Contenu connexe Similaire à 第3回 「頭痛」 (20) 第3回 「頭痛」2. 外来における頭痛の原因
2
重症
SAH, 腫瘍
硬膜下⾎血腫
1.3%
緊張型頭痛
23.6%
⽚片頭痛
群発頭痛
2.7%
その他
ウイルス感染, 外傷,
頭蓋外起因
47.3%
診断不不明
複合原因
15.1%
J Fam Pract 1988;27:41
⽶米国・開業医
N=3847
多くの患者が
⼀一次性頭痛!!
4. 頭痛の分類
l ⼀一次性頭痛(原因− : 頭痛⾃自体が疾患)
– ⽚片頭痛/緊張型頭痛/三叉神経・⾃自律律神経性頭痛(≒群発頭痛)
l ⼆二次性頭痛(原因+ : 原因疾患のある頭痛)
– SAH/頭部外傷/脳腫瘍/etc.
l ニューロパチー, その他
4
5. ⼆二次性を⽰示唆する所⾒見見
l 頭痛の性状:
– 突然, 最悪, 増悪傾向, 普段と異異なる, Valsalvaで増悪
l 随伴症状:
– 発熱, 嘔吐, 精神症状, ⿇麻痺
l リスク要因:
– 50歳以上初発, 悪性疾患や免疫不不全, 頭部外傷歴
l ⾝身体所⾒見見:
– 神経脱落落徴候, 髄膜刺刺激徴候
5Neuroimaging Clin N Am 2003;13:255
6. ⼆二次性を⽰示唆する所⾒見見
l 頭痛の性状:
– 突然, 最悪, 増悪傾向, 普段と異異なる, Valsalvaで増悪
l 随伴症状:
– 発熱, 嘔吐, 精神症状, ⿇麻痺
l リスク要因:
– 50歳以上初発, 悪性疾患や免疫不不全, 頭部外傷歴
l ⾝身体所⾒見見:
– 神経脱落落徴候, 髄膜刺刺激徴候
6Neuroimaging Clin N Am 2003;13:255
ER患者は普段と症状違うため来院
これらの項⽬目に該当する⼈人がほとんど!
10⼈人に1⼈人がSAH
他, ⾒見見逃してはならない5疾患
1. 脳⾎血管疾患
2. 脳内感染症
3. 脳腫瘍
4. 緑内障 失明!
5. 巨細胞性動脈炎 失明!
7. 画像異異常に寄与する所⾒見見
7
LR
リスク 男性 1.3 (0.89-1.8)
50歳以上 2.3 (1.7-3.2)
頭痛の性状 突然発症 1.3 (0.33-5.1)
新しい頭痛 1.2 (0.74-2.0)
頭痛の増強 0.83 (0.54-1.3)
増悪する頭痛 1.6 (0.23-10)
労作やValsalvaで増悪 2.3 (1.4-3.8)
随伴症状 前兆のある頭痛 3.2 (1.4-3.8)
嘔気を伴う 1.1 (0.87-1.3)
嘔吐を伴う 1.8 (1.2-2.6)
神経脱落落症状がある 3.1 (0.37-25)
神経学的所⾒見見異異常がある 5.3 (2.4-12)
頭痛のタイプ 筋緊張型頭痛, ⽚片頭痛, 群発頭痛ではない 3.8 (2.0-7.1)
⽚片頭痛型 0.55 (0.28-1.1)
群発頭痛 11 (2.2-52)
JAMA 2006;296:1274.
10. 問診でどれだけSAHに近づけられる?
1
0
Sn Sp LR+ LR-
⼥女女性 46 65 1.3 (0.8-2.2) 0.8 (0.7-1.1)
労作やいきみ時に発症 46 78 2.1 (1.1-4.2) 0.7 (0.5-0.9)
破裂裂感 9 87 0.7 (0.2-2.1) 1.1 (1-1.1)
⼈人⽣生最⼤大の痛み 83 36 1.3 0.47
⼀一瞬で発症 45 32 0.7 (0.5-0.9) 1.7 (1.3-2.3)
1分以上かけて発症 26 78 1.2 (0.6-2.5) 0.9 (0.8-1.1)
嘔気 79 24 1.0 (0.8-1.3) 0.9 (0.5-1.5)
嘔吐 74 57 1.7 (1.2-2.5) 0.5 (0.3-0.7)
以前に同様な頭痛 14 87 1.0 (0.4-2.8) 1.0 (0.9-1.1)
⼀一過性意識識障害 19 84 1.1 (0.5-2.8) 1.0 (0.9-1.1)
⼀一過性神経巣症状 56 78 1.1 (0.5-2.4) 1.0 (0.8-1.1)
J Neurol Neurosurg Psychiatry 1998;65:791
Cephalalgia2002;22:354
11. 問診でどれだけSAHに近づけられる?
1
1
Sn Sp LR+ LR-
⼥女女性 46 65 1.3 (0.8-2.2) 0.8 (0.7-1.1)
労作やいきみ時に発症 46 78 2.1 (1.1-4.2) 0.7 (0.5-0.9)
破裂裂感 9 87 0.7 (0.2-2.1) 1.1 (1-1.1)
⼈人⽣生最⼤大の痛み 83 36 1.3 0.47
⼀一瞬で発症 45 32 0.7 (0.5-0.9) 1.7 (1.3-2.3)
1分以上かけて発症 26 78 1.2 (0.6-2.5) 0.9 (0.8-1.1)
嘔気 79 24 1.0 (0.8-1.3) 0.9 (0.5-1.5)
嘔吐 74 57 1.7 (1.2-2.5) 0.5 (0.3-0.7)
以前に同様な頭痛 14 87 1.0 (0.4-2.8) 1.0 (0.9-1.1)
⼀一過性意識識障害 19 84 1.1 (0.5-2.8) 1.0 (0.9-1.1)
⼀一過性神経巣症状 56 78 1.1 (0.5-2.4) 1.0 (0.8-1.1)
J Neurol Neurosurg Psychiatry 1998;65:791
Cephalalgia2002;22:354
明らかな神経巣症状がないと
問診だけでは診察は難しい…
普段と性状が違うから来院しているわけで…
CT撮影を!
10⼈人に1⼈人がSAH
12. SAH診断にCTだけで本当に⼤大丈夫?
l 微量量出⾎血sentinel bleedは, 貧⾎血の場合には
⾒見見逃す可能性がある(Hb10g/dl以下, Ht 30%以下)
l 発症時間:12時間以内なら 感度度100%
12時間経過すると 感度度82%
12時間以内陰性尤度度⽐比 0.02
24時間以内 0.07
24時間以上 0.18
l CTの性能も重要(64列列?)
1
2
Acad Emerg Med 1996;3:827
Eur J Emerg Med 2006;13:80
16. 髄液検査はどうか?
l RBC>5/µL
– 感度度 100%, 特異異度度 67%, LR+ 3.0, LR- 0
l ⾁肉眼キサントクロミー
– 感度度 93%, 特異異度度 95%, LR+ 19, LR- 0.07
l RBC>2000/µL, or ⾁肉眼キサントクロミ―
– 感度度 100%, 特異異度度 91.2%, LR+ 11.4, LR- 0
1
6
Ann Emerg Med 2008;51:707
Mayo Clin Proc 2008;83:1326
Br Med J 2015;350:h568
参考) 雷雷撃痛で, CT陰性, 髄液正常, 初圧↑ ならCVT静脈洞洞⾎血栓症疑う
de Brujin,S.F, et al: Lancet,348: 1623-1625, 1996
22. ⽚片頭痛の診断に寄与する因⼦子
2
2
LR+
嘔気 19.2 (15.0-24.5)
羞明 5.8 (5.1-6.6)
聴覚過敏 5.2 (4.5-5.9)
⾝身体活動で増悪 3.7 (3.4-4.0)
⽚片側性 3.7 (3.4-3.9)
拍動性 2.9 (2.7-3.1)
持続時間<4hr 0.52 (0.44-0.61)
持続時間 4-24hr 1.7 (1.5-2.0)
持続時間24-72hr 1.4 (1.0-2.0)
⽚片頭痛家族歴 5.0 (4.4-5.6)
⽇日常動作を妨げる,嘔気,羞明の中⼆二つ 3.2 (2.7-3.9)
Arch Intern Med 2000;160:2729
23. 2
3
LR+
チョコレート 7.1 (4.5-11.2)
チーズ 4.9 (1.9-12.5)
何らかの⾷食餌 3.6 (2.8-4.6)
ストレス 1.4 (1.3-1.5)
アルコール 1.3 (1.1-1.5)
季節変化 1.4 (1.1-1.6)
⽉月経 1.2 (1.0-1.4)
絶⾷食 1.1 (0.89-1.8)
不不眠 0.83 (0.73-0.94)
⾹香⽔水・におい 0.58 (0.44-0.76)
⽚片頭痛の診断に寄与する誘引
Arch Intern Med 2000;160:2729
24. ⽚片頭痛の前兆
a) 視覚症状
b) 感覚症状
c) ⾔言語症状
d) 運動症状
⽚片⿇麻痺性⽚片頭痛:典型的前兆も1つ以上ないといけない; 家族性 or 孤発性
e) 脳幹症状
脳底⽚片頭痛:構⾳音障害, 回転性めまい, ⽿耳鳴, 難聴, 複視, 運動失調, 意識識レベル
↓≧2
f) 網膜症状
網膜⽚片頭痛:単眼の閃輝・暗点・視覚消失
2
4
典型的前兆
国際頭痛分類ICHD-3β
26. 薬飲んで頭痛?薬⽌止めて頭痛?
l 薬物乱⽤用頭痛
– 頭痛既往の患者のみに起こる
– 頭痛に対する頓服薬を, 3ヶ⽉月以上, ⽉月15⽇日以上服⽤用して,
薬物使⽤用頻度度増加の時期に⼀一致して頭痛増悪
– ⼥女女性に多く, 連⽇日の深夜〜~早朝が多い
– ⽚片頭痛が週2回以上起こる場合、薬物乱⽤用頭痛予防するためにも、
予防的投薬(β-blocker, CCB)を検討すべき
l 反跳頭痛 rebound headache
– 3カ⽉月以上薬物乱⽤用を中⽌止した後,
– 48時間以内に頭痛増悪, 7⽇日以内消失
2
6
上⽥田 剛⼠士, 内科診断リファレンス
27. ⽚片頭痛の薬物治療療
l 軽症〜~中等症:NSAIDs
l 中等症〜~重症(Cutaneous allodyniaなど):Tryptans ± NSAIDs
– 投薬は 経⼝口以外(消化管静⽌止で吸収低下)
– 発作早期の投薬 は発作遷延防⽌止効果あり
– ⻨麦⾓角系(エルゴタミン系)はほとんど使わない
l 嘔気嘔吐に対して:DA-receptor AT
l ⾮非急性期:予防的投薬の検討 (1st line=βB)
2
7
UpToDate, Preventive treatment of migraine in adults
UpToDate, Acute treatment of migraine in adults
Tryptan禁忌
• ⾎血管収縮作⽤用⇛ 虚⾎血性⼼心疾患, コントロール不不良良の⾼高⾎血圧, SAH発症1ヶ⽉月
• 神経⽋欠落落症状を伴う⽚片頭痛 (controversial)
• 肝機能障害, ⻨麦⾓角系併⽤用, MAO-I併⽤用
• SSRI併⽤用(セロトニン症候群), 避妊薬併⽤用(相互作⽤用)
徐々に強くするより
重症度度に併せて”ガツン”と使い分け!
JAMA, 284:2599-605, 2000
30. 頭痛
外傷性
1次性頭痛疑う 2次性頭痛疑う
• ⾼高齢者の⽚片頭痛に注意
• 前駆症状を伴わない⾮非典型的
な⽚片頭痛が多い
• 薬剤はガツッと!
• トリプタン製剤の使⽤用法,
禁忌をマスターする
⾮非外傷性
⽚片頭痛, 緊張性頭痛, 群発頭痛 頭蓋内病変
頭部CTを撮影
• カナダ頭部CTルール
Lancet 2001;357(9266)
• ニューオリンズ基準
N Eng J Med 2000;Jul13;343(2)
外傷性? ⾮非外傷性?
⼀一次性?⼆二次性?
頭蓋外病変
(顔⾯面病変)
全⾝身疾患
• SAHの除外(10⼈人に1⼈人)
1. まずはCT
(発症時間, 貧⾎血, 性能)
2. 次に髄液検査
3. MRIもかなり有⽤用
ERではほとんど!
⾒見見逃してはならない5疾患
1. 脳⾎血管疾患
2. 脳内感染症
3. 脳腫瘍
4. 緑内障 失明!
5. 巨細胞性動脈炎 失明!
Notes de l'éditeur 一次性頭痛を主に。 1988年のアメリカの研究で、対象3847名の新規頭痛患者でprimary doctorに訪れた人。 2001年の日本の研究で、対象は救急搬送された患者で、主訴は頭痛でなくても、頭痛があれば全部含めている(たとえば交通事故で搬送された人)。合計334人。
SAH 8, 虚血 6, 血腫 2、腫瘍 2
なので、外傷が多い。 以外に群発頭痛の症状を示す患者の中にSAHが隠れたりする!!群発の診断ならCTをやってもいいかも Swedenの大学病院;settingはERか神経内科か、abstractだけではわからずorz 突然の激しい頭痛でも、SAH以外に鑑別がたくさん。
CN3の異常がある症例もいるんですが、神経所見を伴わない場合が多く、そしたら、誤診されやすい。
よく言われる問診のポイントが診断にどれくらい寄与しているかの文献ですが、
以外に問診だけでなかなか診断に攻められないことがこの表からわかります。 だからこそ、CTの出番です。
急性期はとても素晴らしい
しかし、12時間以上となると、CTでわからなくなるものが出てきます。困りました。 真ん中から左右は違うスタディですが、
CTは時間に沿って、感度が右肩下がりだけど、MRIの特にT2*は感度が非常に高いまま。
また、示していませんが、T2*, FLAIRを含むMRIシーケンスの特異度は98%以上と報告されています。
左:22pt, 確定診断はCSF and/or 手術所見
右:41pt, 確定診断はCT and/or CSFどちらか異常あればSAHとして診断。 真ん中から左右は違うスタディですが、
CTは時間に沿って、感度が右肩下がりだけど、MRIの特にT2*は感度が非常に高いまま。
また、示していませんが、T2*, FLAIRを含むMRIシーケンスの特異度は98%以上と報告されています。
左:22pt, 確定診断はCSF and/or 手術所見
右:41pt, 確定診断はCT and/or CSFどちらか異常あればSAHとして診断。 真ん中から左右は違うスタディですが、
CTは時間に沿って、感度が右肩下がりだけど、MRIの特にT2*は感度が非常に高いまま。
また、示していませんが、T2*, FLAIRを含むMRIシーケンスの特異度は98%以上と報告されています。
左:22pt, 確定診断はCSF and/or 手術所見
右:41pt, 確定診断はCT and/or CSFどちらか異常あればSAHとして診断。 オタワの3時救急2か所;normal CT w/ LP done. Tel f/u for Dx SAH, 592 pt. RBC 5に設定すると、Traumatic tapがあるから、特異度が低いが、SAH除外に使える
Mayo ED, thunderclap w/ normal CT who underwent LP. 152 →前例catheter
カナダ12か所大学病院ED、前向きコホート1739人 10年前の日経新聞ですが、片頭痛の診断に平均10年を要したという記事です。なんと、我々医師の理解不足が原因だと、とても厳しいコメントまでつけてくれました。
元々問診の特徴と身体所見の乏しい症候群で、特異的な検査所見もないことは間違いないです。それに加えて、Primary doctorまたはER doctorが頭痛患者を診る際に、二次性頭痛を除外して、危ないものでないことだけ確認したら、確定診断に結びつく問診や身体所見を詳しくとらないのも現状です。
日々救命に追われている中、一次性頭痛をどこまで詳しく調べるか、というのは確かに一つの課題だと思います。 スペイン、大学病院神経内科に頭痛を主訴に受診した高齢者
65歳以上の高齢者の新規頭痛は20%近く、重篤の疾患が隠れています。逆に片頭痛はほとんどいない。
高齢者を片頭痛と診断する前に、必ず詳しい評価(画像含めて)をしないといけない。 ようは、他の病気でNSAIDs飲んでもならない
徐々に強くするより重症度に併せて”ガツン”と使い分け!
SAH否定した段階で、上記禁忌項目を確認後、トリプタン系を使用(実際のERではSAHの割合高く、禁忌に該当、実際にはNSAIDS使用が多いのでは?)
エルゴタミン製剤は、発作の前兆期か発作の初期に服用しないと十分な効果を発揮できない。
重症度は痛みの程度、頻度、合併症、共存症で判断。Am Fam Physician.66; 2123-2140,2002
皮膚を触ると痛いというCutaneous allodynia(疼痛発作)出現時は重症。トリプタン製剤でも15%にしか効果なくなってしまう。症状できあがるまで1−4時間かかるのでCutaneous allodynia出現時はなるべく早くトリプタン製剤を使用する