株式会社リンクトブレイン GS事業部 執行役員 CDO 鈴木 健介 氏 日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部 クラウドソリューションアーキテクト 西村 栄次 アークシステムワークス様パブリッシングのタイトル「BLAZBLUE ALTERNATIVE DARKWAR」での開発事例を元に、Azure での大規模モバイルゲームの構築、開発、運用におけるメリット、デメリットや移行を通じて得ることができた、Azure での最新の機能を利用した開発ノウハウについてお話しいたします。 【Microsoft Japan Digital Daysについて】 Microsoft Japan Digital Days は、お客様が競争力を高め、市場の変化に迅速に対応し、より多くのことを達成することを目的とした、日本マイクロソフトがお届けする最大級のデジタル イベントです。4 日間にわたる本イベントでは、一人一人の生産性や想像力を高め、クラウド時代の組織をデザインするモダンワークの最新事例や、変化の波をうまく乗り切り、企業の持続的な発展に必要なビジネスレジリエンス経営を支えるテクノロジの最新機能および、企業の競争優位性に欠かせないクラウド戦略のビジョンなどデジタル時代に必要な情報をお届けいたしました。（2021年10月11日～14日開催）

1. Microsoft Japan Digital Days
*本資料の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は Microsoft Japan Digital Days における公開日時点のものであり、予告なく変更される場合があります。
#MSDD2021
モバイルゲームの開発/運用基盤を
Azureへ、運用管理負担の軽減と
安定稼働を両立に成功
株式会社リンクトブレイン 執行役員 CDO
鈴木 健介
# M05
日本マイクロソフト パートナー事業本部 Cloud Solution Architect
西村 栄次

2. Agenda  Azure の MySQL とゲームアーキテクチャ
 BLAZBLUE ALTERNATIVE DARKWAR
事例紹介

3. Microsoft Japan Digital Days
Azure の MySQL と
ゲームアーキテクチャ

4. マイクロソフトのオープンソースへのコミットメント

5. Azure Database for MySQL デプロイ オプション
シングルサーバー
エンタープライズ対応
フルマネージド
コミュニティ エンジン
フレキシブルサーバー
（プレビュー） NEW
＋よりきめ細かな制御と
柔軟性を提供

6. Azure Database for MySQL を使用したゲーム
Azure アーキテクチャ センター ー Azure Database for MySQL を使用したゲーム
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/architecture/solution-ideas/articles/
gaming-using-azure-database-for-mysql
Mobile App
Azure Traffic Manager
Azure Database for MySQL
Flexible Server
Azure App Service
Azure CDN
Azure Storage

7. BLAZBLUE ALTERNATIVE DARKWAR
事例紹介

8. 自己紹介
• 鈴木 健介
• 2020年1月より株式会社リンクトブレイン所属
• 執行役員CDO（最高開発責任者）
• 全社の技術的な意思決定、フォローを担当
• 多数のゲーム開発現場でインフラ、サーバー、クライアント開発などを担当
• 趣味はロードバイク

9. 株式会社リンクトブレインについて
2011年10月設立。
ゲーム制作のノウハウを軸に、多様な分野のクリエイティブや、ゲーム業
界に特化した人材育成、人材紹介のキャリア コンサルティングなどを
展開する企業。
2019年には内製の開発チームを結成しゲームの一括受託開発を請け
るなど規模の拡大を続けている。

10. BLAZBLUE ALTERNATIVE DARKWARについて
• 2021年2月16日リリース
• チェーンコンボ×ノベルRPG
• iOS, Androidにて公開中
 精細なビジュアルや個性的なキャラク
ター、作り込まれた世界観などで人気を
博した「BLAZBLUE」シリーズの正統続
編が初のRPG作品として登場！
OPアニメーションはYostar Pictures様が担当
「森利道」氏が完全監修の200万文字を超える長編ストーリー

11. Azure選定の経緯
当初別ベンダーのクラウドを利用しての開発を想定していたが
Microsoft Azure で使える先進的サービスや技術支援の仕組み
（FastTrack for Azure）についての説明で興味を惹かれ
専任のインフラエンジニアの確保が難しい事情もあり
①運用の省力化
②それに伴う運用管理の削減
の2点実現を目指しAzureでの開発・運用を検討・決定

12. Azureでのインフラ計画について
リリース当日の想定DAU：11万人
事前登録10万人＋広告・オーガニックな流入を想定
上記ユーザー数から試算したゲーム中の想定秒間同時リクエスト数
= 5000RPS（RequestPerSecond）
これをクリア可能なインフラ構成を想定しつつ開発を進行した

13. 開発中に検討していた構成
• 開発当初はPaasのみでAPIサーバーを構成
• DBについては利用可能バージョンの都合で
Flexybleサーバーを利用しない想定
• 分析用のログはマネージドなHadoopクラス
タであるのHDInsightを利用を想定
この構成でも開発中に関しては特に問題はな
かったが、本番リリースが近づくにあたり課題が
出てきたことから構成の変更を実施。

14. 本番運用中の構成

15. 技術構成 on Azure
クライアント サーバー その他ツール
ツール on Azure

16. リリースに向けての準備
1. 想定リクエスト数の負荷試験
Jmeterでの負荷試験
2. データベースの水平分割(シャーディング)
3. Xhprof、NewRelicAPMを利用したパフォーマンスチューニング
4. Twillioを活用した自動電話通知
5. AzureFastTrackの活用
MySQL Flexyble Server 8.0の早期利用

17. MySQL Flexyble Server 8.0の早期利用
FastTrack for Azure で技術チームから提案があり、導入を検討
• マネージドMySQLサービスより設定可能なパラメーターが多い
• DiskIOがマネージドMySQLよりも少し高めに設定されている
などのメリットがあり導入を決定
Private previewバージョンでは不具合もあったが
不具合のFBに対して解消の対応をいただけた
SSL通信が必須だったオプションを変更可能にしてもらった
など手厚いサポートを受けることができ、本番環境に採用

18. 技術的な負債を極力残さないために
• MySQLのバージョンアップを実施 5.6 -> 8.0
• パフォーマンスの向上、追加機能の利用が可能になった
• PHPのバージョンアップを実施 5.6 -> 7.3
• パフォーマンスの向上、実装スピードの向上
• コンテナ関連技術を利用した開発
• k8sの採用も検討したがDockerのみを利用することを決定
• Paasとの相性の観点でもコンテナ化はよかった
• デプロイの易化などAzure上の機能を活用

19. リリースを迎えて
負荷が起因のサーバートラブルはほぼ発生せず
リセマラの殺到によるCDN費用の上昇、DOS攻撃や大量の新規アカ
ウント発行などの対応にショートメンテを入れるなどで対応できた

20. その後の運用について
• 開発環境をPaasで構築し省力化
• 本番環境はチューニングを施す必要性からIaasでの構築
• VMSSというオートスケールが利用可能な機能があり運用はある程度自動
化できている
• 結果としてMSPなどの外部サービスを使わず社内のインフラエンジニ
ア1名で開発から運用まで対応できたことで、費用を大きく抑えるこ
とに成功した

21. よかったところ
• サーバー兼任のインフラエンジニアが1名でサーバー運用が回っている
ため運用コストは間違いなく抑えられた
• Azureの現状としてPaasやDocker技術は間違いなく便利で技術
革新の速度も速いため実践での投入を検討できるレベルになってい
る
• 不具合対応について、迅速にAzure技術サポート、 ソリューション
アーキテクトの方々に対応いただけた。
• Azureを選んで一番よかったのがサポート。

22. Azureを利用し感じたデメリット
• 限界まで性能を引き出すには現状のAppServiceだと難しい
• 1台あたりのパフォーマンスには課題があり本番環境を完全Paasにするのは
時期尚早と感じた
• 環境構築の省力化を目指すならPaasを利用、一台あたりのコストパフォー
マンスを突き詰めるならIaasを利用する形が現状は良い
• PHPとの相性がもう一歩
• AzureMonitorなどPHPで機能が一部制限されているプロダクトがあった
• エンジニアチームの技術的な都合で開発言語がPHPとなったがAzureをフル
に活かすのであればC#での開発プロジェクトに採用するのが望ましい

23. 最後に
• より良いユーザー体験のためにエンジニアとしてできることを常に考え
たい
• クラウド関連技術は技術革新が激しく、優れたサービスが次々にリ
リースされている状況で、それらをうまく使いこなすことで、新興の開
発チームでも戦っていくことが可能
• 常に新しいものが優れているとは限らないため検証や実験が大切
• 省力化、低廉化の結果を品質向上につなげたい
• Microsoft Azureの強みはサポート

24. ご清聴ありがとうございました。

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