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環境報告書2009   独立行政法人国立青少年教育振興機構
編集方針
 平成20(2008)年度において、当機構が実施した環境に関する教育事業における活動内容
を重点に編集し、各施設の特色ある活動を紹介しました。
 また、全28施設が参加している、地球温暖化防止の為の我が国の温室効果ガス排出量の
削減目標達成に向けた国民的プロジェクトである「チーム・マイナス6%」に関する取り組みも紹
介しました。
 この報告書により、当機構が実施している活動内容を知っていただき、教育事業にも参加して
いただきたいと思います。
 なお、本報告書は、環境配慮促進法に準拠し及び環境報告書ガイドライン2007年版を参考
にして作成しました。




                         報告対象組織
                独立行政法人   国立青少年教育振興機構



                      報告対象範囲
                  本部・全28国立青少年教育施設


      ◆国立オリンピック記念青少年総合            ◆国立日高青少年自然の家
       センター                       ◆国立花山青少年自然の家
      ◆国立大雪青少年交流の家                ◆国立那須甲子青少年自然の家
      ◆国立岩手山青少年交流の家               ◆国立信州高遠青少年自然の家
      ◆国立磐梯青少年交流の家                ◆国立妙高青少年自然の家
      ◆国立赤城青少年交流の家                ◆国立立山青少年自然の家
      ◆国立能登青少年交流の家                ◆国立若狭湾青少年自然の家
      ◆国立乗鞍青少年交流の家                ◆国立曽爾青少年自然の家
      ◆国立中央青少年交流の家                ◆国立吉備青少年自然の家
      ◆国立淡路青少年交流の家                ◆国立山口徳地青少年自然の家
      ◆国立三瓶青少年交流の家                ◆国立室戸青少年自然の家
      ◆国立江田島青少年交流の家               ◆国立夜須高原青少年自然の家
      ◆国立大洲青少年交流の家                ◆国立諫早青少年自然の家
      ◆国立阿蘇青少年交流の家                ◆国立大隅青少年自然の家
      ◆国立沖縄青少年交流の家



                         報告対象期間
              平成 20(2008)年 4 月~平成 21(2009)年 3 月

                         発行年月日
                    平成 21(2009)年 9 月 30 日
目 次

1.トップコミットメント ······················································································································                            2



2.機構の概要 ··································································································································                     3

    2.1 目的 ··········································································································································· 3

    2.2 機構組織 ··································································································································· 3



3.環境理念と活動方針 ················································································································································   4

4.環境配慮への体制 ··················································································································                                  5

5.環境目標・実績 ··························································································································                           6



6.環境配慮活動 ····························································································································                          7

    6.1 環境教育事業活動 ···················································································································· 7

    6.2 「チーム・マイナス6%」の活動 ·································································································· 14

    6.3 環境保全のための設備、備品等の整備・充実 ········································································· 15

    6.4 外部委託業者との連携による環境配慮促進活動 ···································································· 17

        6.4.1 地産地消活動··················································································································· 17

        6.4.2 サプライチェーンマネジメントのグリーン化 ······································································ 19

    6.5 環境関連法規制への対応 ········································································································ 20

    6.6 社会貢献活動···························································································································· 21



7.環境負荷の状況 ························································································································22

    7.1 マテリアルバランス(インプット/アウトプット)············································································ 22

    7.2 個別環境負荷の状況 ················································································································ 23



8.環境報告書の自己評価 ········································································································ 24

◆環境配慮促進法との対照表 ································································································ 25




                                                                                                                                                                   1
1        トップコミットメント
     独立行政法人国立青少年教育振興機構は、平成 18 年 4
    月に「国立オリンピック記念青少年総合センター」、「国立青年
    の家」、「国立少年自然の家」の3つの独立行政法人が統合さ
    れ、我が国の青少年教育のナショナルセンターとしてスタート
    しました。
     当機構は、幼少期から青年期までの各年齢期に必要とされ
    る体験活動について、全国に 28 ある宿泊滞在型の国立青少
    年教育施設において、青少年の集団宿泊による共同生活体           理事長 田中 壮一郎
    験や豊かな自然のフィールドを活用した自然体験活動、さらに
    は勤労体験など多様な体験活動の機会を青少年に提供し、体験活動を通して、青少年の
    健康な身体、感性豊かな心、生涯に出会う課題にチャレンジする意欲と能力の育成に努
    めています。
     また、青少年教育指導者の養成、青少年の喫緊の課題に関する調査研究及び情報提
    供、青少年関係機関・団体との連絡促進、さらに「子どもゆめ基金」による民間団体・NPO
    の体験活動事業への助成などを行っています。
     平成 15 年 7 月に制定された持続可能な開発のための教育に関する「環境保全のため
    の意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」では、子どもから大人まで、いつでも
    どこでも環境教育に参加できるようにすることが求められています。
     当機構は、我が国の青少年に環境の重要性を認識させ、環境マインドを醸成する上で
    極めて重要な役割を果たしており、自然体験活動等を通して、環境教育にも積極的に取
    り組んでいます。
     平成 20(2008)年度は、約486万人の青少年や一般の方々が、当機構の教育施設を
    利用され、当機構が企画実施した地球環境を保全する意識を育む体験型環境学習事業
    を始めとする先導的・モデル的な体験活動事業や各利用団体の自主企画による研修活
    動が展開されました。
     さらに、平成 20(2008)年度は、7月に北海道洞爺湖サミットにおいて環境・気候変動が
    主要議題の一つとして取り上げられるなど、地球温暖化やゴミ問題といった環境問題・環
    境保全に関する国民の関心の高まりを踏まえ、「環境教育の推進」を当機構の教育事業
    の重点テーマに加え、持続可能な社会づくりに主体的に参画できる人材の育成に資する
    事業の充実を図りました。
     今後とも、体験活動を通じた環境教育を推進し、青少年の環境マインドの醸成を図ると
    ともに、教育施設の運営に伴う環境負荷の低減、エネルギー効率の向上に努めてまいり
    ます。
     皆様方の一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
                                          平成 21 年 9 月
                              独立行政法人国立青少年教育振興機構
                                  理事長   田 中 壮 一 郎


2
2
2.1 目的
        機構の概要

 「独立行政法人国立青少年教育振興機構」は、平成 18 年 4 月に「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター」、
「独立行政法人国立青年の家」、「独立行政法人国立少年自然の家」が統合され発足しました。機構は、我が国の青少年教育の
ナショナルセンターとして、青少年を巡る様々な課題へ対応するため、青少年に対し教育的な観点から、より総合的・体系的な一
貫性のある体験活動等の機会を提供するとともに、研修支援、青少年教育に関する調査研究、青少年団体・施設等の連絡・協力、
青少年団体への助成を行い、もって我が国の青少年教育の振興及び青少年の健全育成を図ることを目指しています。


2.2 機構組織

   機構本部                                国立オリンピック記念青少年総合センター

                                            所長       主幹           事業推進課
     理事長                    監事
                                                                  事業支援課

      理事
                                                     地方施設
                           監査室                   国立青少年交流の家(13 施設)
                                                 国立青少年自然の家(14 施設)
           総務企画部           総務企画課
                                       下記 7 施設を除く国立青少年交流の家・国立青少年自然の家
                            人事課
                                             所長                    次長
           財務部              財務課
                                       国立岩手山青少年交流の家
                            経理課
                                       国立妙高青少年自然の家
                               施設管理室   国立立山青少年自然の家
                                       国立若狭湾青少年自然の家
           教育事業部          企画・推進課       国立曽爾青少年自然の家
                                       国立夜須高原青少年自然の家
                            国際課
                                       国立諫早青少年自然の家
                      調査研究・情報課
                                             所長                   事業推進課
       子どもゆめ基金部           管理・普及課
                                                                  事業支援課
                            助成課




平成 20 年度団体種別の利用者
                      団体種別                        団体数           利用者数 (人)
     機構が主催する事業                                            -         197,654
     青少年団体                                           25,518        1,203,922
     青少年教育施設                                              97          5,415
            保育園・幼稚園・小学校・中学校・中等教育学校・特別支援学校               7,740       991,130
            高等学校                                        1,719       385,940
      学校    大学・短大・高等専門学校                                1,310       152,521
            その他の学校                                       671         99,583
                           小    計                    11,440        1,629,174
     企業等                                                4,932       434,744
     社会教育関係施設・団体等                                    17,130         652,975
     その他の団体・グループ・サークル等                               11,660         739,737
                      合     計                        70,777        4,863,621



                                                                               3
3    環境理念と活動方針

                         環境理念
    独立行政法人国立青少年教育振興機構は、あらゆる生命体にとっ
    てかけがえのない地球環境を未来に引き継ぐため、青少年の環境
    マインド醸成に努めます。




                         活動方針
    独立行政法人国立青少年教育振興機構は当機構の環境理念に基づき以下の
    活動方針を推進します。
        (1) 環境関連法規制の順守
         ・環境パフォーマンスの監視計測と関連法規制順守状況の定期的把握
        (2) 持続的環境活動の推進
         ・環境マネジメントシステムによる最高経営層を含む全職員による組織
           的、継続的活動の展開
         ・環境報告書による環境活動の情報開示の推進(1回/年)
        (3) 環境教育の充実・向上(本来業務の質的向上)
         ・環境プログラムの開発及び環境教育指導者の養成と青少年を対象と
           した体験活動事業の実施
        (4) エネルギー消費削減、廃棄物の削減など環境効率の向上
         ・日常の環境保全活動の展開、環境保全のための新技術の導入
        (5) 外部とのコミュニケーションの活性化による地域共生、環境ノウハウの提
         供
         ・地産地消による地域産業の活性化と環境保全の推進
         ・当機構に関連する外部機関、組織の環境保全向上の関係の強化




4
4      環境配慮への体制
 環境配慮促進法第9条(環境報告書の公表等)に対応するため、平成19年1月15日に「独立行政法人国立青少年教育振興機
構環境委員会規程」を制定し、環境委員会を設置しました。環境委員会は環境配慮への方針や環境目標・計画を策定し、さまざ
まな環境活動の実施状況を把握するなど、全28教育施設を取りまとめながら環境に配慮した事業活動を推進していきます。




 機構の環境配慮体制


                               理事長               理 事

                                                 理 事   ①理事長の補佐
          監   事
                                                 理 事   ②担当業務の環境管理監督

              ①環境報告書の審査                          理 事


     財務部経理課施設管理室
                              環境委員会
                           (理事、部課長、教育施設代表者)

      ①環境報告書とりまとめ事務
                                        ①環境配慮の方針等に関する事項
      ②環境委員会の庶務
                                        ②環境配慮の計画に関する事項
      ③組織全体の環境統括
                                        ③環境配慮の取り組み体制等に関する事項
                                        ④環境配慮の取り組みの状況に関する事項
                                        ⑤環境報告書に係る毎年度の見直しと公表に関する事項




                   青                国             国
                   少   国            立             立
                   年   立
                   総   オ          ( 青           ( 青
                                    少             少
                   合   リ        13 年          14 年
                   セ   ン         施 交           施 自
                   ン   ピ
                   タ   ッ         設 流           設 然
                   ー   ク         ) の           ) の
                       記            家             家
                       念


                   ①国立オリンピック記念青少年総合センター及び
                       教育施設毎の環境目標、計画の策定・実施
                   ②コンプライアンス管理
                   ③環境データの計測・収集
                   ④環境施設の運転管理
                   ⑤地域との連携、社会貢献活動




                                                                      5
5    環境影響
                   環境目標・実績
                   平成20年度         平成20年度        平成20年度       自己評     平成21年度        平成21年度
          項目         目標             計画            実績          価        目標            計画
                            ・職員の巡回による、不要電灯の消灯                                 ・職員の巡回による、不要電灯の消
                             や人感センサーによる消灯                                      灯や人感センサーによる消灯
                            ・クールビズ、ウォームビズの実施                                  ・クールビズ、ウォームビズの実施
                            ・電灯スイッチ周辺に節電シールを貼   22,796千kWh                    ・電灯スイッチ周辺に節電シールを
          電    力             り、意識を高める           平成19年度        達成               貼り、意識を高める
                            ・休み時間中の事務所照明の点灯や      比3%減                        ・休み時間中の事務所照明の点灯
                   各使用量を                                             各使用量を
                             OA機器などの待機電力カット                                    やOA機器などの待機電力カット
                   平成19年度                                            平成20年度
                            ・適正照明の間引き(事務管理スペー                                 ・適正照明の間引き(事務管理スペ
                   比で0.5%                                            比で0.5%
                             スなど)                                              ースなど)
                     削減                                                削減
     イ                      ・利用者が少ない場合の入浴時間の     2,815㎘                       ・利用者が少ない場合の入浴時間
          重    油             調整、短縮              平成19年度        達成               の調整、短縮
     ン                      ・クールビズ、ウォームビズの実施     比3%減                         ・クールビズ、ウォームビズの実施
                            ・利用者が少ない場合の入浴時間の      395㎘                        ・利用者が少ない場合の入浴時間
          灯    油             調整、短縮              平成19年度        達成               の調整、短縮
     プ
                            ・クールビズ、ウォームビズの実施     比9%減                         ・クールビズ、ウォームビズの実施
                            ・節水コマの使用や自動水栓の導入                                  ・節水コマの使用や自動水栓の導入
     ッ
                            ・節水型トイレの導入                                        ・節水型トイレの導入
                            ・漏洩などの不要水の削減         603千m3                       ・漏洩などの不要水の削減
     ト                                                         未
          水    道   各使用量を    ・水道蛇口周辺に節水シールを貼り、   平成19年度               各使用量を    ・水道蛇口周辺に節水シールを貼
                                                              達成
                   平成19年度    意識を高める             比20%増                平成20年度    り、意識を高める
                   より削減す    ・利用者が少ない場合の入浴時間の                         より削減す    ・利用者が少ない場合の入浴時間
                   る         調整、短縮                                   る         の調整、短縮
                                                1,589千m3
          都市ガス              ・クールビズ、ウォームビズの実施    平成19年度        達成              ・クールビズ、ウォームビズの実施
                                                 比6%減
                                                             156品目
          グリーン     グリーン購入                        購入実績         のうち    グリーン購入
                            ・グリーン購入の徹底                                        ・グリーン購入の徹底
           購入        100%                         100%       117品目     100%
                                                              で達成
    ア     リサイクル    資源リサイ    ・リサイクル物および廃棄物の実態調                        資源リサイ    ・リサイクル物および廃棄物の実態
    ウ                        査の実施                             達成               調査の実施
            物      クルの推進                                             クルの推進
    ト                       ・廃棄物の分別の徹底やコピーの裏    左項を実施                         ・廃棄物の分別の徹底やコピーの裏
    プ              廃棄物排出                                             廃棄物排出
    ッ      廃棄物               紙利用、ペーパーレス化の促進                   達成               紙利用、ペーパーレス化の促進
    ト              量の削減                                               量の削減    ・生ごみ処理機の導入
                   チーム・マイ
                                                28施設全て
                   ナス6%へ    ・各教育施設における継続推進                    達成      継続      ・各教育施設における継続推進
                                                  参加
                   の参加継続
                                                                            ・青少年教育における環境をテーマ
           そ                ・青少年教育における環境をテーマに
                                                                             にした企画や調査・研究などの推
                   環境意識の     した企画や調査・研究などの推進                         環境意識の
           の                                    左項を実施         達成             進
                    高揚      ・「環境意識の高揚」に対する目標値                          高揚
                                                                            ・「環境意識の高揚」に対する目標値
                             設定の検討
           他                                                                 設定の検討
                          ・職員への環境教育の実施                                      ・職員への環境教育の実施
                   環境マネジメ ・エネルギーや水、廃棄物などの目標                          環境マネジメ ・エネルギーや水、廃棄物などの目
                   ントシステム  値(原単位など)共有方法の検討      左項を実施         達成     ントシステム  標値(原単位など)共有方法の検討
                    の構築   ・各教育施設との環境情報の共有方                            の構築   ・各教育施設との環境情報の共有方
                           法の検討                                              法の検討


          「独立行政法人国立青少年教育振興機構の達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)」と環境への取組み

          平成18年4月に策定された「独立行政法人国立青少年教育振興機構の達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)」
         では業務の効率化によって光熱水料を含む一般管理費を平成23年3月までに、旧青少年教育3法人の平成17年度予算の
         合計額に比べて15%以上の縮減を図ることを定めています。
          節減に努めた結果、平成20年(2008)年度は、電気使用量は3%減少、水道使用量は20%増加、重油及び灯油の使用
         量はそれぞれ3%と9%減少、ガス使用量は6%減少となりました。
          これらの取組により、機構全体では、CO2排出量が前年度の21,125tに対し、20,378tで4%の削減となっています。
          ※水道使用量の増加の原因は国立中央青少年交流の家の漏水です。




6
6        環境配慮活動

6.1 環境教育事業活動

 当機構では、全国の教育施設で環境をテーマにした青少年の体験活動事業や指導者研修など、様々な取組を進めています。
本項では、その中から主な取組を紹介します。


〈青少年を対象とした事業〉
吉備青少年自然の家:総合的な学習の時間における「吉備高原の環境学
習」
 国立吉備青少年自然の家(以下「自然の家」という。)は、岡山県のほぼ
中央部、吉備高原(標高300~360m)に位置しています。自然の家では、近
隣の3小学校と協働で、平成17年度に施設内にビオトープをつくり、その後
も、自然の家と小学校が協働してビオトープを維持し、地域の環境教育の場
として活用してきました。
 平成19年度は平成18年度に作成した水生昆虫観察ガイドブックを用いて、             ビオトープの整備
ビオトープやその周辺の川や池を観察エリアとして環境学習を行い、平成
20年度は水生生物に限らず、吉備高原に生息する動植物についての調査・
採取・観察などを行いました。 また、利用団体がビオトープ周辺を利用して、
環境学習ができるようにプログラムの開発や学習カードの作成に取り組み
ました。
 平成20年度は、主に次のようなことに取り組みました。
 1、2学期は、ビオトープの土や草を取るなどの整備をし、そこに生息する
ヤゴやコオイムシ、メダカの採取・観察を行いました。陸生昆虫や植物を観
察した小学校では、講師から昆虫の取り方や住みか、外来種について説明
を受け、多くの種類の昆虫を採取し、観察しました。さらに、夏と秋で採取で              陸生昆虫の観察
きる昆虫の比較を行いました。
 3学期は、1年間の学習のまとめとして、今まで学習したことや気づいたこ
となどの発表会を開催するほか、冬のビオトープの観察会も行い、氷の下
に生きている魚や昆虫を採取・観察しました。
 また、自然の家では、ビオトープや自然の家のフィールドを活用して昆虫
や動植物を観察する「虫取りビンゴ」(※1)、「フィールドビンゴ」(※2)といった活
動プログラムを各小学校と連携して実践し、生き物とのふれあいを通して環
境の大切さについて学ぶことができるプログラムの充実に努めています。


 (※1)「虫取りビンゴ」…季節に応じた昆虫を9種類選び、ビンゴカードに名
     前を記入し、その昆虫を見つけたり、鳴き声を聞いたりしながらカード
     にチェックして吉備高原の昆虫への関心を高める活動プログラムです。
 (※2)「フィールドビンゴ」…自然の家のフィールドで、昆虫や植物を見つけ
     たり、五感を使ったりするビンゴを行い、自然環境への関心を高める
     活動プログラムです。(ビンゴカード参照)                   フィールドビンゴカード(植物バージョン)




                                                                   7
〈環境教育に関する指導者研修事業〉
    妙高青少年自然の家:環境教育指導者養成研修(東日本地区)
     平成20年9月30日(火)~10月3日(金)にかけて、独立行政法人教員研修
    センターと共催で「環境教育指導者養成研修」を当施設を会場にして開催し
    ました。本研修は各都道府県の環境教育のリーダーとなりうる教員あるい
    は指導主事を対象にしたものであり、北は北海道、南は愛知県まで65名の
    参加者が集まりました。
     まず文部科学省の日置視学官より、新しい学習指導要領を踏まえて環境
    教育をどのように展開すべきかについて、講演がありました。その中でエネ
    ルギー・環境問題は科学技術に深くかかわっており、理科で培うべき科学的
    な見方や考え方を育成しなければならないことや、環境教育は理科だけで
    なく社会科や国語などを含め、教科を横断的に扱う必要があることなど我が             講義・演習「これからの環境教育の展開」
    国の目指す環境教育の方向について示唆をいただきました。
     2日目のフィールドワークでは、国立妙高青少年自然の家独自の妙高ネ
    イチャープログラムの「ブナ林探検隊」「源流探検」「妙高火山」の中から一
    つを選んで体験しました。ブナ林、源流、妙高火山などの自然の事物は
    我々の生活と関わりがあることに気付き、そのつながりを探る楽しさを感じ
    ていただきました。また参加者自身の自然観をさらに広げることができまし
    た。その中のブナ林探検隊は、自然の家近くにある藤巻山をフィールドとし
    て展開し、森林内の土壌生物を含めた生態系だけでなく、炭素循環や水循
    環についても視野を広げました。さらに薪炭林として人間の生活に密着して
    いた里山が放棄されてしまったこと、それに伴って里山が荒れて、生物多様
    性が保たれなくなっていることにも気付くことができました。
     3泊4日の本研修を通して、すばらしい講師の方々の講義とともに、実地                   ブナ林探検隊
    演習のフィールドワークを含め、他地域の受講者同士の情報交換がなされ
    たことから、受講者からの高い満足度を得ることができました。




    〈ネットワークづくりを目的とした事業〉
    赤城青少年交流の家:あかぎ交流の森創造プロジェクト
     平成20年7月12日(土)から13日(日)、10月19日(日)、11月2日(日)、11
    月9日(日)、11月24日(月)の5回シリーズで、社会人、大学生、専門学校生
    等を対象に実施し、総計105名の方々が参加しました。
     今日、環境教育の必要性・重要さが叫ばれていますが、地元群馬県でも
    赤城山南麓の環境破壊は、深刻な問題として取り上げられています。特に、
    大気汚染から発生した酸性霧や松枯れ病等により、松林が加速度的に消
    滅していく危機的状況にあります。
     従前より本所では、森林整備に職員が貢献するだけでなく、赤城山周辺
    で活動する環境団体、周辺の企業、大学等、111団体の個人・団体により設
    立された「赤城自然塾」との協働で、赤城山の自然環境を生かした、また、                   炭焼き体験
    発達段階に即した環境教育プログラムづくりに取り組んできました。




8
平成20年度は、これらの取組をもとにして、利用団体や地域に対して、赤
城山南麓ならではの環境教育プログラムを開発・提供するべく、さまざまな
取組を始めました。その取組の一つが、「あかぎ交流の森創造プロジェクト」
です。
 このプロジェクトの活動の一つは、「赤城自然塾」との共催で企画・実施し
た「炭を使った植林プログラム」です。内容は、松枯れで伐採された土地の
再生をねらいに、植林場所の下草刈り体験、土壌改良に利活用するための
炭焼き体験、植林体験を行ったものです。
 二つ目は、人々の健康教育に取組む赤城山学園の協力のもと、企画実
施した「ツリーイングアドベンチャープログラム」です。内容は、ロープを使っ
て木に登ることにより、木と人間の関わり方について学んだり、自然とのつ
ながりについて理解する力を培ったりする活動の指導者・支援者の養成を
目的に行ったものです。
 参加者からは、「環境教育に対する施設の取組に触れることができ、自
分の考えが変った。」「知っていることと、それを活用することは全くちがうこ                ツリーイングアドベンチャー
とであり、新たに知ったことや気づいたことなどを実践していこうと思った。」
等の感想が寄せられ、環境教育活動に必要な知識を身につけるよい機会と
なりました。




青少年を対象とした環境教育事業一覧
教育
          事業名                       事業の概要                  期間       対象
施設名
                       【趣旨】
                         自然体験活動を通じて、人間と環境との関わりについての正し
                       い認識に立ち、自ら責任ある行動をもって、持続可能な社会づく
      環境ワークキャン         りに主体的に参画できるリーダーを育成することを目指す。    9.20(土)     大学生~
磐梯    プ                                               ~23日(火)     30歳までの
                       【主な内容】                          (3泊4日)     青年
                        五色沼ハイキングコースの自然観察と水質調査、猪苗代湖の
                       湖岸観察・植生観察・不法投棄の現状観察、講義(猪苗代湖の
                       環境について)
                       【趣旨】
                         スキューバダイビングを通して、普段ふれることのない海中世
      未知の海中世           界を見たり、磯場観察を行ったりして、海を中心とした環境の現
                                                         6.6(金)
      界!スキューバ          状を理解し、これらを保全していこうとする態度を養う。                 大学生以
能登                                                       ~8(日)
      環境ダイビング                                                     上
                                                         (2泊3日)
                       【主な内容】
                         ビーチコーミング、磯場環境の分析、講義「海の環境」、ダイビ
                       ング、磯場観察
                       【趣旨】
                         環境保全活動は、今後も拡大させていくことが急務であること
                       から、地域団体や青年との連携を支援し、地域に対して環境保全
                       の普及と意識の高揚を図る。
      守ろう環境!広                                          8.30(土)
                                                                  高校生、大
乗鞍    げ よ う ボ ラ ン ティ   【主な内容】                          ~31(日)
                                                                  学生、一般
      ア活動!               講義「自然公園法」、「外来種による自然環境の変化」。特定指 (1泊2日)
                       定外来種「オオハンゴンソウ」の駆除活動

                       【主な連携先】
                         環境省自然保護官事務所、高山西ロータリークラブ




                                                                           9
教育
             事業名                      事業の概要                  期間        対象
     施設名
                        【趣旨】
                          稀少植物が生育する一方で、大阪湾等のゴミが漂着すること
                        でも有名な成ケ島のフィールドを利用して、プログラム全般を通し
                        て自然環境へのインパクトの軽減と循環型社会に拘った「環境と
                        人との共生」を考えるセミナーを実施し、自らの生活を見つめ直
                        す機会とする。
           「淡路自然遺産」                                       10.11(土)
           環境共生キャン                                        ~13(月)      大学生・社
     淡路                 【主な内容】
           プ                                                          会人
                          講義「環境と人との共生とは」                   (2泊3日)
                          実習「共生を考えた海洋生物観察」(阿万海岸に数多く生息す
                        る海ホタルの観察から環境と人との共生を考える。)
                          演習「成ヶ島エコツアー」(絶滅のおそれのある野生生物につ
                        いて記載したレッドデータブックに掲載されている生物の観察。空
                        き缶やペットボトル等のゴミを住みかとしているカニ・貝などの観
                        察を通して、自然環境と人間の生活との関係について考える。)
                        【趣旨】
           われら瀬戸内探        近隣の海岸を使った体験・調査からスタートし、瀬戸内海域へ    ①8.2(土)
           偵団~瀬戸内海      フィールドを広げ、環境問題について考えていく体験的・問題解     ~3(日)
           の環境から学ぶ      決的な環境学習を実施する。そのことを通して、いま自分達に何     (1泊2日)      中学生・高
           ~            ができるかを考え、環境保全・保護に配慮した積極的な行動が取     ②11.22(土)   校生及び
     江田島   ①「Part1瀬戸内   れる意欲・態度を養う。                       ~11.23(日)   青年(大学
           海岸編」                                           (1泊2日)      生を含む)
           ②「Part2瀬戸内   【主な内容】
           海域編」          海辺の生き物観察、環境指標生物を使った 海水環境調査、ア
                        カテガニの産卵とウミホタルの観察、海洋観測船を使用した海洋
                        観測調査
                        【趣旨】
                          阿蘇の草原環境の現状を学ぶとともに草原維持活動の体験を
                        とおして、環境保全への意識を高める。

                        【主な内容】
                                                        ①10.11(土)
                          輪地焼き(野焼きの際、周辺への延焼を防ぐために5~10mの
                                                        ~13(月)
           阿蘇の草原物語      幅で草を刈り取り、防火帯を作る作業)
                                                        (2泊3日)        高校生以
     阿蘇    ①秋編 ②春編        草小積み(冬場の飼料として草を保存するための作業)
                                                        ②2.28(土)      上
                          野焼き(牧草の発芽、生育の環境を準備し、ススキの堆積によ
                                                         ~3.1(日)
                        る古野化や雑木林などによる荒廃を防ぐことにより草原環境を維
                                                        (1泊2日)
                        持できる。)

                        【主な連携先】
                          環境省九州地方環境事務所、財団法人阿蘇グリーンストック、
                        小堀・町古閑牧野組合
                        【趣旨】
           「サンゴの海に学       サンゴの海を通して、青少年に人間と環境の関わりを考える機
           ぶ」環境教育実      会を提供し、持続可能な社会実現に積極的に関われるよう環境       ①7.19(土)
           践セミナー        保全意識の向上を図るとともに、自ら主体的に取り組む態度など      ~21(月)
           ①サンゴ礁ウォッ     を育成する。                             (2泊3日)   中学・高校
     沖縄
           チング ②サンゴ                                        ②1.31(土) 生
           の海を守りはぐく     【主な内容】                             ~2.1(日)
           む              ①スノーケリングによるサンゴ礁観察                (1泊2日)
                           海洋環境の大切さを考えるワークショップ
                          ②ザトウクジラの観察、漂着ゴミの回収

                        【趣旨】
                          関係機関と連携し、授業立案段階での情報提供や教材研究に
                        対する支援を行うことで、より効果的な学習を構築する。
                                                      ①6.19(木)        小学校4年
                        【主な内容】                        ②6.20(金)        生~6年
     日高    少年環境調査隊
                          昆虫観察、川の源流・河口付近の環境比較(水質調査、指標 ③9.5(金)         生、中学
                        生物の観察)、森林観察                   ④9.8(月)         校2年生

                        【主な連携先】
                          日高町立日高小学校




10
教育
        事業名                     事業の概要                   期間         対象
施設名
                   【趣旨】
                     大自然の中で、長期にわたる集団宿泊や登山、「水」をテーマ
                   とした冒険活動・調べ学習を実施し、子どもたちの主体性や社会
      なすかしの森環      性を育むとともに自然環境に関心を持ち、環境の保全に積極的
                                                      7.26(土)     小学5年生
那須甲   境スタディ- ~ 感   に関わろうとする態度を育てる。
                                                      ~8.3(日)     ~中学3年
子     性を培う自然体
                                                      (8泊9日)      生
      験の素晴らしさ~     【主な内容】
                     阿武隈川源流探検、水質調査(パックテスト)、
                     講話「水と私たち」(阿武隈川の概要とその特徴、指標生物等
                   に関する説明)
                                                      ①6.21(土)
                   【趣旨】
                                                      ②7.19(土)
                    自然に対する豊かな感受性や環境に対する関心等を養うとと
                                                      ③8.23(土)
      エコ・キッズ プロ    もに、環境と自分の関わりを考える追求活動や実践活動を通し                   小学校5年
信州高                                                   ④10.12(日)
      ジェクト①②③④     て、環境の創造を具体的に実践する態度を身につける。                      生~中学2
遠                                                     ⑤11.15(土)
      ⑤⑥                                                          年生
                                                      ~16(日)
                   【主な内容】
                                                      (1泊2日)
                     水質調査、湖の水質の比較、水の浄化実験
                                                      ⑥2.21(土)
                   【趣旨】
                     曽爾周辺での自然体験活動を通し、自然の不思議さや面白
                   さ、素晴らしさや神秘さに触れる中で、自然に対する畏敬の念と
                   その重要性を感じられる豊かな感性を養う。また、自然環境への
      そにの森 自然      興味・関心を深め、自然と人間との関わりを学ぶことにより、自然
                                                      11.1(土)
      学校~まもろう自     や生命を大切にする心を育み、自然環境の保全意識の高揚を図                   小学校1年
曽爾                                                    ~3(月)
      然・みつめよう自     る。                                             生~4年生
                                                      (2泊3日)
      然~
                   【主な内容】
                     高原フィールドワーク(曽爾高原やお亀池の珍しい植物観
                   察)、星座観察、亀山クリーンハイキング(亀山や曽爾高原を散策
                   しながらのゴミ回収)
                   【趣旨】
                     地域の小学校と連携し、総合的な学習の時間における環境学
                   習として、「水生昆虫観察池」(ビオトープ)を使い、そこに生息する
                   生き物の調査を行う。また子ども達と協働でビオトープの整備を
                                                    ①6.12(木)
                   行うとともに、利用団体のための環境学習のプログラムとしても
                                                    ②6.18(水)
                   充実させていく。
      総合的な学習の                                       ③6.25(水)
                                                                  連携する
      時間における「吉                                      ④7.4(金)
吉備                 【主な内容】                                         小学校の
      備高原の環境学                                       ⑤9.4(木)
                     昆虫採集、植物観察、ビオトープの整備、ビオトープの観察                  児童
      習」                                            ⑥9.18(木)
                   会、合同発表会、環境学習プログラム開発
                                                    ⑦10.2(木)
                                                    ⑧1.29(木)
                   【主な連携先】
                     吉備中央町教育委員会、吉備中央町立吉備高原小学校、吉
                   備中央町立吉川小学校、学校法人 おかやま希望学園吉備高
                   原のびのび小学校
                   【趣旨】
                     水深200mの深海をもつ錦江湾を舞台に、その素晴らしさや厳
                   しさを体験することにより環境問題への関心を高めるとともに、
                   長期冒険型活動を通して心に悩みを持つ青少年の自立を支援す
                                                    8.2(土)
      海からのメッセー     る。                                             小学5年~
大隅                                                  ~11(月)
      ジ                                                           高校生
                                                    (9泊10日)
                   【主な内容】
                     体調管理講習、海の魅力と安全管理講話、
                   ビーチコーミング、クリーンアップ作戦(海岸清掃)、シュノーケリン
                   グ体験(海の生き物探し)




                                                                          11
青少年とその家族(保護者)を対象とした事業一覧
      教育
              事業名                     事業の概要                   期間          対象
     施設名
                         【趣旨】
                           林野庁上越森林管理署との協定において、国有林の野外活
                         動エリアとして、五万戸国有林〔森林の手入れ、植林〕、藤巻林道
                         周辺〔ブナ林の生態系の調査、岩石や火山灰土の採取〕、真川と
                         ニグロ川とその支流〔源流体験、治山ダムと森林〕、夢見平〔多様
                         な巨木・巨樹の観察、森林の癒し、多様な湿原の植物の観察〕、
                         妙高山・関・燕温泉付近等〔岩石や火山灰土の採取、火砕流、源                   妙高青少
                         泉の観察等〕を利用団体に提供し、環境教育や自然体験・自然                    年自然の
     妙高    妙高遊々の森                                             通年
                         学習に役立てる。                                        家の利用
                                                                         者
                         【主な内容】
                           森林の手入れ、植林、ブナ林の生態系の調査、源流体験、多
                         様な巨木・巨樹の観察、多様な湿原の植物の観察

                         【主な連携先】
                           林野庁上越森林管理署
                         【趣旨】
                           施設周辺の徳地の森や木々について、観察や体験を通して学
                         ぶことにより、森や木々に親しみ、自然を大切にしようとする心情
                         を培う。
     山口徳   子ども樹木博士                                                       小学生と
                         【主な内容】                             5.25(日)
     地                                                                   その家族
                           森林観察、樹木識別活動、講義(「たねの不思議」)、森林にあ
                         るものを材料にしたクラフト活動

                         【主な連携先】
                           森林インストラクター山口会
                         【趣旨】
                           森林セラピー体験・自然体験活動および環境学習を通して、参
                         加者の心身の健康づくりを図るとともに、森林と人との関わりにつ
                         いて関心を高める。
                                                        ①9.23(火)
     山口徳   森林セラピー体                                                       小学生と
                         【主な内容】                         ②11.15(土)
     地     験プログラム                                                        その家族
                           森林セラピー体験(森林浴)、野外炊飯、星空観察、木登り体 ③3.15(日)
                         験、森の中のコンサート(二胡演奏)

                         【主な連携先】
                          山口市徳地総合支所林業振興課
                         【趣旨】
         環境学習型基本           自然体験を通して、人間を取り巻く環境の意味やその保全に     ① 6.21( 土 )
                                                                         ①小学1~
         的生活習慣育成         ついて考えさせるとともに、子どもの中の生命のリズム(体内時     ~22(日)
                                                                         3年生
     夜須高 事 業 「 夜 須 高 原   計)に沿った生活習慣を定着させて、環境教育の充実と健全な心     (1泊2日)
                                                                         ②小学1~
     原   キッズレンジャ         身の育成を並行しながら推進する。                  ②8.1(金)
                                                                         3年生
         ー」①②                                              ~3(日)
                                                                         (保護者)
                         【主な内容】                            (2泊3日)
                           森の生物調査、川の生物調査




12
環境教育に関する指導者研修事業一覧
 教育
         事業名                           事業の概要                   期間         対象
施設名
                     【趣旨】
                       各都道県において環境教育を担当する指導主事等に対し、
                     「国連持続可能な開発のための教育の10年」に関する環境教育
                     を推進する際に留意すべき事項(外部資源の活用の在り方等)に
                     ついて、必要な知識の修得をはじめ、資質・能力の向上を図ると
                     ともに、受講者により、各地域において本研修内容を踏まえた研
                     修の講師等としての活動や各学校への指導・助言などが行われ
      環境教育指導者
                     るようにする。                                 9.30(火)
      養成研修(東日                                                            指導主事、
妙高                                                           ~10.3(金)
      本地区)                                                               教員
                     【主な内容】                                  (3泊4日)
                       講義・演習「これからの環境教育の展開」
                       事例発表「環境教育の効果的な取組」
                       協議「持続可能な社会を目指した環境教育」
                       分科会協議「環境教育の取組の実際」
                       フィールドワーク「妙高の自然を生かした持続可能な観光」「ブ
                     ナ林探検隊」「源流探検」「妙高火山」
                       協議「ESDにおける環境教育」
                     【趣旨】
                       環境教育を担当する指導主事等に対して、環境教育を推進す
                     る際に必要な知識の修得、資質・能力の向上を図るとともに、受
      環境教育指導者        講者が各地域で研修の講師として指導・助言が行えるようにす
                                                     10.21(火)
      養成研修(西日        る。                                                  指導主事、
淡路                                                   ~24(金)
      本地区)                                                               教員
                                                      (3泊4日)
                     【主な内容】
                      講義・演習「学校教育における環境教育の位置づけ」
                      全体協議「ESDにおける環境教育」、「国連持続可能な開発の
                     ための教育の10年」




ネットワークづくりを目的とした事業一覧
                   ネットワークを
 教育
        事業名         構成する                  事業の概要               期間          対象
施設名
                   機関・団体等
                                 【趣旨】
                                   これまで構築してきたネットワークを活用しつ
                                 つ、本所周辺の森林環境をベースに、学校の
                                 体験型環境教育活動のプログラム提供と指導 ①7.12(土)
                   赤城自然塾設        者・支援者を育成するとともに、それらが実現    ~13(日)
      あかぎ交流の
                   立準備委員         するための学校と地域を巻き込んだ連携システ (1泊2日)
      森創造プロジ
赤城                 会、地元林業        ムを構築する。                 ②10.19(日)      学生、社会人
      ェクト
                   組 合 、 NPO 法                           ③11.2(日)
                   人 等           【主な内容】                  ④11.9(日)
                                  講義:地球環境と植林             ⑤11.24(月)
                                   実習:木を植えよう、炭焼き体験
                                   講義・演習「木に登ろう」
                                   実習「森の守り方」
                                 【趣旨】
                                   九州中・北部を流れる6本の一級河川の源
                   環境省、国土        であり「九州の水がめ」とも呼ばれる阿蘇の地
      九州”水”フォ      交通省、農林        に、青少年を対象とした水に関わる環境教育や                  社会教育関係
      ー ラ ム in 阿   水産省、九州        環境保全活動に取り組んでいる機関や団体・                   者、学校教育
      蘇~つなげよ       各県教育委員        学校・企業等が集い、活動報告や情報交換を                   関係者、環境
                                                         1.31(土)
      う!広げよう!      会、関係小・        行うとともに連携の方策を協議することにより、                 教育に取り組
阿蘇                                                      ~2.1(日)
      青少年環境教       中・高・大学、       青少年の環境教育に関するネットワークを構築                  んでいる機
                                                        (1泊2日)
      育ネットワーク      環境保全活動        し、環境教育の推進を図る。                          関・団体・企業
      ~            に 取 組 む NPO                                          等関係者、環
                   法人等、九州        【主な内容】                                 境教育に興味
                   電力等             実習「水のふしぎ!?ワークショップ」(熊本                のある人
                                 の地下水を例にあげ、水の循環について学
                                 ぶ。水の汚れとその浄化について学ぶ。)




                                                                                  13
6.2 「チーム・マイナス6%」の活動
     当機構は、28の全教育施設が「チーム・マイナス6%」に登録しています。
      職員をはじめ機構内で活動をしている外部の事業者も含めて組織を挙げて環境活動を推進しています。

      (「チーム・マイナス6%」とは)深刻な問題になっている地球温暖化に対して、京都議定書が2005年2月16日に発効し、日本においては温暖化
      効果ガス排出量を2008年から2012年の間に1990年比で6%削減を目標とする国民的プロジェクトです。


     【事例紹介】
     「チーム・マイナス6%」の周知
     アイドリング・ストップ
      各教育施設に自家用車や貸切バスで来所される方々に対してアイドリング・ストップ
     の協力をお願いしています。
      各教育施設の宿泊棟の入口や事務室などに、チーム・マイナス6%のポスターを掲
     示し、職員はもとより利用者への協力依頼について周知を図りました。




     温度調節への取組
      冬季の暖房について施設内のバルブを低めに調整し、研修室等においてもボイラ室
     で温度を管理しており、使用予定のない時間帯は、こまめに暖房をきっています。また、
     利用者の宿泊の割振りにおいても、重油(ボイラー)の消費量を考慮した部屋割をし、
     研修場所の割り当て方法について工夫をしています。
      事務室や研修室等のドアの戸締りについて、職員一人一人が無駄な暖房費がかか
     らないよう常日頃より心かけています。
      大雪青少年交流の家では、利用者にも冬期の暖房費節減によるウォームビズの声
     かけをしています。各施設の出入口には暖房費節約のため戸締り励行の掲示をし、周
     知を図っています。


     節電
      職員が適宜館内を巡回して不要な照明等がないか確認しています。屋外照明の点
     灯時間・場所の見直しを随時行っています。昼休時間帯には事務室内照明の消灯を徹
     底して行っています。
      またトイレや廊下に人感センサーを設置し節電に努めています。




     緑のカーテン(大洲青少年交流の家)
      事務室の窓側に苦瓜を植生することで、夏期の事務室内気温上昇を抑
     制し、空調の使用回数を減らしました。




14
6.3 環境保全のための設備、備品等の整備・充実

 当機構では、環境負荷を大幅に軽減することができる取り組みとして、省エネルギーが見込める設備、備品等の導入を積極的
に行い、温室効果ガス等の排出の削減へ配慮しています。


【事例紹介】

空調機設備改修(沖縄青少年交流の家)
 従来、小研修室で空調を利用する場合は消費電力の大きい冷凍機を運転
する必要がありました。小研修室(4室)の空調を個別パッケージタイプの空
調へ改修することで、計画的な空調運転ができ消費電力の抑制になりました。




シャワー及びカランの取り替え(岩手山青少年交流の家)
 浴室のシャワー及びカランは、ハンドルの止水であったため、利用者によ
ってはお湯の無駄使いが見受けられました。そこで、蛇口を自動水止め(定
量止水)方式に取り替え、入浴時の無駄使いを減らしました。また、それに
伴いお湯を沸かすための重油使用量も削減できました。




暖房配管の保温(乗鞍青少年交流の家)
 暖房配管(バルブ)が露出している箇所に保温材を巻くことで暖房効率を
高めました。




よしずの設置(江田島青少年交流の家)
 管理研修棟南側窓によしずを設置し、室内温度の上昇を少しでも抑え、
研修室の冷房効率向上を図っています。




                                                            15
有用微生物群を活用した排水処理(曽爾青少年自然の家)
      施設から排出される汚水の浄化に有用微生物群を活用することにより、浄
     化槽ブロアーの運転時間軽減による電気使用量の削減、悪臭の除去、余剰
     汚泥の発生削減などの環境負荷軽減効果がありました。




     宿泊棟太陽光発電(オリンピック記念青少年総合センター)
      宿泊棟ソーラーパネルを使って太陽光発電を導入し、環境問題を探る教
     材にしています。




     温泉熱を利用した暖房(大雪青少年交流の家)
      地元の温泉熱を暖房に有効活用して、エネルギー使用量の削減に取り
     組んでいます。




     照明器具交換(赤城青少年交流の家)
      屋外の照明器具を省エネ型機器に交換しました。これにより照明にかか
     る消費電力は従来の3分の1以下になりました。




     中水利用(オリンピック記念青少年総合センター)
      トイレの水に中水を使用して、水道水の使用量を減らしています。




16
6.4 外部委託業者との連携による環境配慮促進活動
6.4.1 地産地消活動
 当機構は宿泊滞在型教育機関として毎年多くの青少年などが利用することが大きな特徴です。毎日の研修生活において安全、
安心は欠かせない管理の一つです。また、毎日の食事においては、お米、野菜、肉、魚など多種多量の食材が利用されています
が、これらの食材の調達にあたっては、「地産地消」に心がけ食材の運搬に伴う自動車からの二酸化炭素の排出量の抑制を行っ
ています。
                            機構全体の地産地消の食材例
                  米                 大根             牛乳
                 タマネギ               白菜            味噌・醤油
                 小ネギ               ユウガオ        果物(柑橘類・みかん他)
                  なす                なすび           パン(製造)
                 キュウリ               水菜             魚類
                 キャベツ               椎茸             豚肉
                 レタス            練り製品(蒲鉾・竹輪他)       馬肉
                  トマト           麺類(そば・うどん他)        鶏肉
                  人参                ロー麺            鶏卵
                ほうれん草             豆腐・こんにゃく



【事例紹介】

大雪青少年交流の家食堂((株)雪印パーラー)
 食堂では、1年間約140,000食の給食を行っていますが、美瑛町内の農家
が生産した新鮮で旬な食材を使用し、安全で安心な食事を提供しています。
 また、地産地消の率を高めることで、食材の輸送時に排出される二酸化
炭素の量が削減され、地球環境に配慮した優しい食事の提供にも繋がって
います。
          大雪青少年交流の家の地産地消食材の紹介

                      食品名          利用比率(%)
               美瑛産じゃがいも(北あかり)          60
                  美瑛産レタス               20
                   北海道産米              100
                  上川産レタス               60
                  美瑛産トマト               20




赤城青少年交流の家の食堂(ユーレストジャパン(株))
 食堂「レストラン赤城」は、ぐんま地産地消推進店に認定されています。ぐ
んま地産地消推進店とは、県産農産物を積極的に販売・活用し、その良さ
をPRする小売店等を群馬県が認定するものです。
 生野菜は前橋市産・群馬県産を中心とし、国内産野菜を100%使用して
います。
 バイキングのレーンには野菜生産者の氏名や顔写真を掲示し、地産地
消に努めていることを周知しています。




                                                              17
室戸青少年自然の家の地産地消食材の紹介
     室戸青少年自然の家の食堂(栄食メディックス(株))
                                                     食品名       利用比率(%)
      食堂では、米、キャベツ、果物類、魚類、牛乳等については、100%地元
                                                      米          100
     産の食材を利用しています。
                                                     キャベツ        100
      また、毎月19日の「食育の日」にあわせて、地域に縁のある食材を使った
                                                      果物         100
     特別メニューを実施しており、これまでに、高知県北川村の柚子・全国生産               魚類         100
     第一位のミョウガを使ったちらし寿司、室戸産のトマトを使ったサラダなどを              牛乳         100
     提供しています。
      さらに、中四国農政局高知農政事務所の協力を得て、「地産地消」「地域
     に縁のある食材」などに関するパネル展示を行いました。




     三瓶青少年交流の家の食堂(森永フードサービス(株))
      食堂では、年間に約70,000食の食事を作っていますが、地産地消に重点
     を置いて地元産の米・卵・牛乳は100%、生鮮野菜・魚などは地元産を可能
     な限り利用して調理するようにしました。

                     三瓶青少年交流の家の地産地消食材の紹介

                       食品名             利用比率(%)
                           米              100
                                                  本日の食材は?熱心に打ち合わせをするスタッフ
                        牛乳                100
                           卵              100
                       玉ねぎ                 80
                        なす                 80




     若狭湾青少年自然の家の食堂(ユーレストジャパン(株))
      地産地消の推進として、米は福井県産の“ひとめぼれ”を使用し、地元産
     の里芋の煮物、小浜特産のサバの“へしこ”を使った“へしこスパゲティー”
     などを提供しています。また野外炊飯メニューの材料についても玉ねぎ、に
     んじん、キャベツなど地元産を優先的に使用しています。


                     若狭湾青少年自然の家の地産地消食材の紹介
                        食品名             利用比率(%)    野外炊飯メニュー“やきそば”の材料
                      米(ひとめぼれ)            100%
                           豆腐             100%
                               トマト、きゅうり、にんじん




18
6.4.2 サプライチェーンマネジメントのグリーン化
 環境配慮促進法第4条では「事業者は、その事業活動に関し、環境情報の提供を行うように努めるとともに、他の事業者に対
し、投資その他の行為をするに当たっては、当該他の事業者の環境情報を勘案してこれを行うように努めるものとする」とありま
す。これを受けて機構では「サプライチェーンマネジメントのグリーン化」を推進しました。


【事例紹介】

大隅青少年自然の家の食堂(森永フードサービス(株))
 大隅青少年自然の家の食堂においては、平成15年3月に環境マネジメン
ト(ISO 14001)の認証取得をしたことにより、社員と大隅青少年自然の家職
員が協力し環境保全活動に取り組んでいます。
 大隅では「地産・地消」を心がけており、地元で栽培された野菜等の食材
調達に努め、年間95,000食の食事提供を行っています。
 大隅の主な環境保全活動の取組として、リサイクル、節電、節水、廃棄物等
の削減に努め、食堂からの厨房排水による水質保全も図りました。




信州高遠青少年自然の家の食堂(森永フードサービス(株))
 食堂は、ISO14001の認証取得をしており、環境への取組みを行っていま
す。食堂からでる残飯は排水型生ゴミ処理機により機械処理を経て液体化
にして排出することにより、環境に配慮しています。




                                                             19
6.5 環境関連法規制への対応

      当機構は全国に28の国立青少年教育施設を運営しており、殆んどの施設が、海、山、湖など自然に恵まれた地域にあります。
      機構の活動に当たっては常に遵法に心がけ関係組織と連携の下に適正な活動をしております。当機構に適用される主な環境
     関連法律等は次のとおりですが、平成20(2008)年度は各教育施設において指導、勧告、命令などの法規制違反はありませんで
     した。




     1) 当機構が関連する主な環境関連法規制

     ◆環境基本法                                      ◆公衆浴場法
     ◆循環型社会形成推進基本法                               ◆水道法
     ◆水質汚濁防止法                                    ◆建築物における衛生的環境の確保に関する法律
     ◆大気汚染防止法                                     (ビル管理法)
     ◆廃棄物の処理及び清掃に関する法律                           ◆消防法
     ◆湖沼法                                        ◆エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
     ◆浄化槽法                                       ◆労働安全衛生法




     2) 環境測定の例 (平成20年度測定)
       ※大気汚染防止法 ・水質汚濁防止法の関係測定結果の一例を下記のとおり示した。


     ◆国立花山青少年自然の家の環境測定結果

                            単位           基準値       1回目      2回目     3回目     4回目
                                 3
     大気汚染防止法:ダスト濃度          g/m N         0.3      0.014    0.016    -      -
                             3
     大気汚染防止法:硫黄酸化物量         m N/h        5.56       0.25    0.24     -      -
     大気汚染防止法:窒素酸化物濃度        ppm          180        40       41      -      -
     下水道法:BOD               ㎎/ℓ           30        24       9.2     13      -
     建築物:炭酸ガス               ppm          1,000      125     200      500    200
     建築物:一酸化炭素              ppm           10         1       1        1      1
                                     3
     建築物:浮遊粉塵量              mg/m         0.15       0.02    0.02     0.02   0.02
     建築物:気流                 m/sec         0.5       0.01    0.01     0.05   0.02




     ◆国立三瓶青少年交流の家の水質測定結果

                            単位           基準値       1回目      2回目     3回目     4回目
     湖沼法:BOD                mg/ℓ         160        4.8      13     0.5未満    2
     湖沼法:COD                mg/ℓ         160        6.9      6.5     3.1    4.5
     湖沼法:SS                 mg/ℓ         200         2       3      2未満     2未満
     湖沼法:PO4                mg/ℓ          16        9.4      1.5     0.09   0.2
     湖沼法:全窒素                mg/ℓ         120        7.1      10      4.8    8.6
                                     3
     湖沼法:大腸菌群数              個/㎝          3000        0       0        1      0




20
6.6 社会貢献活動

 事業者が事業活動における環境配慮の取組を行うと同時に、他のさまざまなセクターと協働し、パートナーシップを築きながら、
持続可能な循環型社会の構築に取り組んでいくことが望まれます。その具体的な活動の一つとして、職員や利用者等が自ら行う
環境社会貢献活動を積極的、自主的に行っていくことが重要です。


【事例紹介】

県道ゴミ拾い
 妙高青少年自然の家では、自然の家と国道18号線を結ぶ県道のゴミ拾い
を行いました。このゴミ拾いは例年自然の家が自主的に行っているものです。
平成20(2008)年度は妙高市の協力を得て、国道から自然の家入口を経て
さらに妙高山寄りの関温泉まで約10キロの区間を、自然の家職員及び妙高
市職員で清掃しました。




「子供の松原再生プロジェクト」事業
 淡路青少年交流の家に隣接する吹上浜は、「日本の白砂青松100選」に
選ばれた美しい浜です。しかし松喰い虫の影響によって多くの松が被害に
遭い、松林が消滅しつつあります。このような中「子供の松原再生プロジェク
ト」事業により小学生や地域の人たちの手で松の植樹を行いました。




富士見村 ・CCCとの三者協定
 赤城青少年交流の家では、平成19(2007)年5月に富士見村と環境保護団
体CCC自然・文化創造工場との間で、『群馬県勢多郡富士見村赤城山地
区森林再生活動』に関する三者協定を結びました。それ受け2008年9月と
2009年2月にホンダ技研工業森林保全ボランティアによる森林再生活動を
支援し、伏せ焼きでの松枯れ材の炭作り、それを土壌改良材として利用す
る散布、植林活動を実施しました。




                                                              21
7      環境負荷の状況

     7.1 マテリアルバランス(インプット/アウトプット)

      以下は2008年度機構における環境負荷項目の状況です。2007年度に比べて、INPUTの水以外は削減し、OUTPUTの排水以
     外は削減しています。これからも「チーム・マイナス6%」の目標達成に向けて努力していきます。




                                    INPUT
              電 力          22,796 千kWh      グリーン購入(達成率)    100   %

              水 道            603    千m3     軽 油            113   ㎘

              都市ガス          1,589   千m3     ガソリン           114   ㎘

              重 油           2,815   ㎘       プロパンガス         204   千m3

              灯 油            395    ㎘




                  国立青少年教育振興機構 (全28教育施設・本部)




                               OUTPUT
                           二酸化炭素            20,378   t

                           排 水                603    千m3

                           廃 油                  8    ㎘

                           残飯 (リサイクル)         148    t

                           廃油 (リサイクル)          14    ㎘

                           資源物 (リサイクル)         49    t




22
7.2 個別環境負荷の状況

<INPUT>
1.電力の使用量                                                         2.水の使用量*1
                                    電力使用量                                                      水の使用量

            30.0                                                            600
            25.0                                                            500




                                                                  使用量(千㎥)
 電力(千kWh)




            20.0                                                            400
            15.0                                                            300
            10.0                                                            200
             5.0                                                            100
             0.0                                                              0
                         2006年度         2007年度         2008年度                         2006年度       2007年度            2008年度


3.燃料用ガスの使用量                                                      4.燃料油の使用量
                                  燃料用ガスの使用量                                                    燃料油の使用量

            2,000                                                           5,000

                                                                            4,000
            1,500
  使用量(千㎥)




                                                                  使用量(kℓ)                                                灯油
                                                        都市ガス                3,000                                        軽油
            1,000
                                                        プロパンガス              2,000                                        ガソリン
                                                                                                                         重油
             500
                                                                            1,000

                   0                                                              0
                        2006年度      2007年度    2008年度                                  2006年度    2007年度      2008年度


※ チームマイナス6の活動したため、使用量が削減できた。
 *1 水道以外に地下水も使用しています。




<OUTPUT>
1.二酸化炭素の排出量*2                                                    2.排水の量*3

                                  二酸化炭素排出量                                                       排水

            30,000                                                          600
            25,000                                                          500
                                                                  排水量(千㎥)




            20,000                                                          400
 排出量(t)




            15,000                                                          300
            10,000                                                          200
             5,000                                                          100
                   0                                                          0
                           2006年度          2007年度      2008年度                         2006年度       2007年度            2008年度


3.廃油の処理量                                                         4.残飯の量
                                    廃油の処理                                                       残飯の量

            35                                                              200
            30
            25                                                              150
  処理量(kℓ)




                                                                  廃棄量(t)




            20                                          リサイクル量
                                                                            100
            15                                          廃棄量
            10                                                               50
             5
             0                                                                0
                       2006年度     2007年度     2008年度                                   2006年度       2007年度            2008年度

*2 二酸化炭素の換算係数は東京都環境局の地球温暖化対策計画制度を参考。
*3 排水量=水道使用量。




                                                                                                                                23
8       環境報告書に対する所見

      環境配慮促進法第9条により、下記の通り「独立行政法人国立青少年教育振興機構 環境報告書2009」の評価を行いま
     した。


     (1) 実 施 日   平成21年9月28日
     (2) 実 施 者   独立行政法人国立青少年教育振興機構 監事 久米 信行
     (3) 評価基準等
           環境報告書の評価は以下を基本に実施しました。
              (イ) 環境配慮促進法
              (ロ) 環境配慮促進法第4条に基づく環境報告書の記載事項等
              (ハ) 環境報告書ガイドライン(環境省 2007年度版)
     (4) 評価の結果
      「環境報告書2009」が上記の評価基準等に基づき作成されたものであり、網羅性、信憑性、妥当性について評価を行った
     結果、適正であることを確認しました。
      特に、今回の報告書は全国28教育施設の環境活動状況を統一調査アンケートにより調査・整理して環境情報やノウハウ
     の共有化が図られたこと。また、全教育施設の「チーム・マイナス6%」活動の結果、環境パフォーマンスが全体的に向上し
     たことを評価します。今後も継続して環境活動の推進を期待します。


                                                 平成21年9月28日
                                                 監   事 久米 信行




24
◆環境配慮促進法との対照表

                                                           国立青少年教育振興機構
                                        記載                   環境報告書2008
            記 載 要 求 事 項
                                        状況                               該当
                                                          該 当 項 目
                                                                         ページ

  環境報告書の記載事項等

  一   事業活動に係る環境配慮の方針等                    ○      環境理念と活動方針                 4

  二   主要な事業内容、対象とする事業年度等                 ○      機構の概要                     3

  三   事業活動に係る環境配慮の計画                     ○      環境目標・実績                   6

  四   事業活動に係る環境配慮の取組の体制等                 ○      環境配慮への体制                  5

                                                環境配慮活動                    7
  五   事業活動に係る環境配慮の取組の状況等                 ○
                                                環境負荷の状況                  22

  六   その他                                ○      環境関連法規制への対応              20

  環境配慮促進法

  第4条(事業者の責務)                            ○      外部委託業者との連携による環境配慮促進活動    17

  第9条(環境報告書の公表等)                         ○      環境報告書に関する所見              24




「環境報告書2009」に関するご意見・ご感想、お待ちしております。今後の環境保全への取組み等の参考にさせて頂きます。
独立行政法人国立青少年教育振興機構 財務部経理課施設管理室
電話番号:03-6407-7672 ・ 7676   E-mail: kankyo@niye.go.jp

〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1




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独立行政法人国立青少年教育振興機構
                                       シンボルマーク




                               大自然(緑)の中で情熱的(赤)で躍動する力と
                               自立心と協調性(青)を持ちあわせる青少年を
                              Youth(青少年)のYと重ね合わせて表現しています。




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  • 2. 編集方針 平成20(2008)年度において、当機構が実施した環境に関する教育事業における活動内容 を重点に編集し、各施設の特色ある活動を紹介しました。 また、全28施設が参加している、地球温暖化防止の為の我が国の温室効果ガス排出量の 削減目標達成に向けた国民的プロジェクトである「チーム・マイナス6%」に関する取り組みも紹 介しました。 この報告書により、当機構が実施している活動内容を知っていただき、教育事業にも参加して いただきたいと思います。 なお、本報告書は、環境配慮促進法に準拠し及び環境報告書ガイドライン2007年版を参考 にして作成しました。 報告対象組織 独立行政法人 国立青少年教育振興機構 報告対象範囲 本部・全28国立青少年教育施設 ◆国立オリンピック記念青少年総合 ◆国立日高青少年自然の家 センター ◆国立花山青少年自然の家 ◆国立大雪青少年交流の家 ◆国立那須甲子青少年自然の家 ◆国立岩手山青少年交流の家 ◆国立信州高遠青少年自然の家 ◆国立磐梯青少年交流の家 ◆国立妙高青少年自然の家 ◆国立赤城青少年交流の家 ◆国立立山青少年自然の家 ◆国立能登青少年交流の家 ◆国立若狭湾青少年自然の家 ◆国立乗鞍青少年交流の家 ◆国立曽爾青少年自然の家 ◆国立中央青少年交流の家 ◆国立吉備青少年自然の家 ◆国立淡路青少年交流の家 ◆国立山口徳地青少年自然の家 ◆国立三瓶青少年交流の家 ◆国立室戸青少年自然の家 ◆国立江田島青少年交流の家 ◆国立夜須高原青少年自然の家 ◆国立大洲青少年交流の家 ◆国立諫早青少年自然の家 ◆国立阿蘇青少年交流の家 ◆国立大隅青少年自然の家 ◆国立沖縄青少年交流の家 報告対象期間 平成 20(2008)年 4 月~平成 21(2009)年 3 月 発行年月日 平成 21(2009)年 9 月 30 日
  • 3. 目 次 1.トップコミットメント ······················································································································ 2 2.機構の概要 ·································································································································· 3 2.1 目的 ··········································································································································· 3 2.2 機構組織 ··································································································································· 3 3.環境理念と活動方針 ················································································································································ 4 4.環境配慮への体制 ·················································································································· 5 5.環境目標・実績 ·························································································································· 6 6.環境配慮活動 ···························································································································· 7 6.1 環境教育事業活動 ···················································································································· 7 6.2 「チーム・マイナス6%」の活動 ·································································································· 14 6.3 環境保全のための設備、備品等の整備・充実 ········································································· 15 6.4 外部委託業者との連携による環境配慮促進活動 ···································································· 17 6.4.1 地産地消活動··················································································································· 17 6.4.2 サプライチェーンマネジメントのグリーン化 ······································································ 19 6.5 環境関連法規制への対応 ········································································································ 20 6.6 社会貢献活動···························································································································· 21 7.環境負荷の状況 ························································································································22 7.1 マテリアルバランス(インプット/アウトプット)············································································ 22 7.2 個別環境負荷の状況 ················································································································ 23 8.環境報告書の自己評価 ········································································································ 24 ◆環境配慮促進法との対照表 ································································································ 25 1
  • 4. 1 トップコミットメント 独立行政法人国立青少年教育振興機構は、平成 18 年 4 月に「国立オリンピック記念青少年総合センター」、「国立青年 の家」、「国立少年自然の家」の3つの独立行政法人が統合さ れ、我が国の青少年教育のナショナルセンターとしてスタート しました。 当機構は、幼少期から青年期までの各年齢期に必要とされ る体験活動について、全国に 28 ある宿泊滞在型の国立青少 年教育施設において、青少年の集団宿泊による共同生活体 理事長 田中 壮一郎 験や豊かな自然のフィールドを活用した自然体験活動、さらに は勤労体験など多様な体験活動の機会を青少年に提供し、体験活動を通して、青少年の 健康な身体、感性豊かな心、生涯に出会う課題にチャレンジする意欲と能力の育成に努 めています。 また、青少年教育指導者の養成、青少年の喫緊の課題に関する調査研究及び情報提 供、青少年関係機関・団体との連絡促進、さらに「子どもゆめ基金」による民間団体・NPO の体験活動事業への助成などを行っています。 平成 15 年 7 月に制定された持続可能な開発のための教育に関する「環境保全のため の意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」では、子どもから大人まで、いつでも どこでも環境教育に参加できるようにすることが求められています。 当機構は、我が国の青少年に環境の重要性を認識させ、環境マインドを醸成する上で 極めて重要な役割を果たしており、自然体験活動等を通して、環境教育にも積極的に取 り組んでいます。 平成 20(2008)年度は、約486万人の青少年や一般の方々が、当機構の教育施設を 利用され、当機構が企画実施した地球環境を保全する意識を育む体験型環境学習事業 を始めとする先導的・モデル的な体験活動事業や各利用団体の自主企画による研修活 動が展開されました。 さらに、平成 20(2008)年度は、7月に北海道洞爺湖サミットにおいて環境・気候変動が 主要議題の一つとして取り上げられるなど、地球温暖化やゴミ問題といった環境問題・環 境保全に関する国民の関心の高まりを踏まえ、「環境教育の推進」を当機構の教育事業 の重点テーマに加え、持続可能な社会づくりに主体的に参画できる人材の育成に資する 事業の充実を図りました。 今後とも、体験活動を通じた環境教育を推進し、青少年の環境マインドの醸成を図ると ともに、教育施設の運営に伴う環境負荷の低減、エネルギー効率の向上に努めてまいり ます。 皆様方の一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。 平成 21 年 9 月 独立行政法人国立青少年教育振興機構 理事長 田 中 壮 一 郎 2
  • 5. 2 2.1 目的 機構の概要 「独立行政法人国立青少年教育振興機構」は、平成 18 年 4 月に「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター」、 「独立行政法人国立青年の家」、「独立行政法人国立少年自然の家」が統合され発足しました。機構は、我が国の青少年教育の ナショナルセンターとして、青少年を巡る様々な課題へ対応するため、青少年に対し教育的な観点から、より総合的・体系的な一 貫性のある体験活動等の機会を提供するとともに、研修支援、青少年教育に関する調査研究、青少年団体・施設等の連絡・協力、 青少年団体への助成を行い、もって我が国の青少年教育の振興及び青少年の健全育成を図ることを目指しています。 2.2 機構組織 機構本部 国立オリンピック記念青少年総合センター 所長 主幹 事業推進課 理事長 監事 事業支援課 理事 地方施設 監査室 国立青少年交流の家(13 施設) 国立青少年自然の家(14 施設) 総務企画部 総務企画課 下記 7 施設を除く国立青少年交流の家・国立青少年自然の家 人事課 所長 次長 財務部 財務課 国立岩手山青少年交流の家 経理課 国立妙高青少年自然の家 施設管理室 国立立山青少年自然の家 国立若狭湾青少年自然の家 教育事業部 企画・推進課 国立曽爾青少年自然の家 国立夜須高原青少年自然の家 国際課 国立諫早青少年自然の家 調査研究・情報課 所長 事業推進課 子どもゆめ基金部 管理・普及課 事業支援課 助成課 平成 20 年度団体種別の利用者 団体種別 団体数 利用者数 (人) 機構が主催する事業 - 197,654 青少年団体 25,518 1,203,922 青少年教育施設 97 5,415 保育園・幼稚園・小学校・中学校・中等教育学校・特別支援学校 7,740 991,130 高等学校 1,719 385,940 学校 大学・短大・高等専門学校 1,310 152,521 その他の学校 671 99,583 小 計 11,440 1,629,174 企業等 4,932 434,744 社会教育関係施設・団体等 17,130 652,975 その他の団体・グループ・サークル等 11,660 739,737 合 計 70,777 4,863,621 3
  • 6. 3 環境理念と活動方針 環境理念 独立行政法人国立青少年教育振興機構は、あらゆる生命体にとっ てかけがえのない地球環境を未来に引き継ぐため、青少年の環境 マインド醸成に努めます。 活動方針 独立行政法人国立青少年教育振興機構は当機構の環境理念に基づき以下の 活動方針を推進します。 (1) 環境関連法規制の順守 ・環境パフォーマンスの監視計測と関連法規制順守状況の定期的把握 (2) 持続的環境活動の推進 ・環境マネジメントシステムによる最高経営層を含む全職員による組織 的、継続的活動の展開 ・環境報告書による環境活動の情報開示の推進(1回/年) (3) 環境教育の充実・向上(本来業務の質的向上) ・環境プログラムの開発及び環境教育指導者の養成と青少年を対象と した体験活動事業の実施 (4) エネルギー消費削減、廃棄物の削減など環境効率の向上 ・日常の環境保全活動の展開、環境保全のための新技術の導入 (5) 外部とのコミュニケーションの活性化による地域共生、環境ノウハウの提 供 ・地産地消による地域産業の活性化と環境保全の推進 ・当機構に関連する外部機関、組織の環境保全向上の関係の強化 4
  • 7. 4 環境配慮への体制 環境配慮促進法第9条(環境報告書の公表等)に対応するため、平成19年1月15日に「独立行政法人国立青少年教育振興機 構環境委員会規程」を制定し、環境委員会を設置しました。環境委員会は環境配慮への方針や環境目標・計画を策定し、さまざ まな環境活動の実施状況を把握するなど、全28教育施設を取りまとめながら環境に配慮した事業活動を推進していきます。 機構の環境配慮体制 理事長 理 事 理 事 ①理事長の補佐 監 事 理 事 ②担当業務の環境管理監督 ①環境報告書の審査 理 事 財務部経理課施設管理室 環境委員会 (理事、部課長、教育施設代表者) ①環境報告書とりまとめ事務 ①環境配慮の方針等に関する事項 ②環境委員会の庶務 ②環境配慮の計画に関する事項 ③組織全体の環境統括 ③環境配慮の取り組み体制等に関する事項 ④環境配慮の取り組みの状況に関する事項 ⑤環境報告書に係る毎年度の見直しと公表に関する事項 青 国 国 少 国 立 立 年 立 総 オ ( 青 ( 青 少 少 合 リ 13 年 14 年 セ ン 施 交 施 自 ン ピ タ ッ 設 流 設 然 ー ク ) の ) の 記 家 家 念 ①国立オリンピック記念青少年総合センター及び 教育施設毎の環境目標、計画の策定・実施 ②コンプライアンス管理 ③環境データの計測・収集 ④環境施設の運転管理 ⑤地域との連携、社会貢献活動 5
  • 8. 5 環境影響 環境目標・実績 平成20年度 平成20年度 平成20年度 自己評 平成21年度 平成21年度 項目 目標 計画 実績 価 目標 計画 ・職員の巡回による、不要電灯の消灯 ・職員の巡回による、不要電灯の消 や人感センサーによる消灯 灯や人感センサーによる消灯 ・クールビズ、ウォームビズの実施 ・クールビズ、ウォームビズの実施 ・電灯スイッチ周辺に節電シールを貼 22,796千kWh ・電灯スイッチ周辺に節電シールを 電 力 り、意識を高める 平成19年度 達成 貼り、意識を高める ・休み時間中の事務所照明の点灯や 比3%減 ・休み時間中の事務所照明の点灯 各使用量を 各使用量を OA機器などの待機電力カット やOA機器などの待機電力カット 平成19年度 平成20年度 ・適正照明の間引き(事務管理スペー ・適正照明の間引き(事務管理スペ 比で0.5% 比で0.5% スなど) ースなど) 削減 削減 イ ・利用者が少ない場合の入浴時間の 2,815㎘ ・利用者が少ない場合の入浴時間 重 油 調整、短縮 平成19年度 達成 の調整、短縮 ン ・クールビズ、ウォームビズの実施 比3%減 ・クールビズ、ウォームビズの実施 ・利用者が少ない場合の入浴時間の 395㎘ ・利用者が少ない場合の入浴時間 灯 油 調整、短縮 平成19年度 達成 の調整、短縮 プ ・クールビズ、ウォームビズの実施 比9%減 ・クールビズ、ウォームビズの実施 ・節水コマの使用や自動水栓の導入 ・節水コマの使用や自動水栓の導入 ッ ・節水型トイレの導入 ・節水型トイレの導入 ・漏洩などの不要水の削減 603千m3 ・漏洩などの不要水の削減 ト 未 水 道 各使用量を ・水道蛇口周辺に節水シールを貼り、 平成19年度 各使用量を ・水道蛇口周辺に節水シールを貼 達成 平成19年度 意識を高める 比20%増 平成20年度 り、意識を高める より削減す ・利用者が少ない場合の入浴時間の より削減す ・利用者が少ない場合の入浴時間 る 調整、短縮 る の調整、短縮 1,589千m3 都市ガス ・クールビズ、ウォームビズの実施 平成19年度 達成 ・クールビズ、ウォームビズの実施 比6%減 156品目 グリーン グリーン購入 購入実績 のうち グリーン購入 ・グリーン購入の徹底 ・グリーン購入の徹底 購入 100% 100% 117品目 100% で達成 ア リサイクル 資源リサイ ・リサイクル物および廃棄物の実態調 資源リサイ ・リサイクル物および廃棄物の実態 ウ 査の実施 達成 調査の実施 物 クルの推進 クルの推進 ト ・廃棄物の分別の徹底やコピーの裏 左項を実施 ・廃棄物の分別の徹底やコピーの裏 プ 廃棄物排出 廃棄物排出 ッ 廃棄物 紙利用、ペーパーレス化の促進 達成 紙利用、ペーパーレス化の促進 ト 量の削減 量の削減 ・生ごみ処理機の導入 チーム・マイ 28施設全て ナス6%へ ・各教育施設における継続推進 達成 継続 ・各教育施設における継続推進 参加 の参加継続 ・青少年教育における環境をテーマ そ ・青少年教育における環境をテーマに にした企画や調査・研究などの推 環境意識の した企画や調査・研究などの推進 環境意識の の 左項を実施 達成 進 高揚 ・「環境意識の高揚」に対する目標値 高揚 ・「環境意識の高揚」に対する目標値 設定の検討 他 設定の検討 ・職員への環境教育の実施 ・職員への環境教育の実施 環境マネジメ ・エネルギーや水、廃棄物などの目標 環境マネジメ ・エネルギーや水、廃棄物などの目 ントシステム 値(原単位など)共有方法の検討 左項を実施 達成 ントシステム 標値(原単位など)共有方法の検討 の構築 ・各教育施設との環境情報の共有方 の構築 ・各教育施設との環境情報の共有方 法の検討 法の検討 「独立行政法人国立青少年教育振興機構の達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)」と環境への取組み 平成18年4月に策定された「独立行政法人国立青少年教育振興機構の達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)」 では業務の効率化によって光熱水料を含む一般管理費を平成23年3月までに、旧青少年教育3法人の平成17年度予算の 合計額に比べて15%以上の縮減を図ることを定めています。 節減に努めた結果、平成20年(2008)年度は、電気使用量は3%減少、水道使用量は20%増加、重油及び灯油の使用 量はそれぞれ3%と9%減少、ガス使用量は6%減少となりました。 これらの取組により、機構全体では、CO2排出量が前年度の21,125tに対し、20,378tで4%の削減となっています。 ※水道使用量の増加の原因は国立中央青少年交流の家の漏水です。 6
  • 9. 6 環境配慮活動 6.1 環境教育事業活動 当機構では、全国の教育施設で環境をテーマにした青少年の体験活動事業や指導者研修など、様々な取組を進めています。 本項では、その中から主な取組を紹介します。 〈青少年を対象とした事業〉 吉備青少年自然の家:総合的な学習の時間における「吉備高原の環境学 習」 国立吉備青少年自然の家(以下「自然の家」という。)は、岡山県のほぼ 中央部、吉備高原(標高300~360m)に位置しています。自然の家では、近 隣の3小学校と協働で、平成17年度に施設内にビオトープをつくり、その後 も、自然の家と小学校が協働してビオトープを維持し、地域の環境教育の場 として活用してきました。 平成19年度は平成18年度に作成した水生昆虫観察ガイドブックを用いて、 ビオトープの整備 ビオトープやその周辺の川や池を観察エリアとして環境学習を行い、平成 20年度は水生生物に限らず、吉備高原に生息する動植物についての調査・ 採取・観察などを行いました。 また、利用団体がビオトープ周辺を利用して、 環境学習ができるようにプログラムの開発や学習カードの作成に取り組み ました。 平成20年度は、主に次のようなことに取り組みました。 1、2学期は、ビオトープの土や草を取るなどの整備をし、そこに生息する ヤゴやコオイムシ、メダカの採取・観察を行いました。陸生昆虫や植物を観 察した小学校では、講師から昆虫の取り方や住みか、外来種について説明 を受け、多くの種類の昆虫を採取し、観察しました。さらに、夏と秋で採取で 陸生昆虫の観察 きる昆虫の比較を行いました。 3学期は、1年間の学習のまとめとして、今まで学習したことや気づいたこ となどの発表会を開催するほか、冬のビオトープの観察会も行い、氷の下 に生きている魚や昆虫を採取・観察しました。 また、自然の家では、ビオトープや自然の家のフィールドを活用して昆虫 や動植物を観察する「虫取りビンゴ」(※1)、「フィールドビンゴ」(※2)といった活 動プログラムを各小学校と連携して実践し、生き物とのふれあいを通して環 境の大切さについて学ぶことができるプログラムの充実に努めています。 (※1)「虫取りビンゴ」…季節に応じた昆虫を9種類選び、ビンゴカードに名 前を記入し、その昆虫を見つけたり、鳴き声を聞いたりしながらカード にチェックして吉備高原の昆虫への関心を高める活動プログラムです。 (※2)「フィールドビンゴ」…自然の家のフィールドで、昆虫や植物を見つけ たり、五感を使ったりするビンゴを行い、自然環境への関心を高める 活動プログラムです。(ビンゴカード参照) フィールドビンゴカード(植物バージョン) 7
  • 10. 〈環境教育に関する指導者研修事業〉 妙高青少年自然の家:環境教育指導者養成研修(東日本地区) 平成20年9月30日(火)~10月3日(金)にかけて、独立行政法人教員研修 センターと共催で「環境教育指導者養成研修」を当施設を会場にして開催し ました。本研修は各都道府県の環境教育のリーダーとなりうる教員あるい は指導主事を対象にしたものであり、北は北海道、南は愛知県まで65名の 参加者が集まりました。 まず文部科学省の日置視学官より、新しい学習指導要領を踏まえて環境 教育をどのように展開すべきかについて、講演がありました。その中でエネ ルギー・環境問題は科学技術に深くかかわっており、理科で培うべき科学的 な見方や考え方を育成しなければならないことや、環境教育は理科だけで なく社会科や国語などを含め、教科を横断的に扱う必要があることなど我が 講義・演習「これからの環境教育の展開」 国の目指す環境教育の方向について示唆をいただきました。 2日目のフィールドワークでは、国立妙高青少年自然の家独自の妙高ネ イチャープログラムの「ブナ林探検隊」「源流探検」「妙高火山」の中から一 つを選んで体験しました。ブナ林、源流、妙高火山などの自然の事物は 我々の生活と関わりがあることに気付き、そのつながりを探る楽しさを感じ ていただきました。また参加者自身の自然観をさらに広げることができまし た。その中のブナ林探検隊は、自然の家近くにある藤巻山をフィールドとし て展開し、森林内の土壌生物を含めた生態系だけでなく、炭素循環や水循 環についても視野を広げました。さらに薪炭林として人間の生活に密着して いた里山が放棄されてしまったこと、それに伴って里山が荒れて、生物多様 性が保たれなくなっていることにも気付くことができました。 3泊4日の本研修を通して、すばらしい講師の方々の講義とともに、実地 ブナ林探検隊 演習のフィールドワークを含め、他地域の受講者同士の情報交換がなされ たことから、受講者からの高い満足度を得ることができました。 〈ネットワークづくりを目的とした事業〉 赤城青少年交流の家:あかぎ交流の森創造プロジェクト 平成20年7月12日(土)から13日(日)、10月19日(日)、11月2日(日)、11 月9日(日)、11月24日(月)の5回シリーズで、社会人、大学生、専門学校生 等を対象に実施し、総計105名の方々が参加しました。 今日、環境教育の必要性・重要さが叫ばれていますが、地元群馬県でも 赤城山南麓の環境破壊は、深刻な問題として取り上げられています。特に、 大気汚染から発生した酸性霧や松枯れ病等により、松林が加速度的に消 滅していく危機的状況にあります。 従前より本所では、森林整備に職員が貢献するだけでなく、赤城山周辺 で活動する環境団体、周辺の企業、大学等、111団体の個人・団体により設 立された「赤城自然塾」との協働で、赤城山の自然環境を生かした、また、 炭焼き体験 発達段階に即した環境教育プログラムづくりに取り組んできました。 8
  • 11. 平成20年度は、これらの取組をもとにして、利用団体や地域に対して、赤 城山南麓ならではの環境教育プログラムを開発・提供するべく、さまざまな 取組を始めました。その取組の一つが、「あかぎ交流の森創造プロジェクト」 です。 このプロジェクトの活動の一つは、「赤城自然塾」との共催で企画・実施し た「炭を使った植林プログラム」です。内容は、松枯れで伐採された土地の 再生をねらいに、植林場所の下草刈り体験、土壌改良に利活用するための 炭焼き体験、植林体験を行ったものです。 二つ目は、人々の健康教育に取組む赤城山学園の協力のもと、企画実 施した「ツリーイングアドベンチャープログラム」です。内容は、ロープを使っ て木に登ることにより、木と人間の関わり方について学んだり、自然とのつ ながりについて理解する力を培ったりする活動の指導者・支援者の養成を 目的に行ったものです。 参加者からは、「環境教育に対する施設の取組に触れることができ、自 分の考えが変った。」「知っていることと、それを活用することは全くちがうこ ツリーイングアドベンチャー とであり、新たに知ったことや気づいたことなどを実践していこうと思った。」 等の感想が寄せられ、環境教育活動に必要な知識を身につけるよい機会と なりました。 青少年を対象とした環境教育事業一覧 教育 事業名 事業の概要 期間 対象 施設名 【趣旨】 自然体験活動を通じて、人間と環境との関わりについての正し い認識に立ち、自ら責任ある行動をもって、持続可能な社会づく 環境ワークキャン りに主体的に参画できるリーダーを育成することを目指す。 9.20(土) 大学生~ 磐梯 プ ~23日(火) 30歳までの 【主な内容】 (3泊4日) 青年 五色沼ハイキングコースの自然観察と水質調査、猪苗代湖の 湖岸観察・植生観察・不法投棄の現状観察、講義(猪苗代湖の 環境について) 【趣旨】 スキューバダイビングを通して、普段ふれることのない海中世 未知の海中世 界を見たり、磯場観察を行ったりして、海を中心とした環境の現 6.6(金) 界!スキューバ 状を理解し、これらを保全していこうとする態度を養う。 大学生以 能登 ~8(日) 環境ダイビング 上 (2泊3日) 【主な内容】 ビーチコーミング、磯場環境の分析、講義「海の環境」、ダイビ ング、磯場観察 【趣旨】 環境保全活動は、今後も拡大させていくことが急務であること から、地域団体や青年との連携を支援し、地域に対して環境保全 の普及と意識の高揚を図る。 守ろう環境!広 8.30(土) 高校生、大 乗鞍 げ よ う ボ ラ ン ティ 【主な内容】 ~31(日) 学生、一般 ア活動! 講義「自然公園法」、「外来種による自然環境の変化」。特定指 (1泊2日) 定外来種「オオハンゴンソウ」の駆除活動 【主な連携先】 環境省自然保護官事務所、高山西ロータリークラブ 9
  • 12. 教育 事業名 事業の概要 期間 対象 施設名 【趣旨】 稀少植物が生育する一方で、大阪湾等のゴミが漂着すること でも有名な成ケ島のフィールドを利用して、プログラム全般を通し て自然環境へのインパクトの軽減と循環型社会に拘った「環境と 人との共生」を考えるセミナーを実施し、自らの生活を見つめ直 す機会とする。 「淡路自然遺産」 10.11(土) 環境共生キャン ~13(月) 大学生・社 淡路 【主な内容】 プ 会人 講義「環境と人との共生とは」 (2泊3日) 実習「共生を考えた海洋生物観察」(阿万海岸に数多く生息す る海ホタルの観察から環境と人との共生を考える。) 演習「成ヶ島エコツアー」(絶滅のおそれのある野生生物につ いて記載したレッドデータブックに掲載されている生物の観察。空 き缶やペットボトル等のゴミを住みかとしているカニ・貝などの観 察を通して、自然環境と人間の生活との関係について考える。) 【趣旨】 われら瀬戸内探 近隣の海岸を使った体験・調査からスタートし、瀬戸内海域へ ①8.2(土) 偵団~瀬戸内海 フィールドを広げ、環境問題について考えていく体験的・問題解 ~3(日) の環境から学ぶ 決的な環境学習を実施する。そのことを通して、いま自分達に何 (1泊2日) 中学生・高 ~ ができるかを考え、環境保全・保護に配慮した積極的な行動が取 ②11.22(土) 校生及び 江田島 ①「Part1瀬戸内 れる意欲・態度を養う。 ~11.23(日) 青年(大学 海岸編」 (1泊2日) 生を含む) ②「Part2瀬戸内 【主な内容】 海域編」 海辺の生き物観察、環境指標生物を使った 海水環境調査、ア カテガニの産卵とウミホタルの観察、海洋観測船を使用した海洋 観測調査 【趣旨】 阿蘇の草原環境の現状を学ぶとともに草原維持活動の体験を とおして、環境保全への意識を高める。 【主な内容】 ①10.11(土) 輪地焼き(野焼きの際、周辺への延焼を防ぐために5~10mの ~13(月) 阿蘇の草原物語 幅で草を刈り取り、防火帯を作る作業) (2泊3日) 高校生以 阿蘇 ①秋編 ②春編 草小積み(冬場の飼料として草を保存するための作業) ②2.28(土) 上 野焼き(牧草の発芽、生育の環境を準備し、ススキの堆積によ ~3.1(日) る古野化や雑木林などによる荒廃を防ぐことにより草原環境を維 (1泊2日) 持できる。) 【主な連携先】 環境省九州地方環境事務所、財団法人阿蘇グリーンストック、 小堀・町古閑牧野組合 【趣旨】 「サンゴの海に学 サンゴの海を通して、青少年に人間と環境の関わりを考える機 ぶ」環境教育実 会を提供し、持続可能な社会実現に積極的に関われるよう環境 ①7.19(土) 践セミナー 保全意識の向上を図るとともに、自ら主体的に取り組む態度など ~21(月) ①サンゴ礁ウォッ を育成する。 (2泊3日) 中学・高校 沖縄 チング ②サンゴ ②1.31(土) 生 の海を守りはぐく 【主な内容】 ~2.1(日) む ①スノーケリングによるサンゴ礁観察 (1泊2日) 海洋環境の大切さを考えるワークショップ ②ザトウクジラの観察、漂着ゴミの回収 【趣旨】 関係機関と連携し、授業立案段階での情報提供や教材研究に 対する支援を行うことで、より効果的な学習を構築する。 ①6.19(木) 小学校4年 【主な内容】 ②6.20(金) 生~6年 日高 少年環境調査隊 昆虫観察、川の源流・河口付近の環境比較(水質調査、指標 ③9.5(金) 生、中学 生物の観察)、森林観察 ④9.8(月) 校2年生 【主な連携先】 日高町立日高小学校 10
  • 13. 教育 事業名 事業の概要 期間 対象 施設名 【趣旨】 大自然の中で、長期にわたる集団宿泊や登山、「水」をテーマ とした冒険活動・調べ学習を実施し、子どもたちの主体性や社会 なすかしの森環 性を育むとともに自然環境に関心を持ち、環境の保全に積極的 7.26(土) 小学5年生 那須甲 境スタディ- ~ 感 に関わろうとする態度を育てる。 ~8.3(日) ~中学3年 子 性を培う自然体 (8泊9日) 生 験の素晴らしさ~ 【主な内容】 阿武隈川源流探検、水質調査(パックテスト)、 講話「水と私たち」(阿武隈川の概要とその特徴、指標生物等 に関する説明) ①6.21(土) 【趣旨】 ②7.19(土) 自然に対する豊かな感受性や環境に対する関心等を養うとと ③8.23(土) エコ・キッズ プロ もに、環境と自分の関わりを考える追求活動や実践活動を通し 小学校5年 信州高 ④10.12(日) ジェクト①②③④ て、環境の創造を具体的に実践する態度を身につける。 生~中学2 遠 ⑤11.15(土) ⑤⑥ 年生 ~16(日) 【主な内容】 (1泊2日) 水質調査、湖の水質の比較、水の浄化実験 ⑥2.21(土) 【趣旨】 曽爾周辺での自然体験活動を通し、自然の不思議さや面白 さ、素晴らしさや神秘さに触れる中で、自然に対する畏敬の念と その重要性を感じられる豊かな感性を養う。また、自然環境への そにの森 自然 興味・関心を深め、自然と人間との関わりを学ぶことにより、自然 11.1(土) 学校~まもろう自 や生命を大切にする心を育み、自然環境の保全意識の高揚を図 小学校1年 曽爾 ~3(月) 然・みつめよう自 る。 生~4年生 (2泊3日) 然~ 【主な内容】 高原フィールドワーク(曽爾高原やお亀池の珍しい植物観 察)、星座観察、亀山クリーンハイキング(亀山や曽爾高原を散策 しながらのゴミ回収) 【趣旨】 地域の小学校と連携し、総合的な学習の時間における環境学 習として、「水生昆虫観察池」(ビオトープ)を使い、そこに生息する 生き物の調査を行う。また子ども達と協働でビオトープの整備を ①6.12(木) 行うとともに、利用団体のための環境学習のプログラムとしても ②6.18(水) 充実させていく。 総合的な学習の ③6.25(水) 連携する 時間における「吉 ④7.4(金) 吉備 【主な内容】 小学校の 備高原の環境学 ⑤9.4(木) 昆虫採集、植物観察、ビオトープの整備、ビオトープの観察 児童 習」 ⑥9.18(木) 会、合同発表会、環境学習プログラム開発 ⑦10.2(木) ⑧1.29(木) 【主な連携先】 吉備中央町教育委員会、吉備中央町立吉備高原小学校、吉 備中央町立吉川小学校、学校法人 おかやま希望学園吉備高 原のびのび小学校 【趣旨】 水深200mの深海をもつ錦江湾を舞台に、その素晴らしさや厳 しさを体験することにより環境問題への関心を高めるとともに、 長期冒険型活動を通して心に悩みを持つ青少年の自立を支援す 8.2(土) 海からのメッセー る。 小学5年~ 大隅 ~11(月) ジ 高校生 (9泊10日) 【主な内容】 体調管理講習、海の魅力と安全管理講話、 ビーチコーミング、クリーンアップ作戦(海岸清掃)、シュノーケリン グ体験(海の生き物探し) 11
  • 14. 青少年とその家族(保護者)を対象とした事業一覧 教育 事業名 事業の概要 期間 対象 施設名 【趣旨】 林野庁上越森林管理署との協定において、国有林の野外活 動エリアとして、五万戸国有林〔森林の手入れ、植林〕、藤巻林道 周辺〔ブナ林の生態系の調査、岩石や火山灰土の採取〕、真川と ニグロ川とその支流〔源流体験、治山ダムと森林〕、夢見平〔多様 な巨木・巨樹の観察、森林の癒し、多様な湿原の植物の観察〕、 妙高山・関・燕温泉付近等〔岩石や火山灰土の採取、火砕流、源 妙高青少 泉の観察等〕を利用団体に提供し、環境教育や自然体験・自然 年自然の 妙高 妙高遊々の森 通年 学習に役立てる。 家の利用 者 【主な内容】 森林の手入れ、植林、ブナ林の生態系の調査、源流体験、多 様な巨木・巨樹の観察、多様な湿原の植物の観察 【主な連携先】 林野庁上越森林管理署 【趣旨】 施設周辺の徳地の森や木々について、観察や体験を通して学 ぶことにより、森や木々に親しみ、自然を大切にしようとする心情 を培う。 山口徳 子ども樹木博士 小学生と 【主な内容】 5.25(日) 地 その家族 森林観察、樹木識別活動、講義(「たねの不思議」)、森林にあ るものを材料にしたクラフト活動 【主な連携先】 森林インストラクター山口会 【趣旨】 森林セラピー体験・自然体験活動および環境学習を通して、参 加者の心身の健康づくりを図るとともに、森林と人との関わりにつ いて関心を高める。 ①9.23(火) 山口徳 森林セラピー体 小学生と 【主な内容】 ②11.15(土) 地 験プログラム その家族 森林セラピー体験(森林浴)、野外炊飯、星空観察、木登り体 ③3.15(日) 験、森の中のコンサート(二胡演奏) 【主な連携先】 山口市徳地総合支所林業振興課 【趣旨】 環境学習型基本 自然体験を通して、人間を取り巻く環境の意味やその保全に ① 6.21( 土 ) ①小学1~ 的生活習慣育成 ついて考えさせるとともに、子どもの中の生命のリズム(体内時 ~22(日) 3年生 夜須高 事 業 「 夜 須 高 原 計)に沿った生活習慣を定着させて、環境教育の充実と健全な心 (1泊2日) ②小学1~ 原 キッズレンジャ 身の育成を並行しながら推進する。 ②8.1(金) 3年生 ー」①② ~3(日) (保護者) 【主な内容】 (2泊3日) 森の生物調査、川の生物調査 12
  • 15. 環境教育に関する指導者研修事業一覧 教育 事業名 事業の概要 期間 対象 施設名 【趣旨】 各都道県において環境教育を担当する指導主事等に対し、 「国連持続可能な開発のための教育の10年」に関する環境教育 を推進する際に留意すべき事項(外部資源の活用の在り方等)に ついて、必要な知識の修得をはじめ、資質・能力の向上を図ると ともに、受講者により、各地域において本研修内容を踏まえた研 修の講師等としての活動や各学校への指導・助言などが行われ 環境教育指導者 るようにする。 9.30(火) 養成研修(東日 指導主事、 妙高 ~10.3(金) 本地区) 教員 【主な内容】 (3泊4日) 講義・演習「これからの環境教育の展開」 事例発表「環境教育の効果的な取組」 協議「持続可能な社会を目指した環境教育」 分科会協議「環境教育の取組の実際」 フィールドワーク「妙高の自然を生かした持続可能な観光」「ブ ナ林探検隊」「源流探検」「妙高火山」 協議「ESDにおける環境教育」 【趣旨】 環境教育を担当する指導主事等に対して、環境教育を推進す る際に必要な知識の修得、資質・能力の向上を図るとともに、受 環境教育指導者 講者が各地域で研修の講師として指導・助言が行えるようにす 10.21(火) 養成研修(西日 る。 指導主事、 淡路 ~24(金) 本地区) 教員 (3泊4日) 【主な内容】 講義・演習「学校教育における環境教育の位置づけ」 全体協議「ESDにおける環境教育」、「国連持続可能な開発の ための教育の10年」 ネットワークづくりを目的とした事業一覧 ネットワークを 教育 事業名 構成する 事業の概要 期間 対象 施設名 機関・団体等 【趣旨】 これまで構築してきたネットワークを活用しつ つ、本所周辺の森林環境をベースに、学校の 体験型環境教育活動のプログラム提供と指導 ①7.12(土) 赤城自然塾設 者・支援者を育成するとともに、それらが実現 ~13(日) あかぎ交流の 立準備委員 するための学校と地域を巻き込んだ連携システ (1泊2日) 森創造プロジ 赤城 会、地元林業 ムを構築する。 ②10.19(日) 学生、社会人 ェクト 組 合 、 NPO 法 ③11.2(日) 人 等 【主な内容】 ④11.9(日) 講義:地球環境と植林 ⑤11.24(月) 実習:木を植えよう、炭焼き体験 講義・演習「木に登ろう」 実習「森の守り方」 【趣旨】 九州中・北部を流れる6本の一級河川の源 環境省、国土 であり「九州の水がめ」とも呼ばれる阿蘇の地 九州”水”フォ 交通省、農林 に、青少年を対象とした水に関わる環境教育や 社会教育関係 ー ラ ム in 阿 水産省、九州 環境保全活動に取り組んでいる機関や団体・ 者、学校教育 蘇~つなげよ 各県教育委員 学校・企業等が集い、活動報告や情報交換を 関係者、環境 1.31(土) う!広げよう! 会、関係小・ 行うとともに連携の方策を協議することにより、 教育に取り組 阿蘇 ~2.1(日) 青少年環境教 中・高・大学、 青少年の環境教育に関するネットワークを構築 んでいる機 (1泊2日) 育ネットワーク 環境保全活動 し、環境教育の推進を図る。 関・団体・企業 ~ に 取 組 む NPO 等関係者、環 法人等、九州 【主な内容】 境教育に興味 電力等 実習「水のふしぎ!?ワークショップ」(熊本 のある人 の地下水を例にあげ、水の循環について学 ぶ。水の汚れとその浄化について学ぶ。) 13
  • 16. 6.2 「チーム・マイナス6%」の活動 当機構は、28の全教育施設が「チーム・マイナス6%」に登録しています。 職員をはじめ機構内で活動をしている外部の事業者も含めて組織を挙げて環境活動を推進しています。 (「チーム・マイナス6%」とは)深刻な問題になっている地球温暖化に対して、京都議定書が2005年2月16日に発効し、日本においては温暖化 効果ガス排出量を2008年から2012年の間に1990年比で6%削減を目標とする国民的プロジェクトです。 【事例紹介】 「チーム・マイナス6%」の周知 アイドリング・ストップ 各教育施設に自家用車や貸切バスで来所される方々に対してアイドリング・ストップ の協力をお願いしています。 各教育施設の宿泊棟の入口や事務室などに、チーム・マイナス6%のポスターを掲 示し、職員はもとより利用者への協力依頼について周知を図りました。 温度調節への取組 冬季の暖房について施設内のバルブを低めに調整し、研修室等においてもボイラ室 で温度を管理しており、使用予定のない時間帯は、こまめに暖房をきっています。また、 利用者の宿泊の割振りにおいても、重油(ボイラー)の消費量を考慮した部屋割をし、 研修場所の割り当て方法について工夫をしています。 事務室や研修室等のドアの戸締りについて、職員一人一人が無駄な暖房費がかか らないよう常日頃より心かけています。 大雪青少年交流の家では、利用者にも冬期の暖房費節減によるウォームビズの声 かけをしています。各施設の出入口には暖房費節約のため戸締り励行の掲示をし、周 知を図っています。 節電 職員が適宜館内を巡回して不要な照明等がないか確認しています。屋外照明の点 灯時間・場所の見直しを随時行っています。昼休時間帯には事務室内照明の消灯を徹 底して行っています。 またトイレや廊下に人感センサーを設置し節電に努めています。 緑のカーテン(大洲青少年交流の家) 事務室の窓側に苦瓜を植生することで、夏期の事務室内気温上昇を抑 制し、空調の使用回数を減らしました。 14
  • 17. 6.3 環境保全のための設備、備品等の整備・充実 当機構では、環境負荷を大幅に軽減することができる取り組みとして、省エネルギーが見込める設備、備品等の導入を積極的 に行い、温室効果ガス等の排出の削減へ配慮しています。 【事例紹介】 空調機設備改修(沖縄青少年交流の家) 従来、小研修室で空調を利用する場合は消費電力の大きい冷凍機を運転 する必要がありました。小研修室(4室)の空調を個別パッケージタイプの空 調へ改修することで、計画的な空調運転ができ消費電力の抑制になりました。 シャワー及びカランの取り替え(岩手山青少年交流の家) 浴室のシャワー及びカランは、ハンドルの止水であったため、利用者によ ってはお湯の無駄使いが見受けられました。そこで、蛇口を自動水止め(定 量止水)方式に取り替え、入浴時の無駄使いを減らしました。また、それに 伴いお湯を沸かすための重油使用量も削減できました。 暖房配管の保温(乗鞍青少年交流の家) 暖房配管(バルブ)が露出している箇所に保温材を巻くことで暖房効率を 高めました。 よしずの設置(江田島青少年交流の家) 管理研修棟南側窓によしずを設置し、室内温度の上昇を少しでも抑え、 研修室の冷房効率向上を図っています。 15
  • 18. 有用微生物群を活用した排水処理(曽爾青少年自然の家) 施設から排出される汚水の浄化に有用微生物群を活用することにより、浄 化槽ブロアーの運転時間軽減による電気使用量の削減、悪臭の除去、余剰 汚泥の発生削減などの環境負荷軽減効果がありました。 宿泊棟太陽光発電(オリンピック記念青少年総合センター) 宿泊棟ソーラーパネルを使って太陽光発電を導入し、環境問題を探る教 材にしています。 温泉熱を利用した暖房(大雪青少年交流の家) 地元の温泉熱を暖房に有効活用して、エネルギー使用量の削減に取り 組んでいます。 照明器具交換(赤城青少年交流の家) 屋外の照明器具を省エネ型機器に交換しました。これにより照明にかか る消費電力は従来の3分の1以下になりました。 中水利用(オリンピック記念青少年総合センター) トイレの水に中水を使用して、水道水の使用量を減らしています。 16
  • 19. 6.4 外部委託業者との連携による環境配慮促進活動 6.4.1 地産地消活動 当機構は宿泊滞在型教育機関として毎年多くの青少年などが利用することが大きな特徴です。毎日の研修生活において安全、 安心は欠かせない管理の一つです。また、毎日の食事においては、お米、野菜、肉、魚など多種多量の食材が利用されています が、これらの食材の調達にあたっては、「地産地消」に心がけ食材の運搬に伴う自動車からの二酸化炭素の排出量の抑制を行っ ています。 機構全体の地産地消の食材例 米 大根 牛乳 タマネギ 白菜 味噌・醤油 小ネギ ユウガオ 果物(柑橘類・みかん他) なす なすび パン(製造) キュウリ 水菜 魚類 キャベツ 椎茸 豚肉 レタス 練り製品(蒲鉾・竹輪他) 馬肉 トマト 麺類(そば・うどん他) 鶏肉 人参 ロー麺 鶏卵 ほうれん草 豆腐・こんにゃく 【事例紹介】 大雪青少年交流の家食堂((株)雪印パーラー) 食堂では、1年間約140,000食の給食を行っていますが、美瑛町内の農家 が生産した新鮮で旬な食材を使用し、安全で安心な食事を提供しています。 また、地産地消の率を高めることで、食材の輸送時に排出される二酸化 炭素の量が削減され、地球環境に配慮した優しい食事の提供にも繋がって います。 大雪青少年交流の家の地産地消食材の紹介 食品名 利用比率(%) 美瑛産じゃがいも(北あかり) 60 美瑛産レタス 20 北海道産米 100 上川産レタス 60 美瑛産トマト 20 赤城青少年交流の家の食堂(ユーレストジャパン(株)) 食堂「レストラン赤城」は、ぐんま地産地消推進店に認定されています。ぐ んま地産地消推進店とは、県産農産物を積極的に販売・活用し、その良さ をPRする小売店等を群馬県が認定するものです。 生野菜は前橋市産・群馬県産を中心とし、国内産野菜を100%使用して います。 バイキングのレーンには野菜生産者の氏名や顔写真を掲示し、地産地 消に努めていることを周知しています。 17
  • 20. 室戸青少年自然の家の地産地消食材の紹介 室戸青少年自然の家の食堂(栄食メディックス(株)) 食品名 利用比率(%) 食堂では、米、キャベツ、果物類、魚類、牛乳等については、100%地元 米 100 産の食材を利用しています。 キャベツ 100 また、毎月19日の「食育の日」にあわせて、地域に縁のある食材を使った 果物 100 特別メニューを実施しており、これまでに、高知県北川村の柚子・全国生産 魚類 100 第一位のミョウガを使ったちらし寿司、室戸産のトマトを使ったサラダなどを 牛乳 100 提供しています。 さらに、中四国農政局高知農政事務所の協力を得て、「地産地消」「地域 に縁のある食材」などに関するパネル展示を行いました。 三瓶青少年交流の家の食堂(森永フードサービス(株)) 食堂では、年間に約70,000食の食事を作っていますが、地産地消に重点 を置いて地元産の米・卵・牛乳は100%、生鮮野菜・魚などは地元産を可能 な限り利用して調理するようにしました。 三瓶青少年交流の家の地産地消食材の紹介 食品名 利用比率(%) 米 100 本日の食材は?熱心に打ち合わせをするスタッフ 牛乳 100 卵 100 玉ねぎ 80 なす 80 若狭湾青少年自然の家の食堂(ユーレストジャパン(株)) 地産地消の推進として、米は福井県産の“ひとめぼれ”を使用し、地元産 の里芋の煮物、小浜特産のサバの“へしこ”を使った“へしこスパゲティー” などを提供しています。また野外炊飯メニューの材料についても玉ねぎ、に んじん、キャベツなど地元産を優先的に使用しています。 若狭湾青少年自然の家の地産地消食材の紹介 食品名 利用比率(%) 野外炊飯メニュー“やきそば”の材料 米(ひとめぼれ) 100% 豆腐 100% トマト、きゅうり、にんじん 18
  • 21. 6.4.2 サプライチェーンマネジメントのグリーン化 環境配慮促進法第4条では「事業者は、その事業活動に関し、環境情報の提供を行うように努めるとともに、他の事業者に対 し、投資その他の行為をするに当たっては、当該他の事業者の環境情報を勘案してこれを行うように努めるものとする」とありま す。これを受けて機構では「サプライチェーンマネジメントのグリーン化」を推進しました。 【事例紹介】 大隅青少年自然の家の食堂(森永フードサービス(株)) 大隅青少年自然の家の食堂においては、平成15年3月に環境マネジメン ト(ISO 14001)の認証取得をしたことにより、社員と大隅青少年自然の家職 員が協力し環境保全活動に取り組んでいます。 大隅では「地産・地消」を心がけており、地元で栽培された野菜等の食材 調達に努め、年間95,000食の食事提供を行っています。 大隅の主な環境保全活動の取組として、リサイクル、節電、節水、廃棄物等 の削減に努め、食堂からの厨房排水による水質保全も図りました。 信州高遠青少年自然の家の食堂(森永フードサービス(株)) 食堂は、ISO14001の認証取得をしており、環境への取組みを行っていま す。食堂からでる残飯は排水型生ゴミ処理機により機械処理を経て液体化 にして排出することにより、環境に配慮しています。 19
  • 22. 6.5 環境関連法規制への対応 当機構は全国に28の国立青少年教育施設を運営しており、殆んどの施設が、海、山、湖など自然に恵まれた地域にあります。 機構の活動に当たっては常に遵法に心がけ関係組織と連携の下に適正な活動をしております。当機構に適用される主な環境 関連法律等は次のとおりですが、平成20(2008)年度は各教育施設において指導、勧告、命令などの法規制違反はありませんで した。 1) 当機構が関連する主な環境関連法規制 ◆環境基本法 ◆公衆浴場法 ◆循環型社会形成推進基本法 ◆水道法 ◆水質汚濁防止法 ◆建築物における衛生的環境の確保に関する法律 ◆大気汚染防止法 (ビル管理法) ◆廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ◆消防法 ◆湖沼法 ◆エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法) ◆浄化槽法 ◆労働安全衛生法 2) 環境測定の例 (平成20年度測定) ※大気汚染防止法 ・水質汚濁防止法の関係測定結果の一例を下記のとおり示した。 ◆国立花山青少年自然の家の環境測定結果 単位 基準値 1回目 2回目 3回目 4回目 3 大気汚染防止法:ダスト濃度 g/m N 0.3 0.014 0.016 - - 3 大気汚染防止法:硫黄酸化物量 m N/h 5.56 0.25 0.24 - - 大気汚染防止法:窒素酸化物濃度 ppm 180 40 41 - - 下水道法:BOD ㎎/ℓ 30 24 9.2 13 - 建築物:炭酸ガス ppm 1,000 125 200 500 200 建築物:一酸化炭素 ppm 10 1 1 1 1 3 建築物:浮遊粉塵量 mg/m 0.15 0.02 0.02 0.02 0.02 建築物:気流 m/sec 0.5 0.01 0.01 0.05 0.02 ◆国立三瓶青少年交流の家の水質測定結果 単位 基準値 1回目 2回目 3回目 4回目 湖沼法:BOD mg/ℓ 160 4.8 13 0.5未満 2 湖沼法:COD mg/ℓ 160 6.9 6.5 3.1 4.5 湖沼法:SS mg/ℓ 200 2 3 2未満 2未満 湖沼法:PO4 mg/ℓ 16 9.4 1.5 0.09 0.2 湖沼法:全窒素 mg/ℓ 120 7.1 10 4.8 8.6 3 湖沼法:大腸菌群数 個/㎝ 3000 0 0 1 0 20
  • 23. 6.6 社会貢献活動 事業者が事業活動における環境配慮の取組を行うと同時に、他のさまざまなセクターと協働し、パートナーシップを築きながら、 持続可能な循環型社会の構築に取り組んでいくことが望まれます。その具体的な活動の一つとして、職員や利用者等が自ら行う 環境社会貢献活動を積極的、自主的に行っていくことが重要です。 【事例紹介】 県道ゴミ拾い 妙高青少年自然の家では、自然の家と国道18号線を結ぶ県道のゴミ拾い を行いました。このゴミ拾いは例年自然の家が自主的に行っているものです。 平成20(2008)年度は妙高市の協力を得て、国道から自然の家入口を経て さらに妙高山寄りの関温泉まで約10キロの区間を、自然の家職員及び妙高 市職員で清掃しました。 「子供の松原再生プロジェクト」事業 淡路青少年交流の家に隣接する吹上浜は、「日本の白砂青松100選」に 選ばれた美しい浜です。しかし松喰い虫の影響によって多くの松が被害に 遭い、松林が消滅しつつあります。このような中「子供の松原再生プロジェク ト」事業により小学生や地域の人たちの手で松の植樹を行いました。 富士見村 ・CCCとの三者協定 赤城青少年交流の家では、平成19(2007)年5月に富士見村と環境保護団 体CCC自然・文化創造工場との間で、『群馬県勢多郡富士見村赤城山地 区森林再生活動』に関する三者協定を結びました。それ受け2008年9月と 2009年2月にホンダ技研工業森林保全ボランティアによる森林再生活動を 支援し、伏せ焼きでの松枯れ材の炭作り、それを土壌改良材として利用す る散布、植林活動を実施しました。 21
  • 24. 7 環境負荷の状況 7.1 マテリアルバランス(インプット/アウトプット) 以下は2008年度機構における環境負荷項目の状況です。2007年度に比べて、INPUTの水以外は削減し、OUTPUTの排水以 外は削減しています。これからも「チーム・マイナス6%」の目標達成に向けて努力していきます。 INPUT 電 力 22,796 千kWh グリーン購入(達成率) 100 % 水 道 603 千m3 軽 油 113 ㎘ 都市ガス 1,589 千m3 ガソリン 114 ㎘ 重 油 2,815 ㎘ プロパンガス 204 千m3 灯 油 395 ㎘ 国立青少年教育振興機構 (全28教育施設・本部) OUTPUT 二酸化炭素 20,378 t 排 水 603 千m3 廃 油 8 ㎘ 残飯 (リサイクル) 148 t 廃油 (リサイクル) 14 ㎘ 資源物 (リサイクル) 49 t 22
  • 25. 7.2 個別環境負荷の状況 <INPUT> 1.電力の使用量 2.水の使用量*1 電力使用量 水の使用量 30.0 600 25.0 500 使用量(千㎥) 電力(千kWh) 20.0 400 15.0 300 10.0 200 5.0 100 0.0 0 2006年度 2007年度 2008年度 2006年度 2007年度 2008年度 3.燃料用ガスの使用量 4.燃料油の使用量 燃料用ガスの使用量 燃料油の使用量 2,000 5,000 4,000 1,500 使用量(千㎥) 使用量(kℓ) 灯油 都市ガス 3,000 軽油 1,000 プロパンガス 2,000 ガソリン 重油 500 1,000 0 0 2006年度 2007年度 2008年度 2006年度 2007年度 2008年度 ※ チームマイナス6の活動したため、使用量が削減できた。 *1 水道以外に地下水も使用しています。 <OUTPUT> 1.二酸化炭素の排出量*2 2.排水の量*3 二酸化炭素排出量 排水 30,000 600 25,000 500 排水量(千㎥) 20,000 400 排出量(t) 15,000 300 10,000 200 5,000 100 0 0 2006年度 2007年度 2008年度 2006年度 2007年度 2008年度 3.廃油の処理量 4.残飯の量 廃油の処理 残飯の量 35 200 30 25 150 処理量(kℓ) 廃棄量(t) 20 リサイクル量 100 15 廃棄量 10 50 5 0 0 2006年度 2007年度 2008年度 2006年度 2007年度 2008年度 *2 二酸化炭素の換算係数は東京都環境局の地球温暖化対策計画制度を参考。 *3 排水量=水道使用量。 23
  • 26. 8 環境報告書に対する所見 環境配慮促進法第9条により、下記の通り「独立行政法人国立青少年教育振興機構 環境報告書2009」の評価を行いま した。 (1) 実 施 日 平成21年9月28日 (2) 実 施 者 独立行政法人国立青少年教育振興機構 監事 久米 信行 (3) 評価基準等 環境報告書の評価は以下を基本に実施しました。 (イ) 環境配慮促進法 (ロ) 環境配慮促進法第4条に基づく環境報告書の記載事項等 (ハ) 環境報告書ガイドライン(環境省 2007年度版) (4) 評価の結果 「環境報告書2009」が上記の評価基準等に基づき作成されたものであり、網羅性、信憑性、妥当性について評価を行った 結果、適正であることを確認しました。 特に、今回の報告書は全国28教育施設の環境活動状況を統一調査アンケートにより調査・整理して環境情報やノウハウ の共有化が図られたこと。また、全教育施設の「チーム・マイナス6%」活動の結果、環境パフォーマンスが全体的に向上し たことを評価します。今後も継続して環境活動の推進を期待します。 平成21年9月28日 監 事 久米 信行 24
  • 27. ◆環境配慮促進法との対照表 国立青少年教育振興機構 記載 環境報告書2008 記 載 要 求 事 項 状況 該当 該 当 項 目 ページ 環境報告書の記載事項等 一 事業活動に係る環境配慮の方針等 ○ 環境理念と活動方針 4 二 主要な事業内容、対象とする事業年度等 ○ 機構の概要 3 三 事業活動に係る環境配慮の計画 ○ 環境目標・実績 6 四 事業活動に係る環境配慮の取組の体制等 ○ 環境配慮への体制 5 環境配慮活動 7 五 事業活動に係る環境配慮の取組の状況等 ○ 環境負荷の状況 22 六 その他 ○ 環境関連法規制への対応 20 環境配慮促進法 第4条(事業者の責務) ○ 外部委託業者との連携による環境配慮促進活動 17 第9条(環境報告書の公表等) ○ 環境報告書に関する所見 24 「環境報告書2009」に関するご意見・ご感想、お待ちしております。今後の環境保全への取組み等の参考にさせて頂きます。 独立行政法人国立青少年教育振興機構 財務部経理課施設管理室 電話番号:03-6407-7672 ・ 7676 E-mail: kankyo@niye.go.jp 〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1 25
  • 28. 独立行政法人国立青少年教育振興機構 シンボルマーク 大自然(緑)の中で情熱的(赤)で躍動する力と 自立心と協調性(青)を持ちあわせる青少年を Youth(青少年)のYと重ね合わせて表現しています。 独立行政法人国立青少年教育振興機構 作成担当部署: 財務部経理課施設管理室 〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1 電話番号: 03-3467-7021(代表) http://www.niye.go.jp/ 26