健康長寿大国と言われる日本ですが、2025年には75歳の高齢者が4人に1人という割合となり、医療費は年々増加、ついに40兆円を突破し、今後も増加に歯止めがかかりません。このような状況から医療に頼らず病気を未然に防ぐ予防が求めらている。特に地方では医療費や高齢化の問題は顕著でこれらの対策が各地で行われている。今回、これら地域での取組みの一部を取り上げ今後の地域での健康事業を通した健康向上施策の検討に活用頂く事を目的に作成しました。ぜひご参考にして頂けますと幸いです。

1. 地域ヘルスケア事業
⾃治体事業事例集
2015年版

2. 健康商品
経済効果
健康効果
（医療費削減）
個⼈
ヘルス
ツーリズム
健康
ポイント
健康経営
健康
ステーション
健康保険
団体
横軸：ターゲット
縦軸：⽬的
〔⾃治体施策の主な区分〕
Ⅰヘルスツーリズム
・インバウンド増加
・就労者増加
Ⅱ健康ポイント
・健康増進
・商店街活性
Ⅲ健康経営
・企業認定（企業価値）
・⾦利優遇
Ⅳ健康ステーション
・健康コミュニティ（健診）
・教育（ヘルスリテラシー）
Ⅴ健康商品
・コラボ商品開発（産官学）
・特産品活⽤
ヘルスケア事業の区分

3. Ⅰ ヘルスツーリズム
現在は健康効果が証明されている温泉療法を中⼼に、「⾷」「運動」「休
養」を合わせたパッケージが中⼼、医療控除や保険の適⽤などで費⽤⾯で
も魅⼒を出しているものもある。その他、慢性疾患（糖尿病、⾼⾎圧等）
の改善トレーニングや健康診断を組み合わせたメニューを提供している
サービスもある。
Point：
–特定疾患に対するアプローチ
–健康効果のエビデンスや研究の実施
–保険適⽤や医療控除

4. ヘルスツーリズム事例
⼭形県村⼭市 「クアハウス碁点」
http://kur-goten.jp/
温泉を中⼼に、「栄養」「休養」「運
動」を組み合わせた、“ヘルスアッププ
ラン”を提供。４名のヘルスケアトレー
ナーが常駐し、指導やプログラムを作
成。医療控除対象にもなっている。
⼭形県 上⼭温泉「クアオルト」
http://kaminoyama-spa.com/kurort/
⽇本で唯⼀ドイツのミュンヒェン⼤学
が認定した気候性地形療法の専⾨コー
スを歩くウォーキングに、温泉と⾷を
組み合わせたヘルスツーリズムプラン
を提供。⽇本のヘルスツーリズムのモ
デルとして注⽬されている。
⼤分県⽵⽥市
「温泉療養保険システム」
http://www.taketan.jp/
onsenryoyo/system/
index.html
温泉療法保険システムは、温泉を使っ
た滞在に保険を適⽤するシステムで、
⽵⽥市が全国で先駆けて実施している。
これにより地域の経済効果は20倍、糖
尿病予防効果の研究なども⾏っている。
〔温泉療法が中⼼〕

5. Ⅱ 健康ポイント
主に⾃治体や国の健康対策や地⽅創⽣の予算にて実施、主に健康活動（予
防）に対するインセンティブとして、地域の産品や地域で使⽤出来る商品
券、その他、登録店での特典などを提供。これに合わせた啓蒙活動として
セミナーやウォーキングイベントなどを開催。会津美⾥町の事例では更に
医療者との連携、⺠間での⾃⾛出来る体制などを継続している。
Point：
–地域経済や健康イベントや活性化などの取組みと連携
–地域医療者との連携
–継続出来る体制の構築

6. 健康ポイント事例 〔地域の商店街などと連携〕
静岡県
「ふじのくに健康マイレージ」
http://mileage.shizuoka-kenzou.jp/
県内の市町村で実施する健康診断の受
診、健康講座やスポーツ教室、ボラン
ティアなどの社会参加など健康づくり
メニューを⾏なった住⺠が、優待カー
ドをもらい、登録されている協⼒店よ
り様々な特典が受けられるシステム。
兵庫県 加東市
加東サンサンチャレンジ
http://www.city.kato.lg.jp/
33challenge/
3ヵ⽉で3キロ減量を達成するとプレゼ
ントがもらえる。期間中はセミナーやイ
ベントなどが開催され、スタンプラリー
に登録されている協賛店からの特典など
がある。
福島県会津美⾥町
「あいづじげん健康ポイ
ントクラブ」
http://aizujigen-
point.jp/
家庭での⾎圧測定、健康を⽬的とした地域イ
ベントへの参加により、ポイントを付与し、
⼀定ポイントが貯まると地域商店街で利⽤可
能な商品券と交換。⾎圧記録を医師と共有出
来る仕組み。

7. Ⅲ 健康経営
主に⼤⼿企業が健保との連携で実践する健康経営（健康対策による企業価
値向上、⽣産性向上の取組み）を地⽅や中⼩企業に拡げ、企業や健保の負
担により健康増進を図る取組みで、⾃治体独⾃や健保などと評価指標を作
成し、認定や表彰を⾏い、更に地銀と連携した融資制度などベネフィット
を提供する。
Point：
–評価制度の作成
–お墨付きの価値
–実⽤的（⾦融関連等）なベネフィット

8. 健康経営事例 〔評価・認定と⾦利優遇〕
⻘森県⻘森市
あおもり健康アップ実践企業認定制度
認定証と認定ステッカーを交付、市の
ホームページで企紹介す、健康講座な
どの講師派遣、健康教材の貸出、健康
情報の提供などの特典や⻘森銀⾏の企
業融資や個⼈融資の優遇が受けられる。
⼤分県
「健康経営事業所認定制度」
http://www.pref.oita.jp/soshiki/
12200/kenkoukeiei.html
⼤分県と協会けんぽが共同で実施する
県内企業の登録・認定制度。登録した
事業所に対して、保健指導やヘルスケ
ア情報サービスの提供などを⾏い、健
康づくりへの取り組みを⽀援。特に優
れた取り組みを⾏う事業所に対しては
知事顕彰を⾏っています。
静岡県 ふじのくに健康
事業所応援キャンペーン
http://www.at-s.com/
kenkou/fujinokuni/
index.html
参加企業に対しては健康活動の⽴案などに協
⼒し、各企業の取り組みを県や協会けんぽの
広報紙やサイトでの紹介、知事表彰の候補と
してもノミネートされる。静岡県内のメディ
アとも連携した啓発活動を⾏っている。

9. Ⅳ 健康ステーション
地域の健康拠点（予防やセルフケア領域）として、「計測」「情報取得」
「相談」「コミュニケーション」など健康に関する地域の⼀次窓⼝となる
施設として設置、レストランや薬局、銭湯などとのコラボレーションによ
る運営や、セミナーやイベントの開催、地域⼈材の育成によるコミュニ
ティ構築を⾏う。
Point：
–利⽤したくなる魅⼒的なサービス（企業との連携）
–コストを抑えた継続出来る仕組み（休眠施設や隙間の活⽤）
–コミュニティリーダーの育成

10. 健康ステーション事例
奈良県 「健康ステーション」
http://www.pref.nara.jp/dd.aspx?
menuid=36624
奈良県内で２カ所のステーションを開
設、ショッピングセンターなどアクセ
スの良い場所に設置し利⽤者を増やす。
測定器による健康チェック、セミナー、
活動量計の貸出、健康サポーターの育
成等を⾏っている。
新潟県⾒附市
「スマートウェルネスみつけ」
http://www.swc.jp/
健康を街全体でつくるSmart Wellness
Cityを掲げ、銭湯を中⼼として健康事
業の推進だけでなく、街全体として歩
道の整備や制度⾯（特区）の整備など
総合的に実施している。
新潟県⻑岡市
「健康ラボ⻑岡」
https://www.nagaoka-
kenkou.jp/
タニタとタニタ⾷堂とのコラボにより、
健康の実践を推進する拠点、タニタカ
フェをオープン。コミュニティやポイ
ント制度を中⼼に健康指導やセミナー、
計測などを実施している。
〔歩く仕掛けが中⼼〕

11. Ⅴ 健康商品
地域の特産物に「健康効果」という新たな価値を負荷し、地域活性に繋げ
ようという試み、現在では⾷品が多いが、ツーリズムやサービスなども増
加しつつある。主に地域企業などでコンソーシアムを構築し、意⾒交換や
協議などを⾏い開発を進め販路開拓なども共同で実施、また住⺠からのア
イデアなどを募集し商品開発に活⽤している。
Point：
–健康効果のエビデンスや研究の実施
–地域企業の積極的な参⼊（流通や⼩売りなど）
–地域を活⽤した検証やマーケティング

12. 健康商品事例 〔産官学連携で実施〕
熊本県
「くまもと健康志向型プロダクツ」
http://www.khsi.jp/
熊本県健康サービス推進協議会では、
、県内事業者等が産学連携や医・農・
商・⼯連携等の取り組みにより事業化
する質の⾼い健康志向の製品・サービ
スを認定、展⽰会や勉強会などでフォ
ローアップを⾏い販路を開拓する。
⻑野県 松本市
「松本ヘルス・ラボ」
https://m-health-lab.jp/
個⼈による健康づくりと、企業による
健康産業創出を同時に⾏おうという取
組み、個⼈は「健康パスポートクラ
ブ」による健康チェックやイベント、
情報提供を受ける事ができ、企業はク
ラブメンバーへ商品のサンプリングや
アイデア募集などを⾏う事が出来る。
千葉県銚⼦市
「ちょうしがよくなるま
ちちょうし」
http://choshi-e.jp/
⾷・⾃然・⽂化など地域資産がもつ価
値を「健康」というテーマのもとで再
創造するプロジェクト、セミナーなど
で⼈材を育成し、その⼈材によりツ
アーや⾷品などの商品開発を⾏う。

13. 健康商品
経済効果
健康効果
（医療費削減）
個⼈
ヘルス
ツーリズム
健康経営
健康
ステーション
健康保険
団体
横軸：ターゲット
縦軸：⽬的
健康リーダー育成
今後の⽅向性
これまで健康データの計測やセミ
ナー開催などを⽬的とされていた
健康ステーションが地域の健康事
業のプラットフォームとして、健
康リーダーなどの⼈材育成、健康
知識を活⽤した商品やツーリズム
の開発など、他の事業と連携する
事で地域の⽅々が中⼼となり、健
康に関連する事業創出や雇⽤創出
の中⼼としての役割が求められる。
継続性
⾃主性
コミュニティ構築
（リーダー育成）
ü 成功のポイント
健康
ポイント

14. 14