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Copyright © Masaya Ando
安藤 昌也
masaya.ando@it-chiba.ac.jp
千葉工業大学 知能メディア工学科
Chiba Institute of Technology Department of Advanced Media
人々が 社会と関わってる実感 を
デザインすることを目指して
∼UXデザイン研究ができること
2022年3月24日
Copyright © Masaya Ando
安 藤 昌 也
千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 教授
早 稲 田 大 学 政 治 経 済 学 部 経 済 学 科 卒 業 。
NTTデータ通信(現、NTTデータ)、経営コンサ
ルティング会社取締役、早稲田大学、国立情報学
研究所、産業技術大学院大学など経て、2011年千
葉工業大学工学部准教授、2015年教授。2016年
より現職。博士(学術) .
専門は、人間中心デザイン。UX(ユーザ体験)
の研究者。人間工学ISOの国内対策委員等を務める。
認定人間中心設計専門家 / 認定専門社会調査士
Copyright © Masaya Ando
UXデザインにおける安藤のポジション
n 20余年、UXデザインの実践・理論・教育の全てに携わる。
実践 理論
教育
NTTデータ通信
アライド・ブレインズ
UXの研究で博士号
国立情報学研究所
産業技術大学院大学
千葉工業大学
UX
UXD
千葉工業大学
履修証明プログラム
「人間中心デザイン」
産業技術大学院大学
ISO/JIS 規格委員
Feel first, Learn later
安藤研主催の全国UXイベント: UX ROCKET
安藤研活動報告会『価値のカタチ展2022』
https://kachinokatachiten2022.studio.site/
Copyright © Masaya Ando
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安藤研究室の3つの研究教育と2つの活動方針
1. 新商品・サービスの企画提案と
デザインプロセス・方法論の研究
2. 新しいUXデザインのテーマの探索
3. 心理学に基づいた新しいメディアの
設計原理や評価手法の研究
研究・教育の方向性
活動方針
• 企画力を高める学生の自主活動を重視
• 制約を楽しもう
Copyright © Masaya Ando
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1. 新商品企画提案・デザインプロセスの研究
l 新しい顧客価値を企画しリアルなプロトタイプを提案します。
また、新しい価値を生み出すためのデザインプロセスの研究
を行います。
「日本酒マトリクスボトル」 「日本酒香道」というボトルの形と味
からマトリクスの位置を当てる遊び
日本酒のパッケージと購入体験の検討 (過去の卒研作品より)
3Dプログラミング
によるアルゴリズム設計
Copyright © Masaya Ando
Copyright © Masaya Ando
2. 新しいUXデザインのテーマの探索
l 社会的課題の解決を目指す“ソーシャルデザイン”や
他者を助け易くする“利他的UX”など、新しいUXデザインの
テーマを探索し、実際に社会実装を目指します。
CPR福引マシーン
CPR に関心を持ってもらうためのプロモーションデザイン提案
(過去の卒研作品より)
Copyright © Masaya Ando
Copyright © Masaya Ando
3. 心理学に基づいた設計原理や評価手法の研究
l 新しいメディアのデザインには、人の心理の研究が不可欠で
す。安藤研の最も得意で世界的にも希少な研究です。
プライバシーポリ
シーを読む意味や意
義を伝えることがポ
イント。
伝え方を変えるだけ
で大きく意欲に違い
が生まれる。
認識を変える=自身が社会と関わっていることを認識する
という高次元の意味・意義をデザイン的に伝達することが重要
プライバシーポリシーの閲読意欲を高めるための研究
(過去の修士研究より)
誰かを助けたくなるデザイン
助けやすくなる
助けても
いいかなーと
思える
利他的UX
2013年から提唱・研究開始
利他的UX宣言
「利他的UX」は、気持ち良く、うれしくなるような
助けあう体験のことです。
多くの人が楽しく助けあう社会は、きっと いい社会
だと考えています。
私たち安藤研究室では、この利他的UXを実現するた
めの研究とデザイン活動を進めていきます。
また、この取り組みを普及する努力をします。これに
より、少しでも多くの人が利他的にふるまえる社会を
目指していきます。
2016年7月13日
安藤昌也研究室
Copyright © Masaya Ando
ネットでの依頼情報がどういうデザインなら助けるか
当初
仮説案
改良案
杉山・安藤(2017)
ネットでの依頼情報から何を考えるか、
インタビューを重ね援助行為に至るプロ
セスで考えることをモデル化。
先回りして情報を出すようなデザインに
変更。
Copyright © Masaya Ando
-0.2
-0.15
-0.1
-0.05
0
0.05
0.1
0.15
0.2
因子1 因子2 因子1 因子2 因子1 因子2 因子1 因子2
依頼1 依頼2 依頼3 依頼4
実験1 実験2
デザインをよくしても印象はよくならない場合もある
n 結果:依頼情報に対する印象分析では、改悪傾向があるもの
もある。(因子1:援助対象者へのネガティブ印象、因子2:援助に対する人任せ)
ネガティブ
ポジティブ
改
悪
傾
向
改
悪
傾
向
改
善
傾
向
金銭の
国際寄付
毛布の
国際寄付
地域の
バザー出品
地域の
ゴミ拾い参加
Copyright © Masaya Ando
リッチなデザインがダメ?
n 結果的に既存の募金・寄付
サイトのように、多くの人
からお金を集めるサービス
のような印象のデザインに。
n よくデザインされていると、
自分が援助しなくても良さ
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しれない。ただし、援助の
意思決定率に差はない。
責任分散の要因に
安藤, 田中(2015)の
実験結果とも類似
Copyright © Masaya Ando
UXデザインの基本発想の転換
製 品
サービス
従来型の発想
UXの発想
ユーザー
機能の
提供
=技術の発想・上から目線
=体験価値の発想・横(下)から目線
企 業
製 品
サービス ユーザー
企 業 関係
ユーザの世界観
新しい価値
製品・サービスと
ユーザの関係を作る
提供企業の世界観
・課題解決
・機能実現
・~ができるように
なった
・信頼感が増した
・やる気が高まった
・使い方を工夫する
ようになった
社会との新しい
関係の持ち方が
見えてないのでは?
Copyright © Masaya Ando
Social Goodへの気づきを与える情報伝達の考え方
消費者の視点
社会とのつながり
(SDGs / ESG)
商品を支える
つながり
商品
120度回転
商品
商品はもちろんアピールするが、パーパスと商品、
パーパスと顧客自身とのつながりを見せることが
新たな視点の獲得になり、その切り口から顧客を
惹きつけることを可能とする
商品を
支える
つながり
社会との
つながり
(SDGs
/ ESG)
消
費
者
が
最
初
に
知
覚
で
き
る
範
囲
消費者(市民)
の視点
消費目的達成型
のモデル
社会の目的達成
への共感型モデル
意味・意義
意味・意義
と商品の
つながり
Copyright © Masaya Ando
&e(アンディ)
n イーデザイン損保の共創する
自動車保険 &e のトップページ
は、最初に社会が見える。社会
の存在として自動車のドライ
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る。
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人々が“社会と関わっている実感”をデザインすることはを目指して

  • 1. Copyright © Masaya Ando 安藤 昌也 masaya.ando@it-chiba.ac.jp 千葉工業大学 知能メディア工学科 Chiba Institute of Technology Department of Advanced Media 人々が 社会と関わってる実感 を デザインすることを目指して ∼UXデザイン研究ができること 2022年3月24日
  • 2. Copyright © Masaya Ando 安 藤 昌 也 千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 教授 早 稲 田 大 学 政 治 経 済 学 部 経 済 学 科 卒 業 。 NTTデータ通信(現、NTTデータ)、経営コンサ ルティング会社取締役、早稲田大学、国立情報学 研究所、産業技術大学院大学など経て、2011年千 葉工業大学工学部准教授、2015年教授。2016年 より現職。博士(学術) . 専門は、人間中心デザイン。UX(ユーザ体験) の研究者。人間工学ISOの国内対策委員等を務める。 認定人間中心設計専門家 / 認定専門社会調査士
  • 3. Copyright © Masaya Ando UXデザインにおける安藤のポジション n 20余年、UXデザインの実践・理論・教育の全てに携わる。 実践 理論 教育 NTTデータ通信 アライド・ブレインズ UXの研究で博士号 国立情報学研究所 産業技術大学院大学 千葉工業大学 UX UXD 千葉工業大学 履修証明プログラム 「人間中心デザイン」 産業技術大学院大学 ISO/JIS 規格委員
  • 7. Copyright © Masaya Ando Copyright © Masaya Ando 安藤研究室の3つの研究教育と2つの活動方針 1. 新商品・サービスの企画提案と デザインプロセス・方法論の研究 2. 新しいUXデザインのテーマの探索 3. 心理学に基づいた新しいメディアの 設計原理や評価手法の研究 研究・教育の方向性 活動方針 • 企画力を高める学生の自主活動を重視 • 制約を楽しもう
  • 8. Copyright © Masaya Ando Copyright © Masaya Ando 1. 新商品企画提案・デザインプロセスの研究 l 新しい顧客価値を企画しリアルなプロトタイプを提案します。 また、新しい価値を生み出すためのデザインプロセスの研究 を行います。 「日本酒マトリクスボトル」 「日本酒香道」というボトルの形と味 からマトリクスの位置を当てる遊び 日本酒のパッケージと購入体験の検討 (過去の卒研作品より) 3Dプログラミング によるアルゴリズム設計
  • 9. Copyright © Masaya Ando Copyright © Masaya Ando 2. 新しいUXデザインのテーマの探索 l 社会的課題の解決を目指す“ソーシャルデザイン”や 他者を助け易くする“利他的UX”など、新しいUXデザインの テーマを探索し、実際に社会実装を目指します。 CPR福引マシーン CPR に関心を持ってもらうためのプロモーションデザイン提案 (過去の卒研作品より)
  • 10. Copyright © Masaya Ando Copyright © Masaya Ando 3. 心理学に基づいた設計原理や評価手法の研究 l 新しいメディアのデザインには、人の心理の研究が不可欠で す。安藤研の最も得意で世界的にも希少な研究です。 プライバシーポリ シーを読む意味や意 義を伝えることがポ イント。 伝え方を変えるだけ で大きく意欲に違い が生まれる。 認識を変える=自身が社会と関わっていることを認識する という高次元の意味・意義をデザイン的に伝達することが重要 プライバシーポリシーの閲読意欲を高めるための研究 (過去の修士研究より)
  • 13. Copyright © Masaya Ando ネットでの依頼情報がどういうデザインなら助けるか 当初 仮説案 改良案 杉山・安藤(2017) ネットでの依頼情報から何を考えるか、 インタビューを重ね援助行為に至るプロ セスで考えることをモデル化。 先回りして情報を出すようなデザインに 変更。
  • 14. Copyright © Masaya Ando -0.2 -0.15 -0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 0.2 因子1 因子2 因子1 因子2 因子1 因子2 因子1 因子2 依頼1 依頼2 依頼3 依頼4 実験1 実験2 デザインをよくしても印象はよくならない場合もある n 結果:依頼情報に対する印象分析では、改悪傾向があるもの もある。(因子1:援助対象者へのネガティブ印象、因子2:援助に対する人任せ) ネガティブ ポジティブ 改 悪 傾 向 改 悪 傾 向 改 善 傾 向 金銭の 国際寄付 毛布の 国際寄付 地域の バザー出品 地域の ゴミ拾い参加
  • 15. Copyright © Masaya Ando リッチなデザインがダメ? n 結果的に既存の募金・寄付 サイトのように、多くの人 からお金を集めるサービス のような印象のデザインに。 n よくデザインされていると、 自分が援助しなくても良さ そうな印象になったのかも しれない。ただし、援助の 意思決定率に差はない。 責任分散の要因に 安藤, 田中(2015)の 実験結果とも類似
  • 16. Copyright © Masaya Ando UXデザインの基本発想の転換 製 品 サービス 従来型の発想 UXの発想 ユーザー 機能の 提供 =技術の発想・上から目線 =体験価値の発想・横(下)から目線 企 業 製 品 サービス ユーザー 企 業 関係 ユーザの世界観 新しい価値 製品・サービスと ユーザの関係を作る 提供企業の世界観 ・課題解決 ・機能実現 ・~ができるように なった ・信頼感が増した ・やる気が高まった ・使い方を工夫する ようになった 社会との新しい 関係の持ち方が 見えてないのでは?
  • 17. Copyright © Masaya Ando Social Goodへの気づきを与える情報伝達の考え方 消費者の視点 社会とのつながり (SDGs / ESG) 商品を支える つながり 商品 120度回転 商品 商品はもちろんアピールするが、パーパスと商品、 パーパスと顧客自身とのつながりを見せることが 新たな視点の獲得になり、その切り口から顧客を 惹きつけることを可能とする 商品を 支える つながり 社会との つながり (SDGs / ESG) 消 費 者 が 最 初 に 知 覚 で き る 範 囲 消費者(市民) の視点 消費目的達成型 のモデル 社会の目的達成 への共感型モデル 意味・意義 意味・意義 と商品の つながり
  • 18. Copyright © Masaya Ando &e(アンディ) n イーデザイン損保の共創する 自動車保険 &e のトップページ は、最初に社会が見える。社会 の存在として自動車のドライ バーである自分自身が見えてく る。 https://www.e-design.net/