11月4日に松山で開催されたJAWS FESTA 2017のセッション資料です。コミュニティ取材の基本的な考え方を語ります。

1. コミュニティ取材の
お作法と心がけ
株式会社KADOKAWA
アスキー編集部
大谷イビサ

2. 自己紹介
 ASCII.jpのTECH・ビジネス担当。「インター
ネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK
magazine」などの編集を担当し、2011年から現
職。「ITだってエンタテインメント」をキー
ワードに、日々新しい技術や製品の情報を追う。
読んで楽しい記事、それなりの広告収入、クラ
イアント満足度の3つを満たすIT媒体の在り方に
ついて、頭を悩ませている。

3. コミュニティ情報サイト
「JAWS-UG ON ASCII」運営しています
クラウドコミュニティの情報サイト「JAWS-UG on ASCII」（http://ascii.jp/jaws-ug/）

4. 商用IT媒体の記者が
陥りがちな心理
 アクティブにネタを追う記者も多いが、広報やPR会社
に取材を依頼されることも多い
 基本チヤホヤされているので、「取材してやる」「記
事書いてやる」と意識になりがち
 コミュニティ取材でも、ルールやマナーを無視して、
登壇者が意図しない方向に記事を曲げがち
 ただ、イベントに来て、取材して帰ってしまう

5. コミュニティや登壇者が
記者に抱く懸念
 自分のセッションの意図を曲げられた記事はいやだ
 そもそも記事になると思っていない。してほしいとも
思わない
 イベント以外に外に出してはいけない話や写真、図な
どが載ると困る
 登壇の途中で撮影されて、参加者に迷惑をかけたり、
イベントの進行が妨げられたら困る

6. そう言えば、
この記事読みました？
叶姉妹はなぜコミケで受け入れられたのか
真木よう子との違いは何か？（プレジデント オンライン）

7. 敬意を払うこと、教えを請うこと
文化を尊重すること、媚びないこと
叶姉妹はなぜコミケで受け入れられたのか
真木よう子との違いは何か？（プレジデント オンライン）
叶恭子
「世界のどのような場所であっても、未知
の世界のルールとマナーを熟知しなければ、
わたくし達が真の敬意を払っていることが
伝わらないでしょう」
――叶姉妹オフィシャルブログより（2016
年12月26日）
https://ameblo.jp/kanosisters/entry-
12231561264.html

8. コミュニティ取材で
心がけていること
・事前に運営側に事前に連絡をとり、取材の趣旨や意図を伝
える。連絡をとれるように
・できれば取材が入ることを、運営側から参加者に伝えても
らう
・撮影は登壇のじゃまにならないよう、あくまでさりげなく。
著作権モノには注意
・自らも参加者としてきちんと楽しむ
・スライドなどを公開していない講演などは、可能な限り、
掲出前に確認してもらう
・相手の修正依頼は受けつつ、あくまで自身の意図を伝え、
いい記事を「共創」する。決して媚びるのではない。

9. 一手間かけることで
得られるモノ
・事前に見せているので、あとからの修正依頼が少な
い。かえって掲出後の手間が減る
・登壇者や参加者にシェアしてもらえる。今日日、記
事はシェアされるものを読むので効果は絶大
・次の開催に呼んでもらえる。人気のイベントでも記
者枠をとってもらえる可能性も
・仲間が増えるし、媒体への支持は高まる

10. 「イビサさん枠」登場W

11. コミュニティ取材の課題
・取材しながらの撮影なので、写真がしょぼい。（き
れいに撮ってほしい）女性に申し訳ない
・すべてのセッションを記事化できない問題
・内輪ネタの書き方、技術的な敷居の高さ、絵になり
にくいハンズオン、延々と続く自分語り、イベント荒
しなど記事化を阻む要因
・人の名前を覚えられない問題ｗ
・必然的に取材が夜や土日になるので、かみさんにイ
ヤな顔をされるｗ

12. まとめ
 とにかくコミュニティに対して敬意を払う。ルールとマ
ナーをきちんと理解し、実践する
 登壇者は強い想いをもって登壇しているので、その気持ち
をきちんと汲み取る
 一手間かけて書いた記事は、参加者がシェアしてくれるの
で、ポジティブな反応につながる
 なにより自身もコミュニティを盛り上げる気持ちで取材に
臨む