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法を使って暮らしを守るあなたに
〜カフェパウゼで法学を社会活動編
2019/08/02 国民生活センター
科学的に消費者問題を考えるため科学と法学を学ぶ会
千葉大学 准教授 横田明美
https://www.slideshare.net/akemiyokota83
はじめに 自己紹介
横田明美 博士(法学)
行政法→環境法・情報法・消費者法
2006卒 2008卒 2013年学位取得
法学部→法科大学院→ 博士課程
(*2005年~2008年1月にブログを書いていた
ことがきっかけで、研究者の道へ)
p.2
最近の研究課題
2016年度~18年度 若手研究(B) 題目:
集合的利益・拡散的利益を巡る法制度設計―消費
者・環境・情報法制の架橋
・・・AI・ロボットが普及した社会と行政法
「AI・ロボット社会の進展に伴うリスクに対する環境法政策の応用
可能性」環境法研究7号71-88頁
「AI・ロボットと行政規制」弥永真生・宍戸常寿(編)『AI・ロボッ
トと法』(有斐閣、2018年)
「行政によるAIの利活用と行政法学の課題」自治実務セミナー
2019年1月号9-13頁
p.3
横田明美 これまでの著作
行政法 (市民から行政に対する訴訟)
→環境法・情報法・消費者法
→『ロボット・AIと法』へ
p.4
石動竜仁ほか『シン・ゴジラ政府・自衛隊事態対処研究』
(ホビージャパン、2017年)
p.5
前掲・『逐次解説 ゴジラ災害
対処マニュアル』をベースに、
各界の研究者(編集者の人脈
とTwitter経由で招集)を集めた
豪華解説
【参考:別スライド】
巨大不明生物対策からみる日本の行政制度
• 1-1 自衛隊の出動根拠論
– 法律による行政の原理
• 1-2 初の「災害緊急事態」布告
• 2 巨災対の人々
• 3 科学技術と政策
• おわりに 虚構から着想を得る研究
p.6
『カフェパウゼで法学を』(弘文堂、2018年7月)
p.7
2013年12月~2017年3月
「アシタノレシピ」・対話形式
SNS・知的生産(レポート→卒論)
2015年4月~2016年3月
「弘文堂スクエア」・叙述形式
法学学習&進路
メソッドの『カフェパウゼで法学を』
サブタイトルは「対話で見つける〈学び方〉」
• 法学学習への素朴な疑問
「学び方を教えてもらう機会がほぼない」
暗黙知としての「知の技法」・知的生産
得意なことも置かれた環境も人それぞれ
→それぞれの〈学び方〉を
見つけるための伴走者
いわば 「大学生活入門」!
p.8
『法学学習Q&A』(有斐閣、2019年3月)
法学教室2018年4月号別冊付録を大幅に増補し書籍化
• 小谷昌子先生・堀田周吾先生と横田が3人で1
つの質問に答えるQ&A、と豊富な「ブックガイド」、
「ノートの取り方」に特化した特別ゼミ
「答えは一つではない」こと、
自分の学び方を見つけることを意識
p.9
はじめにお願い:今日からやってみよう!
自分の〈内なる声〉も合わせてメモ・ノートをとろう
©YOKOTA Akemi 2015 10
本日のロードマップ
• 35分ほど:講演パート
– 〈内なる声〉もメモしておこう
• ちょっとした疑問や感想、?や☆だけでもOK!
• 10分:質問シートを書いてみよう
– 見出し(主張)+根拠(理由・証拠)を書こう
• 5分:~報告者による順序入れ替え~
• 残り:質疑応答
– 〈良い質問〉を心がけて、周りのみんなと疑問や議論
を共有しましょう!
p.11
質問シートの使い方
(本書・174頁Work6)
• <質問シートを使った質問のコツ>
• 1 .〈内なる声〉をメモしながら報告を聞く
• 2 .質問の内容について、質問シートにキーワー
ド(主張)と趣旨(理由・証拠)を書く
• 3 .手控えのために写真を撮り、報告者に提出す
る。報告者は質問順を並び替える
• 4 .(質問者に当てる場合):
– 報告者(司会)に当てられたら、
質問者は質問の骨子→その理由→聞きたい内容、とな
るように質問する
p.12
参考:「良い質問」とは?
〈内なる声〉をちゃんとメモして、
「良い質問」がお互いにできるようになろう
①理解を確認するための質問
あなたがわからないことは、きっと皆もわからない
②議論を広げ、深めるための質問
なぜ?と理由を聞く、別の事例を紹介する 等
p.13
参考:質問シートの例
p.14
参考:〈内なる声〉のメモで講義・ゼミ・自学のトライアングルを繋
ぐ
p.15
〈内なる声〉のメモで講義・ゼミ・自学のトライアングルを繋ぐ
p.16
今日の目標
• 法学以外の実務家・専門家とのコラボ
– 昨年:天羽先生と「法学入門」談義
• 「法学の学生向け」とは逆向き?
• 「法学研究者とそれ以外の専門性」?
• 体系的思考と問題解決思考の往復!
– 法学専門家の強み
• 体系をものさしにして考えることができる
– 科学研究者の強み
• 科学的知見に基づくエビデンスの吟味
p.17
今日の目標:
法学以外の実務家・専門家とのコラボを考える
ロードマップ
– Ⅰ 学生に法学を活かすために伝えていること
• 学問と現実をつなぐ
• 体系的思考の活かし方
– Ⅱ 行政法研究者からみた消費者法
• 有識者委員経験も踏まえて
– 厚労省薬事食品衛生審議会食品衛生分科会、総務省モバイ
ル研究会消費者保護WG等
– Ⅲ 社会を変えるためにできることは?
p.18
法学を学ぶとはどういうことか?
大学ってどんなところ?
• 「答えは一つじゃないんですか?」という質問
– 研究者が、実務家がしていることは?
p.19
The illustrated guide to a Ph.D.
Matt Might
http://matt.might.net/articles/p
hd-school-in-pictures/
日本語の解説記事:
博士号(Ph.D.)をとるまでの道の
りをイラストで示すと。。。~ライ
フサイエンスプロジェクト
http://life-science-
project.com/908/
法学的思考とは?
「基準を作る力」
「自分とは異なる立場・考えの利益も考える」
– 異なる立場にも目を向けるために
• 1)判例学説の背景の「なぜ」まで考える
• 2)他のケースや場面での応用まで想像する
• 3)日常的に「演じて」みる〈ディベートモード〉
– ゼミ(自主ゼミ含む)の効用
p.20
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
1 法的思考と法解釈
(1)法的思考とは
法源→法命題→あてはめ
©YOKOTA Akemi 2015 p.21
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
法源→法命題→あてはめ
法源:法律の条文など
抽象的な書き方・専門用語
固有名詞を含まない
法命題:
「Aをした人(Aのとき)ならば、Bだ」という形
Aのとき=要件
B(すべき)だ=効果
©YOKOTA Akemi 2015 p.22
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
法源→法命題→あてはめ
• あてはめ:法命題を具体的な事実に当て
はめる
「横田はAなので、Bすべきだ」
という形
©YOKOTA Akemi 2015 p.23
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
(2)法解釈とは
法解釈:法源から法規範を導く作業
=別の言葉への置き換えをする作業
– 「一見して明らか」ならば法解釈はいらない
– 一般の意味とは異なる言葉 「故意」「悪意」「公権力の
行使」
人によって意見が分かれうるから
法解釈が必要→最後は裁判所が決める
©YOKOTA Akemi 2015 p.24
a) 民事訴訟 対立する当事者が述べたこ
とに対し、中立な裁判所が判断して紛争を
解決する手続
b) 刑事訴訟 罪を犯したと疑われている被
疑者(被告人)に対し、公正な手続で刑
罰を科すための手続
→どちらも、裁判所は「真実の解明」をするわ
けではないことに注意!
©YOKOTA Akemi 2015 p.25
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
裁判所は何をするところ?~「真実の解明」が目的ではない
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
学生でも
「法的思考・法解釈」を自然としている!
とんでもない大雨予報…
もし、千葉大学の学生だったらどうする?
当時の学生は、学内掲示板を見ました
見た後に、何を調べて明日登校するか決めるの
か、考えてみてください
©YOKOTA Akemi 2015 p.26
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
掲示板の内容(要約)
1 各キャンパスの最寄駅を運行する全線の列車が運行停止と
なった場合、○時までに運行しない場合は、第○時限の授業を
臨時休講とする
2 気象庁から各キャンパスの所在地域に「暴風警報(以下
「警報」という)が発令された場合、○時までに警報が解除され
ない場合は、第○時限の授業を臨時休講とする
3 各キャンパスの最寄駅を運行する全線の列車が運行停止と
はなっていないが、台風の接近等により運行停止が見込まれる場
合、又はその他の事由により通学及び帰宅が困難と判断される
場合は、教育担当理事が各キャンパスごとに決定する
※最寄駅...西千葉キャンパス:西千葉駅及びみどり台駅(以
下略)
©YOKOTA Akemi 2015 p.27
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
Ⅰ 法学ってなんだろう
3)法学的な考え方を用いることのメリット
①そのときどきの「裸の価値判断」ではなく、抽象的
な基準から冷静に判断することができる
②どんな人にも公平で納得できる判断を導こうとす
る知恵となる
「声の大きな人」や「そのときの多数の人」の意見
に流されず、大体同じようなことには同じ解決策
を導く基準を作って、長期間にわたって多数の人
を公平に取り扱うことができるようになる
©YOKOTA Akemi 2015 p.28
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
【一般的に言われている法学部科目の見取り図】
実定法:いまこの日本で適用されている法
• 公法系科目:憲法、行政法、(国際
法)
• 民事法系科目:民法、商法、民事訴訟
法、(国際私法)
• 刑事法系科目:刑法、刑事訴訟法
• 応用科目:労働法、経済法、環境法、
財政法、社会保障法・・・
©YOKOTA Akemi 2015 p.29
【参考・別スライド】オープンキャンパスでの説明
そのほかにも法学部科目はいろいろ
基礎法:海外の法や、法の歴史、根源にある考
え方を探求する科目
• 外国法科目:英米法、フランス法、ドイツ法、
EU法…
• 法制史:西洋法制史、東洋法制史、ローマ法
…
• そのほか:法哲学、国際法…
©YOKOTA Akemi 2015 p.30
答案は即興レポート
p.31
アウトプットの段階を示す:
〈発想・整想・成果物〉を意識する
• 〈発想・整想・成果物〉を意識する
– 発想:頭の中から素材を出すこと
– 整想:伝わりやすさを意識して並び替え
• 重要度・順序・取捨選択の過程
– 成果物:対外的に提出する完成品
これらを一度にやろうとするとこんがらがる
「企画」と「編集」を分けよう
→答案構成メモをつくるクセをつけよう
p.32
33
応用:〈書き手目線〉と〈読み手目線〉:
ボトムアップとトップダウン(216頁)
p.34
〈鳥の目〉と〈虫の目〉
教科書を読むときに必要なこと
p.35
インプットのコツ:自学の「予習」は二種類ある!
• 本を読むときのコツ:〈鳥の目〉から
– 目次・はしがき・あとがきを読む
– 各章の構成やキーワードを読む
• 授業は〈虫の目〉:細かく学ぶ
– 自分のペースで前もってキーワードの意味だけでも把
握しておくとよい
• なぜか? 「専門用語は外国語」
p.36
法学の授業と現実世界の関係を考えてみよう
• 法学の授業:体系を学ぶ
– 体系とは:「ものさし」
• 現実は:よくわからないものだらけ
– 「これは行政指導なの?行政処分なの?」
• 体系を覚えるときには
– 定義・典型例・異常例(判例)をあわせて覚えよう
p.37
〈基礎知識の縦糸〉に〈動的視点の横糸〉を絡めていく
p.38
手続を流れで覚える重要性
異常事態に気づくためには
異常事態を起こさないためには
– 「おかしいな」と気がつくためには、「平常時はこういう
理由でこういう取扱いをしている」と知っていなければ
ならない
– (法学学習者向け)民訴法と民訴規則の関係
p.39
「クリア後ダンジョン」の楽しみ
科目間のリンクを意識する(252p以下)
p.40
「クリア後ダンジョン」?
• 「何周も」したり、「先読み」をした方がよい!
– 別の科目や段階までいくと「つながっている」ことが見
える場合が多いから
– 例1)契約、裁判、担保の執行
– 例2)罪数、逮捕、訴因変更
p.41
科目間のリンクを意識する
• 宇賀克也=大橋洋一=高橋滋(編)『対話
で学ぶ行政法―行政法と隣接法分野との対
話』(有斐閣・2003年)
– 行政法と憲法・民法・民訴・刑法・刑訴・商法・労
働法・・・などの専門家の対話。
– 初学者(「専門外なので・・・」)から最先端へ(各
章末尾の参考文献の数がおかしい)
p.42
卒業してからわかった
法学科目同士の関係(256pの図及び脚註3)
p.43
続き
他の社会科学分野との関係(260pの「ゼミイメージ」の図)
• 法学と経済学と政策学の関係は?
• 横田ゼミの「卒論」の多様さを示す図を、一つ前の図と比
べてみよう
p.44
法学の授業と現実世界の関係(再掲)
• 法学部の授業:体系を学ぶ
– 体系とは:「ものさし」
• 現実は:よくわからないものだらけ
– 「これは行政指導なの?行政処分なの?」
• 体系を覚えるときには
– 定義・典型例・異常例(判例)をあわせて覚えよう
p.45
法解釈学から法政策学へ
• 「法制度設計論」としての行政法
• (大橋洋一『行政法Ⅰ第三版』(有斐閣、2016年)
1頁)
• 「法学は過去の人たちが決めたことに縛られてい
るからつまらない」?
– バックキャストとフォアキャスト
– 「いけいけどんどんな起業家」とコラボする法律家に必
要な視点は何か?
p.46
今日の目標:
法学以外の実務家・専門家とのコラボを考える
ロードマップ
– Ⅰ 学生に法学を活かすために伝えていること
• 学問と現実をつなぐ
• 体系的思考の活かし方
– Ⅱ 行政法研究者からみた消費者法
• 有識者委員経験も踏まえて
– 厚労省薬事食品衛生審議会食品衛生分科会、総務省モバイ
ル研究会消費者保護WG等
– Ⅲ 社会を変えるためにできることは?
p.47
消費者法の体系
• 消費者民事法
– 消費者契約法・特商法・景表法等における契約規
制
– 公の取引秩序・競争秩序に関しては、行政による是正や履行確
保の仕組みも重要(この部分は「消費者行政法」でもある)
– 製造物責任法による損害賠償
– 紛争解決 (ADR、団体訴訟など)
• 消費者行政法
– 各種の業法による規制
– 消費者安全に関する法制度
p.48
消費者行政法
• 各種の業法
– 例)タクシー:道路運送法+特別法が多数
– 例)介護施設:介護保険法、老人福祉法+条例
• 消費者安全に関する法制度
– 消費者安全法
• 事故情報の集約
• 措置要求、勧告、措置命令
• 消費者安全調査委員会
– 消費生活用製品安全法
• 事故情報の報告・公表制度
– 食品安全のしくみ
• 各種の規制法:食品衛生法、農薬取締法、薬事法、健康増進法など
• 食品安全基本法:食品安全委員会 リスク評価→規制法に反映
p.49
報告者の関心事
• 新しい保護利益の登場
• AI・ロボットの登場によるリスクの特質
– ネットワークで生じていた問題がリアルにも
– ロボットの普及に伴い新たに生じる問題
• 法制度設計に向けた議論
– 既存の法制度とどう接合させるのか
• 従来のシステムと新しいシステムの混在への対応
– 行政の情報収集不全・情報開示不全
p.50
再掲:法学科目同士の関係(256pの図及び脚註3)
p.51
行政法における手法論
• 行政法における国家の責任
– 国家による保護義務
– 規制発動の不全→不作為の国家賠償責任
– 「保障国家」:民間委託しても、最終的責任をとる
• 執行の欠缺→ポリシーミックスへ
– 執行の欠缺
• 行政活動の限界(人的・物的リソース不足)
– ポリシーミックス
• 規制以外の様々な手法を組み合わせて法目的を実現
p.52
規制の一般的手法
• 指針・計画・行政基準・ガイドラインの策定
• 許可制・届出制
– 認可要件として資格や安全基準への適合要求
– 報告義務・立入調査
– 違反時・緊急時の強制権限(是正命令・回収命令)
• 私人間契約への介入
– 認可制(契約条項のコントロール)
– 表示規制(基準適合や検査合格の表示、添付文書
への記載義務など)
• 行政指導・情報提供(上記全てに関連)
p.53
ポリシーミックス
– 情報的手法
• 事業者情報を公衆に開示→市民による監視
• 違反者の「公表」(ときに制裁的に機能)
– 誘導的手法
• 補助金や制裁金の組み合わせ
• 事業者間の情報流通義務付け
– 「市民による法の実現」
• 消費者団体訴訟:個別的利益ではなく集合的利益
• 環境改変許可に対する公衆参加
p.54
リスクへの対応
• リスク・ガバナンス論
– リスク評価とリスク管理の区別
– リスク・コミュニケーション
– レギュラトリー・サイエンス(規制のための科学)
• 委員会制度の活用
例)食品安全委員会、原子力規制委員会
– 専門知の動員と官庁との距離確保
• 情報共有の促進
– 営業秘密に配慮した制度設計(後述)
p.55
報告者の関心事(再掲)
• 新しい保護利益の登場
• AI・ロボットの登場によるリスクの特質
– ネットワークで生じていた問題がリアルにも
– ロボットの普及に伴い新たに生じる問題
• 法制度設計に向けた議論
– 既存の法制度とどう接合させるのか
• 従来のシステムと新しいシステムの混在への対応
– 行政の情報収集不全・情報開示不全
p.56
消費者の保護利益
• 人身被害(生命・身体)
• 財産 →健全な取引秩序
• プライバシー・個人情報
+
• 意思決定への侵食防止(ex.ナッジ)
• プロファイリング(収集から予測へ)
• 安全なシステムを利用する利益
– 今まで以上に個別的法益になりにくく、集団的・集合的
規律や公法的規制の必要性が高い
– 個別の法制度での対応は難しい
p.57
法制度設計に向けた論点:情報
• 事故情報をどのように収集・共有するべきか?
– 現在:相談窓口の連携とPIO-NETによる情報共
有
• ただし、相談現場では「結果」しか見えないことも
– 例)「茶のしずく」事件:
» 小麦を加水分解した美容石鹸によるアレルギー被害。パン
や麺類など小麦を含有する食品を食べた後に運動した際に
全身性のアレルギー(運動誘発性のアレルギー)を発症し
た事例が報告された
– 結果としてみえるのは:原因不明のかゆみ、呼吸困難など
» 「まさか小麦アレルギーだとは」~石鹸と小麦の距離
» 回収までに多大な時間を要した
p.58
現時点でのまとめ
• ロボットによる「消費者被害」
– 未然に防ぐための制度設計は不可欠
• しかし、交通整理や実験法制が必要になる
– それでもなお残る「被害」にどう対応するか
• 現在の問題の延長線上で「結果」から浮き彫りになる
• 横断的な対応が可能となるアクターを生み出す必要
• マルチステークホルダーによる重層的対応
– 民事だけでも、行政だけでも対応不可能
– 公的規制/自主規制/契約規律
• 使えるものは何でも使う必要がある
p.59
今日の目標:
法学以外の実務家・専門家とのコラボを考える
ロードマップ
– Ⅰ 学生に法学を活かすために伝えていること
• 学問と現実をつなぐ
• 体系的思考の活かし方
– Ⅱ 行政法研究者からみた消費者法
• 有識者委員経験も踏まえて
– 厚労省薬事食品衛生審議会食品衛生分科会、総務省モバイ
ル研究会消費者保護WG等
– Ⅲ 社会を変えるためにできることは?
p.60
「このパーティでは何担当?」
スペシャリストとジェネラリストの関係
p.61
謝辞
ご静聴ありがとうございました。
横田明美 http://akmykt.net
akemi@chiba-u.jp
Twitter: @kfpause @akmykt
p.62
もういちど:質問シートの使い方
(本書・174頁Work6)
• <質問シートを使った質問のコツ>
• 1 .〈内なる声〉をメモしながら報告を聞く
• 2 .質問の内容について、質問シートにキーワー
ド(主張)と趣旨(理由・証拠)を書く
• 3 .手控えのために写真を撮り、報告者に提出す
る。報告者は質問順を並び替える
• 4 .(質問者に当てる場合):
– 報告者(司会)に当てられたら、
質問者は質問の骨子→その理由→聞きたい内容、とな
るように質問する
p.63

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