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WebSigモデレーターMTGに
お邪魔して
2020/5/19
林 真理⼦
今回のお題
‣ コロナ禍における⼈材育成
‣ リモートワーク下の社員のパフォーマンス評価・マネジメント
「Webクリエイティブ職」界隈の
職種別テレワーク実施率ランキングで
「Webクリエイティブ職」が⾸位
パーソル総合研究所調べ(下の「調査結果の詳細データ」内PDF)
https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html
はっ
おっ
⾃⼰紹介
‣ 1996年にデジタルハリウッド⼊社、約10年の間に数社経験し、2005年から現職で15年在籍
‣ 24年ほど、Webクリエイティブ職を中⼼とする実務者の能⼒開発・キャリア⽀援事業に従事
‣ 主な職域は、インストラクショナルデザイン、キャリアカウンセリング、プロジェクトマネジメント
‣ 課外活動的には、クリエイティブ職の仕事の学び⽅・教え⽅、キャリア形成をテーマに「Web担当者
Forum」連載のほか、SlideshareやDropbox Paperでスライド公開するなど
‣ ブログ「⼼のうち」とFacebookに、よく書いている。公私混同で、かなり雑多な内容
林 真理⼦(株式会社イマジカデジタルスケープ ∕ トレーニングディレクター)
コロナ禍における
Webクリエイティブ職の⼈材育成
⽬下の課題
‣ この春⼊社の「新⼈研修→現場配属してOJT」、どうする?
‣ 第2波、第3波も想定されるので、「従来、集合研修でやっていた
ところ」、どうするか考えておかないと…
‣ withコロナ下の暫定措置か、afterコロナを⾒据えてずっと使える
⾒直しをかけるか、どっち前提で考えるべき?
さっと思いつくところ…
打ち⼿の前提をパターン化(仮)
‣ withコロナ施策 = ゼロ                    下⼿に動かず⽌むを待つ
‣ ゼロ < withコロナ施策 < beforeコロナ施策         暫定措置でやり過ごす
‣ beforeコロナ施策 < withコロナ施策 ≦ afterコロナ施策   次代を読んで今こそ変⾰
組織の⽴ちふるまいとして、どんなタイプがありうるか
とっさに思いつく代替策
講師の話をリアルタイムで映像配信
‣ 通信環境や機材が不⼗分で、リアルタイム映像配信を⻑時間はきつい
‣ 学習者の集中⼒が持続しない、集合研修の時間数は消化困難
‣ 集合研修の内容をそのまま持ち込んでの実習・演習の再現は難しく、
⼀⽅通⾏の講義が中⼼に
withコロナに陥った直後の応急処置としては有り…ながら
「オン+オフ」を組み合わせたリモート研修
‣ アーカイブ動画DL
講義映像を録画して、各⾃で動画ファイルをDLして視聴
‣ アーカイブ⾳声+教材DL
講義は⾳声だけ録り、教材はドキュメント化。各⾃で⾳声&
教材ファイルをDL、教材を⼿元で⾒ながら講師の話を聴く
‣ 課題図書
講義の代替に適した市販書籍を選定し、配付or各⾃で購⼊
(会社で費⽤負担)して個々⼈が、⾃分のペースで読む
通信環境の負荷を軽減し、集中⼒の持続も期待できる展開例
あわせ技で理解&定着
1.レポート提出
収穫や疑問点を振り返る
2.オンライン勉強会
先輩による疑問点解決+実務での
応⽤解説、学習アドバイスなど
参考:
4⽉にワークショップの型を作ってシェア
即席の新⼈研修
テーマ本を読んで感想戦
ワークショップ
デザイン批評⼒を養う
https://bit.ly/2ABMzlP
https://bit.ly/36kHWsp
「⾮同期+同期」の組わ合わせが⽣む “融通”
• 2週間、無料で動画にアクセス可能
• 参加者は好きな時間にセッション視聴
アーカイブ動画(⾮同期) ライブイベント(同期)
• ⽇を決め、zoomで60分短時間ライブ
• スピーカーに質問したり、各テーマを
掘り下げてディスカッション
タイムゾーン
いろんな国の参加者を⾒込む、オンライン勉強会の実施例
オンラインでの参加者コミュニケーション
‣ チャットで質問を求める
リアルイベントより質問する敷居が低く、けっこう返してくれる
‣ 選択肢から投票させた後、絞り込み質問を乗っける
選択肢を提⽰して、まずは1つ選んで投票してもらう。その後「これを選んだ⼈は、〜?」と絞り
込み質問を重ねると答えてくれやすいだろう。チャットで返してもらうか、顔出し参加なら挙⼿も
‣ 事前アンケートを記名で提出してもらい、当⽇に踏み込み質問
事前に、記名でアンケートやレポートを提出しておいてもらえば、書いてあることの関連質問を個
⼈指名で出せて、本⼈も事前に考えたことの問いかけには反応しやすい(恥をかかせない質問を)
リアルイベントのように、参加者と活発なやりとりが実現できるか
が、しかし、そもそも、
「従来の集合研修」は最適だったのか問題
‣ ⼀箇所に集める前提で、少ない回数・⽇数で⾏えることに価値があった
⼤⼿企業は全国の社員を受講対象とし、⼀箇所に集めて少ない回数・⽇数でまとめて⾏うことで、
交通費・宿泊費を抑制したい。汎⽤的な研修パッケージは必然的に、このニーズに応える形に。
‣ この前提ゆえに「学習者中⼼設計」ではなかった
⼈間の集中⼒、個々⼈の興味や前提知識・学習スタイルの違い、学習に割ける時間数や時間帯へ
の配慮が軽視され、⼀⻫に同じ⼿法・同じ時間で短時間に教え込む前提に縛られていなかったか。
「⼀箇所に集めて短期に詰め込む」前提の研修プログラムという仮説
「学習者中⼼」に⽴ち返って組み替える好機
学習者の集中⼒が持続し、学習内容に関⼼をもち、能⼒を獲得して
発揮するために効果的なアプローチとは、どういったものなのか…
‣ 新⼈か、若⼿か、中堅か、ベテランか
‣ 獲得させたい能⼒への関⼼はいかほどか
‣ 学習することの難易度は、複雑ぐあいは?
‣ 学習するレベルの、現状とのギャップ度は?
‣ 直接対⾯しなくとも指導しやすい学習テーマ?
‣ 本⼈の仕事へのモチベーションは?
‣ 本⼈が好む(or 嫌う)学習スタイルは?
‣ 本⼈が新しいことを学ぶ吸収⼒は⾼いほう?
‣ 本⼈は、そもそもリモートワーク化で通常業務
に問題なくあたれている?
育てる⽅法は「研修」だけじゃないのも⾃明
熟達度によって
有効な育成⽅法
は変化していく
研修は減っていく
個別のコーチングや
メンタリングが有効に
「仕事は経験でしか
学べない」と⾔いつ
つ、教える側にまわ
ると講義に終始し
ちゃう問題
教え⽅・学び⽅・育て⽅をリデザインする
多くの⼈が「オンラインの環境&慣れ」を獲得している段にあり、オン
ラインの学習環境・⼿段が、ごく⼀般的に取り⼊れられる時代に⼊る
‣ 学習時間を「⻑期・分散型」
「集中⼒の持続」「段階的に実務に取り⼊れていく個別フォロー」
‣ 学習⽅法を「本⼈の興味や能⼒レベル・好む学習スタイルに応じてパーソナライズ」
「学習初期の脱落者を減らす」「学習意欲・能率をUP」
‣ 教材や課題の与え⽅、コミュニケーションを「オン/オフ、同期/⾮同期を混ぜ込んでブレンド」
「参加しやすさ」「理解度UP」「反復練習の機会提供」「個々の成果やプロセスへのフィードバック」
最近思ったこと
‣ オンライン⼿段を組み⼊れ、今の時代の価値観を反映しながら、もっと本
質的&合理的な構造・プロセス・⼿段・環境に再構築する絶好のチャンス
‣ 「全部コロナのせい」で、わりと強⾏突破もしやすい。いろんなフィー
ルドで、いろんな⼈たちの創造的な仕事が芽吹くとき
‣ 表層的に対処して済まさず、根本に⽴ち返って今⽴て直すべきこと、向か
うべき⽅向を直観を⼤切に⾒定めること、動いてみることが⼤事だなぁ
‣ ここのところに関われる仕事、「好機としてどう活かすか」という⽬線
をもって活動する⼈たちとの仕事が⾯⽩そうだなぁ
リモートワーク下の
社員のパフォーマンス評価・マネジメント
育成も含めた
リモートワーク下のマネジメント課題
[現状共有]
withコロナのマネジメント体制、
その効果や課題など
‣ 勤怠報告、業務報告、定例会議などの仕組み化(有無、
頻度、項⽬内容、ツール、所要時間、全社⼀⻫導⼊か部
⾨⻑裁量で個別的対応をとるか)
‣ コミュニケーション量の増減(上司部下、社内・社外)
‣ コミュニケーションの質の変化
‣ 個々のストレス状態や悩み事をどう把握しケアするか
‣ 業務の成果やプロセスを、どう把握・評価・FBするか
‣ 対チーム、対個⼈を率いたりケアしたり育成する上で、
⼯夫・配慮していること、⼯夫、⽣じた効果や課題は?
[意⾒交換]
afterコロナのマネジメントスタイル
の理想や妄想など
‣ ⾮常事態宣⾔とかれた後のリモートワーク継続⾒通しは?
‣ オフィス環境は変わる?
‣ withコロナ下のマネジメント体制は暫定措置?それとも…
‣ 仕事の仕⽅、仕事の価値観など、どう変化する/しない?
などなど

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