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「集合知を用いたゲームデザインのための
    パターンランゲージ抽出」

  日本デジタルゲーム学会 研究委員
       三宅 陽一郎
      y.m.4160@gmail.com
      Twitter: miyayou
論文
 本講演は 、国際学会

     AsianPLoP 2011: 2nd Asian Conference on Pattern Languages of Programs

 へ投稿した論文(受理済み)

 「集合知を用いたゲームデザインのためのパターンランゲージ抽出」
http://patterns-
wg.fuka.info.waseda.ac.jp/asianplop/proceedings2011/asianplop2011_submission_18.pdf


  を解説したものです。
テーマ
 • ゲーム開発者、ゲームユーザーは、
   多くのゲームの中に共通して含まれる要素がある
   ことを漠然と理解している。
 • 個人的な考察や、指摘はあるが、
   それを体系的にまとめて来た仕事はない。
 • 科学的に、客観的に複数のゲームに共通する要素を抜き出す
   手法が欲しい。

   ゲームデザインを議論するための共通の「言葉」の土壌を準備したい



        ゲームデザインの議論の質の向上に貢献したい
*新しい概念を提案する   *共通の概念をコンパクトに表わす   * 定義に関するループする議論をなくす
パターンランゲージ
  • ゲームの分類ではない。
  • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。

                 弾幕系       東方、怒首領蜂、式神の城




          縦      攻撃系       ゼビウス、斑鳩

シューティング                    グラディウス、赤い刃、デススマイルズ
                 パワーアップ系

          横
                           R-Type、ダライアス
                 回避系

                 一対群系      ボスコニアン、バンゲリング・ベイ
          全方位系




                 対戦系       旋光の輪舞
パターンランゲージ
  • ゲームの分類ではない。
  • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。

                 弾幕系       東方、怒首領蜂、式神の城




          縦      攻撃系       ゼビウス、斑鳩

シューティング                    グラディウス、赤い刃、デススマイルズ
                 パワーアップ系

          横
                           R-Type、ダライアス
                 回避系

                 一対群系      ボスコニアン、バンゲリング・ベイ
          全方位系




                 対戦系       旋光の輪舞
パターンランゲージ
 • ゲームの分類ではない。
 • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。

リブルラブル   ラクガキ王国   びっくりマウス   斑鳩   シルエットミラージュ
パターンランゲージ
• ゲームの分類ではない。
• 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。

リブルラブル   ラクガキ王国   びっくりマウス   斑鳩   シルエットミラージュ

                                              パターン
                                              に名前を
                                               付ける



                                              パターン
                                              に名前を
                                               付ける
パターンランゲージ
• ゲームの分類ではない。
• 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。

リブルラブル   ラクガキ王国   びっくりマウス   斑鳩   シルエットミラージュ

                                              パターン
                                              に名前を
                                               付ける



                                              パターン
                                              に名前を
                                               付ける
パターン「過去の自分と協力プレイ」
(1) 「Cursor*10」 (nekogames,フリーゲーム)
      過去の自分のアクション・プレイと協力プレイしてステージの謎を解く.
(2) 「プリズマティカリゼーション」(アークシステムワークス, 1999 年)
      過去のプレイ履歴が現在のプレイに影響する
(3) 「Braid」(Jonathan Blow, 2008 年)
      自分の失敗した時点まで時間を巻き戻してやり直すことが出来るが,
      オブジェクトによって は過去に巻き戻らないことがある.
(4) 「己の信ずる道を征け」(フロム・ソフトウェア, 2009 年)
      過去の自分のアクション・プレイと協力してステージの謎を解く.
(5) 「時限回廊」(ソニーコンピューター・エンターテインメント, 2009 年)
      一定時間経つと時間が巻き戻るが,エコーと呼ばれる過去の自分の
    プレイが再生され,それと協調してステージの謎を解く.
パターン「過去の自分と協力プレイ」
        本当はもっと議論で使えるようなコンパクトな言葉がいい!
(1) 「Cursor*10」 (nekogames,フリーゲーム)
      過去の自分のアクション・プレイと協力プレイしてステージの謎を解く.
(2) 「プリズマティカリゼーション」(アークシステムワークス, 1999 年)
      過去のプレイ履歴が現在のプレイに影響する
(3) 「Braid」(Jonathan Blow, 2008 年)
      自分の失敗した時点まで時間を巻き戻してやり直すことが出来るが,
      オブジェクトによって は過去に巻き戻らないことがある.
(4) 「己の信ずる道を征け」(フロム・ソフトウェア, 2009 年)
      過去の自分のアクション・プレイと協力してステージの謎を解く.
(5) 「時限回廊」(ソニーコンピューター・エンターテインメント, 2009 年)
      一定時間経つと時間が巻き戻るが,エコーと呼ばれる過去の自分の
    プレイが再生され,それと協調してステージの謎を解く.
今回の論文でまとめたパターン
• [パターン1] 過去の自分と協力プレイ
• [パターン2] 少数の規則によってゲーム中央の場が秩序を持つ
• [パターン3] あいまいさを題材にする
• [パターン4] ゲーム内で描いたものがゲーム内で実際に使用で
  きる道具になる
• [パターン5] 2~3つの属性を使い分ける
• [パターン6] 光で影を操作する
パターン「過去の自分と協力プレイ」
状況 一人専用のゲームをプレイしている.
問題
     一人専用のプレイをしていると,他人との協力プレイの楽しさが得られない.
解決策
  過去のプレイヤーのプレイ(自分自身のプレイ)を記録し,その記録を毎回
  プ レイヤーのプレイと同じ時間軸上で再生する.
フォース
     過去のプレイヤーのプレイは,現在の自分のプレイと明確に区別できるよ
     うに,キャラクター色などを変えて再生する.
結果
 プレイヤーは「再生される過去の自分のプレイ」と協調してプレイすることで,
 自分自身と協力プレイを体験できる.同時に,自分のプレイを記録する場合
 に,未来の協力プレイを想定して記録することで,時間軸を超えて,自分自身
 との協力を指向したプレイ,という新しいゲーム体験を産み出す
パターン「ゲーム内で描いたものがゲーム内で
      実際に使用できる道具になる」
状況
 デジタルゲームにおいて,プレイヤーがゲーム内で
 自由に線や絵が描けるインターフェースを持つ.
問題
 通常,ゲーム内で扱われるオブジェクトは開発側が用意したものに制限され
 ており,そこでプレイヤーのゲーム内のインタラクションの仕方が画一化される.
解決策
 プレイヤーが自由に描いた図形をゲーム内で他のオブジェクトと
 相互作用する道具とする.
フォース
 完全な自由な絵ではなく,大雑把なインターフェースで描ける図形に制限する
 必要がある.
結果
 プレイヤーは「描く」という行為によってゲームに参加し,
 ゲーム内のオブジェクトとのインタラクションを,
 自分の描いた絵によって創造することができる.
パターン「ゲーム内で描いたものがゲーム内で
         実際に使用できる道具になる」
(A) 包囲系
(1) 「リブルラブル」(ナムコ,1983 年) 線を描いて敵やアイテムを囲む.
(2) 「loop」(shockwave.com (programming: ranjit bhatnagar), 2001 年)
(3) 「floats」閉曲線を自由に描いて同じ色のAIを大きくして行く([12]).

(B) 誘導系
(1) 「TRACE」(Bovinedragon Software, 2008 年) 線を引いたり消したりして小人をゴールまで導く
(2) 「LineRider」(2006 年) プレイヤーが描いた線の上をAI(ライダー)がたどっていく([13]).
(3) 「タッチ!カービィ」(タッチ!カービィ, 2005 年) カービィがたどるラインを描く.
(4) 「Snow Line」プレイヤーが描いた線をサンタがたどって行く([14]).・
(5) 「Slider」プレイヤーが描いた線がオブジェクトになる([15]).

(C) 具現系
(1) 「びっくりマウス」(ソニーコンピューター・エンターテインメント,2000 年)
描くものがオブジェクトへ変化する「ワザペン」システム
(2) 「ラクガキ王国」(タイトー, 2002 年) 2Dで描いた図形が3次元モデルに自動的に変換されアニメーション
     する.
(3) 「パックピクス」(バンダイナムコゲームス,2005 年) タッチペンで描いたパックマンがパックマンとして動く.
(4) 「クレヨン・フィジックス」(KLOONING GAMES, 2007 年) 描いたもの全てがゲーム内の物理的オブジェクト
     になる.
(5) 「Princess Drawing」(ですのや☆, 2009 年) マウスで描いた図形で攻撃や防御を行う.
(6) 「CHALK」(konjak.org, 2008 年) チョークで引いた線がオブジェクトとなって敵にダメージを与える.限られ
     た量のチョークで線を描いて敵を撃退する.
パターン「ゲーム内で描いたものがゲーム内で
         実際に使用できる道具になる」
(A) 包囲系
(1) 「リブルラブル」(ナムコ,1983 年) 線を描いて敵やアイテムを囲む.
(2) 「loop」(shockwave.com (programming: ranjit bhatnagar), 2001 年)
(3) 「floats」閉曲線を自由に描いて同じ色のAIを大きくして行く([12]).

(B) 誘導系
(1) 「TRACE」(Bovinedragon Software, 2008 年) 線を引いたり消したりして小人をゴールまで導く
(2) 「LineRider」(2006 年) プレイヤーが描いた線の上をAI(ライダー)がたどっていく([13]).
(3) 「タッチ!カービィ」(タッチ!カービィ, 2005 年) カービィがたどるラインを描く.
(4) 「Snow Line」プレイヤーが描いた線をサンタがたどって行く([14]).・
(5) 「Slider」プレイヤーが描いた線がオブジェクトになる([15]).

(C) 具現系
(1) 「びっくりマウス」(ソニーコンピューター・エンターテインメント,2000 年)
    描くものがオブジェクトへ変化する「ワザペン」システム
(2) 「ラクガキ王国」(タイトー, 2002 年) 2Dで描いた図形が3次元モデルに自動的に変換されアニメーション
     する.
(3) 「パックピクス」(バンダイナムコゲームス,2005 年) タッチペンで描いたパックマンがパックマンとして動く.
(4) 「クレヨン・フィジックス」(KLOONING GAMES, 2007 年) 描いたもの全てがゲーム内の物理的オブジェクト
     になる.
(5) 「Princess Drawing」(ですのや☆, 2009 年) マウスで描いた図形で攻撃や防御を行う.
(6) 「CHALK」(konjak.org, 2008 年) チョークで引いた線がオブジェクトとなって敵にダメージを与える.限られ
     た量のチョークで線を描いて敵を撃退する.
方針:アナログゲームとデジタルゲームを区別しない

• アナログ、デジタルの境界が、ゲームデザイン
  の境界であるわけではない。
• アナログゲーム⇔デジタルゲーム、が相互に
  ゲームデザインをヒントとなるようにする。
パターン「光で影を操作する」
状況
 ゲームステージの上で光源が物体(オブジェクト)に対して影を作る環境がある.
問題
 ゲーム内で生成される影をゲーム性の中に取り込みたい
解決策
 光源をステージ上を移動させたり,プレイヤーに持たせて動かすことで,
 影を作ったり変形させたりするアクションを実現する.
フォース
 光と影を明確に表現するため,ステージ全体を暗くする必要がある.
結果
 影を中心にゲームデザインを行うことを可能にする.
パターン「光で影を操作する」
(1)「森の影あそび」(KRAUL)
    ステージの中央に蝋燭を置いて,ステージ上のオブジェクトが影を落とす.
    影が落ちた領域だけ駒を動かすことができる.蝋燭を動かし,
    影を操って駒が動ける道を作りながら,散らばった駒を集合させて行く.

(2) 「影の塔」(ハドソン,2010 年)
     影となったプレイヤー・キャラクターを操作するが,このキャラクターはステージに落ちた
     影の中しか移動することが出来ない.光源を移動させたり,また逆にオブジェクトを移動
     させたりすることで,ステージに落ちる影の形を変え,
     キャラクターが通ることができお影の通路を作ってステージを進ませて行く.

(3) 「シャドーウォーカー」(ゲームアーツ, 2009 年)
     3D のプレイヤー・キャラクターを操作するが,このキャラクターは
     ステージに落ちた影の中しか移動することが出来ない.
     影を作って経路をつないで行くことで,キャラクターを先へ先へと進めて行く.

(4) 「Shadow Physics」(Steve Swink, Scott Anderson, 2009 年)
     影となった主人公を動かしてオブジェクトの影を動かすと,
     影を作っていた実体の方も同期して動かすことができる.
今回の論文でまとめたパターン
• [パターン1] 過去の自分と協力プレイ
• [パターン2] 少数の規則によってゲーム中央の場が秩序を持つ
• [パターン3] あいまいさを題材にする
• [パターン4] ゲーム内で描いたものがゲーム内で実際に使用で
  きる道具になる
• [パターン5] 2~3つの属性を使い分ける
• [パターン6] 光で影を操作する
ゲームデザイン・パターンランゲージの果たす役割
本手法の課題
                 個人ではゲーム体験が限られる


         たくさんの方の経験を集める必要がある(集合知)

Twitter, Mailing List を活用

  多ければ多いほどよい。同時に、
  それを「まとめる」「確かめる」コアメンバーが必要(募集)。


 ゲームデザイン・パターンランゲージを
 継続的、厳密な手続きで収集し編纂する体制を作りたい。
パターン確立の手続き
コアメンバー 3~8名




Twitter, Mailing List を活用




                            文書化→論文化→書籍化
まとめ
(1) ゲームデザイン・パターンランゲージは、ゲーム
    デザインを議論の質を上げるために必要である。
(2) パターンランゲージを作っていくためには、
    集合知を用いる必要がある。
(3) 集合知を活用するためには、それを支える
    コアメンバーが必要。
(4) コアメンバー募集。三宅まで。

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  • 1. 「集合知を用いたゲームデザインのための パターンランゲージ抽出」 日本デジタルゲーム学会 研究委員 三宅 陽一郎 y.m.4160@gmail.com Twitter: miyayou
  • 2. 論文 本講演は 、国際学会 AsianPLoP 2011: 2nd Asian Conference on Pattern Languages of Programs へ投稿した論文(受理済み) 「集合知を用いたゲームデザインのためのパターンランゲージ抽出」 http://patterns- wg.fuka.info.waseda.ac.jp/asianplop/proceedings2011/asianplop2011_submission_18.pdf を解説したものです。
  • 3. テーマ • ゲーム開発者、ゲームユーザーは、 多くのゲームの中に共通して含まれる要素がある ことを漠然と理解している。 • 個人的な考察や、指摘はあるが、 それを体系的にまとめて来た仕事はない。 • 科学的に、客観的に複数のゲームに共通する要素を抜き出す 手法が欲しい。 ゲームデザインを議論するための共通の「言葉」の土壌を準備したい ゲームデザインの議論の質の向上に貢献したい *新しい概念を提案する *共通の概念をコンパクトに表わす * 定義に関するループする議論をなくす
  • 4. パターンランゲージ • ゲームの分類ではない。 • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。 弾幕系 東方、怒首領蜂、式神の城 縦 攻撃系 ゼビウス、斑鳩 シューティング グラディウス、赤い刃、デススマイルズ パワーアップ系 横 R-Type、ダライアス 回避系 一対群系 ボスコニアン、バンゲリング・ベイ 全方位系 対戦系 旋光の輪舞
  • 5. パターンランゲージ • ゲームの分類ではない。 • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。 弾幕系 東方、怒首領蜂、式神の城 縦 攻撃系 ゼビウス、斑鳩 シューティング グラディウス、赤い刃、デススマイルズ パワーアップ系 横 R-Type、ダライアス 回避系 一対群系 ボスコニアン、バンゲリング・ベイ 全方位系 対戦系 旋光の輪舞
  • 6. パターンランゲージ • ゲームの分類ではない。 • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。 リブルラブル ラクガキ王国 びっくりマウス 斑鳩 シルエットミラージュ
  • 7. パターンランゲージ • ゲームの分類ではない。 • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。 リブルラブル ラクガキ王国 びっくりマウス 斑鳩 シルエットミラージュ パターン に名前を 付ける パターン に名前を 付ける
  • 8. パターンランゲージ • ゲームの分類ではない。 • 複数のゲームに共通する要素をパターンとして抜き出す。 リブルラブル ラクガキ王国 びっくりマウス 斑鳩 シルエットミラージュ パターン に名前を 付ける パターン に名前を 付ける
  • 9. パターン「過去の自分と協力プレイ」 (1) 「Cursor*10」 (nekogames,フリーゲーム) 過去の自分のアクション・プレイと協力プレイしてステージの謎を解く. (2) 「プリズマティカリゼーション」(アークシステムワークス, 1999 年) 過去のプレイ履歴が現在のプレイに影響する (3) 「Braid」(Jonathan Blow, 2008 年) 自分の失敗した時点まで時間を巻き戻してやり直すことが出来るが, オブジェクトによって は過去に巻き戻らないことがある. (4) 「己の信ずる道を征け」(フロム・ソフトウェア, 2009 年) 過去の自分のアクション・プレイと協力してステージの謎を解く. (5) 「時限回廊」(ソニーコンピューター・エンターテインメント, 2009 年) 一定時間経つと時間が巻き戻るが,エコーと呼ばれる過去の自分の プレイが再生され,それと協調してステージの謎を解く.
  • 10. パターン「過去の自分と協力プレイ」 本当はもっと議論で使えるようなコンパクトな言葉がいい! (1) 「Cursor*10」 (nekogames,フリーゲーム) 過去の自分のアクション・プレイと協力プレイしてステージの謎を解く. (2) 「プリズマティカリゼーション」(アークシステムワークス, 1999 年) 過去のプレイ履歴が現在のプレイに影響する (3) 「Braid」(Jonathan Blow, 2008 年) 自分の失敗した時点まで時間を巻き戻してやり直すことが出来るが, オブジェクトによって は過去に巻き戻らないことがある. (4) 「己の信ずる道を征け」(フロム・ソフトウェア, 2009 年) 過去の自分のアクション・プレイと協力してステージの謎を解く. (5) 「時限回廊」(ソニーコンピューター・エンターテインメント, 2009 年) 一定時間経つと時間が巻き戻るが,エコーと呼ばれる過去の自分の プレイが再生され,それと協調してステージの謎を解く.
  • 11. 今回の論文でまとめたパターン • [パターン1] 過去の自分と協力プレイ • [パターン2] 少数の規則によってゲーム中央の場が秩序を持つ • [パターン3] あいまいさを題材にする • [パターン4] ゲーム内で描いたものがゲーム内で実際に使用で きる道具になる • [パターン5] 2~3つの属性を使い分ける • [パターン6] 光で影を操作する
  • 12. パターン「過去の自分と協力プレイ」 状況 一人専用のゲームをプレイしている. 問題 一人専用のプレイをしていると,他人との協力プレイの楽しさが得られない. 解決策 過去のプレイヤーのプレイ(自分自身のプレイ)を記録し,その記録を毎回 プ レイヤーのプレイと同じ時間軸上で再生する. フォース 過去のプレイヤーのプレイは,現在の自分のプレイと明確に区別できるよ うに,キャラクター色などを変えて再生する. 結果 プレイヤーは「再生される過去の自分のプレイ」と協調してプレイすることで, 自分自身と協力プレイを体験できる.同時に,自分のプレイを記録する場合 に,未来の協力プレイを想定して記録することで,時間軸を超えて,自分自身 との協力を指向したプレイ,という新しいゲーム体験を産み出す
  • 13. パターン「ゲーム内で描いたものがゲーム内で 実際に使用できる道具になる」 状況 デジタルゲームにおいて,プレイヤーがゲーム内で 自由に線や絵が描けるインターフェースを持つ. 問題 通常,ゲーム内で扱われるオブジェクトは開発側が用意したものに制限され ており,そこでプレイヤーのゲーム内のインタラクションの仕方が画一化される. 解決策 プレイヤーが自由に描いた図形をゲーム内で他のオブジェクトと 相互作用する道具とする. フォース 完全な自由な絵ではなく,大雑把なインターフェースで描ける図形に制限する 必要がある. 結果 プレイヤーは「描く」という行為によってゲームに参加し, ゲーム内のオブジェクトとのインタラクションを, 自分の描いた絵によって創造することができる.
  • 14. パターン「ゲーム内で描いたものがゲーム内で 実際に使用できる道具になる」 (A) 包囲系 (1) 「リブルラブル」(ナムコ,1983 年) 線を描いて敵やアイテムを囲む. (2) 「loop」(shockwave.com (programming: ranjit bhatnagar), 2001 年) (3) 「floats」閉曲線を自由に描いて同じ色のAIを大きくして行く([12]). (B) 誘導系 (1) 「TRACE」(Bovinedragon Software, 2008 年) 線を引いたり消したりして小人をゴールまで導く (2) 「LineRider」(2006 年) プレイヤーが描いた線の上をAI(ライダー)がたどっていく([13]). (3) 「タッチ!カービィ」(タッチ!カービィ, 2005 年) カービィがたどるラインを描く. (4) 「Snow Line」プレイヤーが描いた線をサンタがたどって行く([14]).・ (5) 「Slider」プレイヤーが描いた線がオブジェクトになる([15]). (C) 具現系 (1) 「びっくりマウス」(ソニーコンピューター・エンターテインメント,2000 年) 描くものがオブジェクトへ変化する「ワザペン」システム (2) 「ラクガキ王国」(タイトー, 2002 年) 2Dで描いた図形が3次元モデルに自動的に変換されアニメーション する. (3) 「パックピクス」(バンダイナムコゲームス,2005 年) タッチペンで描いたパックマンがパックマンとして動く. (4) 「クレヨン・フィジックス」(KLOONING GAMES, 2007 年) 描いたもの全てがゲーム内の物理的オブジェクト になる. (5) 「Princess Drawing」(ですのや☆, 2009 年) マウスで描いた図形で攻撃や防御を行う. (6) 「CHALK」(konjak.org, 2008 年) チョークで引いた線がオブジェクトとなって敵にダメージを与える.限られ た量のチョークで線を描いて敵を撃退する.
  • 15. パターン「ゲーム内で描いたものがゲーム内で 実際に使用できる道具になる」 (A) 包囲系 (1) 「リブルラブル」(ナムコ,1983 年) 線を描いて敵やアイテムを囲む. (2) 「loop」(shockwave.com (programming: ranjit bhatnagar), 2001 年) (3) 「floats」閉曲線を自由に描いて同じ色のAIを大きくして行く([12]). (B) 誘導系 (1) 「TRACE」(Bovinedragon Software, 2008 年) 線を引いたり消したりして小人をゴールまで導く (2) 「LineRider」(2006 年) プレイヤーが描いた線の上をAI(ライダー)がたどっていく([13]). (3) 「タッチ!カービィ」(タッチ!カービィ, 2005 年) カービィがたどるラインを描く. (4) 「Snow Line」プレイヤーが描いた線をサンタがたどって行く([14]).・ (5) 「Slider」プレイヤーが描いた線がオブジェクトになる([15]). (C) 具現系 (1) 「びっくりマウス」(ソニーコンピューター・エンターテインメント,2000 年) 描くものがオブジェクトへ変化する「ワザペン」システム (2) 「ラクガキ王国」(タイトー, 2002 年) 2Dで描いた図形が3次元モデルに自動的に変換されアニメーション する. (3) 「パックピクス」(バンダイナムコゲームス,2005 年) タッチペンで描いたパックマンがパックマンとして動く. (4) 「クレヨン・フィジックス」(KLOONING GAMES, 2007 年) 描いたもの全てがゲーム内の物理的オブジェクト になる. (5) 「Princess Drawing」(ですのや☆, 2009 年) マウスで描いた図形で攻撃や防御を行う. (6) 「CHALK」(konjak.org, 2008 年) チョークで引いた線がオブジェクトとなって敵にダメージを与える.限られ た量のチョークで線を描いて敵を撃退する.
  • 16. 方針:アナログゲームとデジタルゲームを区別しない • アナログ、デジタルの境界が、ゲームデザイン の境界であるわけではない。 • アナログゲーム⇔デジタルゲーム、が相互に ゲームデザインをヒントとなるようにする。
  • 17. パターン「光で影を操作する」 状況 ゲームステージの上で光源が物体(オブジェクト)に対して影を作る環境がある. 問題 ゲーム内で生成される影をゲーム性の中に取り込みたい 解決策 光源をステージ上を移動させたり,プレイヤーに持たせて動かすことで, 影を作ったり変形させたりするアクションを実現する. フォース 光と影を明確に表現するため,ステージ全体を暗くする必要がある. 結果 影を中心にゲームデザインを行うことを可能にする.
  • 18. パターン「光で影を操作する」 (1)「森の影あそび」(KRAUL) ステージの中央に蝋燭を置いて,ステージ上のオブジェクトが影を落とす. 影が落ちた領域だけ駒を動かすことができる.蝋燭を動かし, 影を操って駒が動ける道を作りながら,散らばった駒を集合させて行く. (2) 「影の塔」(ハドソン,2010 年) 影となったプレイヤー・キャラクターを操作するが,このキャラクターはステージに落ちた 影の中しか移動することが出来ない.光源を移動させたり,また逆にオブジェクトを移動 させたりすることで,ステージに落ちる影の形を変え, キャラクターが通ることができお影の通路を作ってステージを進ませて行く. (3) 「シャドーウォーカー」(ゲームアーツ, 2009 年) 3D のプレイヤー・キャラクターを操作するが,このキャラクターは ステージに落ちた影の中しか移動することが出来ない. 影を作って経路をつないで行くことで,キャラクターを先へ先へと進めて行く. (4) 「Shadow Physics」(Steve Swink, Scott Anderson, 2009 年) 影となった主人公を動かしてオブジェクトの影を動かすと, 影を作っていた実体の方も同期して動かすことができる.
  • 19. 今回の論文でまとめたパターン • [パターン1] 過去の自分と協力プレイ • [パターン2] 少数の規則によってゲーム中央の場が秩序を持つ • [パターン3] あいまいさを題材にする • [パターン4] ゲーム内で描いたものがゲーム内で実際に使用で きる道具になる • [パターン5] 2~3つの属性を使い分ける • [パターン6] 光で影を操作する
  • 21. 本手法の課題 個人ではゲーム体験が限られる たくさんの方の経験を集める必要がある(集合知) Twitter, Mailing List を活用 多ければ多いほどよい。同時に、 それを「まとめる」「確かめる」コアメンバーが必要(募集)。 ゲームデザイン・パターンランゲージを 継続的、厳密な手続きで収集し編纂する体制を作りたい。
  • 23. まとめ (1) ゲームデザイン・パターンランゲージは、ゲーム デザインを議論の質を上げるために必要である。 (2) パターンランゲージを作っていくためには、 集合知を用いる必要がある。 (3) 集合知を活用するためには、それを支える コアメンバーが必要。 (4) コアメンバー募集。三宅まで。