再出発するリモートワークワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望

再出発するリモートワーク
ワークスタイルチェンジから見えた課題と
2021年に向けた展望
2020年6月3日
株式会社野村総合研究所
マルチクラウドインテグレーション事業本部
プラットフォームサービス開発部
上級システムアナリスト大塚貢

Adaptable to the needs of
DevOps
Open Source
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％
本日お伝えしたい
内容
１．リモートワークの現状認識
２．リモートワークの課題と対応
３．今後の展望

リモートワークとは？
情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方
普段の勤務先以外の
オフィスで働く
顧客先、カフェ、
移動中に働く
自宅で働く
サテライトオフィス型モバイルワーク型在宅勤務型

リモートワークのメリット
個人社会
 時間の融通が利く
(育児や介護との両立)
 居住地の選択が自由に
 ストレスの低減
 仕事に集中できる
 交通混雑の緩和
 都市一極集中の緩和
 災害時のリスク分散
 雇用促進
企業
 コスト削減
 事業リスクの分散
 企業イメージの向上
 人材確保

1980年代後半国内でリモートワークの導入開始
2017年「テレワーク・デイズ」開始
2020年新型コロナウイルスの流行
2021年東京オリンピック開催予定
2006年政府がテレワーク人口の倍増を表明
リモートワークの変遷
- ワーク・ライフ・バランス、少子高齢化対策、地域格差
- 2017年は6.3万人(950企業・団体) が、2019年は68万人(2,887企業・団体) に
- 地価高騰、都心から離れたサテライトオフィス型
1990年代後半再びリモートワークが注目を浴びる
- PCやインターネットの普及、生産性の向上
- 在宅勤務型

beforeコロナ、リモートワーク導入企業の割合は？
出所令和元年５月31日付総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」
リモートワーク導入企業の割合
H30年の導入企業は20％弱と少なく、導入形態はモバイルワークが中心

beforeコロナ、リモートワーク実施者の割合は？
リモートワークを実施する従業員の割合
導入企業の
割合 × 利用する人の
割合 → リモートワーク
実施者数
出所令和元年５月31日付総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」
導入企業であっても、実施している人の割合（H30年）はまだ少ない

緊急事態宣言で実施者数はどう変わったか？
出所株式会社パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
2020年3月と4月のリモートワーク実施率（全国）
調査対象：正社員22,477人調査対象：正社員21,448人
4月10日 – 4月12日3月9日 – 3月15日
2.1倍特に都市部での伸びが著しい
東京都 23.1％ → 49.1％
神奈川県 18.9％ → 42.7％
千葉県 17.0％ → 38.0％
埼玉県 13.8％ → 34.2％
大阪府 12.5％ → 29.1％
3月9日～ 3月15日 4月10日～4月12日
3月から4月で実施者数は倍増。特に都市部での伸びが顕著

欧米企業のリモートワーク活用状況とステージとの関係
出所 GitLab社「The Remote Playbook」（2020年3月）
75 %
25 % 37 % 26 % 12 %
欧米では、リモートワーク導入企業の約75%で活用が進んでいる
割合は米・加・豪・英
2020年1月～2月の数値

DevOps
Open Source
％
内容

DevOps
Open Source
％
皆さんの職場では
リモートワークに対して
どのような声が上がっていますか？

リモートワークの効果
約８割の企業（H30年）がリモートワーク導入は「効果があった」と回答
リモートワークの導入効果（平成30年） (n=402)
出所総務省平成３０年通信利用動向調査報告書（企業編）
21.1 %
58.1 %
※n値は比重調整後の集計企業数
非常に
効果があった
ある程度効果があった
あまり効果がなかった
1.0 %
効果はよく
分からない
16.9 %
無回答
2.9 %

リモートワークはwith/afterコロナも続くか？
出所・2020年5月7日付ビッグローブ株式会社調査結果
( https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2020/05/200507-1 )
リモートワークは定着する／活用したいと考えている人が多数派
新型コロナウイルスの流行を機に日本企業に
リモートワークが定着すると思うか (n=1,000)
今後もリモートワークをしたいと思うか (n=1,000)
64.8 %
一部では定着する
定着する
19.1 %
ほとんど定着しない
12.7 %
定着しない
3.4 %
今回のような
非常時には
したい
通常時もしたい
（機会を増やしたい）
したいとは思わない
4.6 %
42.4 % 53.0 %

• PC等の紛失・盗難
• 不正アクセス
• マルウェアなど
• 勤務時間中に働いているか
• 長時間労働
• サービス残業
• 会議
• 日々の報連相
• 普段のちょっとした会話
• 成果が見えにくい
• 人事評価が困難に
• リモートワーク疲れ
• 孤独感/ストレス
• オン/オフの切替えなど
• 業種/職種が適合しない
• 押印/紙媒体
一方、リモートワークの課題も多い

課題解決に向けたアプローチ
１．ICTを有効活用する
２．仕事のやり方を変える
３．考え方を変える

１．ICTを有効活用する
• セキュアなリモート接続環境
• TV会議システム
• ビジネスチャット
• 情報共有ツール
• 勤怠管理システム
• ログの分析など
この後のセッションにてご紹介
どう活用するか？＋

２．仕事のやり方を変える
• 職務範囲の明確化
• アウトプット重視
• 個人のスキルＵｐ
（１人で業務を進められる力）
• 主体的に動く
• 評価基準/プロセスの適正化
欧米型へのシフト？

日本と欧米の違いは？
メンバーシップ型
（＝就社型）
ジョブ型
（＝就職型）
雇用
配属、勤務先、キャリア
給与（評価）
日本欧米
会社に入る＝会社の構成員
になること
会社に入る＝ジョブ（仕事）
をする場を得ること
保証される
会社都合で決まる
年功序列
保証されない
自身で決めて会社と合意
成果次第

欧米では何が起こっているか？
雇用維持を図りつつ、新しい「仕事のやり方」に変えていく必要がある
• 米国では、失業保険の新規申請件数が急増
（2020/5/14までの過去8週間で3,600万件。就労人口の5人に1人）
• 英国では、4月に失業者向けの手当を申請した人の数が210万人
（3月から約85万6500人増加）
• 日本は、失業者が増えにくい構造（メンバーシップ型、法制度）
• リーマンショック時、日本の失業率増加は欧米ほどではなかった
日本：4.0 % → 5.6 %
米国：約 6 % → 約 10 %
欧州：約 7 % → 約 9.5 %

メンバーシップ型／ジョブ型のハイブリッド
• アウトプットが7～8割 (ジョブ型) 、それ以外の要素で2～3割 (メンバーシップ型) に
• 大切なのは会社/従業員間で基準が共有され、納得して働ける環境作り
• リモートワークが拡大
→ アウトプットを重視する方向にシフト
• 雇用の観点
→ メンバーシップ型の特性である長期継続雇用を前提に
組織変更や人員配置のフレキシビリティを確保
with/afterコロナ
メンバーシップ型
（＝就社型）
ジョブ型
（＝就職型）
雇用
配属、勤務先、キャリア
給与（評価）
日本欧米
会社に入る＝会社の構成員
になること
会社に入る＝ジョブ（仕事）
をする場を得ること
保証される
会社都合で決まる
年功序列
保証されない
自身で決めて会社と合意
成果次第
ハイブリッド型
保証される
自身で決めるウエイトが高まる
成果を軸にしたバランス型
会社の構成員ではあるが
ジョブ（仕事）もコミット

３．考え方を変える
• ピンチを前向きに捉える
本当にそうか？疑う
• 対面しか無理  飲食店の宅配サービス
 オンラインの有効活用
（居酒屋、授業、習い事、医療、婚活、・・・）
• 紙媒体/押印  電子化
（法や制度の整備も）
with/afterコロナの時代、「当たり前」を変えていくことが大切

DevOps
Open Source
％
内容

ハイブリッド化が進む
コロナ禍をきっかけに、働き方は目的に応じた「使い分け」をする時代

（その１）リモートワークに対する意識は変わってきた
会社でしか出来ない仕事以外は、リモートワークで行うという考え方が定着
 リモートワークには理由が必要
• 育児・介護
• 交通事情（台風など）
• その他、出社できない事情
 オフィス出社には理由が必要
• 対面が効率化な会議
（ブレスト、議論）
• 物理的に解決困難な業務
１週間で何日出社すれば滞りなく仕事が進められるか？
Before コロナ With/Afterコロナ

出所 GitLab社「The Remote Playbook」（2020年3月）
（その２）意識の変化に伴い、リモートワークは定着する
今後は Hybird-remote が主流に。All-remote を模索する企業も増えていく

メンバーシップ型/ジョブ型のハイブリッド化が進み、働き方もより多様化する
Before コロナ
 メンバーシップ型
• 就社型
• 個人よりも会社主導
• 職務範囲や成果が曖昧
With/Afterコロナ
 ハイブリッド化（メンバーシップ型/ジョブ型）
• 個人のウエイトが高まる
• 成果がより重視される
• 評価基準も明確に
（会社/従業員で基準が共有）
• 働き方もより多様化
（その３）リモートワークの定着で、働き方そのものが変わる

DevOps
Open Source
％
「会社に来て働く」という旧スタイルからの脱却のフェーズ
課題解決には多角的な視点が必要
（ICTの有効活用、仕事のやり方を変える、考え方を変える）
リモートワークに対する意識は変わり、使い分け（Hybird-remote）が定着
仕事のやり方はメンバーシップ型/ジョブ型のハイブリッド化に向かい
より多様化する
今は、働き方の歴史が変わる「その時」ではないか？
まとめ

最後に
“働き方改革”の次のステップへ
“働きがい改革”に向けて歩みだしましょう
コロナ禍で“働き方”を見直すきっかけを得た
そして、with/afterコロナを見据えて歩き出した

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