1. リワイヤリングと ディスワイヤリング 今泉大輔 ピーポーズ株式会社 © 2009

2. レジュメ（１） ・リワイヤリングの基本 ・リワイヤリング典型事例 ・リワイヤリングにおけるレバレッジ -人脈形成できていなかった人にとっては天国 ・リワイヤリングの条件

3. レジュメ（2） ・リワイヤリングが高速に機能している状態 - 万能感 - 軽躁状態 - 結果としての睡眠不足 ・やりとりする人が多すぎる - Over Connected状態 ・リワイヤリングが逆回りする時 ・リワイヤリングで結ばれていた者同士の対立

4. 「リワイヤリング」とは（1） 一般的にほとんどの人間は、家庭においても企業においても、比較的限定された相手とのみ付き合っており、そのネットワークを流れる情報、そのネットワークで利用できる資源は、決まっている。 企業A部門Bの社会ネットワーク 企業C部門Dの社会ネットワーク 資源 情報 資源 資源 資源 資源 情報 資源 情報 資源 双方に交流はない 情報 情報 資源 資源 情報 情報 情報 資源 資源 情報

5. 「リワイヤリング」とは（2） EとDが例えばツイッターイベントで出会い、名刺交換をして話をしているうちに、双方の母親が同じ小学校に通っていたことがわかった（スモールワールド性の発現）。そうこうしているうちに、両者が開拓しようとしていた事業機会がまったく同じであることがわかり意気投合。企業提携の可能性もあると強く確信した。（リワイヤリング） 1人の個人と1人の個人の間でリワイヤリングが発生すると、非常に強い信頼関係が芽生える。また、「一生に一度しかありえない」ような偶然の一致に遭遇するなど、心理的に大変に大きなポジティブインパクトがある。 リワイヤリングは、当事者双方に忘れられない経験となる。 企業A部門Bの社会ネットワーク 企業C部門Dの社会ネットワーク 資源 情報 資源 資源 資源 リワイヤリング 資源 情報 資源 情報 資源 情報 E D 情報 資源 資源 情報 情報 情報 資源 資源 情報

6. 「リワイヤリング」とは（3） EとDがリワイヤリングでつながった結果、Dはこれまでにアクセスできなかった企業A部門Bが持つリソースにアクセスし利用できるようになる。Eは同じく企業C部門Dのリソースにアクセスできるようになる。そしてコラボレーションができる。これが双方にとって非常に大きなアドバンテージになる（競合他社が絶対に真似のできない領域で展開する） 結果として、企業A部門Bにおいても、企業C部門Dにおいても、尋常ではない大きな成功がもたらされる。 企業A部門Bの社会ネットワーク 企業C部門Dの社会ネットワーク 資源 情報 資源 資源 資源 資源 情報 リワイヤリング 資源 情報 資源 情報 E D 情報 資源 資源 情報 情報 情報 資源 資源 情報

7. 「リワイヤリング」とは（4） リワイヤリングとは、日常的な人間関係とはほとんど縁もゆかりもない、かなり遠いところにある人間関係と、何らかのきっかけを通して関係が生じること。往々にして、仕事やプライベートで利用できる情報（人の情報を含む）の量や質が一変する。 成功する人や組織は、意識せずとも、遠距離交際と近所づきあいの絶妙なバランスをとりながら活動している。濃密な近所づきあいを維持しながら、触手をはるか遠くへ伸ばし、情報伝達経路のつなぎ直し（今泉注：リワイヤリング）をして、通常なら決して結びつかない遠距離のノードとも、短い経路でつながっている。そして、そこで得られた冗長性のない情報を、巧みに利用する。 これこそが、最新のネットワーク理論によって解明されつつあるネットワーク能力の不思議なメリットであり、遠距離交際と近所づきあいの「いいとこどり」なのである。 「一橋ビジネスレビュー」2009年8月号 特集・ネットワーク最前線「特集にあたって」西口敏宏 いわゆる運がよい人や成功しつづける組織をよく調べてみると、宝くじを当てるように幸運が降って湧いたわけではなく、「運が、構造化している」ことがわかる。人や組織の運は、実はそれを取り巻くネットワークのトポロジー、つまり、隣の友人や遠くの知人（ノード、結節点）と、ネットワークを通してどのようにつながっているかという、構造特性に依存する部分が大きい。重要なのは、あなたが直接、誰を知っているかよりも、その誰かがあなたの知らない誰かを知っており、その人がさらに、他の誰を知っているかということなのだ。しかも、五感でとらえられる範囲しか知らない人間固有の認知限界によって、本人たちはそのことに気がつかない。だから、これは運だと錯覚する。