120616臨床救急医学会・教育講演で使用したスライドセットです。

1. 第15回日本臨床救急医学会総会
熊本120616
仕事力の向上を目指した
シミュレーションのデザイン
池上敬一
獨協医科大学越谷病院救命救急センター
12年6月16日土曜日

2. タスク（仕事）の例
• パイロット
• 福岡空港⇄羽田空港のフライト
• 救急救命士
• 傷病者接触から医師引き継ぎまで
• 総合診療・救急医、看護師
• 患者搬入から入院、診療科引き継ぎまで
12年6月16日土曜日

3. タスクの複合性
• フィギュアスケートなら数分間の演技、ピアノなら
1曲の演奏
• 総合救急診療の初期診療
• 事前情報処理、リソースとプランの確認と周知
• 初期評価
• 一次評価と救命処置
• 二次評価
• コミュニケーション
12年6月16日土曜日

4. タスク
• それ以上分割すると本来の質を失う
ひとまとめ（クラスター）のパ
フォーマンス
• 仕事の単位：「一仕事が終わった」
12年6月16日土曜日

5. パフォーマンスと
パフォーマンス評価
• ある特定の文脈のもとで、様々な知識
や技能などを用いて行われる人のふる
まい
• 課題（タスク）や活動をパフォーマン
スする（人のふるまい）ことを直接的
に評価する
12年6月16日土曜日

6. パフォーマンス
シミュレーション
• パイロット
• フライトシミュレー
ション
• 医療者
• ACLSタイプシミュ
レーション？
12年6月16日土曜日

7. ACLS
• 従来のシミュレーション（ACLSタイプ）で
は何を学習しているのか？
Advanced Cardiovascular Life Support
12年6月16日土曜日

8. ACLS・学習目標
• 心停止や心停止直前の状態を認識し、迅速な初期治療を開始する
• 胸骨圧迫を優先し、AED使用を統合するBLSケアに習熟する
• 呼吸停止への気づきとマネジメント
• 蘇生の中止または自己心拍再開、そして蘇生後の管理
• ACSの認識、マネジメントとdisposition
• 脳卒中の認識、マネジメントとdisposition
• 蘇生チームのリーダー・メンバーとして効果的なコミュニケー
ションがとれ、チーム蘇生におけるチームダイナミクスのインパ
クトを確認する
12年6月16日土曜日

9. ACLSは現場のパフォーマンス
能力を保証しない
12年6月16日土曜日

10. ACLS
• 知的スキル
• 弁別
• アルゴリズム
• 基本手技
12年6月16日土曜日

11. ACLSにおける評価
• 筆記テスト
• アルゴリズムの実技テスト
• 例：徐脈→VF→PEA
12年6月16日土曜日

12. 12年6月16日土曜日

13. □できた
□できない
ルーブリック
□うまくできた
□なんとかできた
□もう少しでできる
□できない
12年6月16日土曜日

14. □できた
□できない
ルーブリック
な る
□うまくできた は 異
価 と
評
□なんとかできた
る
つ け
□もう少しでできる
を
数 □できない
点
12年6月16日土曜日

15. 信念、価値観 プロフェッショナル
としての行動
発達
素質、トレーニング 職能
成長
テクニカルスキル 学習
教育
知識
ACLSの責任範囲
12年6月16日土曜日

16. 従来のシミュレーション
問題解決
例：事例に適切な電気的除細動を行動で示すことができる
ルールと原理
知的スキル 例：電気的除細動の適応・方法・注意点を行動化できる
概念
例：電気的除細動の適応と想起できる
弁別
例：モニタで不規則な粗大な波形を見てVfと診断できる
手技
テクニカルスキル 例：CPRができる、静脈路確保ができる
知識
言語情報 例：質の高いCPRについて説明できる
12年6月16日土曜日

17. パフォーマンスシミュレーション
CRM, 認知スキル
ヒューマンスキル 例：コミュニケーション
態度
態度 例：AEDを使う
問題解決
例：事例に適切な電気的除細動を行動で示すことができる
ルールと原理
知的スキル 例：電気的除細動の適応・方法・注意点を行動化できる
概念
例：電気的除細動の適応と想起できる
弁別
例：モニタで不規則な粗大な波形を見てVfと診断できる
手技
テクニカルスキル 例：CPRができる、静脈路確保ができる
知識
言語情報 例：質の高いCPRについて説明できる
12年6月16日土曜日

18. 行動とパフォーマンス
• 行動（観察可能な行動）
• 行動主義的「反応がなければ○○する」
• ブルームの教育目標の評価
• パフォーマンス（人のふるまい、タスク遂行）
• コンピテンス（能力）と対で使われる言葉
• 反応がない状況に対し「どうふるまうか」
• 状況的学習、構成主義的学習
12年6月16日土曜日

19. 能力を獲得するプロセス
Competencies
学習者 能力
パフォーマンス
行動 学習環境
・時間、場所
知識、 ・教材、資器材
手技 ・インストラクター
12年6月16日土曜日

20. インストラクションが難しい
スキル
• 態度
• ノン・テクニカルスキル（NTS）
• チームワーク、コミュニケーション、危険
予知、リーダーシップ、タスク管理など
• Crisis Resource Management（CRM)
• 認知スキル
12年6月16日土曜日

21. CRMのキーポイント
 状況を知る  利用可能な情報をすべて活用
Know the environment Use all available information
 先を見越して考え計画する  思い込みによるミスを防ぐ
Anticipate and plan  ダブルチェック（確認作業）
 助けは早めに Cross (double) check
Call for help early
 認知スキルを活用
 リーダーシップとフォロワーシップ Use cognitive aids
（リーダーに従う能力（資質）また  繰り返し評価を行う
は任務遂行能力）を実行 Re-evaluate repeatedly
 適切な判断や処置の対応を分配す
 Exercise leadership and
followership る
Allocate attention wisely
 臨機応変に優先順位を設定
 Set priorities dynamically
12年6月16日土曜日

22. 認知スキル
• 予測 • 因果関係
• モデリング • 判断と決断
• 実験・試行 • 周囲への影響力
• 評価 • チームワーク
• 原因の診断 • 交渉
• プランニング • 記述
12年6月16日土曜日

23. 信念、価値観 プロフェッショナル
としての行動
発達
素質、トレーニング 職能
成長
テクニカルスキル
ｃ 学習
教育
知識
パフォーマンスシミュレーション
12年6月16日土曜日

24. パフォーマンス
シミュレーション
• タスク分析とパフォーマンス・マップを提示
• パフォーマンス課題
• 多彩な評価ツール
• ビデオ、ログ
• 評価指標（ルーブリックなど）
• 経験、課題について物語（話す中で）にする、
学習と成長の物語にする（デブリーフィング）
12年6月16日土曜日

25. 教材は
本物か？
authentic,
真性
12年6月16日土曜日

26. 実践例
・特定看護師シミュレーション
演習
12年6月16日土曜日

27. 集中、没入、engagement
12年6月16日土曜日

28. 振り返り
（認知スキル）
12年6月16日土曜日

29. Deliberate Practice
• 5,000時間で熟練、10,000時間でエキ
スパート
• 個別にデザインされたメニュー
• 厳しさ
• エンゲージメント
• フィードバック
12年6月16日土曜日

30. まとめ
• 仕事力向上の前提：リハーサル
• インストラクショナルデザイン
• 真性
• エンゲージメント
• デブリーフィング
• 仕事力が向上するのは仕事を通して
12年6月16日土曜日

31. パフォーマンス向上のプロセス
シミュレーションはOJTの前提
シミュレーション
行動変容
・経験
（現場）
前状態 デブリーフィング
・デブリーフィング
シミュレーション医療学習により行動変容を引き起こす一連のプロセス・・・ユニット
現場でのパフォーマンス向上
時間
シミュレーションとデブリーフィングによる行動変容を継続する・・・成長と発達を支援
12年6月16日土曜日