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テクノロジーと組織と発展
- 2. 自己紹介 • 飯田 大貴（イイダ ヒロキ） • 職歴 • NEDO 2014/4~2016/6 • PFI 2016/7~2016/10 • レトリバ 2016/11~ • 多目的最適設計探査 • 多目的最適化 • 最適化結果からのデータマイニング • 趣味 • 剣道 • アニメ・漫画 © 2017 Retrieva, Inc. 2
- 3. 本日の内容 • 画像はアマゾンより © 2017 Retrieva, Inc. 3
- 4. 問題意識と大まかな流れ • 問題意識 • 技術の発展と社会の変化はどうなっているのか • 大まかな流れ • 科学と設計の関係 • 科学は多くことを予測可能にしてくれた • この活用によって、人は物質的に豊かになった • 設計と組織の関係 © 2017 Retrieva, Inc. 4
- 5. 基本の人間モデル 1. 人間には３つの限界がある 1. 視野の限界 2. 合理性（計算速度）の限界 3. 働きかけの限界 2. 人間はマズローの欲求段階に従っている © 2017 Retrieva, Inc. 5 https://www.nri.com/jp/opinion/m_word/marketing/maslow.html
- 6. ３つの限界と人間の推論 • 人間の推論形式 • 演繹:仮定aと規則「aならばb」から結論bを導出する • 枚挙的機能:仮定aと結論bから規則「aならばb」を導出する（蓋然的） • アブダクション:結論bと規則「aならばb」から仮定aを導出する • ３つの限界との関係（＝思考の経済性向上） • 演繹：視野の限界を広げる（広い対象に対して、少ない公理を注意に すれば良くなる） • 枚挙的帰納：合理性の限界を緩和する（同じパターンで処理すれば良 い） • アブダクション：演繹可能な論理体系を広げていく © 2017 Retrieva, Inc. 6
- 7. 推論形式と科学 • 科学的知識 • 科学的方法論によって得られた観察の結果とそれらを説明するモデルである 科学理論の集まり • 科学的方法論は,デカルトによって基礎付けされた,数理的な明晰判明さと機械 論的世界観(特に機械論的発見法と機械論的方法論)を採用していること • これらはパラダイムとして機能しており,場合によっては変更される.その変更 はベイズ主義的に行われると考えられる. • 科学的知識の作成のプロセス（仮説演繹法） 1. 観察事実から仮説を形成する（帰納、アブダクション） 2. 仮説と規則から事実を導出する（演繹） 3. その事実が合っているかを実験で確認する © 2017 Retrieva, Inc. 7
- 8. 推論形式と設計 • 設計のプロセス 1. 要求=結論の記述 2. 要求を満たす仮説を選定 3. 仮説と規則から結論を導出 4. 結論と要求の整合性を検証 5. 結論が他の仮説とも整合する ことを確認 • 推論形式との対応 • 帰納→❶、アブダクション→❷、演繹→❸~❺ © 2017 Retrieva, Inc. 8 ❶ ❷ ❸,❹,❺ 図は「最適デザインの概念」より
- 9. 設計における対象の違い © 2017 Retrieva, Inc. 9 図は「最適デザインの概念」より コンセプト デザイン 機能 デザイン 設計 技術 物理空間 心理空間
- 10. 設計と（自然）科学の役割分担 © 2017 Retrieva, Inc. 10 要求 機能１ 性質１ 実体１ 性質２ 実体２ 機能２ 性質３ 実体3 実体４ 設計 科学 • 設計は要求〜性質までの組み合わせを最適化していく行為。より広い範囲 を探査対象にできると良い。 • 科学は実体と性質を紐付けしていく行為。実体と性質の正しさが必要。
- 11. 科学と技術による発展 仮説 導出 検証 知識化 © 2017 Retrieva, Inc. 11 要求 知識 導出作成 検証 技術 科学 普及 自動化 省人数 化 低価格 化 市場
- 12. 設計と組織 • より複雑なものを設計し、製造するには、３つの限界を広げる 必要がある • 組織化することで、３つの限界を緩和 • 専門分業が促進。探査時間短縮（視野の限界を緩和） • 大きな計算も小問題に分割して解決（合理性の限界を緩和） • 多段階のプロセスも実行可能かつ普及展開も広く行うことが可能 （働きかけの限界を緩和） © 2017 Retrieva, Inc. 12
- 13. 組織における法則 • 規模の経済 • 生産量の増加に伴って、平均費用が低下し、収益性が向上すること （デジタル大辞泉より） • 範囲の経済 • 企業が製品数を増やしたり、事業を多角化するほど、1製品あたり、1 事業あたりのコストが低下するという経営学上の定理。（ナビゲート ビジネス基本用語より） • 規模が大きく範囲が大きいほど収益が上がる？ © 2017 Retrieva, Inc. 13
- 14. 経済システムから見た東西冷戦 共産主義 資本主義 • 財産の私有を否定し、生産手段・生産物など すべての財産を共有すること（デジタル大辞 泉） • 生産手段を資本として私有する資本家が、自 己の労働力以外に売るものを持たない労働者 から労働力を商品として買い、それを上回る 価値を持つ商品を生産して利潤を得る経済構 造（デジタル大辞泉） © 2017 Retrieva, Inc. 14 規模の経済・範囲の経済が正しいならば、 共産主義の方が生産力が高くなったはず・・・。
- 15. 共産主義の失敗 1. インセンティブ • 結果が同じなら、みんな努力しない 2. ニーズと評価の食い違い • 必要なものではなく、評価されるものを作った 例：ガラスの生産を面積ベースで評価したので、薄く割れるガラスば かり生産された 3. 評価と労力の食い違い • 例：人民が食料不足で困っているので、パンの値段を下げたら、小麦 よりパンの方が安くなった © 2017 Retrieva, Inc. 15
- 16. 欠けていた要素 • 人間の計算力と情報伝達力に限界があったということ • 少数の人が、その他の人要望をすべて聞いて整理して生産することは できなかった • すべての情報が少数の人に入ってくるわけでもなかった • 将来のことは計算できないということ • 評価、ネットワーク、信用の要素が抜けていたということ © 2017 Retrieva, Inc. 16
- 17. それぞれの性質 • 評価 • 視野の限界と身体的差異から生じる嗜好の偏向性 • 評価は人それぞれ（共通部分もある） • 少数の人が評価する場合、信用度が重要 • ネットワーク • 情報の経路 • 時に、動員力につながる • 往々にして、ネットワークが広い人の方が物事をよく知っている（ページランク） • 信用 • すべてを確認できないため、ある程度正当だと見なす行為 • 信用が高いことは権力である • 科学的知識は信用度が高い © 2017 Retrieva, Inc. 17
- 18. 組織の５段階区分モデル © 2017 Retrieva, Inc. 18http://www.huffingtonpost.com/great-work-cultures/reinventing-management-pa_b_9387286.html 信頼 良心 結果 従事
- 19. それぞれのモデル • 赤：暴力型組織（ギャングなど） • 琥珀：ヒエラルキー命令型組織（政府など） • オレンジ：効率性、予測、制御型組織（会社など） • 黄緑：関係性重視組織（NPOや家族など） • 深緑：自己管理モデル © 2017 Retrieva, Inc. 19
- 20. マズローの欲求との対応 © 2017 Retrieva, Inc. 20
- 21. 外部環境とそれぞれの効率性 • 赤：敵が多く、危機が多い状況で有効 • 琥珀：長期的に変化がない時に有効 • 評価が固定化している場合は、規模と範囲の経済が有効 • オレンジ：より効率的に物事を行う時に有効 • 指標化できる場合に対して有効 • 黄緑：多くの関係者と調和的に行うときに有効 • 指標にできないくらいの課題になると有効 © 2017 Retrieva, Inc. 21
- 22. まとめ • テクノロジーと組織は３つの限界を緩和した • 人の心理・欲求状態と外部環境で適切な組織形態が変化する • テクノロジーの変化が組織の外部環境変化を促進している © 2017 Retrieva, Inc. 22
- 23. © 2017 Retrieva, Inc.
Notes de l'éditeur
- 構成員がどの欲求が満たされていないかによって、組織形態が変わる