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データをわかりやすく可視化する「データビジュアライゼーション」勉強会
2014/06/27 (金) 19:00 - 21:30
https://www.facebook.com/events/645728912170926/
矢崎 裕一
実際に形にするために
考え方のポイントとリソース紹介
インフォメーション・グラフィックと
データ・ビジュアライゼーション
http://elections.nytimes.com/2012/results/president
• 人が手作業かグラフィックアプリケーションで描いている。
• 手元にあるデータの特性を作者が理解し、その特徴を最大化するために表現が選
ばれる。
• そのため、別のデータを使用して再作成するのが容易ではない。
• 表示についてのルールとその例外ルールについて、作者以外の外部から、すべて
を推測することが難しい。
• 参照したデータとの関連性の証明が難しい。
• インタラクションがないものが多い。
インフォメーション・グラフィック
http://visualizing.jp/infograph_vs_dataviz/
データ・ビジュアライゼーション
• あるデータセットが、予め用意されたアルゴリズムを用いて、コンピュータによっ
て描画されること。
• その描画によってデータセットを眺めているだけではわからない傾向や特徴が明ら
かになっていること。
• アルゴリズムはコーディングによって定義され、チャートやグラフとして発達して
きた表示形式を用い、形式知化/可視化されていること。
• ソート、フィルター、トグルなどのインタラクションが可能で、その場でその結果
がすぐ得られること。
• 利用しているデータセットが可視化されていること。
http://visualizing.jp/infograph_vs_dataviz/
データのビジュアライズ
step1.データを情報に変換する
人間の認知能力に合わせて抽象化して、理解できるものにする
• データセットそのものから特
徴や性質を掴むことが困難
• 特徴を理解できる
• 他のデータセットと組み合わせ
られる
なるほど!
step2.「なるほど!」と思って共感する
単なる理解から共感へ結びつける
• 自分ごとと関連づけて、
共感できる
ワークフロー
「ビジュアライジング・データ」
によるワークフロー
• 手軽で強力なプログラミング環境「Processing」を用いた情報視覚
化技術についての解説書。
• 地図情報・階層ファイルシステム・リスト・グラフ構造・時系列デー
タなど、さまざまなデータの収集・解析手法から対話的な視覚化手
法・プログラミングテクニックまでを豊富な実例を用いて詳しく解
説している。(出版元サイトより)
http://www.oreilly.co.jp/books/9784873113784/
「Data Journalism Handbook」
によるワークフロー
• ロンドンで開かれた MozFest 2011での48時間ワークショップの集大成
• BBC、シカゴトリビューン、ガーディアン、フィナンシャルタイムズ、ニュー
ヨークタイムズ、ワシントンポスト、テキサストリビューンなどが参加。
• データ・ジャーナリズムの知識共有や実例集。
http://datajournalismhandbook.org/
データ→情報→インサイト
データを見つけ、
下ごしらえする
データを情報(ここでは
チャートを指す)に変換
し、分析/検証する
情報からインサイトを
見つける
なるほど!
データをどのように選定するか
• 1stパーティをまずはあたる
• メタデータ(誰がどのように集めたデータなの
か)が重要
• 専門家に聞くのはとても有益な手段
データをどのように選定するのか
• 各国のデータカタログサイト
• 国際機関(国連、世銀)のデータサイト
• Wikipedia
• SNS
• 各種ウェブサイト
• 専門家に聞く
• 書籍
etc…
データはどこにある?
「データは街に れている」
http://portal.nifty.com/2007/08/01/a/
自分のアクティビティ・データ
Quantified Self
Moves app
アクティビティ・データ・サービスにおける
Twitterのようなサービス
データを下ごしらえする
Google Refine
OpenRefine
• コラムごとのデータ形式の変換
• データ形式が間違っているものを
検出(数値のコラムに文字列があ
るなど)
• データの重複を探し出す
• 表記揺れの解消
• エラー値の検出と処理
• 空白の検出と処理
http://openrefine.org/
データを情報に変換し、分析/検証する
RAW / Tableau / ManyEyes /
MatLab
データセットとビジュアル表現を選択するだけの比較的お手軽なもの
R / Python
データ分析
http://raw.densitydesign.org/
http://raw.visualizing.jp/#/
Raw
- ブラウザ上で動く
- データセットとビジュアル表現を選ぶだけ
- 結果の出力フォーマットも多様
http://www.tableausoftware.com/products/desktop
Tableau
Desktop edition。Mac版も先日リリース。
- 単体アプリ
- データセットとビジュアル表現を選ぶだけ
- 約10万円
http://www-958.ibm.com/software/analytics/labs/manyeyes/#create
ManyEyes
- ブラウザ上で動く(Java)
- データセットとビジュアル表現を選ぶだけ
http://www.mathworks.co.jp/products/statistics/
MatLab
MatLab+Statistics Toolbox
R
- オープンソース
- 統計解析のためのプログラミング言語
http://www.r-project.org/
Python
-「データ分析」と「最終プロダクト」を一つの言語で。
- Python as Glue 2.0
http://pydata.org/
https://www.packtpub.com/python-
data-visualization-cookbook/book
http://www.oreilly.co.jp/books/
9784873116556/
NumPy + pandas
情報からインサイトを見つける
探索型 物語型
データの探索をユーザーが出来るようにする。
作り手としてのインサイトは押し付けない。
作り手としてのインサイトを最大限に
伝える方法を考える。
誰がインサイトを見つけるのか
ユーザーに委ねる 作り手が仕上げる
実例紹介
インサイトを自分ごとに
http://www.extremepresentation.com/design/charts/
自分ごとに巻き込むためのForm/UI
別な切り口
位置情報(地図)
Form/UI
ビジュアライズツール
http://www.extremepresentation.com/design/charts/
「示したいこと」と「チャート」の対応表
1つのデータセットを
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別な切り口
位置情報(地図)
あるデータセット
地図系ツールの紹介
• D3.js
• Leaflet.js
D3.js
Show Reel
D3.jsの主な特徴や機能
選択、アニメーション、タイマー、補間、配列操作、ランダム、外
部リソースの読み込み、テキスト/CSV整形、カラーユーティリ
ティ、スケール、タイマー、レイアウト(Layout)、地理
(Geography)、地図投影法(Map Projection)、幾何(Geometry)
• 統計学上必要な計算を賄ってくれる
• 地図投影法が多数用意されている
• 細かいスタイリングがすべて指定できる
• ウェブ標準に則っている
unemployment rates from 2008
by Mike Bostock
http://bl.ocks.org/mbostock/4060606
Chropleth Maps 地形の色で値を表現する
http://leafletjs.com/
Leaflet.jsの主な特徴や機能
• タイル型地図
• 表示する地図を選べる
• 動作が軽量/軽快
• D3と連携可能
http://leaflet-extras.github.io/leaflet-providers/preview/
醒めた目でもう一度みてみると…
ドーナツチャート
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表示から抜けている
http://www.telerik.com/help/windows-8-
html/chart-donut-series.html
パイチャート
項目が多すぎて
比較が困難
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GoogleMaps
項目が多すぎて
よくわからない
http://mrare.ca/blog/visualizing-our-calgary-
transit-iphone-app-next-stops-usage
データビジュアライズで
大事なこと
ヴィジュアライズ=ものの見方
ギリシャ…熊 日本…柄杓中国…雲の上に
座っている王朝
北斗七星
客観的 vs 主観的
• データヴィジュアライゼーションは可視化されたデータに基づ
くものなのだが、それでも主観的な考えは入ってくる。
• 主観的な考えを完璧に排除することは難しいが、多面的な視座
を提供すること、元データをユーザー自身も検証できるように
することで、解釈する余地や幅を持たせてあげることが肝要。
杉浦康平 - 時間軸変形地図
多視点なものの見方を提供する
視点のある場所によって、見える景色が変わる
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