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科学技術コミュニケーション教育
  におけるプロジェクト型
 教育プログラムの意義と課題


      2009.11.15 科学技術社会論学会
            石村源生
北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)
「実践者」としての科学技術コミュ
 ニケーターに必要な学びとは?
• 科学技術コミュニケーターとは、「科学技術と
  社会の双方向の橋渡し」の役割を果たす者の
  ことである。
• コミュニケーターは単に個別の知識やスキルを
  身につけるだけではなく、現実の社会における
  「実践者」であることが求められる。
プロジェクト型教育
• 現実社会で実際に機能する能力を獲得するために
  は、いわゆる「経験学習」が効果的であると考えられ、
  その具体的な手法として注目されているものの一つ
  に、「プロジェクト型教育」がある。
• プロジェクト
 – 社会における実際の課題やクライアントの存在を前提とし、
   明確な目的と達成目標が設定され、通常複数のメンバー
   から成るチームにより、有限の期間内に有限のリソースを
   活用して遂行される活動。
プロジェクト型教育
• プロジェクト型教育とは、このようなプロジェク
  ト活動の特徴を活用した、実体験に基づいた
  教育。
• このような学習環境において、学習者自身が
  試行錯誤を重ね、自らの学びを構築していく
  ことにより、実践者として成長していくことが
  期待される。
CoSTEPにおけるプロジェクト型教育
• プロジェクト型教育を「プロジェクト実習」という形で
  2007年度より導入。
• 2007年度については、地域社会における現実の課
  題についての取り組みの提案を公募し、5件を採択。
• 採択された提案を再構成し、 「子どもに科学を伝え
  る」「リスクを伝える」「消費者を支援する」「環境学習
  の場のデザインと評価」という4つの実習科目として
  授業カリキュラムに組み込んだ。
CoSTEPにおけるプロジェクト型教育
• 原則として、採択された提案の応募者は
  CoSTEPの受講生となり、自らの提案が基と
  なったプロジェクト実習授業に参画した。
• また2008年度は北海道新聞の編集者からの
  提案に基づき、プロジェクト実習科目「新聞コ
  ンテンツの制作と活用」を開講した。
プロジェクト課題提案の採択過程

課題公募    選考・採択     協議(カリキュラム化)


       課題提案者
                プロジェクト実習のコース決定


  一般の受講希望者
                CoSTEP 受講者の公募・選考



                    授業スタート
社会貢献としてのプロジェクト実習

• プロジェクト実習においては、受講生の教育だ
  けではなく、教育実践そのものが大学の社会
  貢献にも結びつくことも狙いとした。
• 「大学のリソースの地域社会のニーズに応える
  ために活用する」という観点からは、これを「サ
  イエンスショップ」として捉えることも出来よう。
プロジェクト実習運営上の課題

•   クライアントを初めとする利害関係者の存在
•   社会環境条件の変化による影響
•   学習者が割くことの出来る時間の制限
•   学習者に要求される知識・スキルの複合性
•   学習者のモチベーションの多様性
プロジェクト実習運営上の課題
• 「プロジェクト」という活動形態の性格上、 「緊
  急性が重要性に優先する」 、あるいは「クライ
  アントへの責任が受講生の学習に優先する」
  事態が生じることが予想された。
• プロジェクトの遂行の過程で学内外における
  多様な要因が複雑に絡み合うため生じるであ
  ろう様々な不確実性への対処が求められた。
プロジェクト実習運営上の課題
• 一方、実践と教育という両輪をかみ合わせな
  がらプログラムを運営していく中で、その成果
  をどのように位置づけるべきかという、いわゆ
  る「教育評価」に関しても、新たな枠組みを導
  入する必要に迫られた。
• これらの課題の中でも特に「教育評価」の問
  題について、実例に即して考察したい。
プロジェクト型教育の評価
• 教育評価の一般的方法
 – 受講生の学習目的・学習目標をまず設定し、
   プログラム修了後に学習の成果を何らかの
   方法で測定し、当初の学習目的・学習目標
   が達成されたかどうかを判定する。
プロジェクト型教育の評価
• 現実のクライアントを対象とするプロジェクト型
  教育プログラムの場合
 – 毎年プログラムを構成する前提条件が大きく変動
   し、活動形態も多種多様なものとなる。
 – 受講生個々人の学習目的・学習目標をシンプル
   に設定することが困難。
 – これらがプログラム実施期間中に変化する可能性
   が高い。

 →必ずしも「教育評価の一般的方法」を適用するこ
  とができず、評価に際しては大きな困難が伴う。
プロジェクト型教育の評価
• 大島ら(2006, 194)による指摘
 – 「これまでの個人学習とは異なり,他者との協調
   作業を通して何かを制作したり,問題を解決したり
   する協調学習(collaborative learning)が活動の
   中心におかれるような講義デザインでは,そこでの
   学習者の評価は非常に複雑になってくる」
科学技術コミュニケーション教育全
   般に共通する課題
• この状況はプロジェクト型教育プログラムにお
  いて特に顕著に見られるものではあるが、そも
  そも科学技術コミュニケーションの学習全般が
  多かれ少なかれ「プロジェクト型教育プログラ
  ム」的な特質を持っていると言える。
• 従ってこの課題は、科学技術コミュニケーショ
  ンの教育全般に共通のものであると考えるこ
  ともできよう。
「プロジェクト実習」における新しい
     評価手法の導入

• これまで述べた問題整理をふまえ、プロジェク
  ト型教育プログラムに関して筆者が試みた評
  価手法を、特に2008年度の実践事例に即し
  て紹介し、その実効性と課題について検討し
  たい。
2008年度プロジェクト実習
        「新聞コンテンツの制作と活用」
•       メンバー:5名(大学院生2名、社会人3名)
•       活動内容
    •    北海道新聞「週刊フムフム大図解「冬も快適 ここまで
         進んだ住宅技術」」制作
    •    紙面連動ワークショップ開催(4回)
         •   大図解「林業」に連動。親子(小学校高学年)対象。
         •   大図解「住宅技術」に連動。生活クラブ生協豊平支部組合員対
             象。
         •   大図解と新聞全般について。家庭教育学級対象
         •   高校新聞のメディアとしての意義を再認識する目的。高校新聞
             部員対象
•       協力:北海道新聞編集者、北海道新聞社
実習の目的
受講生の学習目標      実践のアウトプット    プロジェクトゴール


新聞コンテンツの制作
プロセスの理解
              新聞コンテンツの制作
コンテンツ制作スキル
の獲得
                           新聞メディアの新しい
                           可能性の提案


イベント制作・運営ス    新聞コンテンツを補完
キルの獲得         するイベントの実施
学習者自身による
 学習目的・目標の定義と自己評価
• プロジェクト開始時と終了後の2回、受講生
  に、学習目的・目標を定義してもらう。

1. プロジェクト開始時
 – 「学習目的・目標の自己定義」を目的とする「事
   前アンケート」を実施
2. プロジェクト終了後
 – 「学習目的・目標の「再」自己定義と、それに即し
   た学習成果の自己評価」を目的とする「事後アン
   ケート」を実施
「事前アンケート」の実施
• 設問
 – プロジェクトで取り組まなければならない個々のタ
   スクに関して「目的-手段の階層構造」を構成する
   ように設計。
• 目的
 – 受講生自らが、プロジェクトの複合性を分解し、自
   らが学ぶべき明示的な知識やスキルと、クライア
   ントのニーズ・関連する外部環境とを対応付けるこ
   と。
事前アンケート質問項目例
• 実習チームで制作する予定の、10月25日掲載
  の「大図解」について、アイディアをお聞かせ下
  さい。
 1. どんなテーマにしたいですか?
 2. テーマを、どんな切り口で紹介したいですか?
 3. どんな紙面構成にしたいですか?
 4. そのためには誰に、あるいはどんな場所への取材
    が必要だと思いますか?
 5. そのためにはどんな資料を収集すればよいと思いま
    すか?
 6. どんなイラスト、図解があれば効果的だと思います
    か?
事前アンケート質問項目例

7. この記事によって、読者にどのような効果を及ぼし
   たいと考えますか?
8. その効果は、どのようにすれば確認できると思いま
   すか?
9. 上記項目を達成するには、どのような現象、事実、
   理論を理解しなければならないと思いますか?
10.上記項目を達成するには、どのような方法論の理
   解や、スキルの修得が必要だと思いますか?
11.9、10を達成するには、どのような学習をすると効
   果的だと思いますか?
事前アンケート質問項目例
•   あなたは、この実習に何を期待しますか?
•   あなた自身は、この実習にどのような貢献ができると
    思いますか?
•   一年後にこの実習が終わったとき、自分が、あるいは
    実習チームがどんな状態になっていることをイメージ
    しますか?
「事前アンケート」の効果について
• 「受講生が学ぶべき明示的な知識やスキルと、
  クライアントのニーズ・関連する外部環境との対
  応付け」を、教員があらかじめタスクリストを作
  成して提示するなどの方法で行うのではなく、
  アンケートに答えさせるという形で、受講生に自
  ら考えさせることを可能にしたと考えられる。
「事後アンケート」の実施
• 設問
 – 事前アンケートの「プロジェクトの階層的「目的-手
   段」関係」の各項目に沿う形で、達成度の自己評価
   がなされるように設計された。
• 目的
 – 受講生が個々の回答項目に関して自己評価をしたり、
   教員がその回答を授業評価に利用したりするだけで
   はなく、「事後アンケートへの回答」という作業自体に
   よって、受講生が、プロジェクトの持つ「階層的「目的
   -手段」関係」という性格をより深く理解すること。
アンケート質問項目の対応例
    事前アンケート                事後アンケート
1. どんなテーマにしたいですか?   1. どのようなテーマを設定しましたか?
2. テーマを、どんな切り口で紹介   2. テーマを、どのような切り口で紹介しました
   したいですか?             か?
3. どんな紙面構成にしたいです
                    3. どんな紙面構成にしましたか?
   か?
                    4. 誰に、あるいはどんな場所へ取材をしました
4. そのためには誰に、あるいはど
                       か?必要な取材は適切にできましたか?
   んな場所への取材が必要だと
                       出来なかった場合は、その理由についても
   思いますか?
                       お答え下さい。

                    5. どんな資料を収集しましたか?必要な資料
5. そのためにはどんな資料を収
                       収集は適切にできましたか?出来なかった
   集すればよいと思いますか?
                       場合は、その理由についてもお答え下さい。
事       質問              回答例
前
ア                       皆と一つのことに取り組む中で、今まで気付かなかった
ン       あなたは、この実習に何を
                        科学の面白さ、考え方に気付く。今までにない大きな受
ケ       期待しますか?
ー                       け手に情報を伝えることの難しさと喜びを知りたい。
ト                       変わりました。新聞というメディアをつかってより多くの
        あなたのこの実習に対する
                        人にメッセージを伝えることからえられるものを期待して
        期待は、当初のものから途
                        いたが、新聞というメディアを再活用することの面白さ
        中で変わりましたか?変
                        を感じるようになった。新聞の活用の仕方をチームで考
        わった場合は、どのように変
                        えて実践すること、そこから学ぶことに期待するように
        わったのかということと、そ
                        なった。個人で新聞を読むだけでは気づかないことを誰
        の理由についてお答え下さ
    事                   かと読むことによって気づくことができるのではないかと
        い。
    後                   感じるようになったから。
    ア
    ン   あなたの実習への期待(途    限られた実習の中で実践もできて、本当に多くのことを
    ケ   中から変わった場合は変化    学ぶことができました。しかし、まだまだ実感できていな
    ー   後の期待)はどの程度達成    いこともあるのではないかと思います。これはCoSTEP
    ト
        されましたか?達成されな    の修了をスタートとして自ら活動を続ける中で実感する
        かった点があれば、具体的    ことだと思います。実習を100%活かすことができるよ
        に、理由を含めてお書き下    うにしていきたいです。
        さい。
        「達成されなかった点」につ
                        自分が科学コミュニケーションを続けていく中で、振り返
        いて、誰が、どのように改善
                        る。
        すればよいと思いますか?
「事後アンケート」の効果について
1. 自分の立てた評価項目に即して学習課題の
   達成度を評価できる。
2. 自分が行ってきたこと、学んできたことを構造
   的に振り返り、再確認することができる。
3. 自分が達成できなかったことを構造的に確認
   することができる。

という3つの効果が期待される。
事後アンケートに対する意見・感想
• こういう事は、時間を取ってちゃんとやるべきだと自
  覚はありました。考えるヒントになるアンケートを用意
  していただいた事。ありがとうございます.
• ものすごく考えさせる設問だと思います。方法論って
  あまり意識していませんでしたが、何かやった後にこ
  のような視点でふりかえってみることは他にもいかせ
  るような気がします。というか活かしていこうと思いま
  す。
• 実習が終わって、ようやくいくらか客観的に振り返れ
  る時期になったと思うので、今アンケートを取っても
  らってよかった、と思う。
                 (2008年度実習 5名中3名)
考察
• 事前・事後アンケートによって、学習者のプロ
  ジェクトに対する省察や構造的理解が促進さ
  れたのではないかと考えられる。
• 事後アンケートは、学習目標がプロジェクトの
  遂行過程を通じて変化するという仮説に基づ
  いて設計されたものであったが、実際のアン
  ケート結果もそのような変化の存在を捉えてい
  たと考えられる。
考察
• プロジェクト型教育の成果は、「学習目標の変化」に
  象徴されるような、「学習過程を通して生まれてくる
  ダイナミックな活動の総体」として捉えられる。
• 学習者にとっての学習環境とは、教員が事前にすべ
  て設計し、最適化することができるようなものではな
  く、学習者自身の活動と相互作用によって刻一刻と
  創造されていくと同時に、その結果が逆に学習者の
  活動に影響を与える、循環的なシステムの構成要素
  である。
• プロジェクト型教育においては、学習者と学習環境と
  の間の、こうしたダイナミックな相互作用をすくいとる
  ことのできる評価手法の開発が求められている。

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  • 2. 「実践者」としての科学技術コミュ ニケーターに必要な学びとは? • 科学技術コミュニケーターとは、「科学技術と 社会の双方向の橋渡し」の役割を果たす者の ことである。 • コミュニケーターは単に個別の知識やスキルを 身につけるだけではなく、現実の社会における 「実践者」であることが求められる。
  • 3. プロジェクト型教育 • 現実社会で実際に機能する能力を獲得するために は、いわゆる「経験学習」が効果的であると考えられ、 その具体的な手法として注目されているものの一つ に、「プロジェクト型教育」がある。 • プロジェクト – 社会における実際の課題やクライアントの存在を前提とし、 明確な目的と達成目標が設定され、通常複数のメンバー から成るチームにより、有限の期間内に有限のリソースを 活用して遂行される活動。
  • 4. プロジェクト型教育 • プロジェクト型教育とは、このようなプロジェク ト活動の特徴を活用した、実体験に基づいた 教育。 • このような学習環境において、学習者自身が 試行錯誤を重ね、自らの学びを構築していく ことにより、実践者として成長していくことが 期待される。
  • 5. CoSTEPにおけるプロジェクト型教育 • プロジェクト型教育を「プロジェクト実習」という形で 2007年度より導入。 • 2007年度については、地域社会における現実の課 題についての取り組みの提案を公募し、5件を採択。 • 採択された提案を再構成し、 「子どもに科学を伝え る」「リスクを伝える」「消費者を支援する」「環境学習 の場のデザインと評価」という4つの実習科目として 授業カリキュラムに組み込んだ。
  • 6. CoSTEPにおけるプロジェクト型教育 • 原則として、採択された提案の応募者は CoSTEPの受講生となり、自らの提案が基と なったプロジェクト実習授業に参画した。 • また2008年度は北海道新聞の編集者からの 提案に基づき、プロジェクト実習科目「新聞コ ンテンツの制作と活用」を開講した。
  • 7. プロジェクト課題提案の採択過程 課題公募 選考・採択 協議(カリキュラム化) 課題提案者 プロジェクト実習のコース決定 一般の受講希望者 CoSTEP 受講者の公募・選考 授業スタート
  • 8. 社会貢献としてのプロジェクト実習 • プロジェクト実習においては、受講生の教育だ けではなく、教育実践そのものが大学の社会 貢献にも結びつくことも狙いとした。 • 「大学のリソースの地域社会のニーズに応える ために活用する」という観点からは、これを「サ イエンスショップ」として捉えることも出来よう。
  • 9. プロジェクト実習運営上の課題 • クライアントを初めとする利害関係者の存在 • 社会環境条件の変化による影響 • 学習者が割くことの出来る時間の制限 • 学習者に要求される知識・スキルの複合性 • 学習者のモチベーションの多様性
  • 10. プロジェクト実習運営上の課題 • 「プロジェクト」という活動形態の性格上、 「緊 急性が重要性に優先する」 、あるいは「クライ アントへの責任が受講生の学習に優先する」 事態が生じることが予想された。 • プロジェクトの遂行の過程で学内外における 多様な要因が複雑に絡み合うため生じるであ ろう様々な不確実性への対処が求められた。
  • 11. プロジェクト実習運営上の課題 • 一方、実践と教育という両輪をかみ合わせな がらプログラムを運営していく中で、その成果 をどのように位置づけるべきかという、いわゆ る「教育評価」に関しても、新たな枠組みを導 入する必要に迫られた。 • これらの課題の中でも特に「教育評価」の問 題について、実例に即して考察したい。
  • 12. プロジェクト型教育の評価 • 教育評価の一般的方法 – 受講生の学習目的・学習目標をまず設定し、 プログラム修了後に学習の成果を何らかの 方法で測定し、当初の学習目的・学習目標 が達成されたかどうかを判定する。
  • 13. プロジェクト型教育の評価 • 現実のクライアントを対象とするプロジェクト型 教育プログラムの場合 – 毎年プログラムを構成する前提条件が大きく変動 し、活動形態も多種多様なものとなる。 – 受講生個々人の学習目的・学習目標をシンプル に設定することが困難。 – これらがプログラム実施期間中に変化する可能性 が高い。 →必ずしも「教育評価の一般的方法」を適用するこ とができず、評価に際しては大きな困難が伴う。
  • 14. プロジェクト型教育の評価 • 大島ら(2006, 194)による指摘 – 「これまでの個人学習とは異なり,他者との協調 作業を通して何かを制作したり,問題を解決したり する協調学習(collaborative learning)が活動の 中心におかれるような講義デザインでは,そこでの 学習者の評価は非常に複雑になってくる」
  • 15. 科学技術コミュニケーション教育全 般に共通する課題 • この状況はプロジェクト型教育プログラムにお いて特に顕著に見られるものではあるが、そも そも科学技術コミュニケーションの学習全般が 多かれ少なかれ「プロジェクト型教育プログラ ム」的な特質を持っていると言える。 • 従ってこの課題は、科学技術コミュニケーショ ンの教育全般に共通のものであると考えるこ ともできよう。
  • 16. 「プロジェクト実習」における新しい 評価手法の導入 • これまで述べた問題整理をふまえ、プロジェク ト型教育プログラムに関して筆者が試みた評 価手法を、特に2008年度の実践事例に即し て紹介し、その実効性と課題について検討し たい。
  • 17. 2008年度プロジェクト実習 「新聞コンテンツの制作と活用」 • メンバー:5名(大学院生2名、社会人3名) • 活動内容 • 北海道新聞「週刊フムフム大図解「冬も快適 ここまで 進んだ住宅技術」」制作 • 紙面連動ワークショップ開催(4回) • 大図解「林業」に連動。親子(小学校高学年)対象。 • 大図解「住宅技術」に連動。生活クラブ生協豊平支部組合員対 象。 • 大図解と新聞全般について。家庭教育学級対象 • 高校新聞のメディアとしての意義を再認識する目的。高校新聞 部員対象 • 協力:北海道新聞編集者、北海道新聞社
  • 18. 実習の目的 受講生の学習目標 実践のアウトプット プロジェクトゴール 新聞コンテンツの制作 プロセスの理解 新聞コンテンツの制作 コンテンツ制作スキル の獲得 新聞メディアの新しい 可能性の提案 イベント制作・運営ス 新聞コンテンツを補完 キルの獲得 するイベントの実施
  • 19. 学習者自身による 学習目的・目標の定義と自己評価 • プロジェクト開始時と終了後の2回、受講生 に、学習目的・目標を定義してもらう。 1. プロジェクト開始時 – 「学習目的・目標の自己定義」を目的とする「事 前アンケート」を実施 2. プロジェクト終了後 – 「学習目的・目標の「再」自己定義と、それに即し た学習成果の自己評価」を目的とする「事後アン ケート」を実施
  • 20. 「事前アンケート」の実施 • 設問 – プロジェクトで取り組まなければならない個々のタ スクに関して「目的-手段の階層構造」を構成する ように設計。 • 目的 – 受講生自らが、プロジェクトの複合性を分解し、自 らが学ぶべき明示的な知識やスキルと、クライア ントのニーズ・関連する外部環境とを対応付けるこ と。
  • 21. 事前アンケート質問項目例 • 実習チームで制作する予定の、10月25日掲載 の「大図解」について、アイディアをお聞かせ下 さい。 1. どんなテーマにしたいですか? 2. テーマを、どんな切り口で紹介したいですか? 3. どんな紙面構成にしたいですか? 4. そのためには誰に、あるいはどんな場所への取材 が必要だと思いますか? 5. そのためにはどんな資料を収集すればよいと思いま すか? 6. どんなイラスト、図解があれば効果的だと思います か?
  • 22. 事前アンケート質問項目例 7. この記事によって、読者にどのような効果を及ぼし たいと考えますか? 8. その効果は、どのようにすれば確認できると思いま すか? 9. 上記項目を達成するには、どのような現象、事実、 理論を理解しなければならないと思いますか? 10.上記項目を達成するには、どのような方法論の理 解や、スキルの修得が必要だと思いますか? 11.9、10を達成するには、どのような学習をすると効 果的だと思いますか?
  • 23. 事前アンケート質問項目例 • あなたは、この実習に何を期待しますか? • あなた自身は、この実習にどのような貢献ができると 思いますか? • 一年後にこの実習が終わったとき、自分が、あるいは 実習チームがどんな状態になっていることをイメージ しますか?
  • 24. 「事前アンケート」の効果について • 「受講生が学ぶべき明示的な知識やスキルと、 クライアントのニーズ・関連する外部環境との対 応付け」を、教員があらかじめタスクリストを作 成して提示するなどの方法で行うのではなく、 アンケートに答えさせるという形で、受講生に自 ら考えさせることを可能にしたと考えられる。
  • 25. 「事後アンケート」の実施 • 設問 – 事前アンケートの「プロジェクトの階層的「目的-手 段」関係」の各項目に沿う形で、達成度の自己評価 がなされるように設計された。 • 目的 – 受講生が個々の回答項目に関して自己評価をしたり、 教員がその回答を授業評価に利用したりするだけで はなく、「事後アンケートへの回答」という作業自体に よって、受講生が、プロジェクトの持つ「階層的「目的 -手段」関係」という性格をより深く理解すること。
  • 26. アンケート質問項目の対応例 事前アンケート 事後アンケート 1. どんなテーマにしたいですか? 1. どのようなテーマを設定しましたか? 2. テーマを、どんな切り口で紹介 2. テーマを、どのような切り口で紹介しました したいですか? か? 3. どんな紙面構成にしたいです 3. どんな紙面構成にしましたか? か? 4. 誰に、あるいはどんな場所へ取材をしました 4. そのためには誰に、あるいはど か?必要な取材は適切にできましたか? んな場所への取材が必要だと 出来なかった場合は、その理由についても 思いますか? お答え下さい。 5. どんな資料を収集しましたか?必要な資料 5. そのためにはどんな資料を収 収集は適切にできましたか?出来なかった 集すればよいと思いますか? 場合は、その理由についてもお答え下さい。
  • 27. 質問 回答例 前 ア 皆と一つのことに取り組む中で、今まで気付かなかった ン あなたは、この実習に何を 科学の面白さ、考え方に気付く。今までにない大きな受 ケ 期待しますか? ー け手に情報を伝えることの難しさと喜びを知りたい。 ト 変わりました。新聞というメディアをつかってより多くの あなたのこの実習に対する 人にメッセージを伝えることからえられるものを期待して 期待は、当初のものから途 いたが、新聞というメディアを再活用することの面白さ 中で変わりましたか?変 を感じるようになった。新聞の活用の仕方をチームで考 わった場合は、どのように変 えて実践すること、そこから学ぶことに期待するように わったのかということと、そ なった。個人で新聞を読むだけでは気づかないことを誰 の理由についてお答え下さ 事 かと読むことによって気づくことができるのではないかと い。 後 感じるようになったから。 ア ン あなたの実習への期待(途 限られた実習の中で実践もできて、本当に多くのことを ケ 中から変わった場合は変化 学ぶことができました。しかし、まだまだ実感できていな ー 後の期待)はどの程度達成 いこともあるのではないかと思います。これはCoSTEP ト されましたか?達成されな の修了をスタートとして自ら活動を続ける中で実感する かった点があれば、具体的 ことだと思います。実習を100%活かすことができるよ に、理由を含めてお書き下 うにしていきたいです。 さい。 「達成されなかった点」につ 自分が科学コミュニケーションを続けていく中で、振り返 いて、誰が、どのように改善 る。 すればよいと思いますか?
  • 28. 「事後アンケート」の効果について 1. 自分の立てた評価項目に即して学習課題の 達成度を評価できる。 2. 自分が行ってきたこと、学んできたことを構造 的に振り返り、再確認することができる。 3. 自分が達成できなかったことを構造的に確認 することができる。 という3つの効果が期待される。
  • 29. 事後アンケートに対する意見・感想 • こういう事は、時間を取ってちゃんとやるべきだと自 覚はありました。考えるヒントになるアンケートを用意 していただいた事。ありがとうございます. • ものすごく考えさせる設問だと思います。方法論って あまり意識していませんでしたが、何かやった後にこ のような視点でふりかえってみることは他にもいかせ るような気がします。というか活かしていこうと思いま す。 • 実習が終わって、ようやくいくらか客観的に振り返れ る時期になったと思うので、今アンケートを取っても らってよかった、と思う。 (2008年度実習 5名中3名)
  • 30. 考察 • 事前・事後アンケートによって、学習者のプロ ジェクトに対する省察や構造的理解が促進さ れたのではないかと考えられる。 • 事後アンケートは、学習目標がプロジェクトの 遂行過程を通じて変化するという仮説に基づ いて設計されたものであったが、実際のアン ケート結果もそのような変化の存在を捉えてい たと考えられる。
  • 31. 考察 • プロジェクト型教育の成果は、「学習目標の変化」に 象徴されるような、「学習過程を通して生まれてくる ダイナミックな活動の総体」として捉えられる。 • 学習者にとっての学習環境とは、教員が事前にすべ て設計し、最適化することができるようなものではな く、学習者自身の活動と相互作用によって刻一刻と 創造されていくと同時に、その結果が逆に学習者の 活動に影響を与える、循環的なシステムの構成要素 である。 • プロジェクト型教育においては、学習者と学習環境と の間の、こうしたダイナミックな相互作用をすくいとる ことのできる評価手法の開発が求められている。