2013年11月8日（金）、東京ウィメンズプラザフォーラムで開催したパネルディスカッション「乳児期に本当に必要な子育て支援を考える」での吉岡マコ（マドレボニータ代表）のプレゼン資料です。

1. 乳児期に本当に必要な子育て支援を考える
産後ケアの現場から
2013-11-8Fri
東京ウイメンズプラザフォーラム参加企画
Madre Bonita

2. 団体名について
MadreBonita
マドレボニータとは
スペイン語で
「美しい母」
2

3. 美しい母がふえれば、
世界はもっとよくなる
出産後の女性の
心と体のヘルスケアプログラム
を開発・研究・普及

4. paradox
出産と産後をめぐるパラドックス

5. 出産は、盛大にお祝いされることが多い。

6. 新生児死亡率
Japan(1)
Pakistan(53)
per1000
Congo(56)
Somalia(61)
0
18
35
53
日本の新生児死亡率は世界最少。
70

7. Not so simple
しかし、ことはそうシンプルではない。

8. 産後うつ
10万人/年
医師に「産後うつ」と診断されたのは10人に１人。
「診断はされていないが、自分もうつだった」と答えた人が10人に８人。

9. 幼児虐待
４４％
０歳児
児童相談所に報告されている虐待件数の半数は０歳児が犠牲者。

10. 産後うつ、０歳児虐待、
すべて「出産」の後の問題。
母親だけを責めても解決しない。
そもそもシステムに問題があるのでは？

11. 日本の母子保健のシステム
妊娠
出産
母親
乳児

12. 公費で負担されている周産期のヘルスケア
妊娠中
（母子手帳・母親学級・健診費用の負担）
↓
出産
（国民健康保険から42万円）
医師、
助産師も、
産後教育は
受けてない。
↓ ↓
産後 赤ちゃん
産後に必要なのは治療ではなくリハビリ。市民発の産後の専門家が必要。

13. 産後の特徴
１. 体がつらい
2. 心が不安定
3. 夫との関係に悩む

14. 産後のボディケア＆フィットネス教室
全国５０か所
認定インストラクター２４名

15. 出産は女性のからだに大きなダメージを与える。
まずはそのダメージからの回復のためのリハビリが必要。

16. つらいのは、からだだけではない。自分の内面に向き合う必要もある。
母という属性が加わることで、アイデンティティの再統合が必要になる。

17. 自分に向き合い、自分の言葉をつむぐ大人の姿を、子どもたちは見ている。
ママトークではなく、大人の言葉で、大人の話をする時間が必要。

18. １２０分 ４回のコースを終えた産後女性たちの笑顔。

19. この笑顔を「元気なおかあさん」の「当たり前の笑顔」だと思わないでほしい。
必死にリハビリした末の、やっと出た、この笑顔なのだ。

20. 確認されている効果
•
産後うつの予防、改善
•
虐待の予防
•
夫婦関係の改善
•
体調不良の改善
•
職場復帰の意欲向上

21. 課題
あとをたたない母子の事件
孤独な母親たち
夫婦関係の悪化

22. そもそも
乳児をもつ母は
孤立しやすい
体が消耗している
ひきこもり密室育児

23. 孤立を防ぐためには
産後の心身の健康回復
外にでるためのきっかけ

24. 課題
●産後の心身の健康回復
●外にでるためのきっかけ
この両方を満たす産後ケアのプログラムを
格差なく届けたい

25. 本来ならば、
公が、
責任をもつべきでは？

26. 横浜市菊名地区センターでの試み
2011年
センター主催
で
産後ケア教室

27. 横浜市菊名地区センターでの試み
2011年
２回開催
↓
2012年春
毎月定期開催

28. 人口4500人の北海道清里町
の産後ケアの取り組み
2012年3月
「清里町共創のまちづくり事業健康子育て事業」として、
産後のボディケア＆フィットネス教室を開催。

29. 杉並区のバウチャー制度
出生時に配布される
無償応援券（=40,000円分）を使用して、
託児、家事代行、産後ケアなど
様々なサービスを利用できる。
NPO法人マドレボニータも登録事業者であ
り、その結果、杉並区の受益者は最も多い。

30. ありがとうございました。
Madre Bonita