SlideShare une entreprise Scribd logo
1  sur  85
ご利用のお客様へ はじめにお読みください
∼「IT Leaders」電子雑誌版 ご利用案内 ∼



この度は、 IT
    「      Leaders」電子雑誌版をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。本電子雑誌版のPDFファイル(以下「本PDFファイル」 の取り扱いに関し、
                                                                            )         以下の
とおりご案内いたします。


● 本PDFファイル内の収録コンテンツについて
   本PDFファイルに収録されたコンテンツ
                     (情報 資料 画像等)以下
                        ・ ・    (  「本コンテンツ」 は、
                                          ) 無償又は有償で、株式会社インプレスビジネスメディア
                                                                    (以下「当社」 が認めた
                                                                           )
 方法に従ってのみご利用いただけます。本コンテンツは、利用者様ご本人の個人的な使用の目的でのみ利用することができるものとし、当社の事前の書面による承諾な
 く、企業内、店舗、 トなどにおいて特定または不特定の多数に利用させることのほか、
          サイ                             著作権法で認められている私的使用の範囲を超えて複製、貸与、公衆送信その
 他の利用をすることはできません。


● ご利用方法
   本PDFファイルはAdobe Acrobat 9 PROで作成しています。Adobe Reader 7以上、および同バージョン以上のPDFファイル閲覧に対応した電子書籍端末などで
 ご利用ください。
   本PDFファイルは、
            ダウンロードいただいた利用者様ご本人のみがご利用いただけます。企業内での複数名による本PDFファイルのご利用については、別途有料サー
 ビスとしてご提供させていただきます。詳しくは当社までお問い合わせください。


● 広告ページについて
   本 PDFファイルには、紙媒体の雑誌版 IT Leaders 」
                           「       に掲載されている広告ページのうち、     都合により一部を収録していない場合があります。 (広告目次 AD
                                                                                      「
 INDEX」 雑誌版掲載のままとしています) また、
       は、                    。  紙媒体の雑誌版 IT Leaders」
                                       「          と一部掲載の構成が異なる場合があります。これらにより、見開きレイアウトで画面表
 示した場合、  紙媒体の雑誌版 IT Leaders」
                「           と異なる画面表示がなされる場合があります。    予めご了承ください。


● 著作権
   本コンテンツの著作権は、当社又は当該コンテンツの著作権者に帰属し、許可なく複製、転用、販売、蓄積等著作権法で認められている私的使用の範囲を超えて利用
 することはできません。また、本コンテンツの内容を変形、変更、加筆、修正等することは一切できません。


● 商標などについて
   本コンテンツに含まれる商標、
                ロゴ等は、当社または当該商標、
                              ロゴ等の商標権者の商標です。本コンテンツには、 マークまたは®マークは明記していません。
                                                     TM                   これら
 を私的使用以外の目的で無断に利用することはできません。


● 免責事項
   当社は、本コンテンツの内容について、妥当性や正確性について保証せず、一切の責任を負いません。また、本コンテンツの利用にあたり生じたいかなる損害について
 も、当社は一切の責任を負いません。本コンテンツをご覧いただくためのアプリケーション等のインストールに必要な接続等の費用は、利用者の自己負担で行うものとし
 ます。
   本コンテンツやURLは、予告なしに変更または中止されることがあります。当社は、本コンテンツの変更、追加、中断または終了によって生じるいかなる損害について
 も責任を負いません。




                                                                IT Leaders 読者センター
                                                                フリーダイヤル       0120-511-585
                                                                平日 10 時∼18 時 (土日祝日を除く)
                                                                      :
                                                                E-MAIL customer-it@impressbm.co.jp
                                                                東京都千代田区三番町 20 番地 〒102-0075
05
                                                   2012
                                                     No.43
                                                                          月
                                                                          号

                   C         O       N       T      E         N   T   S
今月の表紙
[ 東京スカイツリー ]
                        [特集]


                         企業 ITに浸透するOSS
日本の新たなランドマーク。高さは
634m
                   9
                   10    Part 1 存在感増す ープ ソ ソ ト
                                     オ ン ース フ
                   12    Part 2 CIO、 ナ ス な が議論す
                                    ア リト ど     るOSSの可能性
                   16    Part 3 ク ウ
                                 ラ ドや運用管理に で勢力圏が拡大
                                          ま
                   20    Part 4 目利 のポ ン と
                                  き イ ト 利用時の留意点
                   23    Part 5 保守サポー サー スの最新動向
                                     ト ビ

                        [事例]
                   30    ザ・プロジェクト[日本たばこ産業]
                        自社設備にベ ダー所有の機器を設置
                              ン
                        従量課金モデルでコ ト
                                 ス 最適化を図る
                        [グローバルレポー ]
                                 ト
                   34   デル/企業買収戦略 & 中国工場探訪記
                        イ フ テ ア/韓国−保寧製薬グループと
                         ン ォリ               の協業
                        [イ ン レポー ]
                          ベ ト   ト
                   38   データ ジメ ト2012
                           マネ ン
                        [最前線]
                   52   ビ グデータを生かすための
                         ッ
                        組織体制 人材の戦略的な整備のあ 方
                             と          り
                        [プロ ト
                           ダク &サービス]
                   56    製品サーベイ PC の画面と手書き文字情報を共有する電子黒板
                   60    マンスリーウォ ッチ 日本 IBM / PureSystems ほか
                   69    ニュースフラッシュ 今月のユーザー事例&注目製品

                        [コ ム]
                           ラ
                    6    About This Issue
                         注目 れるIT 人材育成の方向性
                             さ
                    7    木内里美の是正勧告
                         モバイ  ル考察、 BYODに向け仕組み作 を  り!
                   71    マーケティング志向で行こう       !
                         自 メ ィ
                          ら デ アを作っ し う
                                     て ま 企業が増え き と ま ?
                                                て た 思い せん
                   72    シリコンバレー最前線
                         50 年かけて根付いた起業文化、      活発な“新陳代謝”  が繁栄のエ ジ
                                                               ン ン
                   74    データは語る
                         今月のテーマ  :東日本大震災以降のDR/BCPの実施状況
                   78    足立治男の中国電脳事情
                         市場規模 6 兆元を背景に電子商取引の法整備へ ほか
                   79    私の本棚
                         ゴルフ ジ ス
                              ダイ ェ ト・オ イ 志賀 智之 氏
                                        ンラ ン


                   76    読者の声/編集後記
05
                                                                              2012
                                                                                 No.43




                                                                                                                May
Photo of The Month
[ Tokyo Sky Tree ]
                                        COVER STORY
A New Landmark of Tokyo, Japan.
Boasting a Height of 634m



                                  9    Open Source Software
                                       Enters the Enterprise
                                       CASE STUDIES
                                  30   JapanTobacco inc.
                                       Partnering to Build a New Private Cloud

                                        GLOBAL REPORT
                                  34   Dell: M&A Stragegy
                                       Infoteria: Start Business in Korea

                                        Event report
                                  38   Data Management 2012

                                        CUTTING EDGE
                                  52   The Right People and Organizations for the Age of Big Data

                                        PRODUCTS & SERVICES
                                  56   Survey : Interactive White Board
                                  60   Monthly Watch : IBM PureSystems etc.
                                  69   News Digest

                                        COLUMN
                                   7   Expert Advice Thinking about the Need for BYOD
                                  71   Get Marketing! Owned Media Today
                                  72   From Silicon Valley Who's Who in the Start-up Community
                                  74   Data Speaks Disaster Recovery / Business Continuity Plan
                                  78   Computer Tech in China Getting Serious about Legal Systems for e-Commerce
                                  79   My Reading List Tomoyuki Shiga; Golf Digest Online Inc.

                                   6   From the Editor in Chief
                                  76   Readers’ Voice & Editors’ Notes


                                                       AD Index
                                                      [ア]                                  [ハ]
                                                       アイエスエイ……………………………………………………… P55     日立製作所    ………………………………………………………   表4
                                                       インターコ ……………………………………………表 2 見開
                                                            ム                       き
                                                       ヴイエムウェア…………………………………………………… P8      [ラ]
                                                                                           レ ドハ ト ………………………………………………………… P26
                                                                                            ッ ッ
                                                      [サ]
                                                       さ ら ンターネ ト……………………………………………… 表 3
                                                        くイ     ッ                           [ワ]
                                                                                           ワ セ ・ フ ウ ア テ ノ ジー…………………… P3
                                                                                            ッ イソトェ ・ クロ
                                                      [ナ]
                                                       日本マ ク ソ ト ………………………………… P28 〜 P29
                                                          イロ フ
新刊
              IT Leaders別冊
              モチベーションを科学する
              総集編 電子版
              大塚 雅樹 著 (電子版 500円)/全55ページ


              IT Leaders創刊号 2008年10月号) 1年間にわたり連載された
                           (          から           「モチベー
              ションを科学する」の総集編です。連載時、 モチベーションズ代表取締役社
                                  JTB
              長を務めていた著者により、モチベーションの「正体」を正しく理解して、その向
              上と維持に取り組むための様々な提案が盛り込まれた人気連載コラムを総集編
              としてまとめました。 業界で働く方に限らず、
                        IT          組織のモチベーションを高めた
              い、維持したい、そして組織を成長させたいと思うビジネスパーソンにお勧めい
              たします。
                  「やる気の要因」 やる気の維持」 そのための動機付け、
                          、
                          「       、          組織やチー
              ムとしての成長へ結び付けるためのヒントが満載された一冊です。


                        ご購入はマガストアで
                        ➡ http://www.magastore.jp/product/5330




IT Leadersの人気連載が総集編にな ま た
                     りし!
                    iPad/iPhone Android PC WEBでお読みいただける電子版です
                               ・       ・ ・


         新刊

              IT Leaders別冊
               元気の出るIT読本
              「木内里美の是正勧告」総集編               電子版
              木内 里美 著 (電子版 500円)/全42ページ


              IT Leaders創刊号より連載されているIT関連コラムの総集編です。現在、大成
              ロテック監査役として活躍されている筆者は、長期にわたり大成建設の情報化
              へ取り組んできました。その豊富な経験の中から、情報システムに関連した「何
              か変? 」な部分を追求し、その是正勧告をまとめた総集編です。ある時は辛口コ
              メントを、またある時は叱咤激励を。根底にあるのは、ユーザー企業自身が自己
              責任で賢く行動せよ、
                       との強い思いです
                              (本書には、 Leaders 2008年10月号
                                    IT
              [創刊号] 2011年12月号掲載分までを収録しました)
                   から                     。


                        ご購入はマガストアで
                        ➡ http://www.magastore.jp/product/4951




                                     マーケティング局
                                       :
                                     TEL 03-5275-9040
                                        :
                                     FAX 03-5275-8089
                                          :
                                     E-mail customer@impressbm.co.jp
                                     東京都千代田区三番町 20 番地 〒102-0075
About this Issue         2012 年 5 月号 No.43
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .




                                                                            (                                                                    )
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .


                                                                                           注 視すべきI T人材 育成の方 向 性
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
.   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .   .
    ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                             今日の企業 IT において、 人材の
                                                                             IT                   実用的であること。経産省 WG の議論               リンタやカッティングマシンを誰もが
.   ..............

                                                            重要性は言うまでもない。だから高度                     との関係で言えば、有識者や専門家が                 利用できるようにした工房で、世界 20
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          な人材を育成する環境や枠組みが必                      意見を出し合って理想的な人材モデ                  カ国 50 カ所以上に展開している(日
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          須である。人事や評価、教育などの制                     ルを追求するだけではなく、現場の知                 本には 2 カ所) FabLab と企業 IT と
                                                                                                                                            。
.   ..............

                                                            度を見直すと同時に、求められる IT                    見を取り込むアプローチが必要では、                 の関連は薄いが、DIY は企業 IT を取
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          人材像を可視化 / 定義するといったこ                   ということだ。い ず れ に せよ ITSS、           り巻くトレンドの 1 つになるかも知れ
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          とだ。                                   UISS の改訂は重要なだけに、今後も               ない。
.   ..............

                                                               後者に関して、日本にはベンダーの                   ウォッチし、本誌でも取り上げていく
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          IT 技 術 者 向 け の「IT ス キ ル 標 準           方針である。
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          (ITSS)、
                                                                 」 ユーザー企業のシステム担
.   ..............

                                                            当者向 け の「 ユ ー ザ ー ス キ ル 標 準                                                  「2012 年 2 月期 の 売 上 高 は 11 億
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          (UISS) が存在する。
                                                                 」       だがこれらは委                                                    3000 万ドル。オープンソースの専門企
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          託開発を前提に 2000 年代前半に策定                   3月から 4 月初旬にかけて、ハード               業として世界で初めて売上高 10 億ド
.   ..............

                                                            された人材モデル。必ずしも、その後                     ウェア分野で様々な動きがあった。ク                       (レッドハット日本法人
                                                                                                                                    ルを達成した」
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          の変化に追従できているわけではな                      ラウドと連携させ運用管理性を高めた                        。
                                                                                                                                    の廣川裕司社長) この言葉を引くまで
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          い。例えば 情報 セキュリティエキス                    IA サーバー(日本 HP) 企業向けの超
                                                                                                               、                    もなくオープンソースソフト(OSS)の
.   ..............

                                                            パートや、データアーキテクトといっ                     小型 PC(レノボ) 大手メーカーの6分
                                                                                                           、                        勢いが目覚ましい。特にクラウド関連
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          た人材/役割モデルは、定義されて                      の1の価格がウリで OpenFlow 対応の            など先端領域がそうで、 月号で特集
                                                                                                                                               3
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          いない。                                  L3 スイッチ(NCL コミュニケーショ              した Hadoopもその 1 つだ。
.   ..............

                                                               そこでスキル標準を所管する経済産                   ン) 専門家や実務のノウハウで選択・
                                                                                                   、                                    一方、何が何でもOSS を使うべきと
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          業省は 2012 年 3 月、産業構造審議会・               設置作業を大幅に効率化する“ 新世代                いう話ではない。システム費用に占め
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          情報経済分科会・人材育成ワーキング                     の ” サーバー(日本 IBM)などである。            るソフトのライセンス費用は必ずしも
.   ..............

                                                            ループ(WG)を設置。高度 IT人材に関                  ソフトやサービスに関心が集中する中                 大きくないし、OSS であってもサポート
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          わる議論を開始した(第 1 回の議論は                   で、どっこい ハードも工夫 の 余地が               費用は必要。費用面ばかりに着目する
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          http://www.meti.go.jp/committee/      多々あることを示している。                     のではなく、むしろ機能やユーザービ
.   ..............

                                                            sankoushin/jouhoukeizai/jinzai/001_   「“The do-it-yourself economy”、い   リティを評価し、OSSと商用ソフトを
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          haifu.htmlを参照)
                                                                         。                        よいよ本格化」と題した IT Leaders            適材適所で利用するのがいいと本誌は
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                             同時期に、ある会合で 外資系製薬                   Live の第 36 回は、このような動きを捉           考えている。
.   ..............

                                                            会社における情報システム担当者の                      えたものだ。電化製品を DIY で作れる                  この見方が正しいとして、それでは
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          人材(ロー ル)モデ ルを聞く機会も                    よう、部品を販売する企業や関連サー                 今、OSS はどこまで広がっているのか、
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          あった。この会社では、情シス担当者                     ビス企業が登場していることや、モデ                 商用ソフトと同等のスタンスで 使え
.   ..............

                                                            のためだけに 20 の職務を用意し、それ                  リングデータを送ると 3D プリンタで               る、いわゆる「商用 OSS」にはどんなも
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          ぞれに詳細な定義と 3 段階のレベル                    製造するサービス、あるいはそれを販                 のがあるのか。OSS の “ 定点観測 ”を試
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          を規定。育成やアサイン、評価に活用                     売するマーケットプレイスが生まれて                 みたのが、本号特集である。筆者の感
.   ..............

                                                            しているという。そうした見聞から感                     いること、などを紹介している。                   想を言えば、日本製が少ないのが残念
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          じるのは、まずは具体案を作成し、そ                      そんな 1 つが FabLab。読者は名前            だが、想像を上回って多様化している。
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          れを改善、チューニングしていく方が                     を聞いたことがあるだろうか? 3D プ               ご一読いただきたい。
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.
.
    ..............
    ..............                                          6 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
.   ..............
S    a    t   o   m   i    K   i   u     c   h   i   '    s   Y      e   l     l   o   w        C      a      r      d




進 割は、いろいろな切り口で語られ
         化し続けるIT の本質や価値、役          は常々感じている。                                 つながり、諸外国との間に追いつけない
                                                                             差が生じてしまわないのか?
てきた。科学技術は人類の生活に役立                  PC 持ち出し禁止の “ 愚 ”                           そんな心配をしていたら、世の中の方
ち、生活を豊かにし、人々に幸福感や満                     筆者は常に PCを持ち歩いている。出                    が先に動き出してきた。スマートデバイ
足感を与えるものでなければならない。                 歩くことが多いので、モバイル環境があ                        スの爆発的な普及である。コンシュー
しかし科学技術が高度化し複雑になる                              「後で」が
                                   ればどこでも仕事が出来る。                             マばかりでなくプロシューマの心も捉
に伴って生活環境を変え、その影響を                  「その場で」に替わり、処理効率が飛躍                        えたスマートデバイスが、仕事に使われ
受ける人々が必ずしもハッピーではな                  的に向上する。帰社後とか翌日に事務                         だすのはそう遠くない。企業は持ち出し
い現象も起こる。                           所で処理をしていたら、本来の仕事に                         禁止どころか、私物解禁を余儀なくされ
    病から人を救うことを目的として開発              時間を割けなくなる。                                るだろう。
される薬には、少なからず薬害がある。                     ところが今でも日本企業の 7 割が PC
農作物の収穫を上げ、豊かさを求める                                                            これからの理想のモバイル
ための化学肥料も同じだ。肥料依存で                                                             タブレットやスマートフォンは携帯
                                              [ COLUMN ]
脆弱になった作物を農薬で守る農法が                                                            電話とは違い、機能面ではパソコンに
食の安全を問われている。医療も農業
                                             木内里美の                           近い。私物であっても仕事にも使いたく
も原子力発電の問題も、利害得失を伴                            是正勧告                            なるのは当然だ。これを管理面から規
いながら、創りだすのもそれをコント                                                            制することばかり考えないで、活用面か
ロールするのも科学技術であり、人で                                vol.43                      ら考えるべきだろう。私物解禁とはいわ
あるところに特徴がある。                           モバイル考察                                ゆるBYOD(Bring Your Own Device)
                                   BYODに向け仕組み作りを!                            である。今までの管理概念からすれば
現場で働く人の ITとは?                          木内 里美                                 あり得ないかもしれない。
    企業の ITは活動の効率を追求し、事                 大成ロテック監査役。1969 年に大成建設に入社。土木            7 割の企業が PC の持ち出しさえ禁じ
                                       設計部門で港湾などの設計に携わった後、2001 年に情
業の生産性や利益を高める道具として                      報企画部長に就任。以来、大成建設の情報化を率いて              ていることからみても、社内では侃々
                                       きた。講演や行政機関の委員を多数こなすなど、CIOと
使われてきた。確かに日々の業務効率                      して情報発信・啓蒙活動に取り組む
                                                                             諤々の議論が起こるかもしれない。セ
は格段に上がっているが、働く人々が                                                            キュリティと管理が複雑になって難し
ハッピーかははなはだ怪しい。製造業                                                            いからだ。 資産管理の概念も変えな
                                                                                  IT
にしろ、流通業にしろ、サービス業にし                 の持ち出しを禁じているという調査結                         ければならない。それでもこの流れは止
ろ、多くの労働者はフィールドで活動し                 果がある。大手の情報サービス会社で                         まらないと思う。現場のユーザーが切望
ている。本当に現場で働く人の IT に                さえ PC の持ち出しを禁止している。盗                      するからだ。リスクはあるだろうが、科
なっているのかは疑わしい。                      難や紛失による情報漏洩などセキュリ                         学技術のリスクは人の知恵が解決する
    効率化された業務処理の一方で、な               ティ問題を懸念しての措置だ。                            べきもの。ユーザーが積極的に活用ス
            IT
ぜか忙しさも増えている。 を使って                      この話を聞くたびに「活用」 「管理」
                                                    と                        タイルを考え、システム部門が技術的
いるのか、ITに使われているのか定か                 が逆転していることに強い違和感を覚                         な解決を模索し、確立することが大切
でない。帰社してから残業で入力や管                  えてきた。管理面から見れば、一律に                         だ。解決策も見えてきている。
理業務をしていたりする。サテライトオ                 PC の持ち出しを禁じたほうが楽だとい                        理想のモバイルは、社内外に関わり
フィスやホームオフィスは実現可能で                        「活用」
                                   う発想なのだ。   を前提にしてセ                         なくクラウド様態の仕組みから優れた
あっても、未だ試行の域は出ていない。                 キュリティの最適化を図るのがシステ                         ユーザーインタフェースを介して、どこ
直行直帰を含むワークスタイルの変革                  ム部門の「管理」の役割ではないのか?                        からでもストレスなく必要な業務処理
も進んでいない。変革の1 つのキーワー                このような発想ではホワイトカラーの生                        などが出来ることだろう。さあ、仕事を
ドが、モバイル活用ではないかと筆者                  産性の差が企業活動や産業活動の差に                         終えて今日は飲みにいこう!

                  [最新刊]本コラムの総集編「元気の出るIT読本」 電子版)マガス
                                         (        トアにて発売中 ➡http://www.magastore.jp/product/4951


                                                                                           │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 7
C     O      N     T     E     N     T     S

                                                       PART 1   OSSを起点に始まった変化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . p10
                                                       PART 2
O p e n   S o u r c e   S o f t w a r e
                                                                座談会:OSS 活用の道筋を探る . . . . . . . . . . . . . . . . . . p12
                                                       PART 3   鳥瞰図で見るOSS のカバー範囲 . . . . . . . . . . . . . . . . . . p16
                                                       PART 4   押さえておきたい留意点                                                         p20
                                                                                                     ............................



                                                       PART 5   充実する保守サポートサービス. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . p23




広           が           る            ソ    フ   ト    ウ      ェ          ア             の              選               択             肢




企業 IT に

浸透                                                     する
オープンソース
ソト
 フ
                                              企業 ITにおけるオープンソースソフ (OSS)
                                                                ト     の適用範囲は、今や OS や
                                              データベースに ど らず、
                                                     とま    業務アプリケーシ ンやオフ スソフ
                                                                   ョ    ィ   トへと広がっ
                                              ている。品質向上や機能拡充、サポートサービスの充実に伴って国内外
                                              で大規模な導入事例が増加。 う
                                                           こ した好循環を背景に、企業 IT へ着実に
                                              浸透し始めた OSS の現在を総ざらいする。                            [栗原 雅/緒方 啓吾]



                                                                                                         │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 9
イ   ン   ト   ロ   ダ   ク   シ   ョ   ン


                                存在感増すオープンソースソフト
                                OSからアプリまで採用の動き広がる
                                もはや 、オープンソースソフト OSS )なしに企 業 I T は 考 えら れな い 。
                                               (
                                そういっても 過 言 で はな い ほど、OS S は 情 報システム に深く浸 透してきた 。
                                万 能 で はな い が 、利 用 企 業 が 増 えるにつ れて 確 実に品 質 向 上や 、品 ぞろえの 拡 充 が 進 ん で いる。

栗原 雅(編 集 部)                     企 業 I T の 中 核 技 術 の 1 つとして 、OSS の 現 状 を 把 握して おく意 義 は 決して小さくな い 。




   商用 OSの対抗馬としてLinuxが 脚                   が 1000 人以下のユーザー企業の中に             士通、NTTデータは自社製品 のコア
光を浴 びるようになってから10 余年。                      は、グループウェアやeラーニング、
                                                          ワー              機能として取り込み、商用ソフトやア
オープンソースソフト(OSS)は、かつ                       クフロー管理、営業支援などのシステ               プライアンス製品として販売している。
て商用ソフトほぼ 一色だった企業 IT                       ムをOSSで構築しているところもある。               このように、世界中の腕利き技術者
の姿を変えてきた。東京証券取引所の                                                         が開発に携わるOSSは、ときに既存の
株式売買システム「arrowhead」をは                     商 用ソフトの 代 替 品 から                商用ソフトには難しい機能を実現する。
じめとするミッションクリティカルシス                        比 類 なき機 能 の 実 現 へ                不具合修正 や 機能拡張、周辺機能開
テムでの 利用例が 珍 しくなくなった                                                        発のエコシステムが 急ピッチで整い、
Linuxは言うに及ばず、データベース                        ここ2 〜 3 年、企業 ITにおいてOSS         品質や使い勝手が短期間で向上する
やアプリケーションサーバー、サーバー                        は 急速に存在感を増してきた。 つの
                                                         1                 OSSも少なくない。加えて、システム導
仮想化にOSSを活用する動きも、企業                        理由は、ベンダーが開発した商用ソフ                入から運用まで、ユーザー企業のOSS
規模を問わず広がっている。用途に応                         トに類を見ないOSSの登場だ。                  活用を支援するサポートサービスも充
じて、OSSの 提供からサポートまでを                        商用ソフトの代替品という色合いが               実してきた。
手がけるベンダーが 登場したこともこ                        濃かった従来は、OSSが商用ソフト向                機能や品質、使い勝手、サポートの
の動きを後押ししている。                              けの接続機能などを用意するのが一般               面で「商用ソフトとOSSの 垣根 はなく
   本誌読者を対象に 2012 年 3 月に実                  的だった。しかし、最近は商用ソフトが              なってきた 」日本 OSS推進フォーラム
                                                                                (
施した調査では、ユーザー企業に所属                         OSSの機能を取り込んだり、OSS向け             の要職を務めるNTTデータ 基盤シス
する読者の有効回答 364 件のうち、52%                    のコネクタを搭載 するという「ある種              テム事業本部の濵野賢一朗シニアエキ
がOSSを利用しているとした(図 1-1)
                    。                     の逆転現象が当たり前にみられるよう                   。
                                                                          スパート)もはや、企業 ITにOSSを採
そのうち6 割以上 がOSに、 割以上 が
               5                          になってきた 」
                                                 (OS S 創成期 から日本            用することは特別なチャレンジではない。
データベースにOS Sを採用している。                       OSS推進フォーラムの要職に就いてき                以下、IT先進企業のOSSに対するス
   興味深いのは、基盤系のソフト以外                       た日立製作所 事業戦略本部 OSS推進             タンスをパート2で紹介する。続くパー
でもOSSの採用が進みつつある点であ                        センタの橋本尚 主任技師)
                                                      。                   ト3ではユーザー認証基盤や運用管理、
る。Linuxなどに比べて件数こそ少な                        代表例 がOSSの大規模分散データ              業務 アプリケーションへと 拡大 する
いが、OSSを「利用している」と回答し                       処理基盤「Hadoop」である。高い拡張             OSSの全体像を鳥瞰図で示す。パート
た190 件のうち15%以上が、アクセス                      性を持ってテラバイト級やペタバイト                4 では目利きのポイントなどOSSを利
ログ 解析や運用管理にO S Sを用いて                      級のビッグデータの管理 /活用を可能               用する際の留意点を、パート5 で国内
いる実態が明らかになった。従業員数                         にする。そんなHadoopを米 IB Mや富          のOSSサポートサービスをまとめる。




10 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
特 集:企業 I T に 浸 透するOS S



   A   OS/ ミドルウェア

                               OS                                  26                                                         37                                           23                                 31

                データベース                                   17                                           29                                        18                                  31

                仮想化ソフト                              12                             17                      11                      15

      アプリケーションサーバー                          5                 12                    10                          21


    EAI や ESB などのミドルウェア                1 4 2 3

                                       0                                           20                                40                              60                             80                       100            (件)
                                                                                                                                                                                                                          120

     B  システム構築
            Web 構築関連ソフト
                                                    5                                                 16                                                  11                                       12
         (インターネット関連)

             設計・開発ソフト                           3                                  11                               4                       7


         プロジェクト管理ソフト                                    6                                    10                           3             3

          コンテンツ管理ソフト
                                                3             3                3                 4
         (インターネット関連)
      EC サイト /EDI システム構築
                                            2               4              2
      ソフト(インターネット関連)
                                       0                                                10                                         20                                  30                               40                  (件)
                                                                                                                                                                                                                           50

   C  運用 / セキュリティ                                                                                                                   D  情報共有 / 情報活用

  アクセスログ解析ソフト                                                                                                                               グループウェア /
                           6                        15                     4                     11                                                                         8                12          5         7
   (インターネット関連)                                                                                                                                  メールソフト

                                                                                                                                           教育 /
       運用管理ソフト         3                   14                         5                 10                                                                             4            8        3 1
                                                                                                                                    e ラーニングソフト

                                                                                                                                   ナレッジマネジメント
   セキュリティ関連ソフト         3           7        2 1                                                                                                                        3        7        2 3
                                                                                                                                                      ソフト

                                                                                                                                    (ビジネスインテリ
                                                                                                                                   BI
                                                                                                                                                                   1 21 3
                                                                                                                                            ジェンス)ソフト
                   0           5       10            15               20           25        30               (件)
                                                                                                          35 40                                                    0                    10          20             30       (件)
                                                                                                                                                                                                                           40


  E  業務アプリケーション
        ワークフロー管理ソフト                                                            3                                                                               5                                               1

              営業支援ソフト                                                                        4                                                                 3

              文書管理ソフト                                             2                                                       3                                    1

             財務・会計ソフト                                             2                                             2                               1              1

              顧客管理ソフト                                                          3                                                   2

            地理情報活用ソフト                                             2                                         2

              ERP パッケージ                             1                                    2                                1

         販売・在庫管理ソフト                                               2                                   1

                                       0                                                 2                                         4                                   6                                 8                  (件)
                                                                                                                                                                                                                           10

  従業員数の規模     100 人以    101 人∼ 1000 人    1001 人∼ 3000 人    3001 人以上


図 1-1 ユーザー企業におけるオープンソースソフトの利用実態 2012 年 3 月 14 日 ~21日にかけて、 IT Leaders 読者を対象に Web サイトで調査を
実施。有効回答の中から IT サービス事業者の回答を除き、ユーザー企業のみの調査結果を作成した。ユーザー企業のみの有効回答数は 364 件。このうち
190 人が何らかのオープンソースを「利用している」と回答。分野ごとのスケール が異なる点に注意してほしい




                                                                                                                                                                                                         │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 11
オ ー プ ン ソ ー ス 座 談 会


                                今、 改めてOS Sと向き合 い
                                企 業 I T での活 用可能 性を探る
                                大 規 模 分 散 デ ータ 処 理 基 盤「 Hadoop 」を例に出 すま で も なく、
                                オープンソー スソフト OSS )の 存 在 感 は日 増しに高 まって いる。
                                           (
                                OSS とどう向き合うの が 、ユ ー ザ ー 企 業とベンダー の 双 方にとって 得 策 か 。
聞 き 手 は 本 誌 編 集 長・田 口 潤
P h o t o:的 野 弘 路               ユ ー ザ ー 企 業 の I T 責 任 者 、ベンダー の OSS 推 進 責 任 者 、アナリスト に話を聞 い た 。




─	本日はユーザー企業のI Tリーダーや                     寺嶋:そうそう、パートナーを使いなが                クライアントや サーバー、アプリケー
アナリストなど、異なる立場の方々に                        らも内製してますよね。                       ションといった分野ごとに部会を設け
お集まりいただき、OSS(オープンソー                      ─	JFEスチールも 積水化学も日本企               て、OSS活用の環境整備を進めていま
スソフト)の活用状況や活用に向けた                        業だけれど、 Tは欧米風?
                                               I                           す。
課題などを議論します。初対面の方も                        一同:
                                           (笑)                             ─	中国や韓国とも協調したり、国への
いらっしゃると思いますので、まずは自                       ─	冗談はさておき、甲元さん、お願い                提言をまとめたりしている?
己紹介から。 FEスチールの原田さん
      J                                  します。                              吉田:おっしゃる通りです。 S の 普
                                                                                        OS
からお願いします。                                甲元:私 が 勤務しているアイ・ティ・               及に貢献した技術者を表彰する制度
原田:原田です。弊社は川崎製鉄と日                        アール T R)
                                            (I   は、ベンダー独立 のIT              なども手掛けています。私自身は富士
本鋼管が 経営統合して誕生しました。                       調査会社で、ユーザー企業に限ると年                 通のプラットフォーム技術本部の所属
統合に当たって基幹系システムをJava                      間 200 社〜 300 社とお付き合いしてい           で、 S Sを 用 いた システム 構築 プロ
                                                                             O
で開発しました。私は川崎製鉄側のIT                       ます。本日は数々の調査の中で浮かび                 ジェクトの技術支援をしています。
担当としてそのプロジェクトに参画し、                       上がってきた平均的なユーザー企業の
主に基盤の担当をしてきました。 年前
               2                         状況をお話しできると思います。                   是 是 非 非 でO S S 採 用を 判断
からIT部門を統括しています。                          ─	ITRに入る前は,どんな仕事を?                それ が ユーザーのスタンス
寺嶋:積水化学工業の寺嶋です。情報                        甲元:4 年前までは 三菱 マテリアルの
報 システム 子会社 でシステム 開発 に                    情報システム 部門で、グループ I T 戦             ─	早速、本題に入りましょう。最初に
携わり、2000 年から全社のIT戦略を                     略の立案やサプライチェーン改革を推                 原田さんと寺嶋さん、両社 のO SSに
担当しています。多くのシステムはパッ                       進していました。三菱マテリアルもシス                対するスタンスをうかがいたいと思い
ケージを使わず、ごりごりプログラム                        テムを手作りする風土があって、OSS                ます。
を書いて自社開発しています。                           も各種使ってきた経験があります。                  原田:弊社は必ずしもOSSを積極的に
─	最 近 の日本企業の中では、変わっ                      ─	最後に吉田さん、よろしく。                   活用しているわけではなく、かといって
た存在ですね(笑)
        。                                吉田:本日は日本 OSS推進フォーラム               否定的に見ているわけでもありません。
甲元:でも素晴らしいです。欧米 の企                       の立場で参りました、吉田と申します。                OSSはベンダーによる囲い込みを回避
業はパッケージソフトを使って短期間                        このフォーラムは、OSSを活用して日                する手段の1つだと捉えていて、システ
でシステムをリリースしているという話                       本の企業力を高める目的で国内の大                  ムのコストパフォーマンスが高まるなら
が注目されますが、実は自社開発も相                        手ベンダーが集まり、経済産業省と総                 使えるところは使うというスタンスです。
当やっているんです。                               務省の後援で 2004 年に発足しました。             寺嶋:私どもも似たような考え方です




12 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
特 集:企業 I T に 浸 透するOS S


ね。いわば是是非非でOSSを使うかど
うかを判断しています。
─	現時点で、どんなシステムに使って
いますか。
寺嶋:情報系システムには、随分とOSS
を利用しています。関連会社を含めて
システムの利用対象を広げようとする
 (商用ソフトやアウトソーシングで
と、
は)どうしてもコストが膨らむでしょう。
ですから「グーグルのようなシステムを
開発して社内に展開しようか」と言っ
て、メールシステムやグループウェア
を作ってしまったのです。
─	Linuxや「Sendmail」などのOSS    原田 敬太 氏                             寺嶋 一郎 氏
                            J F E スチール                          積水化学工業
で?                          I T 改革推進部長                          コーポレート 情 報 システムグループ 長

寺嶋:ええ。IMAPサーバーやLDAP         1982 年 4 月、川崎製鉄に入社。同社の水             1979 年 4 月に積水化学工業に入社し、生
サーバー、DNSサーバーはもちろん、負         島製鉄所システム室長を務める。日本鋼管                 産技術部において制御系システム や生産管
                            との 合併 で 2003 年 4 月 に JFE ス チ ー ル    理システムを開発。その後、積水化学工業
荷分散やウイルスチェックの仕組みも           が誕生した後、I T 改革推進部基盤グループ              の情報子会社アイザックで住宅事業向けエ
OSSで自前で用意しています。             長として基幹系システム の統合プロジェクト               キスパートシステム の開発などを推進する。
                            に参画。リーダーとして 新基幹系システム                2000 年 6 月、積水化学工業の情報システ
─	業務系はいかがですか。               「J-Smile」のインフラ設計や構築をけん引             ム 部長に就任。組織改変により、2007 年
寺嶋:業務系ですと、例えばプログラ           してきた。2011 年 4 月より現職                 4 月から現職

ムのバージョン管理にOSSを使ってき
ました。今はネットワークやサーバーの
統合監視システムを、商用のパッケー          原田:最近、
                                パソコンのOSを「Windows               の導入を進めようと考えていました。と
ジソフトからOSSの「Zabbix」に大規      XP」から「同 7」に上げるに当たり、オ                ころが サン・マイクロシステムズがオ
模に切り替えよう しているところです。
        と                  フィスソフトもマイクロソフト製品から                  ラクルに買収された後、混乱している
─	JFEスチールの状況はどうでしょう。       「LibreOffice」というOSSに切り替え            様子でしょう。バージョンアップを含め
原田:お話したように基幹系をJavaで        る方針を固めたところです。経緯をお                   て将来性が不透明になった印象がある
開発しているのですが、開発フレーム          話すると、現状の「Microsoft Office             ので、どうしようか悩んでいるんです。
ワークに「Struts」を活用しています。      2000」 「同 2010」
                                から       にバージョンアッ              ─	そのあたり日本 OSS推進フォーラム
この座談会に出席するにあたって、改          プするか、あるいは他の選択肢がある                   では、どう捉えているのですか。
めて調べたところメーラーの「Thun-        のかを社内で議論したんですよ。使い                   吉田:確かに迷走しているという話は
derbird」やデータベースの「Postgr-   勝手は当然として、既存のドキュメン                   あります。当フォーラムでも2011年 3月
eSQL」
    「MySQL」など色々と出てきま       ト資産を問題なく使えるか、文書を社                   11日の震災後、CD-ROMなどを使って
した。                        外と交換したときに問題が生じないか                   OpenOfficeを被災地域に配布する取
                           などを検証したうえで、OSSの採用を                  り組みをしていたんですが、現在はLi-
オフィス 製 品も新手 の O S Sで       決めました。                              breOfficeに切り替えています。
フォントの互 換 性 に 関 心           寺嶋:オフィスソフトに関しては、弊社                  ─	簡単に言うと、OpenOfficeの開発
                           もしばらく前にOSSに切り替える方針                  メンバーが別れて作ったのがLibreOf-
─	情報系では使っていない?             を立てて、関連会社から「OpenOffice」             ficeですね。




                                                                            │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 13
るんです。                   甲元:そうです。
                                                                「実施している」
                                                                       「拡張
                                 吉田:IPA(情報処理推進機構)がフォ     している」 計画している」
                                                             「        を含め、前
                                 ントを無償で公開しているので、各社       向きにOSSの活用に取り組んでいる企
                                 が使い始めればフォントの問題はクリ       業の割合が、クラウドより多いという結
                                 アできるはずなんですが、時間がかかる      果です。
                                 でしょう。
                                                         品質の 懸念 は 着実に 解消
                                 O S S 活用の 取り組み 状況       知財もO S Sの 障壁 にあらず
                                 欧 米では 3 年前 からトップに

                                 ─	少し話を進めます。東京証券取引所      ─	その差は、どこから来るんでしょう。
                                 の基幹システムが Linuxベースである    技術力、知的財産 やライセンス 問題、
                                 ことや、例えば日産自動車がほぼ全面       品質、
                                                           あるいは語学力のいずれかなんで
   甲元 宏明 氏                       的にOSSを採用することは、よく知ら      しょうか。それとも複合要因でしょうか。
   アイ・ティ・アール
   シニア・アナリスト
                                 れています。もちろんそれ一色ではなく      寺嶋:OSSの各種コミュニティで交わ

   三菱マテリアル にてサプライチェーン改革          て商用ソフトやサービスと組み合わせ       されている情報は量が多く、しかも英
   やグループ IT 戦略の立案を主導してきた。        てのことですが、OSSは企業に浸透し      語。その点は壁と言えばそうかも知れ
   欧州企業との 合弁事業 で はグロ ー バ ル IT
   責任者として欧州・北米・アジアを統括し、
                                 ているかに思えます。甲元さん、実際の      ません。でも品質に関しては、ソースの
   ERP の 展開 などを 実施。2007 年 から 現   ところどうなのか、企業のOSS活用実      修正が必要になるようなバグに直面し
   職。クラウドコンピューティング やスマート
   デバイス、オープンソースなど幅広い分野
                                 態を教えてください。              たことは一度もありません。
   を専門に動向を分析している                 甲元:弊社 では、クラウドコンピュー      甲元:前職でOSSを使っていたときに
                                 ティングなど 企業 ITに関 する大きな    感じたのは、仮にバグが出ても修正に
                                 テーマを20 種類ほど挙げて、毎年ユー     要する時間が商用パッケージソフトよ
吉田:ええ。もちろん(読み取り可能な               ザー企業の取り組み 状況を調査して       り相対的に早いことです。商用のベン
ファイル形式を拡張するなど)機能改                います。それを見ると、まったくといっ      ダー製品だと最終的に開発元の対応を
良を加えて使い勝手を高めていますけ                ていいほどOSSへの取り組みは盛り上      待たなければなりませんが、OSSはコ
どね。                              がってません。 年以上にわたって、
                                        10        常      ミュニティに参加している多くの技術
─	そういったある意味 の、“不安定さ”             に下から3 分 の 1 付近を推移している   者が対応を考えますから。
がOSSの課題の 一つでしょうか?                んです。原田さんと寺嶋さんの話をうか      吉田:利用者が多いソフトは、商用か
寺嶋:機能面もまだ 完璧とはいきませ               がっていて、両社はかなり進んでいるな      OSSかに関係なく品質が確実に高まる
ん。例えばオフィスソフトのフォントに               と感じています。                ものです。ライセンスについても、OSS
ついて、OSSとマイクロソフト製品との              ─	I TRは米フォレスター・リサーチと    は種類が 多くて分かりにくいといった
互換性がもう少し高まったらいいんで                協業していますから、欧米の状況もご       指摘があるかもしれませんが、その点は
すが。                              存じだと思いますが。              商用も同じです。1つ違うのは、商用は
─	フォントですか?                       甲元:結論から言えば、日本とはまるで      開発元や販売元に確認すればよいが、
吉田:Windows用フォントとの互換性             違います。当社で設定しているテーマ       OSSは自らライセンスの内容を読む必
の問題です。                           と幾分異なりますが、欧米では 3 年前     要がある点ぐらいではないですか。
寺嶋:互換性が低いからマイクロソフ                からOSSへの取り組みがトップを維持      甲元:知財やライセンスが原因でOSS
ト製品で 作成したドキュメントを、例               しています。                  を採用しないユーザー企業がいるとは
えばOpenOfficeで開くと表示が崩れ              ─	クラウドよりも上位に来る?         聞いたことがありません。




14 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
特 集:企業 I T に 浸 透するOS S


寺嶋:実際、社内やグループ内で使う       普及させていく?
範囲においては、知財やライセンスが       吉田:まさに、そういうことです。寺嶋
問題になってくることは基本的にないで      さんや原田さんのように先進的な考え
しょう。                    方のユーザーに相手にされなくなった
                        ら、ベンダーはもはやそれまで。大手各
エコシステムの不備 が             社はそんな意識を持っていますから、社
O S S 普及 の足 かせに         内に組織を設けてOSSに取り組んで
                        います。私がいる部門とは違いますが、
甲元:私は技術力というか、ユーザー企      商用ソフト部門も同じ考えだと思いま
業とベンダーのエコシステムが形成さ       す。
れていないことが、 S Sの取り組 み 状
         O
況に表れていると見ています。          O S S の本 質 を正しく見 極 め
─	双方の関係がパートナーシップでは      一定のリスクを 負う覚 悟 を
なく、単なる持たれ合いになってしまっ                              吉田 正敏 氏
                                                日 本 O S S 推 進 フォー ラム アプリケ ー ション 部 会
ているということですか。            原田:
                          「脱・ベンダー囲い込み 」の意       部 会 長(富 士 通 プラッ   トフォーム 技 術 本 部 チーフ

甲元:持たれ 合いというより、相互不      識も、OSSの採用に大きく影響してい      ストラテジスト)

                                                1978 年 4 月、富士通 に 入社。ベクトル 型
信 になっているんです(笑)
             。多くの       るでしょう。最も楽なのはハードからソ
                                                ス パコン の OS 開発 などをけ ん 引した 後、
ユーザー企業はシステムインテグレー       フトまでベンダーに丸投げすることで       OSS 技術センターやトレーニングセンター
                                                の 設立を手掛けてきた。2005 年から日本
             「高い
タの価値を十分に認めないで、          すが、それではベンダー依存が強まっ
                                                OSS 推進フォーラム のアプリケーション部
からもっと安くならないか 」という注文     てしまう。結果として、高コストの状態      会長などの要職に就き、OSS ロードマップ

ばかりつける。一方のベンダーは目の       が 続くことになる。一方 で「脱・ベン     の策定や Ruby アプリケーション の OSS 化
                                                など、OSS の普及活動に従事している
前の利益ばかりを重視して、ユーザー       ダー囲い込み 」だといって、適材適所
企業と10 年、 年の付き合いをしよう
        20              でOSSや製品を組み合わせようとする
と考えていない。最近は本当に短期的       と、問題が発生したときの切り分けな      はあります(笑)
                                                      。
な売上と利益を重視する傾向が強い        どを自ら手掛けなければなりません。そ     ─	OSSを使ったシステムを提案する
ですよ。                    の覚悟をユーザー企業が持っているか      と「OSSなら安くなるね、でも責任は
─	吉田さん、フォーラムの立場を離れ      どうかです。                 取ってよ」と言われるようなことですか。
て、ベンダーとして反論を。           寺嶋:まったく同意です。OSSを使うな    吉田:そうなんです。メインフレーム並
一同:
  (笑)                   どして自社 でリスクテイキングするか     みの対応を求められることも結構あっ
吉田:反論ではありませんが、少なくと      らコストが下がるし、技術力もつくわけ     て、正直なところO SSに手を出しにく
も大手ベンダーからフォーラムに参加       で、丸投げしてリスクも負ってください     くなるケースもあります(笑) OSSを検
                                                            。
しているメンバーについては、今のご指      となれば、当然コストも上がります。仮     討する企業は相応のリスクを自社で負
摘は必ずしも当てはまらないと言い切       にOSSを使ったとしてもね。ある程度の    うところと、ほとんど負わない企業の二
れます。そもそもコストを抑えながらシ      リスクを自社で負うスタンスは重要で      極化が著しく、中間層が少ないのが日
ステムを作るために、OSSを活用でき      す。                     本の現状です。
る環境を整える発想の持ち主の集ま        吉田:おふたりのようなリスクの捉え方     寺嶋:ユーザー企業もOSSの本質を理
りですから。                  は、OSSを活用するのにとてもフィット    解しないといけません。どの程度が限界
─	なるほど。お金をかけるところにはか     するんです。ただ、ベンダーの立場でひ     か、どういったリスクがあるかをしっか
けるが、そうでないところはセーブして      と言申し上げると、OSSを採用するシ     り認識すれば、双方にとってOSSのメ
システムを構築するノウハウを、広く       ステム案件でもベンダーへの丸投げ感      リットが出てくるのでしょう。




                                                               │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 15
O    S      S       鳥         瞰        図


                                クラウドや 運 用管 理にまで
                                O S Sの勢力圏 が 拡 大
                                Linux や Web/ アプリケ ーションサ ー バ ー から企 業に浸 透してきた OSS 。
                                最 近 で は、クラウド やビッグデ ータ などの OSS 発 の 新 技 術 はも ちろん 、
                                デ ータベ ース や 運 用 管 理 などにも 活 躍 の 範 囲を拡 大し続 けて いる。

緒方 啓 吾(編 集 部)                   各 企 業 へ の 取 材 から見えてきた OSS の 動 向をまとめた 。




   OSSと言えば、OSやミドルウェアが                   質面は高くない”というイメージが強い                         能になる。また、レッドハットは 2012 年
真っ先に思い浮かぶが、企業 ITで利                      OSS。しかし、商用製品に肩を並べる                         4 月に基幹システム向けのサポート強
用可能な範囲はさらに広がり続けてい                       までに成長した分野もある。その筆頭                          化を発表。Red Hat Enterprise Linux
る。動向に詳しい複数のベンダーの協                                「信頼性やスケーラビ
                                        がLinuxである。                                 5と6の標準サポート期間を従来の7 年
力を得て、主要なOSSをピックアップ、                     リティに課題があるとされた時代もあっ                         から10 年に延長した。
ジャンル別に整理したものが 18 ページ                    たが、最近は性能面を疑問視する声を
の図 3- 1である。大量データの処理基                    聞かなくなった 」ノベルの山崎正弘シ
                                                (                                         PostgreSQL
盤「Hadoop(詳しくは 弊誌 2012 年 3                       。
                                        ニアマネージャー)                                  ベンダー・ロックイン 回避策として
月号参照) や、
    」 スマートフォン向けOS                          金融系の基幹システムでもLinuxの                      注目度 が急上昇
「Android(同 2012 年1月号参照) な
                      」                 採用が増えている。例えば、東京証券
どの 新技術 から、統合運用監視 やセ                     取引所が 2010 年から運用を開始した                        特定 のベンダーによるロックインを
キュリティなど、企業 ITの安定稼動に                     株式売買システム「arrowhead」では                      回避 できる。 い 古 されたO S Sのメ
                                                                                          言
欠かせない技術まで、さまざまな分野                       レッドハットのLinuxディストリビュー                       リットの1 つだが、データベースの分野
にOSSが進出していることがわかる。                      ション「Red Hat Enterprise Linux」              ではようやく現実味を帯びてきたよう
   OSSに関する社内 SEからの問い合                   を 選択。2011 年 11 月 には、東京三菱                   だ。きっかけは、2011 年 11 月にオラク
わせに対応する富士通の吉田正敏チー                       UFJ銀行がSOA基盤のOSとしてノベ                        ルが 実施した 保守 サポート料金 の改
フストラテジストは、 従来は、
         「     Tomcat                   ルの「S U S E L i n u x E n t e r p r i s e   定。代替案を備えておくことが 必要と
やMySQLなどの定番に問い合わせが                      Server」を採用したと発表した。                         感じた企業が、特定企業に依存しない
集中していたが、最近は業務アプリか                          各ディスビューターも製品の強化に                        RDBMS製品として「PostgreSQL」
らクラウドまで 多岐 にわたっている。                     余念がない。ノベルは 2012 年 3 月に最                                 「この1
                                                                                   に注目する動きが活発化した。
OSSの裾野は 確実に広がった 」と述                     新版の「SUSE Linux Enterprise 11               年で問い合わせがとにかく増えた。自
べる。以下、最近の動向を見ていく。                       Service Pack 2」をリリース。OS上で                  社でPostgre SQLを適用できる範囲
                                        動くアプリケーションの安定性を維持                          を把握したいという要望が多い」 NEC
                                                                                                 (
                    Linux               したまま、カーネルを更新する開発手法                                    。
                                                                                   の井上浩弓事業部長代理)
企 業 I Tを支 える インフラに                      「Forward Looking Development                ここ数年で、PostgreSQLの性能が
基 幹 システムでの 導入事 例も                       Model」を採用した。ノベルが互換性                        大幅に向上したことも、周囲の期待を
                                        を保証するサービスパックでカーネル                          高めることに一役買っている。例えば、
   “無料で利用できるが、性能面や品                     を更新し、新機能を取り込むことが可                          2008 年 2 月リリースのバージョン 8.3で




16 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
特 集:企業 I T に 浸 透するOS S


は「オートバキューム機能」を追加。処         の機能を備えており、SOAPやREST                                   などの理由から、移行はあまり進んで
理性能維持のために不要になった更新          などのインターフェースを使って、デー                                    こなかった。   「最近は慣れの問
                                                                                       しかし、
履歴のレコードを定期的に削除 する、         タを登録したり閲覧したりすることもで                                    題と割り切る企業が増えた。移行がた
PostgreSQL固有の「バキューム」作      きる。すでに完成したソフトウェア使え                                    めらわれるほどソフトウェアを使い込ん
業 を自動化した。また、2011 年 9 月リ    ば、データモデルの設計 やコーディン                                    でいる従業員は少ないという判断もあ
リースのバージョン 9.1 では、データの      グに頭を悩ませなくてもすむ。                                        るようだ 」 神谷氏)
                                                                                      (    。
保護機能を強化した。
         「オラクルのよう          「商用製品と違ってコストが 掛 から
に“痒いところに手が届く”とまではいか        ず、改変が自由なのでモジュールとし                                          T a l e n d 、O T R S
ないが、基本機能やパフォーマンスは          て使い勝手がよい。スクラッチ開発を                                     データ統 合 や 運用管 理 など
遜色のない水準に到達している」アシ
              (            効率化する手段として利用するケース                                     企 業 I Tならでは分野 にも進 出
         。
ストの加藤義和部長)                 が増えた 」 野村総合研究所の寺田雄
                                (
 2011 年 4 月 には、 TTや日立製作
               N           一グループマネージャー)
                                      。                                           企業 ITの “ 縁 の下の力持ち”とも言
所、富士通、NECなど10 社が「Postgr-                                                         うべき分野でもOSSの存在感が増して
eSQLエンタープライズコンソーシア          O p e n O f f i c e . o r g 、L i b r e O f f i c e   いる。例えば、仏タレンド社が提供す
ム」を設立。啓蒙活動などを通して企          Of fce 20 03 サポート終了を機に                                る「Talend」 オープンソースのデー
                                                                                          は、
業利用を後押しする。                 O S Sへの 置き換 えも                                        タ 統合 ツール。複数 のシステムから
                                                                                 データを抽出したり、データフォーマッ
       SugarCRM             2014 年、Windows XPとMicrosoft                          トの統一や名寄せを行ったりする機能
他のシステムと組み合わせて使う            Office 2003 のサポートが同時に終了                                 を備える。
開発 の 手間とコストを削減             する。バージョンアップにはライセンス                                     2007 年から提供を開始した後発製
                           に加えて、性能面の都合からPCも新                                     品ながら、ユーザーコミュニティからの
 OS やミドルウェアと比較すると、業        たに購入しなければならない可能性が                                     要望を積極的に吸い上げ、機能を急
務アプリケーションの分野では、OSS         高い。少しでもコストを軽減しようと、                                    速に充実させてきた。例えば、ERPや
の普及にまだ時間が 掛かりそうだ。例         オフィススイートに着目する企業が 増                                    データベースからデータを取得するた
えば、国内で比較的知名度の高い顧客              「この1、 年で導入が本格化
                           えている。    2                                            めのアダプタは約 450 にも上る。通算
管理 ソフトウェア「Sug a r CRM」も、   した。数万台単位の導入案件も手掛け                                     ダウンロード件数は全世界で 2000 万
2008 年にIHIが全社導入して以降は、      ている」アシストの神谷昌直 公開ソフ
                              (                                                  件 を 突破。サポートを 含 む 有償版 の
表立って大きな事例は発表されていな                  。
                           トウェア推進室長)                                             ユーザーも3 5 00 社を数え、国内でも
い。ただし、水面下では少し変わった           オープンソースのオフィススイートに                                    金融や通信での導入実績を持つ。
形での利用が 増えてきている。ソフト         は、サン・マイクロシステムズが 開発                                     一方、独 OTR S AG 社 の「OT R S」
ウェア単体ではなく、他のシステムに          を支援してきた「OpenOffice.org
                                                (オー                              はコールセンター向けの情報共有シス
機能を提供するモジュールとして使う                ・   」 オラクルに
                           プンオフィス オルグ) と、                                        テム。顧客からの問い合わせ内容や対
というものだ。                    よるサン買収を機に分派した「LibreOf-                                応状況、やりとりの履歴などを管理す
 例えば、コンシューマ向けWebサー         fice
                              (リブレ・オフィス) がある。
                                        」    いず                                  る。OTR Sが持つ機能はシステムを運
ビスでは、顧客の個人情報や問い合わ          れも、ワープロソフトや表計算、プレゼ                                    用する際に、障害への対応状況やユー
せの管理するための機能が必要となる。         ンテーション、データベースなどのソフ                                    ザーからの要望を管理する仕組みとし
これらを 独自 に 実装 する 代 わりに、     トを備え、Microsof t Officeとデータ                              ても利用できる。近年は、変更管理や
Suga rCRMなどのOSSをシステムに      の互換性もある。                                              構成管理などの 機能をさらに拡充し、
組 み 込 む。SugarCRMは、取引先管      ただし、操作感覚が微妙に異なった                                     ITI Lv3 準拠 の運用管理ツールとして
理や商談管理、キャンペーン管理など          り、文書のレイアウトが 崩れたりする                                    も利用できるようにしている。




                                                                                              │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 17
デスクトップ・業務アプリケーション                                              Web サイト構築
            デスクトップ                              BI                                 ERP         CMS ・ポータル
   Firefox                       JasperSoft                            Adempiere          Alfresco
   GNOME                         Pentaho                               Apache OFBiz       Drupal
   KDE                           SpagoBI                               Compiere           GateIn
   Thunderbird                                                         ERP5               Joomla!
                                              CRM                      FrontAccounting    Liferay
          オフィススイート                                                     GnuCash            Moodle
                                 OpenPSA
   LibreOffice                   SugarCRM                              Openbravo ERP      Movable Type
   OpenOffice.org                Tine                                                     NetCommons
                                                                              人事・給与       OpenPNE
   専門ソフトウェア CAD など)
           (                             グループウェア                       MosP               Plone
                                                                       TimeTrex           Wordpress
   Blender                       TUTOS                                                    XOOPS
   BRL-CAD                       Aipo
                                                                        オペレーション、製造管理
   graphviz                      Enterprise CRM and Groupware System
                                                                                                  e コマース
   Jgraph                        Open-Xchange                          Asterisk
   mxGraph                       Thetis                                NOC                EC-CUBE
   white_dune                    Zimbra                                OTRS               Interchange




                                Web/AP サーバー、データベース

         Web/AP サーバー                      データベース                                  DB 管理
   Apache HTTP Server            Firebird                              phpMyAdmin
   Apache Tomcat                 MariaDB                               phpPgAdmin
   Apache Tomcat Connector       MUSCLE
   GlassFish
   JBoss Application Server
                                 MySQL
                                 Oracle Berkeley DB                    Interleave
                                                                                  BPM
                                                                                           OSS鳥瞰図

                                                                                               239
   Jetty                         Postgres Plus                         JBoss jBPM
   JOnAS                         PostgreSQL                            ProcessMaker
   lighttpd                      SQLite
   Zend Platform
                                      DB クラスタリング                                   KVS
              EAI/ESB            MySQL Cluster                         Apache Cassandra
   Apache Axis2                  pgpool-II                             Kyoto Cabinet
   Talend                        Slony-I                               Kyoto Tycoon
                                                                       memcached



                                            運用管理
                                                                                             OS 、仮想化、クラウド
     ストレージ・バックアップ                           運用監視                       ネットワーク・モニタリング
   Amanda                        Groundwork Monitor                    AWStats                        OS
   Bacula                        Hinemos                               Cacti              Android
   Clonezilla                    Hobbit Monitor                        GKrellM            CentOS
   Disk ARchive                  Nagios                                Kismet             Debian GNU/Linux
   G4L                           Pandora FMS                           MRTG               Fedora
   Mondo Rescue                  Zabbix                                Munin              FreeBSD
   rdiff-backup                                                        Net-SNMP           openSUSE
                                            負荷 分散                      Nmap               Red Hat Enterprise Linux
            HA クラスタ              BalanceNG                             Pmacct             Scientific Linux
   DRBD                          Linux Virtual Server                  RRDtool            SUSE Linux Enterprise Server
   Heartbeat                     Pound                                 Vyatta             Ubuntu
   Pacemaker                     UltraMonkey                           Wireshark


図 3 -1 現在利用可能な OSS の一例 企業利用という観点から、現在利用可能な主要 OSS をピックアップした。
作成にあたっては NRI、NEC、サイオステクノロジー、ならびに日本 OSS 推進フォーラム のアドバイスを参考にした。




18 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43
IT Leaders 2012年5月号 No.43

Contenu connexe

Tendances

ET West 2012 P-1セッション
ET West 2012 P-1セッションET West 2012 P-1セッション
ET West 2012 P-1セッションNaoya Maekawa
 
基調講演「データのグループウェア化」
基調講演「データのグループウェア化」基調講演「データのグループウェア化」
基調講演「データのグループウェア化」Cybozucommunity
 
It業界理解
It業界理解It業界理解
It業界理解Jun Chiba
 
【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏
【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏
【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏Developers Summit
 
ネットショップ実務士補コース
ネットショップ実務士補コースネットショップ実務士補コース
ネットショップ実務士補コースOsamu Sugiura
 
技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆
技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆
技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆Hiroshi Takahashi
 
ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~
ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~
ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~Ken Azuma
 
ソーシャル+動画 セミナー
ソーシャル+動画 セミナーソーシャル+動画 セミナー
ソーシャル+動画 セミナーYuichi Morito
 
It業界理解
It業界理解It業界理解
It業界理解Jun Chiba
 
ささやかだけれど大切なこと Ver1.1
ささやかだけれど大切なこと Ver1.1ささやかだけれど大切なこと Ver1.1
ささやかだけれど大切なこと Ver1.1吉弘 野崎
 
業務系SEの今後について
業務系SEの今後について業務系SEの今後について
業務系SEの今後についてTakashi Kambayashi
 

Tendances (11)

ET West 2012 P-1セッション
ET West 2012 P-1セッションET West 2012 P-1セッション
ET West 2012 P-1セッション
 
基調講演「データのグループウェア化」
基調講演「データのグループウェア化」基調講演「データのグループウェア化」
基調講演「データのグループウェア化」
 
It業界理解
It業界理解It業界理解
It業界理解
 
【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏
【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏
【17-C-4】「Axure RPによる画面プロトタイプを活用した要件定義の改善:野村総合研究所、NTTデータの事例紹介」松永充弘氏
 
ネットショップ実務士補コース
ネットショップ実務士補コースネットショップ実務士補コース
ネットショップ実務士補コース
 
技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆
技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆
技術変化が加速する業界に対する企業ガバナンスへの示唆
 
ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~
ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~
ビジネスとデザイン ~ビジネスは悪くない~
 
ソーシャル+動画 セミナー
ソーシャル+動画 セミナーソーシャル+動画 セミナー
ソーシャル+動画 セミナー
 
It業界理解
It業界理解It業界理解
It業界理解
 
ささやかだけれど大切なこと Ver1.1
ささやかだけれど大切なこと Ver1.1ささやかだけれど大切なこと Ver1.1
ささやかだけれど大切なこと Ver1.1
 
業務系SEの今後について
業務系SEの今後について業務系SEの今後について
業務系SEの今後について
 

En vedette

Análisis situacional integral de salud final
 Análisis situacional integral de salud final Análisis situacional integral de salud final
Análisis situacional integral de salud finalEstefanía Echeverría
 
Onderzoeksrapport acrs v3.0_definitief
Onderzoeksrapport acrs v3.0_definitiefOnderzoeksrapport acrs v3.0_definitief
Onderzoeksrapport acrs v3.0_definitiefrloggen
 
Como hacer un plan de negocios
Como hacer un plan de negociosComo hacer un plan de negocios
Como hacer un plan de negociosXPINNERPablo
 
Schrijven voor het web
Schrijven voor het webSchrijven voor het web
Schrijven voor het webSimone Levie
 
Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA... ..
 
2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...
2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...
2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda..... ..
 
Estrategias competitivas básicas
Estrategias competitivas básicasEstrategias competitivas básicas
Estrategias competitivas básicasLarryJimenez
 
3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.
3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.
3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3... ..
 
Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA... ..
 
Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.
Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.
Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA... ..
 
Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.
Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.
Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2... ..
 
Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.
Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.
Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1... ..
 
Veel gestelde internet marketing vragen
Veel gestelde internet marketing vragenVeel gestelde internet marketing vragen
Veel gestelde internet marketing vragenGezondheid Acties
 
Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...
Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...
Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI..... ..
 

En vedette (20)

Análisis situacional integral de salud final
 Análisis situacional integral de salud final Análisis situacional integral de salud final
Análisis situacional integral de salud final
 
De impact van adhd
De impact van adhdDe impact van adhd
De impact van adhd
 
Geheugen verbeteren
Geheugen verbeterenGeheugen verbeteren
Geheugen verbeteren
 
Tears In The Rain
Tears In The RainTears In The Rain
Tears In The Rain
 
Onderzoeksrapport acrs v3.0_definitief
Onderzoeksrapport acrs v3.0_definitiefOnderzoeksrapport acrs v3.0_definitief
Onderzoeksrapport acrs v3.0_definitief
 
Como hacer un plan de negocios
Como hacer un plan de negociosComo hacer un plan de negocios
Como hacer un plan de negocios
 
Schrijven voor het web
Schrijven voor het webSchrijven voor het web
Schrijven voor het web
 
Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Describing my kitchen. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
 
Cápsula 1. estudios de mercado
Cápsula 1. estudios de mercadoCápsula 1. estudios de mercado
Cápsula 1. estudios de mercado
 
Rodriguez alvarez
Rodriguez alvarezRodriguez alvarez
Rodriguez alvarez
 
2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...
2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...
2. describing cities and places. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 acitivda...
 
Estrategias competitivas básicas
Estrategias competitivas básicasEstrategias competitivas básicas
Estrategias competitivas básicas
 
3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.
3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.
3.Evidence: Getting to Bogota.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.semana 4 actividad 3.
 
Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
Evidence: Going to the restaurant . ENGLISH DOT WORKS 2. SENA.
 
Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.
Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.
Evidence: I can’t believe it.ENGLISH DOT WORKS 2. semana 3 actividad 1.SENA.
 
Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.
Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.
Evidence: Memorable moments.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 2 actividad 2.
 
Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.
Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.
Evidence: Planning my trip. ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. semana 4 actividad 1.
 
Veel gestelde internet marketing vragen
Veel gestelde internet marketing vragenVeel gestelde internet marketing vragen
Veel gestelde internet marketing vragen
 
C:\Fakepath\Christie
C:\Fakepath\ChristieC:\Fakepath\Christie
C:\Fakepath\Christie
 
Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...
Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...
Evidence: What did I do yesterday?.ENGLISH DOT WORKS 2. SENA. SEMANA 2 ACTIVI...
 

Similaire à IT Leaders 2012年5月号 No.43

『ハイブリッドクラウド研究会』創立について
『ハイブリッドクラウド研究会』創立について『ハイブリッドクラウド研究会』創立について
『ハイブリッドクラウド研究会』創立についてMasahiko Ebisuda
 
第11回SIA例会プレゼン資料
第11回SIA例会プレゼン資料第11回SIA例会プレゼン資料
第11回SIA例会プレゼン資料Tae Yoshida
 
経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)
経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)
経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)Jun Kawahara
 
Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)
Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)
Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)Upwind Technology Inc.
 
日本の中小企業のIT導入10年の振り返り
日本の中小企業のIT導入10年の振り返り日本の中小企業のIT導入10年の振り返り
日本の中小企業のIT導入10年の振り返りYuichi Morito
 
経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~
経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~
経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~Osaka University
 
第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様
第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様
第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様Tae Yoshida
 
エンジニアのキャリアを考える
エンジニアのキャリアを考えるエンジニアのキャリアを考える
エンジニアのキャリアを考えるMKT International Inc.
 
Base 20141011 1_for_slideshre
Base 20141011 1_for_slideshreBase 20141011 1_for_slideshre
Base 20141011 1_for_slideshre正善 大島
 
[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ - 日本情報システム・ユーザ...
[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ -  日本情報システム・ユーザ...[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ -  日本情報システム・ユーザ...
[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ - 日本情報システム・ユーザ...Trainocate Japan, Ltd.
 
wantedlyローンチイベント
wantedlyローンチイベントwantedlyローンチイベント
wantedlyローンチイベントURANO HEIYA
 
日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  
日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  
日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  Hiroshi Takahashi
 
“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~
“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~
“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~オラクルエンジニア通信
 
Watson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョン
Watson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョンWatson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョン
Watson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョンTakashi Mukaida
 
企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---
企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---
企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---Open Source Software Association of Japan
 
<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?
<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?
<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?Money Forward, Inc.
 
会社説明資料
会社説明資料会社説明資料
会社説明資料ssuser06b610
 
ノーツが日本を救う(2002/3/13)
ノーツが日本を救う(2002/3/13)ノーツが日本を救う(2002/3/13)
ノーツが日本を救う(2002/3/13)伸夫 森本
 

Similaire à IT Leaders 2012年5月号 No.43 (20)

『ハイブリッドクラウド研究会』創立について
『ハイブリッドクラウド研究会』創立について『ハイブリッドクラウド研究会』創立について
『ハイブリッドクラウド研究会』創立について
 
第11回SIA例会プレゼン資料
第11回SIA例会プレゼン資料第11回SIA例会プレゼン資料
第11回SIA例会プレゼン資料
 
経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)
経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)
経営とIT:いま起こっていることと「これから」(20120718)
 
Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)
Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)
Upwind Technology, Inc. Company Profile(Japanese)
 
日本の中小企業のIT導入10年の振り返り
日本の中小企業のIT導入10年の振り返り日本の中小企業のIT導入10年の振り返り
日本の中小企業のIT導入10年の振り返り
 
経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~
経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~
経営視点から考察するデジタル戦略 ~クラウドがもたらすビジネスインパクト~
 
第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様
第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様
第7回SIA研究会(例会)プレゼン資料 油野様
 
エンジニアのキャリアを考える
エンジニアのキャリアを考えるエンジニアのキャリアを考える
エンジニアのキャリアを考える
 
Base 20141011 1_for_slideshre
Base 20141011 1_for_slideshreBase 20141011 1_for_slideshre
Base 20141011 1_for_slideshre
 
[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ - 日本情報システム・ユーザ...
[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ -  日本情報システム・ユーザ...[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ -  日本情報システム・ユーザ...
[G-Tech2015]攻めのITとは、それを実現する人材とは ~IT関係者は期待されている!そして期待に応えるために!~ - 日本情報システム・ユーザ...
 
デジタル戦略とAWS
デジタル戦略とAWSデジタル戦略とAWS
デジタル戦略とAWS
 
wantedlyローンチイベント
wantedlyローンチイベントwantedlyローンチイベント
wantedlyローンチイベント
 
日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  
日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  
日本の企業文化特性を生かした中堅企業グローバル化の促進について  
 
“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~
“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~
“北の国から”学ぶ 『6次産業化』で1次産業の所得向上、地域活性を狙え!~ テクノロジーによる6次産業化リスク軽減方法の模索 ~
 
Watson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョン
Watson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョンWatson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョン
Watson summit 2016 コグニティブ時代に求められる事業継続性のビジョン
 
企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---
企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---
企業情報システムの明日を左右するもの --- クラウドとBabok ---
 
<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?
<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?
<マネーフォワード×税理士法人ビジネスナビゲーション> 中小企業経営を強くする、経理・財務業務のクラウド化とは?
 
会社説明資料
会社説明資料会社説明資料
会社説明資料
 
ノーツが日本を救う(2002/3/13)
ノーツが日本を救う(2002/3/13)ノーツが日本を救う(2002/3/13)
ノーツが日本を救う(2002/3/13)
 
20141018 osc tokyo2014講演(配布用)
20141018 osc tokyo2014講演(配布用)20141018 osc tokyo2014講演(配布用)
20141018 osc tokyo2014講演(配布用)
 

Dernier

Service-introduction-materials-misorae-leadership
Service-introduction-materials-misorae-leadershipService-introduction-materials-misorae-leadership
Service-introduction-materials-misorae-leadershipYasuyoshi Minehisa
 
物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす
物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす
物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こすMichael Rada
 
セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』
セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』
セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』Jun Chiba
 
202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)
202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)
202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)KayaSuetake1
 
UP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチ
UP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチUP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチ
UP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチユニパー株式会社
 
シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料
シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料
シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料シンフォニティ 株式会社
 
事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)
事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)
事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)YujiSakurai3
 
ストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdf
ストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdfストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdf
ストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdfmasakisaito12
 

Dernier (8)

Service-introduction-materials-misorae-leadership
Service-introduction-materials-misorae-leadershipService-introduction-materials-misorae-leadership
Service-introduction-materials-misorae-leadership
 
物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす
物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす
物流は成長の準備ができていますか? 警告 1 日あたり 1 章を超えて消費しないでください コンテンツが覚醒と変化への意志を引き起こす
 
セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』
セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』
セルフケア研修で使えるカードゲーム『攻略!きみのストレスを発見せよ!: ゲームで身につくストレスマネジメント』
 
202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)
202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)
202405_VISIONARYJAPAN_engineerteam_entrancebook(ver2.1)
 
UP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチ
UP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチUP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチ
UP103シリーズ パワーコメット ユニパー スライドレールタイプ 瓦揚げ機 ウインチ
 
シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料
シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料
シンフォニティ株式会社(SYMPHONITY , Inc.) 会社説明・人材採用資料
 
事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)
事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)
事例DBサービス紹介資料(Case Study DB service introduction)
 
ストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdf
ストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdfストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdf
ストックマーク株式会社がご提供しているAnews(エーニュース)概要紹介.pdf
 

IT Leaders 2012年5月号 No.43

  • 1.
  • 2. ご利用のお客様へ はじめにお読みください ∼「IT Leaders」電子雑誌版 ご利用案内 ∼ この度は、 IT 「 Leaders」電子雑誌版をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。本電子雑誌版のPDFファイル(以下「本PDFファイル」 の取り扱いに関し、 ) 以下の とおりご案内いたします。 ● 本PDFファイル内の収録コンテンツについて 本PDFファイルに収録されたコンテンツ (情報 資料 画像等)以下 ・ ・ ( 「本コンテンツ」 は、 ) 無償又は有償で、株式会社インプレスビジネスメディア (以下「当社」 が認めた ) 方法に従ってのみご利用いただけます。本コンテンツは、利用者様ご本人の個人的な使用の目的でのみ利用することができるものとし、当社の事前の書面による承諾な く、企業内、店舗、 トなどにおいて特定または不特定の多数に利用させることのほか、 サイ 著作権法で認められている私的使用の範囲を超えて複製、貸与、公衆送信その 他の利用をすることはできません。 ● ご利用方法 本PDFファイルはAdobe Acrobat 9 PROで作成しています。Adobe Reader 7以上、および同バージョン以上のPDFファイル閲覧に対応した電子書籍端末などで ご利用ください。 本PDFファイルは、 ダウンロードいただいた利用者様ご本人のみがご利用いただけます。企業内での複数名による本PDFファイルのご利用については、別途有料サー ビスとしてご提供させていただきます。詳しくは当社までお問い合わせください。 ● 広告ページについて 本 PDFファイルには、紙媒体の雑誌版 IT Leaders 」 「 に掲載されている広告ページのうち、 都合により一部を収録していない場合があります。 (広告目次 AD 「 INDEX」 雑誌版掲載のままとしています) また、 は、 。 紙媒体の雑誌版 IT Leaders」 「 と一部掲載の構成が異なる場合があります。これらにより、見開きレイアウトで画面表 示した場合、 紙媒体の雑誌版 IT Leaders」 「 と異なる画面表示がなされる場合があります。 予めご了承ください。 ● 著作権 本コンテンツの著作権は、当社又は当該コンテンツの著作権者に帰属し、許可なく複製、転用、販売、蓄積等著作権法で認められている私的使用の範囲を超えて利用 することはできません。また、本コンテンツの内容を変形、変更、加筆、修正等することは一切できません。 ● 商標などについて 本コンテンツに含まれる商標、 ロゴ等は、当社または当該商標、 ロゴ等の商標権者の商標です。本コンテンツには、 マークまたは®マークは明記していません。 TM これら を私的使用以外の目的で無断に利用することはできません。 ● 免責事項 当社は、本コンテンツの内容について、妥当性や正確性について保証せず、一切の責任を負いません。また、本コンテンツの利用にあたり生じたいかなる損害について も、当社は一切の責任を負いません。本コンテンツをご覧いただくためのアプリケーション等のインストールに必要な接続等の費用は、利用者の自己負担で行うものとし ます。 本コンテンツやURLは、予告なしに変更または中止されることがあります。当社は、本コンテンツの変更、追加、中断または終了によって生じるいかなる損害について も責任を負いません。 IT Leaders 読者センター フリーダイヤル 0120-511-585 平日 10 時∼18 時 (土日祝日を除く) : E-MAIL customer-it@impressbm.co.jp 東京都千代田区三番町 20 番地 〒102-0075
  • 3.
  • 4.
  • 5. 05 2012 No.43 月 号 C O N T E N T S 今月の表紙 [ 東京スカイツリー ] [特集] 企業 ITに浸透するOSS 日本の新たなランドマーク。高さは 634m 9 10 Part 1 存在感増す ープ ソ ソ ト オ ン ース フ 12 Part 2 CIO、 ナ ス な が議論す ア リト ど るOSSの可能性 16 Part 3 ク ウ ラ ドや運用管理に で勢力圏が拡大 ま 20 Part 4 目利 のポ ン と き イ ト 利用時の留意点 23 Part 5 保守サポー サー スの最新動向 ト ビ [事例] 30 ザ・プロジェクト[日本たばこ産業] 自社設備にベ ダー所有の機器を設置 ン 従量課金モデルでコ ト ス 最適化を図る [グローバルレポー ] ト 34 デル/企業買収戦略 & 中国工場探訪記 イ フ テ ア/韓国−保寧製薬グループと ン ォリ の協業 [イ ン レポー ] ベ ト ト 38 データ ジメ ト2012 マネ ン [最前線] 52 ビ グデータを生かすための ッ 組織体制 人材の戦略的な整備のあ 方 と り [プロ ト ダク &サービス] 56 製品サーベイ PC の画面と手書き文字情報を共有する電子黒板 60 マンスリーウォ ッチ 日本 IBM / PureSystems ほか 69 ニュースフラッシュ 今月のユーザー事例&注目製品 [コ ム] ラ 6 About This Issue 注目 れるIT 人材育成の方向性 さ 7 木内里美の是正勧告 モバイ ル考察、 BYODに向け仕組み作 を り! 71 マーケティング志向で行こう ! 自 メ ィ ら デ アを作っ し う て ま 企業が増え き と ま ? て た 思い せん 72 シリコンバレー最前線 50 年かけて根付いた起業文化、 活発な“新陳代謝” が繁栄のエ ジ ン ン 74 データは語る 今月のテーマ :東日本大震災以降のDR/BCPの実施状況 78 足立治男の中国電脳事情 市場規模 6 兆元を背景に電子商取引の法整備へ ほか 79 私の本棚 ゴルフ ジ ス ダイ ェ ト・オ イ 志賀 智之 氏 ンラ ン 76 読者の声/編集後記
  • 6.
  • 7. 05 2012 No.43 May Photo of The Month [ Tokyo Sky Tree ] COVER STORY A New Landmark of Tokyo, Japan. Boasting a Height of 634m 9 Open Source Software Enters the Enterprise CASE STUDIES 30 JapanTobacco inc. Partnering to Build a New Private Cloud GLOBAL REPORT 34 Dell: M&A Stragegy Infoteria: Start Business in Korea Event report 38 Data Management 2012 CUTTING EDGE 52 The Right People and Organizations for the Age of Big Data PRODUCTS & SERVICES 56 Survey : Interactive White Board 60 Monthly Watch : IBM PureSystems etc. 69 News Digest COLUMN 7 Expert Advice Thinking about the Need for BYOD 71 Get Marketing! Owned Media Today 72 From Silicon Valley Who's Who in the Start-up Community 74 Data Speaks Disaster Recovery / Business Continuity Plan 78 Computer Tech in China Getting Serious about Legal Systems for e-Commerce 79 My Reading List Tomoyuki Shiga; Golf Digest Online Inc. 6 From the Editor in Chief 76 Readers’ Voice & Editors’ Notes AD Index [ア] [ハ] アイエスエイ……………………………………………………… P55 日立製作所 ……………………………………………………… 表4 インターコ ……………………………………………表 2 見開 ム き ヴイエムウェア…………………………………………………… P8 [ラ] レ ドハ ト ………………………………………………………… P26 ッ ッ [サ] さ ら ンターネ ト……………………………………………… 表 3 くイ ッ [ワ] ワ セ ・ フ ウ ア テ ノ ジー…………………… P3 ッ イソトェ ・ クロ [ナ] 日本マ ク ソ ト ………………………………… P28 〜 P29 イロ フ
  • 8. 新刊 IT Leaders別冊 モチベーションを科学する 総集編 電子版 大塚 雅樹 著 (電子版 500円)/全55ページ IT Leaders創刊号 2008年10月号) 1年間にわたり連載された ( から 「モチベー ションを科学する」の総集編です。連載時、 モチベーションズ代表取締役社 JTB 長を務めていた著者により、モチベーションの「正体」を正しく理解して、その向 上と維持に取り組むための様々な提案が盛り込まれた人気連載コラムを総集編 としてまとめました。 業界で働く方に限らず、 IT 組織のモチベーションを高めた い、維持したい、そして組織を成長させたいと思うビジネスパーソンにお勧めい たします。 「やる気の要因」 やる気の維持」 そのための動機付け、 、 「 、 組織やチー ムとしての成長へ結び付けるためのヒントが満載された一冊です。 ご購入はマガストアで ➡ http://www.magastore.jp/product/5330 IT Leadersの人気連載が総集編にな ま た りし! iPad/iPhone Android PC WEBでお読みいただける電子版です ・ ・ ・ 新刊 IT Leaders別冊 元気の出るIT読本 「木内里美の是正勧告」総集編 電子版 木内 里美 著 (電子版 500円)/全42ページ IT Leaders創刊号より連載されているIT関連コラムの総集編です。現在、大成 ロテック監査役として活躍されている筆者は、長期にわたり大成建設の情報化 へ取り組んできました。その豊富な経験の中から、情報システムに関連した「何 か変? 」な部分を追求し、その是正勧告をまとめた総集編です。ある時は辛口コ メントを、またある時は叱咤激励を。根底にあるのは、ユーザー企業自身が自己 責任で賢く行動せよ、 との強い思いです (本書には、 Leaders 2008年10月号 IT [創刊号] 2011年12月号掲載分までを収録しました) から 。 ご購入はマガストアで ➡ http://www.magastore.jp/product/4951 マーケティング局 : TEL 03-5275-9040 : FAX 03-5275-8089 : E-mail customer@impressbm.co.jp 東京都千代田区三番町 20 番地 〒102-0075
  • 9. About this Issue 2012 年 5 月号 No.43 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( ) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 注 視すべきI T人材 育成の方 向 性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. 今日の企業 IT において、 人材の IT 実用的であること。経産省 WG の議論 リンタやカッティングマシンを誰もが . .............. 重要性は言うまでもない。だから高度 との関係で言えば、有識者や専門家が 利用できるようにした工房で、世界 20 . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. な人材を育成する環境や枠組みが必 意見を出し合って理想的な人材モデ カ国 50 カ所以上に展開している(日 . .............. . .............. . . .............. .............. 須である。人事や評価、教育などの制 ルを追求するだけではなく、現場の知 本には 2 カ所) FabLab と企業 IT と 。 . .............. 度を見直すと同時に、求められる IT 見を取り込むアプローチが必要では、 の関連は薄いが、DIY は企業 IT を取 . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. 人材像を可視化 / 定義するといったこ ということだ。い ず れ に せよ ITSS、 り巻くトレンドの 1 つになるかも知れ . .............. . .............. . . .............. .............. とだ。 UISS の改訂は重要なだけに、今後も ない。 . .............. 後者に関して、日本にはベンダーの ウォッチし、本誌でも取り上げていく . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. IT 技 術 者 向 け の「IT ス キ ル 標 準 方針である。 . .............. . .............. . . .............. .............. (ITSS)、 」 ユーザー企業のシステム担 . .............. 当者向 け の「 ユ ー ザ ー ス キ ル 標 準 「2012 年 2 月期 の 売 上 高 は 11 億 . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. (UISS) が存在する。 」 だがこれらは委 3000 万ドル。オープンソースの専門企 . .............. . .............. . . .............. .............. 託開発を前提に 2000 年代前半に策定 3月から 4 月初旬にかけて、ハード 業として世界で初めて売上高 10 億ド . .............. された人材モデル。必ずしも、その後 ウェア分野で様々な動きがあった。ク (レッドハット日本法人 ルを達成した」 . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. の変化に追従できているわけではな ラウドと連携させ運用管理性を高めた 。 の廣川裕司社長) この言葉を引くまで . .............. . .............. . . .............. .............. い。例えば 情報 セキュリティエキス IA サーバー(日本 HP) 企業向けの超 、 もなくオープンソースソフト(OSS)の . .............. パートや、データアーキテクトといっ 小型 PC(レノボ) 大手メーカーの6分 、 勢いが目覚ましい。特にクラウド関連 . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. た人材/役割モデルは、定義されて の1の価格がウリで OpenFlow 対応の など先端領域がそうで、 月号で特集 3 . .............. . .............. . . .............. .............. いない。 L3 スイッチ(NCL コミュニケーショ した Hadoopもその 1 つだ。 . .............. そこでスキル標準を所管する経済産 ン) 専門家や実務のノウハウで選択・ 、 一方、何が何でもOSS を使うべきと . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. 業省は 2012 年 3 月、産業構造審議会・ 設置作業を大幅に効率化する“ 新世代 いう話ではない。システム費用に占め . .............. . .............. . . .............. .............. 情報経済分科会・人材育成ワーキング の ” サーバー(日本 IBM)などである。 るソフトのライセンス費用は必ずしも . .............. ループ(WG)を設置。高度 IT人材に関 ソフトやサービスに関心が集中する中 大きくないし、OSS であってもサポート . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. わる議論を開始した(第 1 回の議論は で、どっこい ハードも工夫 の 余地が 費用は必要。費用面ばかりに着目する . .............. . .............. . . .............. .............. http://www.meti.go.jp/committee/ 多々あることを示している。 のではなく、むしろ機能やユーザービ . .............. sankoushin/jouhoukeizai/jinzai/001_ 「“The do-it-yourself economy”、い リティを評価し、OSSと商用ソフトを . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. haifu.htmlを参照) 。 よいよ本格化」と題した IT Leaders 適材適所で利用するのがいいと本誌は . .............. . .............. . . .............. .............. 同時期に、ある会合で 外資系製薬 Live の第 36 回は、このような動きを捉 考えている。 . .............. 会社における情報システム担当者の えたものだ。電化製品を DIY で作れる この見方が正しいとして、それでは . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. 人材(ロー ル)モデ ルを聞く機会も よう、部品を販売する企業や関連サー 今、OSS はどこまで広がっているのか、 . .............. . .............. . . .............. .............. あった。この会社では、情シス担当者 ビス企業が登場していることや、モデ 商用ソフトと同等のスタンスで 使え . .............. のためだけに 20 の職務を用意し、それ リングデータを送ると 3D プリンタで る、いわゆる「商用 OSS」にはどんなも . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. ぞれに詳細な定義と 3 段階のレベル 製造するサービス、あるいはそれを販 のがあるのか。OSS の “ 定点観測 ”を試 . .............. . .............. . . .............. .............. を規定。育成やアサイン、評価に活用 売するマーケットプレイスが生まれて みたのが、本号特集である。筆者の感 . .............. しているという。そうした見聞から感 いること、などを紹介している。 想を言えば、日本製が少ないのが残念 . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. じるのは、まずは具体案を作成し、そ そんな 1 つが FabLab。読者は名前 だが、想像を上回って多様化している。 . .............. . .............. . . .............. .............. れを改善、チューニングしていく方が を聞いたことがあるだろうか? 3D プ ご一読いただきたい。 . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . . .............. .............. 6 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ . .............. . .............. . .............. . .............. . .............. . ..............
  • 10. S a t o m i K i u c h i ' s Y e l l o w C a r d 進 割は、いろいろな切り口で語られ 化し続けるIT の本質や価値、役 は常々感じている。 つながり、諸外国との間に追いつけない 差が生じてしまわないのか? てきた。科学技術は人類の生活に役立 PC 持ち出し禁止の “ 愚 ” そんな心配をしていたら、世の中の方 ち、生活を豊かにし、人々に幸福感や満 筆者は常に PCを持ち歩いている。出 が先に動き出してきた。スマートデバイ 足感を与えるものでなければならない。 歩くことが多いので、モバイル環境があ スの爆発的な普及である。コンシュー しかし科学技術が高度化し複雑になる 「後で」が ればどこでも仕事が出来る。 マばかりでなくプロシューマの心も捉 に伴って生活環境を変え、その影響を 「その場で」に替わり、処理効率が飛躍 えたスマートデバイスが、仕事に使われ 受ける人々が必ずしもハッピーではな 的に向上する。帰社後とか翌日に事務 だすのはそう遠くない。企業は持ち出し い現象も起こる。 所で処理をしていたら、本来の仕事に 禁止どころか、私物解禁を余儀なくされ 病から人を救うことを目的として開発 時間を割けなくなる。 るだろう。 される薬には、少なからず薬害がある。 ところが今でも日本企業の 7 割が PC 農作物の収穫を上げ、豊かさを求める これからの理想のモバイル ための化学肥料も同じだ。肥料依存で タブレットやスマートフォンは携帯 [ COLUMN ] 脆弱になった作物を農薬で守る農法が 電話とは違い、機能面ではパソコンに 食の安全を問われている。医療も農業 木内里美の 近い。私物であっても仕事にも使いたく も原子力発電の問題も、利害得失を伴 是正勧告 なるのは当然だ。これを管理面から規 いながら、創りだすのもそれをコント 制することばかり考えないで、活用面か ロールするのも科学技術であり、人で vol.43 ら考えるべきだろう。私物解禁とはいわ あるところに特徴がある。 モバイル考察 ゆるBYOD(Bring Your Own Device) BYODに向け仕組み作りを! である。今までの管理概念からすれば 現場で働く人の ITとは? 木内 里美 あり得ないかもしれない。 企業の ITは活動の効率を追求し、事 大成ロテック監査役。1969 年に大成建設に入社。土木 7 割の企業が PC の持ち出しさえ禁じ 設計部門で港湾などの設計に携わった後、2001 年に情 業の生産性や利益を高める道具として 報企画部長に就任。以来、大成建設の情報化を率いて ていることからみても、社内では侃々 きた。講演や行政機関の委員を多数こなすなど、CIOと 使われてきた。確かに日々の業務効率 して情報発信・啓蒙活動に取り組む 諤々の議論が起こるかもしれない。セ は格段に上がっているが、働く人々が キュリティと管理が複雑になって難し ハッピーかははなはだ怪しい。製造業 いからだ。 資産管理の概念も変えな IT にしろ、流通業にしろ、サービス業にし の持ち出しを禁じているという調査結 ければならない。それでもこの流れは止 ろ、多くの労働者はフィールドで活動し 果がある。大手の情報サービス会社で まらないと思う。現場のユーザーが切望 ている。本当に現場で働く人の IT に さえ PC の持ち出しを禁止している。盗 するからだ。リスクはあるだろうが、科 なっているのかは疑わしい。 難や紛失による情報漏洩などセキュリ 学技術のリスクは人の知恵が解決する 効率化された業務処理の一方で、な ティ問題を懸念しての措置だ。 べきもの。ユーザーが積極的に活用ス IT ぜか忙しさも増えている。 を使って この話を聞くたびに「活用」 「管理」 と タイルを考え、システム部門が技術的 いるのか、ITに使われているのか定か が逆転していることに強い違和感を覚 な解決を模索し、確立することが大切 でない。帰社してから残業で入力や管 えてきた。管理面から見れば、一律に だ。解決策も見えてきている。 理業務をしていたりする。サテライトオ PC の持ち出しを禁じたほうが楽だとい 理想のモバイルは、社内外に関わり フィスやホームオフィスは実現可能で 「活用」 う発想なのだ。 を前提にしてセ なくクラウド様態の仕組みから優れた あっても、未だ試行の域は出ていない。 キュリティの最適化を図るのがシステ ユーザーインタフェースを介して、どこ 直行直帰を含むワークスタイルの変革 ム部門の「管理」の役割ではないのか? からでもストレスなく必要な業務処理 も進んでいない。変革の1 つのキーワー このような発想ではホワイトカラーの生 などが出来ることだろう。さあ、仕事を ドが、モバイル活用ではないかと筆者 産性の差が企業活動や産業活動の差に 終えて今日は飲みにいこう! [最新刊]本コラムの総集編「元気の出るIT読本」 電子版)マガス ( トアにて発売中 ➡http://www.magastore.jp/product/4951 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 7
  • 11.
  • 12. C O N T E N T S PART 1 OSSを起点に始まった変化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . p10 PART 2 O p e n S o u r c e S o f t w a r e 座談会:OSS 活用の道筋を探る . . . . . . . . . . . . . . . . . . p12 PART 3 鳥瞰図で見るOSS のカバー範囲 . . . . . . . . . . . . . . . . . . p16 PART 4 押さえておきたい留意点 p20 ............................ PART 5 充実する保守サポートサービス. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . p23 広 が る ソ フ ト ウ ェ ア の 選 択 肢 企業 IT に 浸透 する オープンソース ソト フ 企業 ITにおけるオープンソースソフ (OSS) ト の適用範囲は、今や OS や データベースに ど らず、 とま 業務アプリケーシ ンやオフ スソフ ョ ィ トへと広がっ ている。品質向上や機能拡充、サポートサービスの充実に伴って国内外 で大規模な導入事例が増加。 う こ した好循環を背景に、企業 IT へ着実に 浸透し始めた OSS の現在を総ざらいする。 [栗原 雅/緒方 啓吾] │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 9
  • 13. ン ト ロ ダ ク シ ョ ン 存在感増すオープンソースソフト OSからアプリまで採用の動き広がる もはや 、オープンソースソフト OSS )なしに企 業 I T は 考 えら れな い 。 ( そういっても 過 言 で はな い ほど、OS S は 情 報システム に深く浸 透してきた 。 万 能 で はな い が 、利 用 企 業 が 増 えるにつ れて 確 実に品 質 向 上や 、品 ぞろえの 拡 充 が 進 ん で いる。 栗原 雅(編 集 部) 企 業 I T の 中 核 技 術 の 1 つとして 、OSS の 現 状 を 把 握して おく意 義 は 決して小さくな い 。 商用 OSの対抗馬としてLinuxが 脚 が 1000 人以下のユーザー企業の中に 士通、NTTデータは自社製品 のコア 光を浴 びるようになってから10 余年。 は、グループウェアやeラーニング、 ワー 機能として取り込み、商用ソフトやア オープンソースソフト(OSS)は、かつ クフロー管理、営業支援などのシステ プライアンス製品として販売している。 て商用ソフトほぼ 一色だった企業 IT ムをOSSで構築しているところもある。 このように、世界中の腕利き技術者 の姿を変えてきた。東京証券取引所の が開発に携わるOSSは、ときに既存の 株式売買システム「arrowhead」をは 商 用ソフトの 代 替 品 から 商用ソフトには難しい機能を実現する。 じめとするミッションクリティカルシス 比 類 なき機 能 の 実 現 へ 不具合修正 や 機能拡張、周辺機能開 テムでの 利用例が 珍 しくなくなった 発のエコシステムが 急ピッチで整い、 Linuxは言うに及ばず、データベース ここ2 〜 3 年、企業 ITにおいてOSS 品質や使い勝手が短期間で向上する やアプリケーションサーバー、サーバー は 急速に存在感を増してきた。 つの 1 OSSも少なくない。加えて、システム導 仮想化にOSSを活用する動きも、企業 理由は、ベンダーが開発した商用ソフ 入から運用まで、ユーザー企業のOSS 規模を問わず広がっている。用途に応 トに類を見ないOSSの登場だ。 活用を支援するサポートサービスも充 じて、OSSの 提供からサポートまでを 商用ソフトの代替品という色合いが 実してきた。 手がけるベンダーが 登場したこともこ 濃かった従来は、OSSが商用ソフト向 機能や品質、使い勝手、サポートの の動きを後押ししている。 けの接続機能などを用意するのが一般 面で「商用ソフトとOSSの 垣根 はなく 本誌読者を対象に 2012 年 3 月に実 的だった。しかし、最近は商用ソフトが なってきた 」日本 OSS推進フォーラム ( 施した調査では、ユーザー企業に所属 OSSの機能を取り込んだり、OSS向け の要職を務めるNTTデータ 基盤シス する読者の有効回答 364 件のうち、52% のコネクタを搭載 するという「ある種 テム事業本部の濵野賢一朗シニアエキ がOSSを利用しているとした(図 1-1) 。 の逆転現象が当たり前にみられるよう 。 スパート)もはや、企業 ITにOSSを採 そのうち6 割以上 がOSに、 割以上 が 5 になってきた 」 (OS S 創成期 から日本 用することは特別なチャレンジではない。 データベースにOS Sを採用している。 OSS推進フォーラムの要職に就いてき 以下、IT先進企業のOSSに対するス 興味深いのは、基盤系のソフト以外 た日立製作所 事業戦略本部 OSS推進 タンスをパート2で紹介する。続くパー でもOSSの採用が進みつつある点であ センタの橋本尚 主任技師) 。 ト3ではユーザー認証基盤や運用管理、 る。Linuxなどに比べて件数こそ少な 代表例 がOSSの大規模分散データ 業務 アプリケーションへと 拡大 する いが、OSSを「利用している」と回答し 処理基盤「Hadoop」である。高い拡張 OSSの全体像を鳥瞰図で示す。パート た190 件のうち15%以上が、アクセス 性を持ってテラバイト級やペタバイト 4 では目利きのポイントなどOSSを利 ログ 解析や運用管理にO S Sを用いて 級のビッグデータの管理 /活用を可能 用する際の留意点を、パート5 で国内 いる実態が明らかになった。従業員数 にする。そんなHadoopを米 IB Mや富 のOSSサポートサービスをまとめる。 10 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
  • 14. 特 集:企業 I T に 浸 透するOS S A   OS/ ミドルウェア OS 26 37 23 31 データベース 17 29 18 31 仮想化ソフト 12 17 11 15 アプリケーションサーバー 5 12 10 21 EAI や ESB などのミドルウェア 1 4 2 3 0 20 40 60 80 100 (件) 120 B  システム構築 Web 構築関連ソフト 5 16 11 12 (インターネット関連) 設計・開発ソフト 3 11 4 7 プロジェクト管理ソフト 6 10 3 3 コンテンツ管理ソフト 3 3 3 4 (インターネット関連) EC サイト /EDI システム構築 2 4 2 ソフト(インターネット関連) 0 10 20 30 40 (件) 50 C  運用 / セキュリティ D  情報共有 / 情報活用 アクセスログ解析ソフト グループウェア / 6 15 4 11 8 12 5 7 (インターネット関連) メールソフト 教育 / 運用管理ソフト 3 14 5 10 4 8 3 1 e ラーニングソフト ナレッジマネジメント セキュリティ関連ソフト 3 7 2 1 3 7 2 3 ソフト (ビジネスインテリ BI 1 21 3 ジェンス)ソフト 0 5 10 15 20 25 30 (件) 35 40 0 10 20 30 (件) 40 E  業務アプリケーション ワークフロー管理ソフト 3 5 1 営業支援ソフト 4 3 文書管理ソフト 2 3 1 財務・会計ソフト 2 2 1 1 顧客管理ソフト 3 2 地理情報活用ソフト 2 2 ERP パッケージ 1 2 1 販売・在庫管理ソフト 2 1 0 2 4 6 8 (件) 10 従業員数の規模 100 人以    101 人∼ 1000 人    1001 人∼ 3000 人    3001 人以上 図 1-1 ユーザー企業におけるオープンソースソフトの利用実態 2012 年 3 月 14 日 ~21日にかけて、 IT Leaders 読者を対象に Web サイトで調査を 実施。有効回答の中から IT サービス事業者の回答を除き、ユーザー企業のみの調査結果を作成した。ユーザー企業のみの有効回答数は 364 件。このうち 190 人が何らかのオープンソースを「利用している」と回答。分野ごとのスケール が異なる点に注意してほしい │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 11
  • 15. オ ー プ ン ソ ー ス 座 談 会 今、 改めてOS Sと向き合 い 企 業 I T での活 用可能 性を探る 大 規 模 分 散 デ ータ 処 理 基 盤「 Hadoop 」を例に出 すま で も なく、 オープンソー スソフト OSS )の 存 在 感 は日 増しに高 まって いる。 ( OSS とどう向き合うの が 、ユ ー ザ ー 企 業とベンダー の 双 方にとって 得 策 か 。 聞 き 手 は 本 誌 編 集 長・田 口 潤 P h o t o:的 野 弘 路 ユ ー ザ ー 企 業 の I T 責 任 者 、ベンダー の OSS 推 進 責 任 者 、アナリスト に話を聞 い た 。 ─ 本日はユーザー企業のI Tリーダーや 寺嶋:そうそう、パートナーを使いなが クライアントや サーバー、アプリケー アナリストなど、異なる立場の方々に らも内製してますよね。 ションといった分野ごとに部会を設け お集まりいただき、OSS(オープンソー ─ JFEスチールも 積水化学も日本企 て、OSS活用の環境整備を進めていま スソフト)の活用状況や活用に向けた 業だけれど、 Tは欧米風? I す。 課題などを議論します。初対面の方も 一同: (笑) ─ 中国や韓国とも協調したり、国への いらっしゃると思いますので、まずは自 ─ 冗談はさておき、甲元さん、お願い 提言をまとめたりしている? 己紹介から。 FEスチールの原田さん J します。 吉田:おっしゃる通りです。 S の 普 OS からお願いします。 甲元:私 が 勤務しているアイ・ティ・ 及に貢献した技術者を表彰する制度 原田:原田です。弊社は川崎製鉄と日 アール T R) (I は、ベンダー独立 のIT なども手掛けています。私自身は富士 本鋼管が 経営統合して誕生しました。 調査会社で、ユーザー企業に限ると年 通のプラットフォーム技術本部の所属 統合に当たって基幹系システムをJava 間 200 社〜 300 社とお付き合いしてい で、 S Sを 用 いた システム 構築 プロ O で開発しました。私は川崎製鉄側のIT ます。本日は数々の調査の中で浮かび ジェクトの技術支援をしています。 担当としてそのプロジェクトに参画し、 上がってきた平均的なユーザー企業の 主に基盤の担当をしてきました。 年前 2 状況をお話しできると思います。 是 是 非 非 でO S S 採 用を 判断 からIT部門を統括しています。 ─ ITRに入る前は,どんな仕事を? それ が ユーザーのスタンス 寺嶋:積水化学工業の寺嶋です。情報 甲元:4 年前までは 三菱 マテリアルの 報 システム 子会社 でシステム 開発 に 情報システム 部門で、グループ I T 戦 ─ 早速、本題に入りましょう。最初に 携わり、2000 年から全社のIT戦略を 略の立案やサプライチェーン改革を推 原田さんと寺嶋さん、両社 のO SSに 担当しています。多くのシステムはパッ 進していました。三菱マテリアルもシス 対するスタンスをうかがいたいと思い ケージを使わず、ごりごりプログラム テムを手作りする風土があって、OSS ます。 を書いて自社開発しています。 も各種使ってきた経験があります。 原田:弊社は必ずしもOSSを積極的に ─ 最 近 の日本企業の中では、変わっ ─ 最後に吉田さん、よろしく。 活用しているわけではなく、かといって た存在ですね(笑) 。 吉田:本日は日本 OSS推進フォーラム 否定的に見ているわけでもありません。 甲元:でも素晴らしいです。欧米 の企 の立場で参りました、吉田と申します。 OSSはベンダーによる囲い込みを回避 業はパッケージソフトを使って短期間 このフォーラムは、OSSを活用して日 する手段の1つだと捉えていて、システ でシステムをリリースしているという話 本の企業力を高める目的で国内の大 ムのコストパフォーマンスが高まるなら が注目されますが、実は自社開発も相 手ベンダーが集まり、経済産業省と総 使えるところは使うというスタンスです。 当やっているんです。 務省の後援で 2004 年に発足しました。 寺嶋:私どもも似たような考え方です 12 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
  • 16. 特 集:企業 I T に 浸 透するOS S ね。いわば是是非非でOSSを使うかど うかを判断しています。 ─ 現時点で、どんなシステムに使って いますか。 寺嶋:情報系システムには、随分とOSS を利用しています。関連会社を含めて システムの利用対象を広げようとする (商用ソフトやアウトソーシングで と、 は)どうしてもコストが膨らむでしょう。 ですから「グーグルのようなシステムを 開発して社内に展開しようか」と言っ て、メールシステムやグループウェア を作ってしまったのです。 ─ Linuxや「Sendmail」などのOSS 原田 敬太 氏 寺嶋 一郎 氏 J F E スチール 積水化学工業 で? I T 改革推進部長 コーポレート 情 報 システムグループ 長 寺嶋:ええ。IMAPサーバーやLDAP 1982 年 4 月、川崎製鉄に入社。同社の水 1979 年 4 月に積水化学工業に入社し、生 サーバー、DNSサーバーはもちろん、負 島製鉄所システム室長を務める。日本鋼管 産技術部において制御系システム や生産管 との 合併 で 2003 年 4 月 に JFE ス チ ー ル 理システムを開発。その後、積水化学工業 荷分散やウイルスチェックの仕組みも が誕生した後、I T 改革推進部基盤グループ の情報子会社アイザックで住宅事業向けエ OSSで自前で用意しています。 長として基幹系システム の統合プロジェクト キスパートシステム の開発などを推進する。 に参画。リーダーとして 新基幹系システム 2000 年 6 月、積水化学工業の情報システ ─ 業務系はいかがですか。 「J-Smile」のインフラ設計や構築をけん引 ム 部長に就任。組織改変により、2007 年 寺嶋:業務系ですと、例えばプログラ してきた。2011 年 4 月より現職 4 月から現職 ムのバージョン管理にOSSを使ってき ました。今はネットワークやサーバーの 統合監視システムを、商用のパッケー 原田:最近、 パソコンのOSを「Windows の導入を進めようと考えていました。と ジソフトからOSSの「Zabbix」に大規 XP」から「同 7」に上げるに当たり、オ ころが サン・マイクロシステムズがオ 模に切り替えよう しているところです。 と フィスソフトもマイクロソフト製品から ラクルに買収された後、混乱している ─ JFEスチールの状況はどうでしょう。 「LibreOffice」というOSSに切り替え 様子でしょう。バージョンアップを含め 原田:お話したように基幹系をJavaで る方針を固めたところです。経緯をお て将来性が不透明になった印象がある 開発しているのですが、開発フレーム 話すると、現状の「Microsoft Office ので、どうしようか悩んでいるんです。 ワークに「Struts」を活用しています。 2000」 「同 2010」 から にバージョンアッ ─ そのあたり日本 OSS推進フォーラム この座談会に出席するにあたって、改 プするか、あるいは他の選択肢がある では、どう捉えているのですか。 めて調べたところメーラーの「Thun- のかを社内で議論したんですよ。使い 吉田:確かに迷走しているという話は derbird」やデータベースの「Postgr- 勝手は当然として、既存のドキュメン あります。当フォーラムでも2011年 3月 eSQL」 「MySQL」など色々と出てきま ト資産を問題なく使えるか、文書を社 11日の震災後、CD-ROMなどを使って した。 外と交換したときに問題が生じないか OpenOfficeを被災地域に配布する取 などを検証したうえで、OSSの採用を り組みをしていたんですが、現在はLi- オフィス 製 品も新手 の O S Sで 決めました。 breOfficeに切り替えています。 フォントの互 換 性 に 関 心 寺嶋:オフィスソフトに関しては、弊社 ─ 簡単に言うと、OpenOfficeの開発 もしばらく前にOSSに切り替える方針 メンバーが別れて作ったのがLibreOf- ─ 情報系では使っていない? を立てて、関連会社から「OpenOffice」 ficeですね。 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 13
  • 17. るんです。 甲元:そうです。 「実施している」 「拡張 吉田:IPA(情報処理推進機構)がフォ している」 計画している」 「 を含め、前 ントを無償で公開しているので、各社 向きにOSSの活用に取り組んでいる企 が使い始めればフォントの問題はクリ 業の割合が、クラウドより多いという結 アできるはずなんですが、時間がかかる 果です。 でしょう。 品質の 懸念 は 着実に 解消 O S S 活用の 取り組み 状況 知財もO S Sの 障壁 にあらず 欧 米では 3 年前 からトップに ─ 少し話を進めます。東京証券取引所 ─ その差は、どこから来るんでしょう。 の基幹システムが Linuxベースである 技術力、知的財産 やライセンス 問題、 ことや、例えば日産自動車がほぼ全面 品質、 あるいは語学力のいずれかなんで 甲元 宏明 氏 的にOSSを採用することは、よく知ら しょうか。それとも複合要因でしょうか。 アイ・ティ・アール シニア・アナリスト れています。もちろんそれ一色ではなく 寺嶋:OSSの各種コミュニティで交わ 三菱マテリアル にてサプライチェーン改革 て商用ソフトやサービスと組み合わせ されている情報は量が多く、しかも英 やグループ IT 戦略の立案を主導してきた。 てのことですが、OSSは企業に浸透し 語。その点は壁と言えばそうかも知れ 欧州企業との 合弁事業 で はグロ ー バ ル IT 責任者として欧州・北米・アジアを統括し、 ているかに思えます。甲元さん、実際の ません。でも品質に関しては、ソースの ERP の 展開 などを 実施。2007 年 から 現 ところどうなのか、企業のOSS活用実 修正が必要になるようなバグに直面し 職。クラウドコンピューティング やスマート デバイス、オープンソースなど幅広い分野 態を教えてください。 たことは一度もありません。 を専門に動向を分析している 甲元:弊社 では、クラウドコンピュー 甲元:前職でOSSを使っていたときに ティングなど 企業 ITに関 する大きな 感じたのは、仮にバグが出ても修正に テーマを20 種類ほど挙げて、毎年ユー 要する時間が商用パッケージソフトよ 吉田:ええ。もちろん(読み取り可能な ザー企業の取り組み 状況を調査して り相対的に早いことです。商用のベン ファイル形式を拡張するなど)機能改 います。それを見ると、まったくといっ ダー製品だと最終的に開発元の対応を 良を加えて使い勝手を高めていますけ ていいほどOSSへの取り組みは盛り上 待たなければなりませんが、OSSはコ どね。 がってません。 年以上にわたって、 10 常 ミュニティに参加している多くの技術 ─ そういったある意味 の、“不安定さ” に下から3 分 の 1 付近を推移している 者が対応を考えますから。 がOSSの課題の 一つでしょうか? んです。原田さんと寺嶋さんの話をうか 吉田:利用者が多いソフトは、商用か 寺嶋:機能面もまだ 完璧とはいきませ がっていて、両社はかなり進んでいるな OSSかに関係なく品質が確実に高まる ん。例えばオフィスソフトのフォントに と感じています。 ものです。ライセンスについても、OSS ついて、OSSとマイクロソフト製品との ─ I TRは米フォレスター・リサーチと は種類が 多くて分かりにくいといった 互換性がもう少し高まったらいいんで 協業していますから、欧米の状況もご 指摘があるかもしれませんが、その点は すが。 存じだと思いますが。 商用も同じです。1つ違うのは、商用は ─ フォントですか? 甲元:結論から言えば、日本とはまるで 開発元や販売元に確認すればよいが、 吉田:Windows用フォントとの互換性 違います。当社で設定しているテーマ OSSは自らライセンスの内容を読む必 の問題です。 と幾分異なりますが、欧米では 3 年前 要がある点ぐらいではないですか。 寺嶋:互換性が低いからマイクロソフ からOSSへの取り組みがトップを維持 甲元:知財やライセンスが原因でOSS ト製品で 作成したドキュメントを、例 しています。 を採用しないユーザー企業がいるとは えばOpenOfficeで開くと表示が崩れ ─ クラウドよりも上位に来る? 聞いたことがありません。 14 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
  • 18. 特 集:企業 I T に 浸 透するOS S 寺嶋:実際、社内やグループ内で使う 普及させていく? 範囲においては、知財やライセンスが 吉田:まさに、そういうことです。寺嶋 問題になってくることは基本的にないで さんや原田さんのように先進的な考え しょう。 方のユーザーに相手にされなくなった ら、ベンダーはもはやそれまで。大手各 エコシステムの不備 が 社はそんな意識を持っていますから、社 O S S 普及 の足 かせに 内に組織を設けてOSSに取り組んで います。私がいる部門とは違いますが、 甲元:私は技術力というか、ユーザー企 商用ソフト部門も同じ考えだと思いま 業とベンダーのエコシステムが形成さ す。 れていないことが、 S Sの取り組 み 状 O 況に表れていると見ています。 O S S の本 質 を正しく見 極 め ─ 双方の関係がパートナーシップでは 一定のリスクを 負う覚 悟 を なく、単なる持たれ合いになってしまっ 吉田 正敏 氏 日 本 O S S 推 進 フォー ラム アプリケ ー ション 部 会 ているということですか。 原田: 「脱・ベンダー囲い込み 」の意 部 会 長(富 士 通 プラッ トフォーム 技 術 本 部 チーフ 甲元:持たれ 合いというより、相互不 識も、OSSの採用に大きく影響してい ストラテジスト) 1978 年 4 月、富士通 に 入社。ベクトル 型 信 になっているんです(笑) 。多くの るでしょう。最も楽なのはハードからソ ス パコン の OS 開発 などをけ ん 引した 後、 ユーザー企業はシステムインテグレー フトまでベンダーに丸投げすることで OSS 技術センターやトレーニングセンター の 設立を手掛けてきた。2005 年から日本 「高い タの価値を十分に認めないで、 すが、それではベンダー依存が強まっ OSS 推進フォーラム のアプリケーション部 からもっと安くならないか 」という注文 てしまう。結果として、高コストの状態 会長などの要職に就き、OSS ロードマップ ばかりつける。一方のベンダーは目の が 続くことになる。一方 で「脱・ベン の策定や Ruby アプリケーション の OSS 化 など、OSS の普及活動に従事している 前の利益ばかりを重視して、ユーザー ダー囲い込み 」だといって、適材適所 企業と10 年、 年の付き合いをしよう 20 でOSSや製品を組み合わせようとする と考えていない。最近は本当に短期的 と、問題が発生したときの切り分けな はあります(笑) 。 な売上と利益を重視する傾向が強い どを自ら手掛けなければなりません。そ ─ OSSを使ったシステムを提案する ですよ。 の覚悟をユーザー企業が持っているか と「OSSなら安くなるね、でも責任は ─ 吉田さん、フォーラムの立場を離れ どうかです。 取ってよ」と言われるようなことですか。 て、ベンダーとして反論を。 寺嶋:まったく同意です。OSSを使うな 吉田:そうなんです。メインフレーム並 一同: (笑) どして自社 でリスクテイキングするか みの対応を求められることも結構あっ 吉田:反論ではありませんが、少なくと らコストが下がるし、技術力もつくわけ て、正直なところO SSに手を出しにく も大手ベンダーからフォーラムに参加 で、丸投げしてリスクも負ってください くなるケースもあります(笑) OSSを検 。 しているメンバーについては、今のご指 となれば、当然コストも上がります。仮 討する企業は相応のリスクを自社で負 摘は必ずしも当てはまらないと言い切 にOSSを使ったとしてもね。ある程度の うところと、ほとんど負わない企業の二 れます。そもそもコストを抑えながらシ リスクを自社で負うスタンスは重要で 極化が著しく、中間層が少ないのが日 ステムを作るために、OSSを活用でき す。 本の現状です。 る環境を整える発想の持ち主の集ま 吉田:おふたりのようなリスクの捉え方 寺嶋:ユーザー企業もOSSの本質を理 りですから。 は、OSSを活用するのにとてもフィット 解しないといけません。どの程度が限界 ─ なるほど。お金をかけるところにはか するんです。ただ、ベンダーの立場でひ か、どういったリスクがあるかをしっか けるが、そうでないところはセーブして と言申し上げると、OSSを採用するシ り認識すれば、双方にとってOSSのメ システムを構築するノウハウを、広く ステム案件でもベンダーへの丸投げ感 リットが出てくるのでしょう。 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 15
  • 19. O S S 鳥 瞰 図 クラウドや 運 用管 理にまで O S Sの勢力圏 が 拡 大 Linux や Web/ アプリケ ーションサ ー バ ー から企 業に浸 透してきた OSS 。 最 近 で は、クラウド やビッグデ ータ などの OSS 発 の 新 技 術 はも ちろん 、 デ ータベ ース や 運 用 管 理 などにも 活 躍 の 範 囲を拡 大し続 けて いる。 緒方 啓 吾(編 集 部) 各 企 業 へ の 取 材 から見えてきた OSS の 動 向をまとめた 。 OSSと言えば、OSやミドルウェアが 質面は高くない”というイメージが強い 能になる。また、レッドハットは 2012 年 真っ先に思い浮かぶが、企業 ITで利 OSS。しかし、商用製品に肩を並べる 4 月に基幹システム向けのサポート強 用可能な範囲はさらに広がり続けてい までに成長した分野もある。その筆頭 化を発表。Red Hat Enterprise Linux る。動向に詳しい複数のベンダーの協 「信頼性やスケーラビ がLinuxである。 5と6の標準サポート期間を従来の7 年 力を得て、主要なOSSをピックアップ、 リティに課題があるとされた時代もあっ から10 年に延長した。 ジャンル別に整理したものが 18 ページ たが、最近は性能面を疑問視する声を の図 3- 1である。大量データの処理基 聞かなくなった 」ノベルの山崎正弘シ ( PostgreSQL 盤「Hadoop(詳しくは 弊誌 2012 年 3 。 ニアマネージャー) ベンダー・ロックイン 回避策として 月号参照) や、 」 スマートフォン向けOS 金融系の基幹システムでもLinuxの 注目度 が急上昇 「Android(同 2012 年1月号参照) な 」 採用が増えている。例えば、東京証券 どの 新技術 から、統合運用監視 やセ 取引所が 2010 年から運用を開始した 特定 のベンダーによるロックインを キュリティなど、企業 ITの安定稼動に 株式売買システム「arrowhead」では 回避 できる。 い 古 されたO S Sのメ 言 欠かせない技術まで、さまざまな分野 レッドハットのLinuxディストリビュー リットの1 つだが、データベースの分野 にOSSが進出していることがわかる。 ション「Red Hat Enterprise Linux」 ではようやく現実味を帯びてきたよう OSSに関する社内 SEからの問い合 を 選択。2011 年 11 月 には、東京三菱 だ。きっかけは、2011 年 11 月にオラク わせに対応する富士通の吉田正敏チー UFJ銀行がSOA基盤のOSとしてノベ ルが 実施した 保守 サポート料金 の改 フストラテジストは、 従来は、 「 Tomcat ルの「S U S E L i n u x E n t e r p r i s e 定。代替案を備えておくことが 必要と やMySQLなどの定番に問い合わせが Server」を採用したと発表した。 感じた企業が、特定企業に依存しない 集中していたが、最近は業務アプリか 各ディスビューターも製品の強化に RDBMS製品として「PostgreSQL」 らクラウドまで 多岐 にわたっている。 余念がない。ノベルは 2012 年 3 月に最 「この1 に注目する動きが活発化した。 OSSの裾野は 確実に広がった 」と述 新版の「SUSE Linux Enterprise 11 年で問い合わせがとにかく増えた。自 べる。以下、最近の動向を見ていく。 Service Pack 2」をリリース。OS上で 社でPostgre SQLを適用できる範囲 動くアプリケーションの安定性を維持 を把握したいという要望が多い」 NEC ( Linux したまま、カーネルを更新する開発手法 。 の井上浩弓事業部長代理) 企 業 I Tを支 える インフラに 「Forward Looking Development ここ数年で、PostgreSQLの性能が 基 幹 システムでの 導入事 例も Model」を採用した。ノベルが互換性 大幅に向上したことも、周囲の期待を を保証するサービスパックでカーネル 高めることに一役買っている。例えば、 “無料で利用できるが、性能面や品 を更新し、新機能を取り込むことが可 2008 年 2 月リリースのバージョン 8.3で 16 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │
  • 20. 特 集:企業 I T に 浸 透するOS S は「オートバキューム機能」を追加。処 の機能を備えており、SOAPやREST などの理由から、移行はあまり進んで 理性能維持のために不要になった更新 などのインターフェースを使って、デー こなかった。 「最近は慣れの問 しかし、 履歴のレコードを定期的に削除 する、 タを登録したり閲覧したりすることもで 題と割り切る企業が増えた。移行がた PostgreSQL固有の「バキューム」作 きる。すでに完成したソフトウェア使え めらわれるほどソフトウェアを使い込ん 業 を自動化した。また、2011 年 9 月リ ば、データモデルの設計 やコーディン でいる従業員は少ないという判断もあ リースのバージョン 9.1 では、データの グに頭を悩ませなくてもすむ。 るようだ 」 神谷氏) ( 。 保護機能を強化した。 「オラクルのよう 「商用製品と違ってコストが 掛 から に“痒いところに手が届く”とまではいか ず、改変が自由なのでモジュールとし T a l e n d 、O T R S ないが、基本機能やパフォーマンスは て使い勝手がよい。スクラッチ開発を データ統 合 や 運用管 理 など 遜色のない水準に到達している」アシ ( 効率化する手段として利用するケース 企 業 I Tならでは分野 にも進 出 。 ストの加藤義和部長) が増えた 」 野村総合研究所の寺田雄 ( 2011 年 4 月 には、 TTや日立製作 N 一グループマネージャー) 。 企業 ITの “ 縁 の下の力持ち”とも言 所、富士通、NECなど10 社が「Postgr- うべき分野でもOSSの存在感が増して eSQLエンタープライズコンソーシア O p e n O f f i c e . o r g 、L i b r e O f f i c e いる。例えば、仏タレンド社が提供す ム」を設立。啓蒙活動などを通して企 Of fce 20 03 サポート終了を機に る「Talend」 オープンソースのデー は、 業利用を後押しする。 O S Sへの 置き換 えも タ 統合 ツール。複数 のシステムから データを抽出したり、データフォーマッ SugarCRM 2014 年、Windows XPとMicrosoft トの統一や名寄せを行ったりする機能 他のシステムと組み合わせて使う Office 2003 のサポートが同時に終了 を備える。 開発 の 手間とコストを削減 する。バージョンアップにはライセンス 2007 年から提供を開始した後発製 に加えて、性能面の都合からPCも新 品ながら、ユーザーコミュニティからの OS やミドルウェアと比較すると、業 たに購入しなければならない可能性が 要望を積極的に吸い上げ、機能を急 務アプリケーションの分野では、OSS 高い。少しでもコストを軽減しようと、 速に充実させてきた。例えば、ERPや の普及にまだ時間が 掛かりそうだ。例 オフィススイートに着目する企業が 増 データベースからデータを取得するた えば、国内で比較的知名度の高い顧客 「この1、 年で導入が本格化 えている。 2 めのアダプタは約 450 にも上る。通算 管理 ソフトウェア「Sug a r CRM」も、 した。数万台単位の導入案件も手掛け ダウンロード件数は全世界で 2000 万 2008 年にIHIが全社導入して以降は、 ている」アシストの神谷昌直 公開ソフ ( 件 を 突破。サポートを 含 む 有償版 の 表立って大きな事例は発表されていな 。 トウェア推進室長) ユーザーも3 5 00 社を数え、国内でも い。ただし、水面下では少し変わった オープンソースのオフィススイートに 金融や通信での導入実績を持つ。 形での利用が 増えてきている。ソフト は、サン・マイクロシステムズが 開発 一方、独 OTR S AG 社 の「OT R S」 ウェア単体ではなく、他のシステムに を支援してきた「OpenOffice.org (オー はコールセンター向けの情報共有シス 機能を提供するモジュールとして使う ・ 」 オラクルに プンオフィス オルグ) と、 テム。顧客からの問い合わせ内容や対 というものだ。 よるサン買収を機に分派した「LibreOf- 応状況、やりとりの履歴などを管理す 例えば、コンシューマ向けWebサー fice (リブレ・オフィス) がある。 」 いず る。OTR Sが持つ機能はシステムを運 ビスでは、顧客の個人情報や問い合わ れも、ワープロソフトや表計算、プレゼ 用する際に、障害への対応状況やユー せの管理するための機能が必要となる。 ンテーション、データベースなどのソフ ザーからの要望を管理する仕組みとし これらを 独自 に 実装 する 代 わりに、 トを備え、Microsof t Officeとデータ ても利用できる。近年は、変更管理や Suga rCRMなどのOSSをシステムに の互換性もある。 構成管理などの 機能をさらに拡充し、 組 み 込 む。SugarCRMは、取引先管 ただし、操作感覚が微妙に異なった ITI Lv3 準拠 の運用管理ツールとして 理や商談管理、キャンペーン管理など り、文書のレイアウトが 崩れたりする も利用できるようにしている。 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │ 17
  • 21. デスクトップ・業務アプリケーション Web サイト構築 デスクトップ BI ERP CMS ・ポータル Firefox JasperSoft Adempiere Alfresco GNOME Pentaho Apache OFBiz Drupal KDE SpagoBI Compiere GateIn Thunderbird ERP5 Joomla! CRM FrontAccounting Liferay オフィススイート GnuCash Moodle OpenPSA LibreOffice SugarCRM Openbravo ERP Movable Type OpenOffice.org Tine NetCommons 人事・給与 OpenPNE 専門ソフトウェア CAD など) ( グループウェア MosP Plone TimeTrex Wordpress Blender TUTOS XOOPS BRL-CAD Aipo オペレーション、製造管理 graphviz Enterprise CRM and Groupware System e コマース Jgraph Open-Xchange Asterisk mxGraph Thetis NOC EC-CUBE white_dune Zimbra OTRS Interchange Web/AP サーバー、データベース Web/AP サーバー データベース DB 管理 Apache HTTP Server Firebird phpMyAdmin Apache Tomcat MariaDB phpPgAdmin Apache Tomcat Connector MUSCLE GlassFish JBoss Application Server MySQL Oracle Berkeley DB Interleave BPM OSS鳥瞰図 239 Jetty Postgres Plus JBoss jBPM JOnAS PostgreSQL ProcessMaker lighttpd SQLite Zend Platform DB クラスタリング KVS EAI/ESB MySQL Cluster Apache Cassandra Apache Axis2 pgpool-II Kyoto Cabinet Talend Slony-I Kyoto Tycoon memcached 運用管理 OS 、仮想化、クラウド ストレージ・バックアップ 運用監視 ネットワーク・モニタリング Amanda Groundwork Monitor AWStats OS Bacula Hinemos Cacti Android Clonezilla Hobbit Monitor GKrellM CentOS Disk ARchive Nagios Kismet Debian GNU/Linux G4L Pandora FMS MRTG Fedora Mondo Rescue Zabbix Munin FreeBSD rdiff-backup Net-SNMP openSUSE 負荷 分散 Nmap Red Hat Enterprise Linux HA クラスタ BalanceNG Pmacct Scientific Linux DRBD Linux Virtual Server RRDtool SUSE Linux Enterprise Server Heartbeat Pound Vyatta Ubuntu Pacemaker UltraMonkey Wireshark 図 3 -1 現在利用可能な OSS の一例 企業利用という観点から、現在利用可能な主要 OSS をピックアップした。 作成にあたっては NRI、NEC、サイオステクノロジー、ならびに日本 OSS 推進フォーラム のアドバイスを参考にした。 18 │ IT Leaders │ 2012 │ 05 │