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テクノロジーな未来は
私たちを
幸せにしてくれるのだろうか?
デジタルに包み込まれる世界で「イノベーション」に求められるもの
ネットコマース株式会社
斎藤昌義
2019.07.10
何を解決しようとしているのか?その手段は何か?
盒馬鮮生 : 買い物における圧倒的な自由
Easy Ride : 移動における制約からの解放
Amazon Go: レジに並ぶ煩わしさからの解放
解決しようとしていること/目的
解決するため方法/手段
デジタル/オンラインとアナログ/オフラインを
区別することなく、ひとつの仕組みとして実現し
圧倒的な利便性とスピード、自由を実現すること
イノベーションとは何か
馬車の客車と蒸気機関の新しい組合せ
鉄道というイノベーションが生まれた
オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)モラヴィア生まれの経済学者
「経済発展の理論,1912」の中で、イノベーションのことを「新結合(neue
Kombination)」という言葉を使って説明している。
ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター
Joseph Alois Schumpeter、1883年2月8日 - 1950年1月8日
馬車をたくさん並べても鉄道にはならない
「イノベーション」と「インベンション」の違い
イノベーション
Innovation
これまでにはなかった
新しい組合せを見つけ
新たな価値を産み出すこと
インベンション
Invention(発明)
これまでにはなかった
新しい「もの/こと」を創り
新たな価値を産み出すこと
イノベーションとは何か
オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)モラヴィア生まれの経済学者
「経済発展の理論,1912」の中で、イノベーションのことを「新結合(neue
Kombination)」という言葉を使って説明している。
ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター
Joseph Alois Schumpeter、1883年2月8日 - 1950年1月8日
新しい財貨の生産 :プロダクト・イノベーション
新しい生産方法の導入 :プロセス・イノベーション
新しい販売先の開拓 :マーケティング・イノベーション
新しい仕入先の獲得 :サプライチェーン・イノベーション
新しい組織の実現 :組織のイノベーション
新しい体験の創出 :感性のイノベーション
デジタルとフィジカル (1)
スピード
複 製
組合せ・変更
遅い
劣化する
困難
早い
劣化しない
容易
フィジカル
Physical
デジタル
Digital
規模の拡大が
容易で早い
状況を即座に
把握し即応できる
エコシステムが容易に形成
イノベーションが加速する
IoT
IoT
デジタルとフィジカル(2)
フィジカル
Physical
デジタル
Digital
IoT
フィジカルな世界でのものごとやできごとを
デジタルに変換して価値を生みだし
デジタルの価値をフィジカルに取り込む
OMO(Online Merges with Offline)
フィジカル
Physical
デジタル
Digital
IoT
OMO(Online Merges with Offline)
オンライン(デジタル)とオフライン(フィジカル)
を分けて考えるのではなく
境目のない、ひとつの仕組みとして考える
インターネットに接続されるデバイス数の推移
億人
億台
台/人
2003年 2010年 2015年 2020年
世界人口
インターネット
接続デバイス数
一人当りの
デバイス数
63 68 72 76
5 125 250 500
0.08 1.84 3.47 6.50
コレ1枚でわかる最新のITトレンド
データ収集
モニタリング
データ解析
原因解明・発見/洞察
計画の最適化
データ活用
業務処理・情報提供
機器制御
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クラウド・コンピューティング
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デジタル・トランスフォーメーションとCPS
ヒト・モノ
日常生活・社会活動 環境変化・産業活動
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Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
デジタル
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高頻度多接点
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データを解析し
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デジタル・トランスフォーメーションとは何か
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テクノロジーを駆使して徹底した利便性を追求
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デジタル・トランスフォーメーションとOMO
IT
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デジタル技術の利用により
ビジネス・プロセスを変換し
効率化やコストの削減、付加価値を向上させる
デジタイゼーション
Digitization
ユーザー・インターフェイス
効率化・合理化・付加価値
 アナログ放送→デジタル放送
 紙の書籍→電子書籍
 人手によるコピペ→RPA
デジタル技術の利用により
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デジタライゼーション
Digitalization
ユーザー・エクスペリエンス
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 自動車の所有→カーシェア
 ダウンロード→ストリーミング
 物販→サブスクリプション
デジタル・トランスフォーメーションデジタル化
異業種からの破壊者の参入が既存の業界を破壊する
UBER
airbnb
NETFLIX
Spotify
PayPal
タクシー・レンタカー業界
レンタル・ビデオ業界
ホテル・旅館業界
レコード・CD業界
銀行業界(決済・為替)
SDGsとソーシャル・イノベーション SDGs:Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標
 「自分の正解」と「他人の正解」は同じではない。事実は1つでも真実はたくさんある。
 ものごとを二項対立(例えば、善か悪か、男か女か)で捉えることはできない。
 1つを解決しても、ものごとは常に影響し合っている。対処療法では解決しない。
本質を突き詰め、根本原因を解決しなければ、イノベーションは生まれない。
MaaS(Mobility as a Service)
18
電車 タクシー バス
レンタカー自家用車
配車サービス カーシェア 自転車シェア
電車 タクシー バス
レンタカー自家用車
配車サービス カーシェア 自転車シェア
MaaS
経路検索
支払
予約
配車手配
現 在 MaaS
あなたのポケットに全ての交通を個人で所有・個別に手配
手段の提供:マイカーの所有や個別の手配・予約ではできない最適化された「移動体験」提供
価値の実現:マイカー利用を減らし環境負荷の低減や移動の利便性・効率化を実現
MaaS(Mobility as a Service)
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電車 タクシー バス
レンタカー自家用車
配車サービス カーシェア 自転車シェア
MaaS
経路検索
支払
予約
配車手配
MaaS交通についての悪しき悪循環
 地方へ行くほどマイカーへの依存度が高くなる。
 自動車は移動手段としては便利だが、保有コストが高いわ
りには、稼働率は低い。
 大気汚染や渋滞による社会的ロス、交通事故の死亡者数は
世界全体では年間100万人を超えている。
 公共の交通機関の運営が、マイカー保有により危機に瀕し
ている。乗り合いバスの利用者は近年大きく減少しており、
赤字で路線廃止に陥るケースが続いている。
 公共交通路線の廃止により、移動手段がますますマイカー
に偏り、公共交通機関の運営をさらに苦しめている。
MaaSによって悪循環を解消
 公共交通が整備されると人々の流れが変わり、ガソリンや駐
車場代に向けられていた支出が、公共交通に回るようになる。
それによって地域全体が活性化する。
 渋滞や交通事故の発生が減少すれば、社会全体のロスも低下、
行動履歴をビッグデータとして把握できれば、道路や都市計
画に活用できる。
 高齢者や障害者などのハンディキャップを抱えた方々の移動
が容易になる。
 運転ができるかできないかで住む場所が限定されるという不
自由さがなくなる。
 マイカーに偏る今の社会が解消され、個人の暮らしは改善し、
街の中心部も活性化して地域が抱える問題の多くが緩和する。
公共交通も含めた交通手段の多様化により、
様々な社会的課題を解決できる可能性がある。
人間は何を作ってきたのか
鳥のように空を飛びたい
馬のように速く走りたい
魚のように海に潜りたい
人工知能の2つの方向性
視覚(See)
聴覚(Listen)
対話(Talk)
汎用型人工知能
異なる領域で多様で複雑な問題を解決する
特化型人工知能
個別の領域において知的に振る舞う
自己理解・自己制御
意識・意欲を持つ
自ら課題を発見し
自律的に能力を高めてゆく
人間が課題を発見し
人間が能力を高めてゆく
IoT メカトロニクス
知能・身体・外的環境とAI
22
認識 意志決定 運動構成
感覚器 運動器官
骨格、関節、筋肉、靭帯、腱
外的環境
身体
知能
影響受容
AI(人工知能)
意識
「東ロボくん」の実力と代替可能な職業
23
国公立大学 172校 内 23校 30学部 53学科 合否判定80%以上
私立大学 584校 内512校 1343学部 2993学科 合否判定80%以上
MARCH /関関同立の学科を含む
AIに出来ること、人間に求められる能力
24
自分で問いや問題を
作ることが出来ない
与えられた問いや問題
は人間よりも賢くなる
問いや問題を創り出す能力
人工知能を使いこなす能力
結果を解釈し活用する能力
人間に求められる能力
AI
創造力
多様性
性別・人種・ジャンル・地域・趣味嗜好など
創造力とは何か
創造力
コミュニケーション力
相手の意見を訊き
自分の意見を述べ共感を生む
アウトプット力
自分の意見や主張を伝わるように
表現し発信し続ける
デザイン力
要素分解と構成を繰り返し
カタチを生みだす
移動力
時間や場所を面倒がらず
様々な場所に行って過ごす
人脈力
多くの人に
知られる存在になる
AI時代求められる能力
26
テーマを見つける
問いを作る
正解を見つける
最適解を見つける
時間を重ね体験を繰り返し
経験値を蓄積する
テーマ
問い
正解
最適解
テーマ
問い
正解
最適解
テーマ
問い
正解
最適解
テーマ
問い
正解
最適解
テーマ
問い
正解
最適解
テーマ
問い
経験値
経験値
機械学習
データ
サイエンス
PDCAを高速で回し、新たなテーマや問いを高頻度で作り続ける
機械学習やシミュレーションで高速に正解や最適解を見つける
経験値
データの蓄積
性能の向上
新たな役割
知性の進化
経験値
役割の拡張
能力の向上
「マシンは答えに特化し、人間はよりよい質問を長期的に生みだすことに力を傾けるべきだ。」
“これからインターネットに起こる『不可避な12の出来事』” ケビン・ケリー・2016
Human+への進化
コンピュータ
インターネット
人工知能(AI)
ロボット
ブロックチェーン
量子コンピュータ
5G+(高速移動体通信網)
計算力
コミュニケーション力
知的労働力
肉体的労働力
自律分散力
AR/VR(拡張現実/仮想現実)時空間超越力
人間の役割は時代とともに変わってゆく
生産性
高付加価値業務
繰り返し作業
自動化
個々の作業の
自動化
個々の
業務プロセスの
自動化
企業内・外の
ビジネス全体の
デジタル化と革新
全社規模の
業務プロセスの
標準化・最適化
出典: SAP CSG analysis, McKinsey Quarterly Report 2016 年 7 月、Google PR, Microsoft PR, SAP Market Model
既存業務を
標準化して自動化
より高付加価値
な業務へシフト
超高齢化社会を人工知能やロボットで対応
人工知能やロボットを積極的に駆使し、労働生産性やQOL(Quality of Life)の向上が急務
デザイン思考とデータサイエンス
あいまい
新しい関係や構造
を見つける
デザイン思考 データサイエンス
共感から創造 データから洞察
「思い」や「欲」を捨て、ありのままを受け入れる
マインド・フルネス/禅
「分析」は過去の枠組みからの発想
イノベーションは生まれない
デジタルとイノベーションの関係
ユヴァル・ノア・ハラリ
イスラエルの歴史学者・1976年2月24日生
ヘブライ大学歴史学部の終身雇用教授
「人類はアルゴリズムとビッグデータでアップデートされて神になるのか?」
デジタルはイノベーションを加速し、人類の進化もまた加速する。
だから私たちは、本質を捉えること、人格を高めること、創造力を磨くこと
が、ますます大切になってゆくのではないか?
ひとつのことに究極を求めず、
広い視野で最適を求めて変化すること
ひとつの分野で知識を増し、
経験を積めばできること
ひとつの分野を徹底して追求し、
知識や経験を極めればできること
成長の3つのステージ
 5年後や10年後はどうなっているか分からない。
 今日の正解が、明日の正解である保証はない。
 求められるスキルが変わるスピードが加速する。
学びの4段階
知る:事実ないし確実とされている知識や情報を「知る」こ
と、記憶すること。
理解する:個々バラバラな事象がお互いに一定の関係を持つ
ものとして見えてくる、あるいは、見えるようにすること。
疑う:既存の分析を「疑う」ことから新しい「問いかけ」が
生じ、それが「新しい」事実の発掘につながる。
超える:「疑う」という段階を超えて、事実や現実に対置さ
れる新たな「適切な」可能性を追求し、時には新しい境地に
帰依すること。
学ぶとはどういうことか
講談社・佐々木 毅 著
学び続けるしか方法はない!
学びの4段階
新しい境地
超える
疑う
理解する
知る
でも、なぜ?どうして?本当?
これのことだな!
そういう意味なんだ!
だからこうなのか!こういう関係があるのか!
こういう考え方も!こうした方がもっといい!
改めて「イノベーションとは何だろう」
イノベーション
「新しい組合せ」で「新しい価値」を創り出すこと
デジタルは「新しい組合せ」を高速に試行錯誤できる機会を提供する
質問や問いを生みだす能力を身につける
世のため人のためを求める多様性を高める 本質を極める
若い時代に「学び方」を身につけられるかどうかが
社会格差を作る時代になる。
デジタルは「学び」を加速する手段を提供する。人類の進化を加速する。
自分をアップグレードするための3つの問いかけ
「違和感」を持っていますか?
「地図」を持っていますか?
「向かい風」を感じていますか?
http://www.netcommerce.co.jp/mu
PPTX形式/ロイヤリティフリー
有効期限:2019年7月12日(金)
パスワード 0710
ネットコマース株式会社
180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-4-17
エスト・グランデール・カーロ 1201
http://www.netcommerce.co.jp/

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LiBRA 08.2019 / デジタルとイノベーション

Notes de l'éditeur

  1. 「デジタル(digital)」とは、本来「離散量(とびとびの値しかない量)」を意味する言葉で、連続量を表すアナログと対をなす概念だ。また、数値、文字、音声、画像などあらゆるアナログな物理的情報をスイッチのオンとオフに対応させた0と1の数字の組み合わせ、つまり「デジタル」として表現することを「デジタル化(digitize)」と言う。コンピュータは、このデジタル化された情報を使って、様々な処理を行っている。 現実世界の「アナログ」な「ものごと」や「できごと」の情報を「デジタル」な情報に移し替えることによって、現実世界はコンピュータで処理できるカタチに変わる。つまり、現実世界の「ものごと」や「できごと」をセンサーやWeb、モバイルなどの様々な接点を介して、現実世界のデジタルなコピーとして、コンピュータは受け取り、現実世界ではできないことを実現することが可能になった。こう考えると「デジタル」とは、アナログな現実世界、つまり「フィジカル(Physical):物理的」な世界と対をなす概念として捉えることができる。 そんな「デジタル」には、「スピードが早い」、「複製しても劣化しない」、「組合せや変更が容易」という3つの特徴がある。 デジタル化された情報はネットワークを介し直ちに送り届けることができるし、コンピュータでの処理も高速で行うことができる。もし、人間や書類、あるいは輸送手段を介する「フィジカル」な世界であったすれば、このスピードは格段に遅い。また、デジタルな情報のカタチで何度複製されても、元の情報を劣化させることはない。これが、「フィジカル」な紙であれば、複製を重ねる毎に劣化するし、人づてを介して口頭で伝えられる情報は、その過程で内容が変質してしまう可能性すらある。また、「デジタル」な情報を組み合わせることや、変更を加えることが容易であり、新しい組合せや付加価値を拡大させることが簡単にできてしまう。これが、物理的な実態、例えば人の組織やハードウェア、紙の書類などの「フィジカル」な情報では難しい。 このような「デジタル」な情報の「早い」と「劣化しない」特性を組み合わせれば、次のことが可能になる。 ビジネス規模の拡大が容易で早い 利益逓増/複製にコストがかからない また、「早い」と「容易」を組み合わせれば、次のことが可能になる。 変化を即座に把握できる 変化への即応力がある さらに、「劣化しない」と「容易」を組み合わせれば、次のようなことができる。 エコシステムが容易に形成できる イノベーションが誘発、加速する 「ビジネスのデジタル化」とはフィジカルなビジネスの仕組みをデジタルな仕組みに置き換えることで、ここに掲げた価値をビジネスに取り込むことを意味している。
  2. 「デジタル(digital)」とは、本来「離散量(とびとびの値しかない量)」を意味する言葉で、連続量を表すアナログと対をなす概念だ。また、数値、文字、音声、画像などあらゆるアナログな物理的情報をスイッチのオンとオフに対応させた0と1の数字の組み合わせ、つまり「デジタル」として表現することを「デジタル化(digitize)」と言う。コンピュータは、このデジタル化された情報を使って、様々な処理を行っている。 現実世界の「アナログ」な「ものごと」や「できごと」の情報を「デジタル」な情報に移し替えることによって、現実世界はコンピュータで処理できるカタチに変わる。つまり、現実世界の「ものごと」や「できごと」をセンサーやWeb、モバイルなどの様々な接点を介して、現実世界のデジタルなコピーとして、コンピュータは受け取り、現実世界ではできないことを実現することが可能になった。こう考えると「デジタル」とは、アナログな現実世界、つまり「フィジカル(Physical):物理的」な世界と対をなす概念として捉えることができる。 そんな「デジタル」には、「スピードが早い」、「複製しても劣化しない」、「組合せや変更が容易」という3つの特徴がある。 デジタル化された情報はネットワークを介し直ちに送り届けることができるし、コンピュータでの処理も高速で行うことができる。もし、人間や書類、あるいは輸送手段を介する「フィジカル」な世界であったすれば、このスピードは格段に遅い。また、デジタルな情報のカタチで何度複製されても、元の情報を劣化させることはない。これが、「フィジカル」な紙であれば、複製を重ねる毎に劣化するし、人づてを介して口頭で伝えられる情報は、その過程で内容が変質してしまう可能性すらある。また、「デジタル」な情報を組み合わせることや、変更を加えることが容易であり、新しい組合せや付加価値を拡大させることが簡単にできてしまう。これが、物理的な実態、例えば人の組織やハードウェア、紙の書類などの「フィジカル」な情報では難しい。 このような「デジタル」な情報の「早い」と「劣化しない」特性を組み合わせれば、次のことが可能になる。 ビジネス規模の拡大が容易で早い 利益逓増/複製にコストがかからない また、「早い」と「容易」を組み合わせれば、次のことが可能になる。 変化を即座に把握できる 変化への即応力がある さらに、「劣化しない」と「容易」を組み合わせれば、次のようなことができる。 エコシステムが容易に形成できる イノベーションが誘発、加速する 「ビジネスのデジタル化」とはフィジカルなビジネスの仕組みをデジタルな仕組みに置き換えることで、ここに掲げた価値をビジネスに取り込むことを意味している。
  3. 2018年1月、トヨタは、ラスベガスで開催された「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2018」で、独自のMaaS(Mobility as a Service)である「e-Palette Concept」を発表した。移動する手段である自動車を売るのではなく、移動そのものを売ろうというわけだ。そして、自らを自動車はメーカーから「モビリティ・カンパニー」へ転換する旨を宣言した。 「100年に一度の変革期」と言われるほどに、いま自動車業界は大きな変化の節目に立たされている。それは、CASEの波が押し寄せているからだ。CASEとは、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)を意味する言葉だ。人と車が、あるいは車同士が、さらには信号機や道路上に設置されたセンサーが繋がり、お互いの情報を共有し、周囲の状況に合わせた自動運転が実現しようとしている。そんな車がインターネットにつながれば、それぞれの稼働状況をリアルタイムで共有することができる。ならば空いている時間をお互いに融通し合えば、いまほど沢山の車はいらず、移動手段として車をスマートフォンから呼び出せば、直ぐにでも迎えに来てくれる。さらに給油は充電へと変わり人手を介する必要がなくなれば、ますます移動をサービスとして提供するコストも下がり、管理も容易になる。つまり車が売れない時代を迎えつつあるのだ。 「移動」はなにも車だけで実現している訳ではない。バスや鉄道などの公共交通機関、さらには、自転車のシェア・サービスなども移動の手段も加わりつつある。MaaSは、これらあらゆる交通手段を統合し、「移動」者にとっての最適な手段の組合せを提供しよういうサービスだ。それは単にスマートフォンで最適な手段の組合せをルート検索するだけではない。手配や予約、支払いも含め、さらには月額定額(サブスクリプション)を支払えば、乗り放題のサービスも提供される。そんな移動体験を総合的に提供するプラットフォーム・サービスがMaaSということになる。 MaaSの先駆的取り組みのひとつがフィンランドのヘルシンキに本社を置くMaaS Global社のサブスクリプション型サービス「Whim(ウィム)」だ。このサービスは、地元ヘルシンキのほか、ベルギーのアントワープ、イギリスのウエストミッドランドで正式にサービスを展開している。Whimの会員数は、MaaS Global本社があるヘルシンキでは、18年9月現在6万人で、ヘルシンキの人口63万人の約1割がWhimユーザーとなっている。Whimアプリ経由のヘルシンキでの移動回数は、18年9月時点で150万回、利用者が選択する交通手段の割合は90%が公共交通で、残りが自転車やクルマなどの他の移動手段になっているそうだ。サービスの普及に伴い、都市部での自家用車の流入が減っているという。これは交通渋滞や大気汚染が解消し移動時間も短縮することにつながると期待されている。 高齢化社会を迎える我が国でも、MaaSが普及すれば移動の手段を持たない高齢者が容易に移動できるようになるだろう。また、過疎化が進み公共の移動手段が大きなコストとなるところでも移動手段を提供できるようになると期待されている。  
  4. 2018年1月、トヨタは、ラスベガスで開催された「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2018」で、独自のMaaS(Mobility as a Service)である「e-Palette Concept」を発表した。移動する手段である自動車を売るのではなく、移動そのものを売ろうというわけだ。そして、自らを自動車はメーカーから「モビリティ・カンパニー」へ転換する旨を宣言した。 「100年に一度の変革期」と言われるほどに、いま自動車業界は大きな変化の節目に立たされている。それは、CASEの波が押し寄せているからだ。CASEとは、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)を意味する言葉だ。人と車が、あるいは車同士が、さらには信号機や道路上に設置されたセンサーが繋がり、お互いの情報を共有し、周囲の状況に合わせた自動運転が実現しようとしている。そんな車がインターネットにつながれば、それぞれの稼働状況をリアルタイムで共有することができる。ならば空いている時間をお互いに融通し合えば、いまほど沢山の車はいらず、移動手段として車をスマートフォンから呼び出せば、直ぐにでも迎えに来てくれる。さらに給油は充電へと変わり人手を介する必要がなくなれば、ますます移動をサービスとして提供するコストも下がり、管理も容易になる。つまり車が売れない時代を迎えつつあるのだ。 「移動」はなにも車だけで実現している訳ではない。バスや鉄道などの公共交通機関、さらには、自転車のシェア・サービスなども移動の手段も加わりつつある。MaaSは、これらあらゆる交通手段を統合し、「移動」者にとっての最適な手段の組合せを提供しよういうサービスだ。それは単にスマートフォンで最適な手段の組合せをルート検索するだけではない。手配や予約、支払いも含め、さらには月額定額(サブスクリプション)を支払えば、乗り放題のサービスも提供される。そんな移動体験を総合的に提供するプラットフォーム・サービスがMaaSということになる。 MaaSの先駆的取り組みのひとつがフィンランドのヘルシンキに本社を置くMaaS Global社のサブスクリプション型サービス「Whim(ウィム)」だ。このサービスは、地元ヘルシンキのほか、ベルギーのアントワープ、イギリスのウエストミッドランドで正式にサービスを展開している。Whimの会員数は、MaaS Global本社があるヘルシンキでは、18年9月現在6万人で、ヘルシンキの人口63万人の約1割がWhimユーザーとなっている。Whimアプリ経由のヘルシンキでの移動回数は、18年9月時点で150万回、利用者が選択する交通手段の割合は90%が公共交通で、残りが自転車やクルマなどの他の移動手段になっているそうだ。サービスの普及に伴い、都市部での自家用車の流入が減っているという。これは交通渋滞や大気汚染が解消し移動時間も短縮することにつながると期待されている。 高齢化社会を迎える我が国でも、MaaSが普及すれば移動の手段を持たない高齢者が容易に移動できるようになるだろう。また、過疎化が進み公共の移動手段が大きなコストとなるところでも移動手段を提供できるようになると期待されている。