considering how to fix tramp mode problem.

1. Emacs の tramp-mode が
FreeBSD CURRENT で使えない
2020 年 4 月 27 日
（株）創夢 内藤 祐一郎

2. tramp-mode とは
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Emacs のモードの一つ。
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リモートサーバにあるファイルを指定のプロトコルでアク
セスし、ローカルで編集することができます。
– プロトコルの例： ssh ftp smb sudo など
●
Ctl-x Ctl-f から “ /< プロトコル名 >:< ホスト名 >:< パス名
> “ を打ち込むと使えます。
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dired-mode にも対応しています。
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アクセス手段さえあれば、リモートに Emacs をインス
トールする必要がないので、手元にある好みの emacs で
編集できます。

3. 問題点
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tramp-mode のターゲットに FreeBSD CURRENT のホ
ストを指定し、プロトコルに ssh を選択すると、 tramp-
mode が無応答となり使えなくなります。
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dired-mode へも移行しません。
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クライアントの OS は何でも構いません。
– FreeBSD, Linux, MacOS
●
クライアントの emacs バージョンも何でも良いです。
– Emacs 26, 24 で確認しました。

4. 原因
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端的に言えば libedit のバージョンが上がったから。
●
tramp-mode が予期せぬ動作をするようになったから。
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libedit の新しい版は既に stable/12 にも入っており、この
まま行けば FreeBSD 12.2 でも同じ問題がおきます。

5. 回避策
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~/.editrc に以下を書きます。
edit off
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これで編集モードを OFF にすると回避できます。
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しかし、 /bin/sh をログインシェルとして常用している人
には辛いかもしれません。

6. 元ネタ
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以上の話は既にバグレポートが上がっています。
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Bugzilla
https://bugs.freebsd.org/bugzilla/show_bug.cgi?id=243807
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debbugs.gnu.org
https://debbugs.gnu.org/cgi/bugreport.cgi?bug=39399
●
レポータは tramp-mode の次の版で直ると言っているけれ
ども、場当たり的に見えるため、もう少し根本的に直した
いです。

7. tramp-mode の動き
1.ssh でログインする
exec ssh -o ControlMaster=auto -o ControlPath='tramp.%C' -
o ControlPersist=no -e none <hostname>
2.sh を起動する。
exec env TERM='dumb'
INSIDE_EMACS='26.3,tramp:2.3.5.26.3' ENV=''
HISTFILE=~/.tramp_history PROMPT_COMMAND='' PS1=#
$ PS2='' PS3='' /bin/sh
3.端末環境を設定する（ -echo があることに留意）
stty -inlcr -onlcr -echo kill '^U' erase '^H'

8. tramp-mode の動き（続き）
4.エコーモードを確認する
echo foo
5.エコーモードではない (-echo が効いていない ) ので編集
モードに移行する
_echo^H^H^H^H^Hstty icanon erase ^H cols
32767_echo^H^H^H^H^H
6.ここで sh が編集モードだと libedit が一文字づつ処理を行
い、 ^H に対して CR と再描画文字列を送出します。

9. tramp-mode の誤動作
●
すると次のような結果が返ります。
_echo^M
#$ _ech ^H^M
#$ _ec ^H^M
#$ _e ^H^M
#$ _ ^H^M
#$ ^Hstty icanon erase ^H cols 32767_echo^M
#$ stty icanon erase ^H cols 32767_ech ^H^M
#$ stty icanon erase ^H cols 32767_ec ^H^M
#$ stty icanon erase ^H cols 32767_e ^H^M
#$ stty icanon erase ^H cols 32767_ ^H^M
#$ stty icanon erase ^H cols 32767 ^H^M
→ 返ってきた文字列を解釈できずに止まってしまいます。

10. tramp-mode の期待
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tramp-mode としては “ stty -echo” を実行しているので sh
は入力文字列をエコーバックしないことを期待していると
思います。
●
“stty -echo” で sh がエコーバックしなければ、
” _echo^H^H^H^H ・・・” というコマンドは送られませ
ん。（前述の edit off の場合）
●
FreeBSD 12 以前では行の処理が tty に任されていたため
” _echo^H^H^H^H ・・・” の入力から ^H の処理が行われ
た結果を sh が受け取っていました。

11. なぜ stty が効かないのか？
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コマンドとしては呼び出されています。
●
libedit の中の el_wgets() 関数の中で一行を読み終えるごと
(read_finish() 関数 ) に libedit が持っている端末モードに設
定し直すため、 stty の設定が無効になってしまいます。

12. 修正方法は？
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libedit は真面目に仮想画面を持っており、それに準拠した
動きをしたがるので、 ^H の挙動を元に戻すのは難しそう
です。
●
ざっくり次のような案を考えてみました。
1.環境変数 INSIDE_EMACS があったら libedit を編集モー
ドにしない。
2.sh に csh の setty のようなコマンドを実装して emacs
にはそちらを呼び出してもらう。
3.emacs がきちんと再描画を理解するようにする。

13. ご意見お待ちしています
●
他に何か良い案がありましたら教えてください。