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1  sur  11
名古屋市の津波に対する
意識調査アンケート(簡易版)
     報告書


  SALリサーチ・アソシエイト


          2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   1
本リサーチの仮説と目的




 ■仮説
 津波到達時間の認識において、専門家の認識と市民の認識に乖離があり、
 伝わるべき情報が市民に伝わっていないのではないかという仮説を設定。




 ■目的
 上記の認識の乖離によって、死者が出る可能性があることを、
 広く地域に問題提起する為。




                      2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   2
アンケート集計結果




       2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   3
アンケート集計結果

Q1.東海大震災(※1)が起こったとき、名古屋港に津波がくると思いますか。



            いいえ,17人,14%




                                  はい,102人,86%




  ⇒ 東海大震災が起こった場合、津波は名古屋港まで来ることは予想されて
    おり、回答者の86%は津波到達のリスクを認識していることが分かります。

                                      (※1)東海・東南海・南海地震の3連動地震の仮称


                   出所:Asahi.com http://www.asahi.com/special/10005/NGY201106140029.html


                                            2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   4
アンケート集計結果

Q1で 「はい」と応えた方は、何分後だと思いますか?

           81〜100分, 1人,     101分〜, 1人, 1%   無回答,6人,6%
                1%

           61〜80分, 1人,
               1%

            41〜60分, 11人,
                11%


                                                 0〜20分, 54人,
                                                     53%
             21〜40分, 28人,
                 27%




  専門家の認識では、名古屋港までの津波の到着時間は「80分程度で到達」と想定さ
れているにも関わらず、市民の認識は7割が「40分以下で到達」と回答しており大きな
乖離がある。  ※無回答を除くとほぼ全回答者が想定より早い到着を予測

  東日本大震災では適切な到達時間を認識していないことで、沿岸部に戻るなど行動をとり、
  死者が出るという2次災害が生じた。名古屋地区においても同様の懸念があると推測される。

    出所:ウェザーニュース 東日本大震災 津波調査http://weathernews.com/ja/nc/press/2011/pdf/20110908_1.pdf
                                                        2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   5
補足




     2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   6
(補足)アンケート集計結果

情報はどこで知りましたか? (複数回答)


            防災センタ 1ー,   その他, 1人, 1%
              人, 1%



                               テレビ, 23人, 20%
                                                   ラジオ, 2人, 1%
                                                   新聞, 2人, 2%

                                                  インターネッ , 6
                                                          ト
                                                    人, 5%
                勘・
                 なんと , 80
                      なく
                  人, 69%
                                                   広報なごや, 1人,
                                                      1%




  ⇒ 津波に対する情報を適切には取得しておらず、あくまでも想像上で想定
    して回答していると考えられます。




                                        2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   7
(補足)アンケート集計結果

東海大震災が起こった直後に津波がくるとします。どこに逃げるかを考えたことはあり
ますか?




             いいえ, 55人, 48%
                             はい, 60人, 52%




  ⇒ 少なくともおよそ半分の回答者が、津波が来てもどこに逃げるかを
     考えていないと推測される。




                                   2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   8
(補足)アンケート集計結果

前スライドで「はい」と答えた方は、具体的にどこに逃げますか?

                       移動し  ない,4人,
                            6%
                   公園,3人,5%
             病院,2人,3%
           避難所,1人,2%
           自宅,1人,2%
            山,2人,3%
                                        学校,19人,31%
       公民館,1人,2%


                      ビル・建物,12人,
                         19%


                                     高いと ろ,17人,
                                        こ
                                        27%




  ⇒ 多くの回答者が津波発生時は、学校、高い所、ビル・建物のように、高
    さの高い場所または頑丈な場所に避難することが有効であると認識して
    いると考えられます。


              出所:名古屋市HP 暮らしの情報 http://www.city.nagoya.jp/shobo/page/0000000232.html


                                              2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   9
(補足)アンケート集計結果

【続き】その場所までどうやって逃げますか?(複数回答)

                   その他, 1人, 1%       自家用車, 7人,
                                       7%

                                                  原付・
                                                    バイク 4人,
                                                         ,
                                                      4%




                                                     自転車, 20人,
                                                       20%


              徒歩, 69人, 68%




  ⇒東日本大震災では、車での避難に起因した被害が出ておりましたが、名古
   屋地区の回答者の多くは、徒歩で逃げることの有用性を認識していると
   考えられます。


            出所:Asahi.com http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY201104010283.html


                                            2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   10
(補足)アンケート集計結果

アンケート回答者属性

                50代, 4人, 3%     60代, 2人, 2%
                                              10代, 7人, 6%




                40代, 16人, 13%




              30代, 30人, 25%            20代, 61人, 51%




アンケート回収方法
・Webサイトまたは街頭アンケートにより収集




                                                2011 ETIC. Social Agenda Lab All Rights Reserved.   11

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