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Notes de l'éditeur
- 留置権の意義
- 留置権とは、他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権を有するときに、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる権利です。
たとえば、Aが自転車の修理を依頼し、Bが修理した場合、
- BがAに対し修理代金債権を有することになります。
- しかし、Aが修理代金を支払わなかった場合、弁済を受けるまでBはAからの返還請求を拒む(こばむ)ことができます。
- 留置権の要件は、まず、他人の物を占有していることです。
- また、その物から生じた債権を有すること、これを債権と目的物の牽連(けんれん)性といいます。
- 債権が弁済期にあること、
- 占有が、不法行為によって始まったものでないことの4つです。
- 留置権の効果は、次の通りです。
まず、留置権者は、被担保債権の弁済期を受けるまで、目的物を留置することができます。
- 留置権者は、債務者のみならず、すべての人に対して権利を主張することができます。
- 留置権者は善管(ぜんかん)注意義務を負います。
- 留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げません。
- 留置権の消滅原因は3つあります。
まず1つめは、債務者は相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができます。
これは、被担保債権額に比(ひ)して、留置物の価値が大きい場合に有効です。
- 2つめの消滅原因として、留置権は、留置権者が留置物の占有を失うこと によって、消滅します。
- 留置権者が善管(ぜんかん)注意義務を怠ったとき、または債務者の承諾を得ないで留置物を賃貸し、または質権(しちけん)の目的としたときは、
債務者は留置権の消滅を請求することができます。
なお、留置権者は、債務者の承諾を得れば、留置物を賃貸し、質権(しちけん)の目的とすることができます。
- 次に、先取特権(さきどりとっけん)についてです。
先取特権とは、債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利のことをいいます。
- 先取特権には、一般先取特権、動産先取特権、不動産先取特権の3種類があります。
- 一般先取特権は、債務者の総財産を目的とし、被担保債権として、共益(きょうえき)費用、雇用関係、葬式費用、日用品の供給があります。
- 動産先取特権とは、債務者の特定の動産を目的とし、被担保債権として、不動産賃貸借、旅館の宿泊、旅客または荷物の輸送、
動産の保存、動産の売買等によって生じた債権があげられます。
- 不動産先取特権とは、債務者の特定の不動産を目的とし、被担保債権として、不動産の保存・工事・売買によって生じた債権があげられます。
- 先取特権の効果は、次の通りです。
先取特権者は、自己の債権につき、優先弁済権を有します。
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失(めっしつ)または損傷によって、債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても行使することができます。
これを、物上代位(ぶつじょうだいい)といいます。
- ただし、先取特権者は、目的物の引渡しの前に差押えをしなければなりません。
- 次に、質権(しちけん)についてです。
質権(しちけん)とは、債権の担保として債務者または第三者から受け取った物を占有し、
かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利のことです。
- まず、質権(しちけん)の成立要件です。
動産質(どうさんしち)と不動産質(ふどうさんしち)の場合には、質権(しちけん)設定の合意、および質物(しちぶつ)の引渡しとなります。
この場合、占有改定は除きます。
権利質(けんりしち)の場合は、質権(しちけん)設定の合意のみとなります。
- 質権(しちけん)の対抗要件については、動産質(しち)については占有の継続、不動産質(しち)については登記です。
権利質(しち)については、設定者からの通知、または第三債務者の承諾になります。
- 使用収益権については、動産質の場合には原則ありません。しかし、質権(しちけん)設定者の承諾があれば可能です。
不動産質については、使用収益権があります。権利質についてはありません。
- 次は、果実収受(しゅうじゅ)権です。
動産質の場合には、果実を収受して他の債権者に優先して自己の債権の弁済に充当することができます。
不動産質の場合には、賃料から弁済を受けることが前提となっているため、当然に収受できます。
権利質の場合には、果実が発生することが観念(かんねん)できないため問題となりません。
- その他、動産質の場合には、質権者(しちけんじゃ)が質物(しちぶつ)の占有を奪われたときは、
占有回収の訴えによってのみ返還請求することができます。
権利質の場合には、目的債権の換価(かんか)のほか、直接取立てが可能となっています。