union design competition 2012 kazuyo sejima "new scenery" honorable mention

1. 19th union design award competition
new scenery
kazuyo sejima

2. これからの社会や未来を指し示す、新しい時代の風景を考えてみてください。
風景といっても、自然の風景ではなくて人々の生の営みがつくり出してゆく風景です。
人々の新しい集まり方、新しい共同のしかたが、新たな風景をつくっていくと考えます。
これからの人々の集まり方は、より多様なものになるでしょう。
人々の集会があり、インターネット上での交流があり、さまざまな関係性がありえます。
新しい社会のあり方を予感させる新しい風景とは、例えば、都市の風景かもしれないし、人々が集まって騒ぐお祭りの風景かもしれません。
風景といっても、大きな風景もあるし、たいへん小さな風景もあると思います。
いずれにしても、これから私たちが向かって行く社会を魅力的に予感させるもの、これからはこうあるべきだというような新たな価値観を示すもの、
そのような風景を考えてみてください。

3. a city gathers rain
hiroki sato
honorable mention

4. 雨という大きな自然環境を地域で共有し、人々が水の広場を拠り所に生活をする風景を考えます。
私たちは気候というひとつの大きな自然環境の中で暮らしています。
しかし、現在の都市では人々はばらばらに生活し、その地域や場所で何かを共有しているという感覚は少ないように感じます。
住宅地ではそれぞれに敷地が決められ、その中で孤立するように家が建ちます。

5. 私は、周辺の家々の屋根を雨を集めるようにして傾け、水のある小さな広場を作ることを提案します。
家の境界が水によって緩やかになり、その周りに人が集まることができる場所を作っていきます。
住宅地の中に小さな広場が点在し、地域に住まう人々が広場をめぐりながら生活していくような地域が作られていきます。
気候という大きな自然環境を、家が共有するように振る舞っていくことで、既存の都市風景が雨を共有した新しい風景に変わっていきます。

6. 生活が孤立し、雨水は完全に整備されて地下で処理される 雨を集めて、水のある地域の広場をつくりだす