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モーターの独り言
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Kodensha Co.,Ltd.
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モーターの独り言
1.
モーターの独り言
2.
私はこの会社でつくられたモーターです。 90年間、倉庫の中で、会社の歩みを見てきました。 いま、この会社の社員さんは動いています。 社員一人ひとりが主役になれるような、 そんな会社になるように。 一人ひとりの力で、全体のちからになるように、 みんなが少しづつ対話を重ねています。 時にぶつかることもあります。 悔しい思いをすることもあるようです。 けれど、なにか、この会社が大きく変わろうと しているように感じています。 今日も、倉庫の影からそっと眺めています。
3.
この会社の仕事は、わたしのようなモーターから 始まりました。 私の仲間の力で、農家も開放されました。 私の仲間の力で、工場も便利になりました。 今では、もう私の仲間はつくられていません。 けれど、私たちの気持ちは、工場の装置という姿に変わって ものを作る人たちを助けつづけています。 ものを作る人が単純作業や、重労働から開放されるように。 そして、人間には人間らしい仕事がすることができるように。 これからも、この会社は、世界中の働く人たち を助けていくでしょう。 変わらないために、変わっていくこと。 そんなことを、すこしづつはじめているようです。
4.
90年の間、この会社の人たちはいろいろ挑戦してきまし た。 うまくいったこともありました。 うまくいかなかったこともありました。 挑戦をしなければ、失敗もなかったでしょう。 挑戦をしなければ、変化もなかったでしょう。 そんなひとつひとつをのりこえてきたことが今日を支えて います。 私は、決められたとおりにしか動くことができません。 でも、人間は失敗することから学んでいくことができます ね。 しっかりと振り返ることで、人は次へと進んでいけます。 一人が百歩進むよりも、百人の人が一歩進むことで、 みんなが前進していく。
5.
この会社の製品はひとつひとつが 手作りです。 ひとつひとつ考えて、線を引いて、 ひとつひとつ削って、曲げて、 ひとつひとつ、あわせて、つないで。 ひとり一人の手のぬくもりが合わさって、 美しい装置をつくりあげます。 つくることにかけては、人一倍がんばる人たちです。 みんなが力を合わせて、完成させます。 そして妥協をせずに、よいものを極めます。 もっと早く。 もっと使いやすく。 もっとシンプルに。 もっと美しく。 そして、その中で、独自のものを きっと生み出していくに違いない。 つぎの10年、どんな装置を生み出して いくのでしょう。 その日を見るために、 私はもう少し、倉庫の中でみまもっています。
6.
この会社には「信頼」「創造」「挑戦」という 合言葉があります。 「信頼」という言葉があります。 お客さまから信頼されますように。 仲間から信頼されますように。 簡単な言葉ですけれど、実現するためには、 日々の営みでの、少しづつの積み重ねです。 自分の行動を振り返ったり、 相手のために何ができるか考えたり。 そうした信頼関係の中から、初めて 本当の創造性が発揮されるのでしょう。 そして、その安心感のうえで 初めて挑戦もできるのでしょう。 お互いを信じる心を少しづつはぐくんでいく。 そんな努力を応援していきたいと思います。
7.
次の10年をつくりだすために、 この会社の人たちは話し合いを始めています。 話合いで生み出されるものはなんでしょう。 相手の考えがわかること。 自分の考えをつくりだすこと。 そうやって、知恵がうまれてくるように思います。 機械は話合いができません。 人間は話し合うことでつながっていくことができます。 だれかとだれかの意見をあわせて。 だれかとだれかのよい部分をあわせて 本当の知恵とはこんなプロセスから うみだされるように思います。
8.
なかよくしているだけでは、なにも始まらない。 ぶつかっていても、次に進まない。 たとえばサッカーゲームであれば、 あっちにボールを蹴ったら、 そちらに走ってくれる仲間がいること。 ちょっと強く蹴ってしまっても、 ちょっと曲がってしまっても、 必死になって、そっちにいってくれること。 あいつが蹴ったボールだから、うけとめよう。 そんな仲間や上司がいてくれること。 だれかが動いたら、だれかが助けてくれる。 信じているからこそ、助けられる。 そんなチームワークづくりが きょうも続いています。
9.
私のことを一番よくしってくれているのは、 私をつくってくださった人です。 いまはもうこの会社にはいません。 けれど作っていただいた私は残ります。 今日作られていく製品一つ一つにも、 その製品のことを一番よく知っている人がいます。 図面のことを一番よく知っている人。 部品のことを一番よく知っている人。 お客様の反応を一番よく知っている人。 一番の人たちの、 その一人ひとりの知恵と技術は 永遠のものです。
10.
仕事の目的とはなんでしょう。 自分のために。そして、家族のために。 よりよく生きるために。 そのために、お互いが協力をしていく。 ほめたら、ほめられる。 教えたら、教えられる。 助けたら、助けられる。 「ありがとう」「どういたしまして」 「恐れ」を手放し、本当の「安心」に支えられた 仕事の場をつくっていきましょう。
11.
私も長年、会社というものをみてきて、 一言言わせてもらおうと思います。 人間が営みをつづけている以上、 問題がない会社はないでしょう。 本当の問題は、問題が放置されつづけていること。 そのためには、解決していこうという人が 損をしないことが必要ですね。 いろいろな情報がみんなによくつたわり、 問題を常に解決しつづける会社。 そのためには、上がまず言っていることとやっていることを 一致させようとする努力をしてほしい。 社長にも言っておきます。
12.
そんな社長が考えていることもとりあげましょうか。 ・・・・・・ 一人でできないことをみんなの力で実現しよう。 世の中のないものを作ろう。 誰にも真似のできない装置をつくりだそう。 そして、世の中をあっといわせよう。 100年の歴史に向けて、うごきだそう。 皆のもっているものを合わせて、 つながりの中に、価値をうみだそう。 ものがたりをつくろう。 一人ひとりがシナリオライターになろう。 みんなで話し合って、夢を語り合って。 これからの10年のものがたりをつくろう。 そして、世界を仕事の舞台にしていこう。 あなたにとって、これからの10年はなんですか。 仲間と一緒にどんな未来をつくりますか。
13.
お客様に完成した装置をお見せする立会いの瞬間は、 まるで舞台のようです。 100%完璧ということはありません。 その最終舞台をお客様に見せるために、 みなさんがその一瞬のために全力を尽くしています。 仲間が考えだした図面、 仲間がつくりあげた部品、 仲間が組みあげた装置。 そのひとつひとつの力が、この一瞬に集約されます。 立会いにいらしたお客様に、安心感を提供するために。 すばらしい舞台をつくることで、 評判を聞いてやってくれる方を増やしたい。 そして、世界中の人々が立会いに来てくれる、 そんな会社にしていきたいですね。 あなたは、どんな舞台をつくりたいですか。 だれに、見てもらいたいですか。
14.
あなたは、どんな人生の舞台を演じたいで すか。
15.
世の中の想像を超える会社をつくろう。 安心して仕事のできる会社をつくろう。