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July 2017
森・濱田松本法律事務所
パートナー弁護士 増 島 雅 和
コンテンツビジネスの資金調達とファンド管理
~分散型ビジネスモデルへの挑戦~
主催:
協力:
コンテンツビジネスにおける資金調達と金融商品取引法 セミナー
2. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 1‐
自己紹介
増 島 雅 和(ますじま まさかず)
森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
2001 弁護士登録
2006 米国ウィルソン・ソンシーニ法律事務所(シリコンバレーオフィス)
2007 ニューヨーク州弁護士登録
2010 金融庁監督局銀行第一課(RRP担当)兼保険課
日経CSISバーチャルシンクタンク・フェロー
イニシアチブ: 金融の力で我が国産業構造のイノベーションを加速する“Startup Innovators”主宰
http://startupinnovators.jp/
2013 経済産業省 新事業創出支援関係者会議 委員
2015 IMF外部カウンセル(米国FSAP:金融破綻処理法制担当)
日本クラウドファンディング協会理事、日本ベンチャーキャピタル協会顧問、FINOVATORS代表、日本仮想通貨
事業者協会顧問、ブロックチェーン推進協会アドバイザー 等
2016 経済産業省 FinTech研究会 ブロックチェーン研究会 委員
内閣官房IT総合戦略本部 シェアリングエコノミー検討会合 委員
全銀協 オープンAPIのあり方に関する研究会 委員
3. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 2‐
1.ゲームビジネスの資金調達に学ぶ
4. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 3‐
ゲームビジネスでは、パブリッシング業務と開発業務を役割分担することで制作費を調達
1.ゲームビジネスの資金調達に学ぶ
パブリッシャー
デベロッパー
資金提供 ゲーム供給
プラットフォーム プラットフォーム
ユーザ ユーザ ユーザ ユーザ ユーザ ユーザ
レベニューシェア
ゲーム運営
5. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 4‐
ゲームビジネスにクラウドファンディングを組み込んだ事例(Fig)
1.ゲームビジネスの資金調達に学ぶ
パ
ブ
リ
ッ
シ
ャ
ー
(
C
F
P
)
デベロッパー
資金提供 ゲーム供給
プラットフォーム プラットフォーム
ユーザ ユーザ ユーザ ユーザ ユーザ ユーザ
レベニューシェア
ゲーム運営
ファン
パブリッシャー(SPE)
業務委託
ファン
ファン
ファン
ファン
SPEエクイティ
資金
SPEエクイティ
募集取扱
レベニューシェア
資金提供者=コアユーザであ
るため、当初からユーザ獲得
が可能(テストマーケティング
機能)
資金提供者にアイテム等を提
供することで調達を容易化
資金提供者=ユーザとするこ
とでネットワーク効果を強化
パブリッシングの民主化
6. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 5‐
ゲームビジネスのプラットフォーム構築のための資金調達に仮想通貨を用いた事例(MobileGo)
1.ゲームビジネスの資金調達に学ぶ
MobileGo
Foundation
Mobile Game Platform
Developer Developer Developer
10%
ユーザー ユーザー ユーザー ユーザー
upload
Gamecredits
MobileGo
Token
ゲーム内コンテンツの購入にGameCreditsを
使用する場合の割引
VIPトーナメントへの無料参加
新しいリリースゲームのβテスト
P2Pトーナメントの参加
GameCreditsモバイルストアの利益の一部に
よるMobileGoトークンのBurn
MobileGoトークンのバリュー根拠
60億円調達
<使途>
50%:マーケティング
20%:開発
30%:その他
ユーザ・投資家
Cryptocurrency Exchange
ユーザー ユーザー ユーザー ユーザー
マーケットにおける
価格上昇期待
7. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 6‐
2.ビジネスモデルの再検討
8. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 7‐
製作委員会方式が外部調達に非適合な理由は、ガバナンスの不透明性と機動性の不足
2.ビジネスモデルの再検討 ー 課題は何か?
委員会方式の課題 解決策 要検討事項
任意組合の採用による無限責任性 LLP化
法人化
セットアップ・維持コスト?
ガバナンスの不透明性
・製作委員会契約の不透明性
・窓口手数料の不透明性
監査
帳簿の透明化
検証コスト?
権利処理の煩雑さ・機動性の不足
・利活用に当たっての組合員からの同意取得
・権利の分散による死蔵化リスク
法人化等による
権限の集中
法人運営コスト?
新規メディアに対する対応の遅延 法人化等による
権限の集中
法人運営コスト?
調達額が小さく
大きな作品が作れない
ガバナンスの不十分性
9. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 8‐
2.ビジネスモデルの再検討 ー 過去のコンテンツファイナンスの失敗例に学ぼう
パブリッシャーSPE
(法人・信託)
製作委員会
(的なもの)
業務委託
(事業)
業務委託
(調達)
金商業者
レベニューシェア
レベニューシェア
権利集約化のための「お絵描き」は、しようと思えばできるが・・・
投資家
(金融投資家/
クラウドファンディング)
SPE運営によるコスト増(オペレーション・税)
を関係者が許容するか?
外部調達によるコスト増(規制遵守)を関係
者が許容するか?
不透明性により生じるレントの喪失を関係者が
許容するか?
アドプションが進まずエコシステムが回らない
モデルの課題
10. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 9‐
2.ビジネスモデルの再検討 ー プラットフォームモデルの可能性
製作委員会
(的なもの)
インターネット・ファーストのビジネスモデルに変更すると・・・
プラットフォーム
資金提供
コンテンツ供給
ユーザ ユーザ ユーザ
レベニューシェア
ネットワーク効果
サブシダイズ
Amazon, Netflix,
YouTube, Abema…
インターネットベースのビジネスとしネットワーク効果
を強く働かせて余剰(コスト減+レベニュー増)
を獲得
余剰を原資に、エコシステム組成に動機づけられ
ないプレイヤーにサブシダイズ
OR
新たなクリエイター
モデルの特徴
プラットフォームモデルによるデータ支配の構
造を持ち込むことになる
ー コンテンツ製作者の「小作人化」
by 新産業構造ビジョン
11. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 10‐
Tokenのクラウドセールス(ICO)による資金調達モデルをコンテンツビジネスに応用
2.ビジネスモデルの再検討 ー 分散型資金調達モデルの最先端
トークン発行体
ファン/投資家
(グローバル)
Token Sales
取引所
資金提供
製作委員会
コンテンツ
収益の一部で
Burn
特典/ステータス
付与
トークンをファン/投資家に向けてグローバ
ルに発行
一定の条件を満たすトークン保有者には
コンテンツの特典/ステータスを付与
コンテンツ収益の一部を取引所でトーク
ン取得・Burn(消却)の原資とする
トークンの一部をコンテンツ関係者に付
与し、エコシステム参加+価値向上を動
機づける
グローバル発行による調達規
模拡大(規制対応コスト小)
クラウドファンディングによるネット
ワーク効果の追求
マーケットを活用した外部効果
をインセンティブに活用
<従来モデルとの経済性の差>
モデルの特徴
12. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 11‐
(本来であれば)外部資金を導入する以上は、製作委員会ガバナンスの透明性は必要
2.ビジネスモデルの再検討 ー 製作委員会のガバナンスの向上策
<従来の製作委員会>
ー 各プレイヤーがバラバラの帳簿を持つ
ー 主幹事の帳簿をベースに外部資金
拠出者とコミュニケーションするが、信
頼されない
<ブロックチェーンによる委員会管理>
ー 整合性の取れた単一帳簿を共通管理
(突合不要、改竄なし)
ー コンセンサスアルゴリズムの設計によりガバ
ナンスの透明性も実現
ー スマートコントラクトによる分配の自動化
ー 以上による委員会管理のコスト減
13. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 12‐
Northan Trustによるプライベートブロックチェーン(Hyperledger Fabric)を用いたプライベート・エクイ
ティ・ファンド管理の例
2.ビジネスモデルの再検討 ー ファンド管理へのプライベートブロックチェーンの適用例
Fund
Manager Regulator
The blockchain network provides real-time
insight and transparency to all parties,
including the fund managers and investors
as well as allowing regulatory access when
required. Importantly, the blockchain
network has been designed to support
compliance with current, local regulations.
Both government and regulator were kept
informed during the development process.
The blockchain solution allows the fund to
transfer ownership stakes and be managed,
serviced and audited throughout the
investment lifecycle on a transparent
platform offering “one version of the truth” to
participants who gain access via secured
means.
2017.2.22付IBMリリース文
ファンド管理の透明性向上
レギュレーターノードによる監督プロセスの効
率化
持分移転プロセスの効率化
監査プロセスの効率化
14. Copyright © 2017 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 13‐
質疑
弁護士 増 島 雅 和
森・濱田松本法律事務所
tel. 03.5220.1812
email. masakazu.masujima@mhmjapan.com
<特徴>
イノベーションサイドから金融規制を解説
法律ではなくビジネスについて記載したQ&A
ー プラットフォーム型ビジネスモデルとは?
ー エコシステム型ビジネスモデルとは?
ー ディスラプティブイノベーションの構図とは?
ー オープンイノベーションの取り組み方は?
ー FinTechによる地方創生とは?
ー FinTechによる貧困対策とは?
FinTech、データ、競争政策にわたって政府の動向を網羅
API、ブロックチェーンなど核となる技術もカバー
InsurTech、RegTechもカバー
海外ビジネスモデルの分析と日本法上の展開可能について検討
日経FinTech選書(税込2916円)