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Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
センサ端末構築を牽引する
マイコン・LSI技術とその動向
秋田純一
(金沢大学 理工学域 電子情報学類)
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介
 浅田研@東大(VDEC)でPh.D(‘98)(イメージセンサ)
 金沢大(’98~’00・’04~)
 公立はこだて未来大(’00~’04)
 ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員
 本業:(機能つき)イメージセンサ
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「集積回路の使い方・使われ方」
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ムーアの法則
 加工寸法が3年で1/2になる(べき)
 「わかりやすい&嬉しい」指針
 メーカ側:微細化による性能↑&コスト↓
 ユーザ側:機能↑&コスト↓
 他の産業にない半導体・電子産業の特異性
http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm (日経BP Tech-On! 2009/03/30の記事)
3
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ムーアの法則のもう一つの側面
コストダウン
同一機能を小チップ=低価格で
古い世代の製造装置でも作れるLSIも、
「そこそこ」高性能
=パラダイムが
変わる可能性
4
(C.クリステンセン「イノベーションのジレンマ—技術革新が
巨大企業を滅ぼすとき」(翔泳社(2001))
マイコン
SoC
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト
コスト面:マイコン○(「もったいなくない」)
機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易)
「枯れた技術」でも、世の中は変わりうる
※ただし、「それを使うこと」ができれば
マイコン使用
部品点数=1
コスト:100円
発振回路(555)
部品点数=4
コスト:150円
while(1){
a = 1;
sleep(1);
a = 0;
sleep(1);
}
※さすがにPCではちょっと・・・
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「それを使える」とどうなうか?:最近の秋葉原
※客層が変わってきている(こっちの)
(昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おじさん)
(今)↑+テクノ手芸女子、親子連れ、美大生
6
西餅「ハルロック」
(週刊モーニングで連載中)
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Make: 理工離れ?どこの世界の話?
“Maker”の活動の広がり
実はみんな「作るのが大好き」
FabLab(レーザーカッター、3Dプリンタ等の
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いままでは「技術が手元になかった」だけ
道具・技術が「こなれて」きて、使えるようになった
「半導体ユーザが多様化した」と見ることもできる
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の様子
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
“Maker”から産業へ
ロングテール:嗜好の多様化+それに応える産業
「本当に欲しいもの」が手に入る
実際に製造業でも
小規模製造業、高い技術力
熱心なユーザ・ファン、ユニークな製品
市場調査+資金調達=CrowdFunding
サプライチェーン・製造技術の活用
製造業におけるロングテールの具現化
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全体の40%
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2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Makerの背景:フィジカルコンピューティング
PC外の物理現象を扱うコンピューティング
使いやすくまとめたマイコンボード+開発環境
+充実したユーザコミュニティ(プロ~初心者)
ノウハウ・ライブラリ・派生品が生まれて進化
「たいしたことないもの」に見える
(ただのマイコンボード?)
マイコンボードが「道具」に=ユーザの多様性↑↑
ArduinoUno 9
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ロングテールと集積回路・マイコン
「少量多品種」を支える集積回路は?
高イニシャルコスト:×
汎用部品(マイコン・FPGAなど)
高い汎用性・低イニシャルコスト
一般に低性能
しかしムーアの法則の恩恵
で、かなり高性能
用途によっては十分
性能
年度
(微細化
の進展)
専用LSI
汎用LSI
必要な性能
SoC(システムLSI)
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「汎用部品」になる集積回路
マイコンコア+周辺回路=ワンチップでシステム
周辺回路をflexibleに
(用途に合わせてソフトウエアで設定変更)
CPLD/FPGA的なreconfigureなど
周辺回路のアナログ機能↑(アナログFrontEnd)
Cypress社PSoCシリーズ Renesas社SmartAnalogシリーズ
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ユーザ層の多様化がもたらすもの
(従来)設計・製造技術=プロの特権
(いま)設計・製造技術=誰でも使える
ユーザの裾野が広がる(多様化)
その中から「アタリ(イノベーション)」が生まれる
相対的に「プロ」の重要性↑↑(「遊び」だけでない)
(L.Fleming, Harvard Business Review,
8(9), pp.22-24 (2004))
メンバの「均一性」
生まれる成果
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「技術の普及」の結果:深圳の華強北
13
山寨(ShanZhai)の例
※FakeCopyではなく、プロダクトの
進化系。これが1週間で量産される
無限に続くパーツ屋
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パーツに分解
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路上で解体
店頭でリペア
(BGAも手はんだ:ボール再生機あり)
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ShenZhen HuaQiangBei
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「ユーザ参加型」センシング:
センサネットワーク構築の1つの形
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「センシング」のニーズ:ユーザとして
「身の回りの現象を自分で観測したい」のは、
人間の根源的な欲求(のようだ)
農業、自然災害などは死活問題で高いニーズ
3.11後の福島の放射能計測は、まさに死活問題
ホビーユースでも幅広いニーズ
(例:インターバルカメラで撮った画像、昆虫観察)
どうやって「観測」するか?
公共事業(行政サービス):天気予報など
自分で観測する(ロングテール)
多様な観測対象・多様な計測方法
気象庁AMeDAS
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「センシング」のニーズ:メーカとして
例:センシングシステムの受託開発
高い開発コスト←公共事業・補助金
公共性の高いシステム・インフラでは
現実的(スマートグリッドなど)
例:おばあちゃんの畑の観測?
とても開発コストにみあわない・・・
仮に受けるとしても、案件が多様すぎる・・・
(株)協和エクシオの例
(http://blog.livedoor.jp/mikan1515/archives/51285541.html より)
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
計測技術がユーザの手から離れると?
計測したい人(ユーザ)←→開発者(メーカ)
明確に分離・不可侵(コスト、知財、・・・)
事例:3.11後の福島の放射能計測
生活に直結し、目に見えない事象
きわめて強固な観測のモチベーション
その一方、非科学的(感情的)な
議論が横行
「事故の当事者(東電・政府)の観測データ」
に対する不信感が大きな背景の一つ
「科学的な方法で観測したデータを、
定量的・科学的に解釈する」ことが重要
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
発想の転換:ユーザ参加型センシング
ユーザの「多種多様で高いモチベーションの
センシング」を持続的に具現化するためには?
ユーザ自身が「センシング技術」を持つことは?
そのために必要なもの・ことは?
そのとき、メーカの立場は?
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
実例:Radiation Watch
非専門家がスマホ接続型
放射線観測機を製品化、
事業化、進化改良中
回路設計者・メーカも参画
(仙台近辺の方々)
福島第1原発事故という特殊な
状況下とはいえ、極めて迅速な
製品化(フィジカルコンピュー
ティングやMake:の活用)
ビッグデータ的な展開も可能 http://www.radiation-watch.org/
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ユーザ参加型センシングに必要なもの
「こなれた」センシング技術
マイコンボード、無線通信、電源供給
回路設計、筐体設計、小ロット生産
ビッグデータの取り扱い
ユーザコミュニティ(Make:)、社会的受容
(将来像?)おばあちゃんセンシング
(参考)近年注目されている動きとも符合
例:ニコニコ学会β(ユーザ参加型研究・学会)
例:ユーザーイノベーション(ユーザー参加型開発)
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ユーザ参加型センシング:メーカは?
「技術が普及」して万人に渡っても、
プロは存在する
MS Word←→作家、Web2.0←→ジャーナリスト、
YouTube←→映画監督、プリンタ←→印刷屋
センシング技術では?
プロの役割は残る(というより重要度が増す)
根幹回路技術:電力(EH/LowPower)と
通信(IoT/Last1m)
コンサルティング・事業化へ
設計ツールの提供、コミュニティへの気よ
21
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
最後の砦:集積回路を「道具」に
高性能な「汎用品」:道具になった
(マイコン、FPGA、オペアンプ、・・・)
「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理
例:学部1年生にLSIを作らせる?
「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」
「ツールの使い方が難しいぞ」
「基礎知識(回路理論など)をいっぱい勉強しろ」
「ちゃんと動かすのは難しいぞ」
作れない→経験できない→学べない
22
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「道具としての集積回路」を持つこと
「LSIをつくれる」という道具
=「いまできること」という発想から脱却
「カメラをつくれる」→画素をいじってみる
「容量センサをつくれる」→回路とつなげる
一般的な技術者の見方・・・「あるもの」を使う
カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・
新技術で、一気にパラダイムが変わることがある
Depth画像
Kinect
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
集積回路が「道具になる」ためのハードル
設計CAD
専用CAD: 高すぎ(1000万円)、高機能すぎ
製造方法
高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年)
NDA(設計情報へのアクセス制限)が厳しすぎ
ユーザ・コミュニティ
参入障壁:現状は専門家ばかり
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
失敗から学ぶ:「手軽に試せる」環境
25
http://www.viscuit.com/column01/column02/
原田康徳氏(NTT CS研)
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「カスタム集積回路」ならではのことは?
実世界との界面
センサ、アクチュエータ(MEMS)
アナログ回路
超LowPower
カスタムマイコン
過不足ない機能のワンチップ化
26
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
実例:LチカLSI
タッチセンサ
光センサ
※北九州学術研究都市 共同研究開発センターの半導体試作施設において、
(一財)ファジィシステム研究所の協力の下、他大学学生のLSI製造演習として
試作されました
CMOS 2um 2Al
3.2mm x 3.2mm
https://www.youtube.com/watch?v=NN1wNf66vXw
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24280073
CAD:Inkscape(フリーウエア)
製造:北九州時間貸しクリーンルーム
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
小ロット集積回路の製造技術:ミニマルファブ
 0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光
 工程ごとの小型装置群
 小ロットのLSI製造
 加工寸法:1um程度
 単TAT(1〜2日)
 pMOS, nMOS:OK
→CMOS回路へ/MEMS
 「ミニマルCAD」も進行中
 一部装置は既に販売開始
 CMOS製造装置群はあと5〜10年程度?
 作る→試す→学ぶ、の教育サイクル◎
http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
まとめ
集積回路が「普及」することの意義
ムーアの法則→低コスト化→使われ方の進化
「技術がある」ことと、
「技術が使える(使われる)」ことは、別次元
現に産業構造を変えつつある(Make:)
そのために必要なもの・ことと、現状
センシング技術が「普及」することの意義
ユーザ:自分自身でセンシングできる
メーカ:ユーザ層の拡大→事業拡大へ

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センサ端末構築を牽引するマイコン・LSI技術とその動向

  • 1. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ センサ端末構築を牽引する マイコン・LSI技術とその動向 秋田純一 (金沢大学 理工学域 電子情報学類)
  • 2. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介  浅田研@東大(VDEC)でPh.D(‘98)(イメージセンサ)  金沢大(’98~’00・’04~)  公立はこだて未来大(’00~’04)  ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員  本業:(機能つき)イメージセンサ  そこから派生して、 「集積回路の使い方・使われ方」
  • 3. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ムーアの法則  加工寸法が3年で1/2になる(べき)  「わかりやすい&嬉しい」指針  メーカ側:微細化による性能↑&コスト↓  ユーザ側:機能↑&コスト↓  他の産業にない半導体・電子産業の特異性 http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm (日経BP Tech-On! 2009/03/30の記事) 3
  • 4. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ムーアの法則のもう一つの側面 コストダウン 同一機能を小チップ=低価格で 古い世代の製造装置でも作れるLSIも、 「そこそこ」高性能 =パラダイムが 変わる可能性 4 (C.クリステンセン「イノベーションのジレンマ—技術革新が 巨大企業を滅ぼすとき」(翔泳社(2001)) マイコン SoC
  • 5. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト コスト面:マイコン○(「もったいなくない」) 機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易) 「枯れた技術」でも、世の中は変わりうる ※ただし、「それを使うこと」ができれば マイコン使用 部品点数=1 コスト:100円 発振回路(555) 部品点数=4 コスト:150円 while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1); } ※さすがにPCではちょっと・・・
  • 6. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「それを使える」とどうなうか?:最近の秋葉原 ※客層が変わってきている(こっちの) (昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おじさん) (今)↑+テクノ手芸女子、親子連れ、美大生 6 西餅「ハルロック」 (週刊モーニングで連載中)
  • 7. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Make: 理工離れ?どこの世界の話? “Maker”の活動の広がり 実はみんな「作るのが大好き」 FabLab(レーザーカッター、3Dプリンタ等の 加工機をコアにしたコミュニティ) いままでは「技術が手元になかった」だけ 道具・技術が「こなれて」きて、使えるようになった 「半導体ユーザが多様化した」と見ることもできる MakerFaireTokyo2013 の様子
  • 8. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ “Maker”から産業へ ロングテール:嗜好の多様化+それに応える産業 「本当に欲しいもの」が手に入る 実際に製造業でも 小規模製造業、高い技術力 熱心なユーザ・ファン、ユニークな製品 市場調査+資金調達=CrowdFunding サプライチェーン・製造技術の活用 製造業におけるロングテールの具現化 「ハードウエア・スタートアップ」が続々 (C.アンダーソン「ロングテール」,早川書房 (2009)) 全体の40% 「一人家電メーカ」BsizeのStroke(39,900円)
  • 9. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Makerの背景:フィジカルコンピューティング PC外の物理現象を扱うコンピューティング 使いやすくまとめたマイコンボード+開発環境 +充実したユーザコミュニティ(プロ~初心者) ノウハウ・ライブラリ・派生品が生まれて進化 「たいしたことないもの」に見える (ただのマイコンボード?) マイコンボードが「道具」に=ユーザの多様性↑↑ ArduinoUno 9
  • 10. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ロングテールと集積回路・マイコン 「少量多品種」を支える集積回路は? 高イニシャルコスト:× 汎用部品(マイコン・FPGAなど) 高い汎用性・低イニシャルコスト 一般に低性能 しかしムーアの法則の恩恵 で、かなり高性能 用途によっては十分 性能 年度 (微細化 の進展) 専用LSI 汎用LSI 必要な性能 SoC(システムLSI)
  • 11. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「汎用部品」になる集積回路 マイコンコア+周辺回路=ワンチップでシステム 周辺回路をflexibleに (用途に合わせてソフトウエアで設定変更) CPLD/FPGA的なreconfigureなど 周辺回路のアナログ機能↑(アナログFrontEnd) Cypress社PSoCシリーズ Renesas社SmartAnalogシリーズ
  • 12. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ユーザ層の多様化がもたらすもの (従来)設計・製造技術=プロの特権 (いま)設計・製造技術=誰でも使える ユーザの裾野が広がる(多様化) その中から「アタリ(イノベーション)」が生まれる 相対的に「プロ」の重要性↑↑(「遊び」だけでない) (L.Fleming, Harvard Business Review, 8(9), pp.22-24 (2004)) メンバの「均一性」 生まれる成果
  • 13. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「技術の普及」の結果:深圳の華強北 13 山寨(ShanZhai)の例 ※FakeCopyではなく、プロダクトの 進化系。これが1週間で量産される 無限に続くパーツ屋 築地のような活気 “Used Mobile Phone Shop”の実体 パーツに分解 (BGAも) 路上で解体 店頭でリペア (BGAも手はんだ:ボール再生機あり) ※基本的には「コンポーネント」の「アセンブリ」のみ ShenZhen HuaQiangBei
  • 14. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「ユーザ参加型」センシング: センサネットワーク構築の1つの形
  • 15. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「センシング」のニーズ:ユーザとして 「身の回りの現象を自分で観測したい」のは、 人間の根源的な欲求(のようだ) 農業、自然災害などは死活問題で高いニーズ 3.11後の福島の放射能計測は、まさに死活問題 ホビーユースでも幅広いニーズ (例:インターバルカメラで撮った画像、昆虫観察) どうやって「観測」するか? 公共事業(行政サービス):天気予報など 自分で観測する(ロングテール) 多様な観測対象・多様な計測方法 気象庁AMeDAS
  • 16. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「センシング」のニーズ:メーカとして 例:センシングシステムの受託開発 高い開発コスト←公共事業・補助金 公共性の高いシステム・インフラでは 現実的(スマートグリッドなど) 例:おばあちゃんの畑の観測? とても開発コストにみあわない・・・ 仮に受けるとしても、案件が多様すぎる・・・ (株)協和エクシオの例 (http://blog.livedoor.jp/mikan1515/archives/51285541.html より)
  • 17. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 計測技術がユーザの手から離れると? 計測したい人(ユーザ)←→開発者(メーカ) 明確に分離・不可侵(コスト、知財、・・・) 事例:3.11後の福島の放射能計測 生活に直結し、目に見えない事象 きわめて強固な観測のモチベーション その一方、非科学的(感情的)な 議論が横行 「事故の当事者(東電・政府)の観測データ」 に対する不信感が大きな背景の一つ 「科学的な方法で観測したデータを、 定量的・科学的に解釈する」ことが重要
  • 18. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 発想の転換:ユーザ参加型センシング ユーザの「多種多様で高いモチベーションの センシング」を持続的に具現化するためには? ユーザ自身が「センシング技術」を持つことは? そのために必要なもの・ことは? そのとき、メーカの立場は?
  • 19. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 実例:Radiation Watch 非専門家がスマホ接続型 放射線観測機を製品化、 事業化、進化改良中 回路設計者・メーカも参画 (仙台近辺の方々) 福島第1原発事故という特殊な 状況下とはいえ、極めて迅速な 製品化(フィジカルコンピュー ティングやMake:の活用) ビッグデータ的な展開も可能 http://www.radiation-watch.org/
  • 20. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ユーザ参加型センシングに必要なもの 「こなれた」センシング技術 マイコンボード、無線通信、電源供給 回路設計、筐体設計、小ロット生産 ビッグデータの取り扱い ユーザコミュニティ(Make:)、社会的受容 (将来像?)おばあちゃんセンシング (参考)近年注目されている動きとも符合 例:ニコニコ学会β(ユーザ参加型研究・学会) 例:ユーザーイノベーション(ユーザー参加型開発)
  • 21. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ユーザ参加型センシング:メーカは? 「技術が普及」して万人に渡っても、 プロは存在する MS Word←→作家、Web2.0←→ジャーナリスト、 YouTube←→映画監督、プリンタ←→印刷屋 センシング技術では? プロの役割は残る(というより重要度が増す) 根幹回路技術:電力(EH/LowPower)と 通信(IoT/Last1m) コンサルティング・事業化へ 設計ツールの提供、コミュニティへの気よ 21
  • 22. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最後の砦:集積回路を「道具」に 高性能な「汎用品」:道具になった (マイコン、FPGA、オペアンプ、・・・) 「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理 例:学部1年生にLSIを作らせる? 「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」 「ツールの使い方が難しいぞ」 「基礎知識(回路理論など)をいっぱい勉強しろ」 「ちゃんと動かすのは難しいぞ」 作れない→経験できない→学べない 22
  • 23. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「道具としての集積回路」を持つこと 「LSIをつくれる」という道具 =「いまできること」という発想から脱却 「カメラをつくれる」→画素をいじってみる 「容量センサをつくれる」→回路とつなげる 一般的な技術者の見方・・・「あるもの」を使う カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・ 新技術で、一気にパラダイムが変わることがある Depth画像 Kinect
  • 24. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路が「道具になる」ためのハードル 設計CAD 専用CAD: 高すぎ(1000万円)、高機能すぎ 製造方法 高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年) NDA(設計情報へのアクセス制限)が厳しすぎ ユーザ・コミュニティ 参入障壁:現状は専門家ばかり
  • 25. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 失敗から学ぶ:「手軽に試せる」環境 25 http://www.viscuit.com/column01/column02/ 原田康徳氏(NTT CS研)
  • 26. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「カスタム集積回路」ならではのことは? 実世界との界面 センサ、アクチュエータ(MEMS) アナログ回路 超LowPower カスタムマイコン 過不足ない機能のワンチップ化 26
  • 27. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 実例:LチカLSI タッチセンサ 光センサ ※北九州学術研究都市 共同研究開発センターの半導体試作施設において、 (一財)ファジィシステム研究所の協力の下、他大学学生のLSI製造演習として 試作されました CMOS 2um 2Al 3.2mm x 3.2mm https://www.youtube.com/watch?v=NN1wNf66vXw http://www.nicovideo.jp/watch/sm24280073 CAD:Inkscape(フリーウエア) 製造:北九州時間貸しクリーンルーム
  • 28. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 小ロット集積回路の製造技術:ミニマルファブ  0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光  工程ごとの小型装置群  小ロットのLSI製造  加工寸法:1um程度  単TAT(1〜2日)  pMOS, nMOS:OK →CMOS回路へ/MEMS  「ミニマルCAD」も進行中  一部装置は既に販売開始  CMOS製造装置群はあと5〜10年程度?  作る→試す→学ぶ、の教育サイクル◎ http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
  • 29. 2015/3/18 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ まとめ 集積回路が「普及」することの意義 ムーアの法則→低コスト化→使われ方の進化 「技術がある」ことと、 「技術が使える(使われる)」ことは、別次元 現に産業構造を変えつつある(Make:) そのために必要なもの・ことと、現状 センシング技術が「普及」することの意義 ユーザ:自分自身でセンシングできる メーカ:ユーザ層の拡大→事業拡大へ