑣0 𝑡
グラフの面積が移動距離を表す
𝒙 − 𝒙 𝟎 = 𝒗 𝟎 𝒕 +
𝟏
𝟐
𝒂 𝒕 𝟐 → ②式
𝒗 − 𝒕 図と上の①,②の関係
は要チェック。高校生は、
式を忘れたらこの図から導
けるで。大学生は積分や。
𝒗 = 𝒗 𝟎 + 𝒂 𝒕 ←①式
ロボチェック
ロボチェック
Point!
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放物運動
○ 放物運動は x と y を別々に考える
<x成分> 等速運動
加速度 𝒙 = 𝟎
速度 𝒙 = 𝒗 𝒙 = 𝒗 𝟎𝒙 = 𝒗 𝟎 𝐜𝐨𝐬 𝜽
位置 𝒙 = 𝒙 𝟎 + 𝒗 𝟎𝒙 𝒕
<y成分> 等加速運動
加速度 𝒚 = −𝒈
速度 𝒚 = 𝒗 𝒚 = 𝒗 𝟎𝒚 − 𝒈𝒕
位置 𝒚 = 𝒚 𝟎 + 𝒗 𝟎𝒚 𝒕 −
𝟏
𝟐
𝒈𝒕 𝟐
いつも y 軸は鉛直上向きにとるのが原則やで。
そうすれば投げ上げ,投げ下ろしなんて場合分け
は不要やな。
○ 放物運動の特徴
頂点で 𝑣 𝑦 = 0
放物線の特徴的をしっかり抑えること!
① 頂点は y 方向の速度が 0になる場所
② 上昇時と落下時は同じ形
ロボチェック
v0
v0x
𝜃
v0y
x0
y0
x
y
v0
𝜃
x
y
=
=
軸で対称(上るときと落ちるときが同じ形)
−𝑔
ロボチェック
Point!
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運動方程式とつりあいの式
○ 運動方程式の立て方
STEP1 世界を内界と外界に分けなさい
(着目する物体を決める!)
STEP2 外界からの力を数え上げなさい
① 場の力(重力)
② 接触している物が及ぼす力
STEP3 各成分ごと和を取りなさい
STEP4
① 物体が静止(または等速運動)→ つりあいの式 をたてなさい
② 物体が運動 → 運動方程式 をたてなさい
y軸方向は静止 → つり合いの式 N = mgcosθ
x軸方向は運動 → 運動方程式 ma = mgsinθ
θ
θ mg
N
θ
mg
mgcosθ
mgsinθ
N
x
y
○ 運動方程式
𝑚 𝑥 = 𝒎𝒂 = 𝑭 m
𝑥
𝐹
𝑎
運動方程式・つりあいの式はワンパターン。
いつでも4ステップで立てることができるで。
次の例で確認してや。
ロボチェック
Point!
つりあいの式は
加速度0の場合の
運動方程式やで
ロボチェック
- 5. ホームエレクトロニクス開発学科 山崎研究室 yamalab.com
運動量と力積
○ あ!衝突→運動量と力積を考える
① 衝突中に外力による力積が0 → 運動量保存則
𝒎 𝟏 𝒗 𝟏 + 𝒎 𝟐 𝒗 𝟐 = 𝒎 𝟏 𝒗 𝟏
′ + 𝒎 𝟐 𝒗 𝟐
′
②外力による力積がある→ 運動量と力積をチェック
𝒎𝒗 + 𝑭∆𝒕 = 𝒎𝒗′
はじめの運動量 あとの運動量
2物体が速度を変え合う問題は運動量を考るんや。
①衝突中に外力がないときは運動量保存則,
②外力がある場合は運動と力積のチェックやで。
m1
𝑥
𝑣1
例)2物体の衝突
𝒎 𝟏 𝒗 𝟏𝒙 + 𝒎 𝟐 𝒗 𝟐𝒙 = 𝒎 𝟏 𝒗 𝟏𝒙
′
+ 𝒎 𝟐 𝒗 𝟐𝒙
′
𝒎 𝟏 𝒗 𝟏𝒚 + 𝒎 𝟐 𝒗 𝟐𝒚 = 𝒎 𝟏 𝒗 𝟏𝒚
′
+ 𝒎 𝟐 𝒗 𝟐𝒚
′
運動量と力積はベクトル。
向きがある量なので
x方向,y方向別々に考えるんや。
ロボチェック
m2
𝑣2
[はじめ]
m1
𝑥
𝑣1
′
m2
𝑣2
′
[あと]
=
m
𝑥
𝐹∆𝑡はじめの
運動量
あとの
運動量
=
外力の
力積
+
y
m1
v2
m2
x
v1
v1x
v1y
v2y
v2x
ロボチェック
Point!
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力学的エネルギーと仕事
○ 速度変化を知りたい→エネルギーと仕事を考える
①外力による仕事が0 →力学的エネルギー保存則
𝟏
𝟐
𝒎𝒗 𝟐 + 𝒎𝒈𝒉 =
𝟏
𝟐
𝒎𝒗 𝟐′
+ 𝒎𝒈𝒉′
②外力による仕事がある → 仕事とエネルギーをチェック
𝟏
𝟐
𝒎𝒗 𝟐 + 𝒎𝒈𝒉 + 𝑭 ∙ 𝒙 =
𝟏
𝟐
𝒎𝒗 𝟐′
+ 𝒎𝒈𝒉′
時間変化を考慮しなくていいときは
力学的エネルギーと仕事
を考えるのが冴えたやり方やで。
○仕事=力×移動距離の方向
力を加えれば仕事をするとは限らないで。
力が移動する向きにかかっていれば正の
仕事,逆向きなら負の仕事,移動しない
方向なら仕事は0や。
ロボチェック
はじめの
力学的エネルギーの和
あとの
力学的エネルギーの和
はじめの
力学的エネルギーの和
あとの
力学的エネルギーの和
外力の仕事
W
𝑭 𝒄
(𝑊𝐵 = 𝐹𝐵 ∙ 𝒙 < 0 ∶ 負)
𝑭 𝑩
𝑭 𝑩 (𝑊𝐵 = 𝐹𝐵 ∙ 𝒙 > 0 ∶ 正)
ロボチェック
Point!
(𝑊𝐶 = 𝐹𝐶 ∙ 𝒚 = 0)
- 7. ホームエレクトロニクス開発学科 山崎研究室 yamalab.com
摩擦力
○ 摩擦力とはジャマする力!
①静止しているとき → つりあいの式
例)摩擦のある斜面
摩擦力 𝑹 = 𝒎𝒈 𝐬𝐢𝐧 𝜽
すべらない条件: 𝑹 < 𝝁 𝟎 𝑵
( 𝝁 𝟎: 静止摩擦係数 )
②滑っているとき → 動摩擦係数より 𝑹 = 𝝁′𝑵
例)摩擦のある斜面
摩擦力 𝑹 = 𝝁′ 𝑵 (𝝁′
: 動摩擦係数 )
ロボチェック
Point!
摩擦力は静止してるときと滑っているときは別物や。
動いているときは動摩擦係数と垂直抗力から、静止
している時はつりあいの式をつかって求めるんやで。
静止摩擦係数を使うのはすべらない条件を求めると
きだけや。
θ
mg
mgcosθ
mgsinθ
N
x
y
R
θ
mg
mgcosθ
mgsinθ
N
x
y
R
○ 空気抵抗もジャマする力! (さらに詳しい話は流体力学で!)
空気抵抗は速度に比例し 空気抵抗 𝑹 = 𝒌 𝒗 (𝑘: [1/sec])
十分な時間が経つと 𝒌 𝒗∞ = 𝒎𝒈 とつりあい速度一定になる。
(𝒗∞: 終端速度)
- 8. ○ 円運動は2ステップで運動方程式を立てる!
①ぐるっと1周させて円運動の中心に向けて軸をとる
②中心方向の運動方程式を立てる(物体にのったときはつりあいの式)
円の中心方向の加速度:𝒂 = 𝒓𝝎 𝟐 =
𝒗 𝟐
𝒓
円の運動方程式: 𝑚𝑎 = 𝐹 → 𝒎𝒓𝝎 𝟐 = 𝑭 (角速度表記)
𝒎
𝒗 𝟐
𝒓
= 𝑭 (速度表記)
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円運動
ロボチェック
Point!
円運動は水平円運動と鉛直円運動の2つのタイプあ
るんや。水平円運動のときは運動方程式とつりあい
の式を,鉛直円運動のときは運動方程式とエネル
ギーの式を立てるのがセオリーや。
向心力F
F
遠心力F
𝜃
𝑙
𝑔 𝑔
中心!
中心!
[ 水平円運動 ] [ 鉛直円運動 ] 運動してる物体にのると
遠心力がみえる
○ 円運動の2タイプ
Fx
𝑙𝑔 𝑔
[ 水平円運動 ] [ 鉛直円運動 ]
𝑚
𝑣2
𝑟
= 𝐹𝑥
𝑚𝑔 = 𝐹𝑦
Fy
𝑚
𝑣2
𝑟
= 𝐹
エネルギーの式
※ 円運動の条件
糸の張力
垂直抗力 ≧0
- 10. ホームエレクトロニクス開発学科 山崎研究室 yamalab.com
工学のための数学②
弧度法(ラジアン)と角速度
弧度法の変換式
𝟏𝟖𝟎 [ ° ] = 𝝅 𝒓𝒂𝒅
𝑥 ° ➩ 𝑥 ×
𝜋
180
𝑟𝑎𝑑
𝑥 𝑟𝑎𝑑 ➩ 𝑥 ×
180
𝜋
°
θ [rad]
x
y
1
弧度法は 単位円の弧長=角度 となるようにした
角度単位や。これさえ覚えておけば三角比と同様
に拡大して公式を導けるで。
ロボチェック
Point!
○使うときは
弧長 θ
一周の
角度 2π
ぐるっと一周の
円周(長さ) 2π
θ x
1
弧長 θ
一周の
角度 2π
円周 2π
y 半径1 を
× r して 拡大
θ x
r
弧長 rθ
一周の
角度 2π
円周 2πr
y
ω
角速度
x
r
速度 v = rω
y
θ → 角速度 ω
とすれば
- 11. ホームエレクトロニクス開発学科 山崎研究室 yamalab.com
イメージでわかる ロボットさんの 力学ぐんぐん
初版: 2015年 7月 15日
第二版: 2016年 8月 15日
作成: 山崎 洋一 [ 神奈川工科大学創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科]
連絡先:yamazaki@he.kanagawa-it.ac.jp
本冊子は神奈川工科大学ホームエレクトロニクス学科1年生向け科目「基礎力学I-d」
の補助教材です。力学が苦手な人に,力学を好きになって欲しくて作成しました。大学生
だけではなく高校生も使用できるように配慮しています。誤植,修正箇所等ございました
らお知らせいただければ幸いです。ご質問,ご相談の際は教員室までお気軽にお越しくだ
さい。