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VSUG アーキテクト・アカデミー


アーキテクトを志向するみなさんへ
2010年10月16日
日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業 CTO
IBMディスティングイッシュト・エンジニア 技術理事
榊原 彰




                             © 2010 IBM Corporation
自己紹介
1986年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。以来,主にサービス部門にて,
SEとして銀行,新聞社,電子部品メーカー,自動車メーカーなど多数のプロ
ジェクトに参画。専門はアーキテクチャ設計技術。2006年から同社東京基
礎研究所にてサービス・ソフトウェア・エンジニアリングの研究に従事した後,
2008年1月よりグローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業に帰任。
現在全世界のエンタープライズ・アーキテクチャ&テクノロジー部門の責任者兼,
GBS事業技術統括CTO。IBMディスティングイッシュト・エンジニア(技術理事)。
著書:「SEの基礎知識 アプリケーション開発技術」(共著,リックテレコム),「ソフトウェ
ア品質知識体系(SQuBOK)ガイド」(共著,オーム社),「ITアーキテクトになる方法」
(翔泳社 予定)
訳書:「MDAモデル駆動アーキテクチャ」(共訳,エスアイビー・アクセス),「ソフトウェ
アエンジニアリングの基礎知識体系 –SWEBOK-」(共訳,オーム社),「Eclipseモデリ
ングフレームワーク」(監訳,翔泳社),「実践ソフトウェアエンジニアリング」(監訳,日
科技連出版社),「SOA大全」(共訳,日経BP)MDAマニフェスト」(共訳,エスアイ
ビー・アクセス),「プロブレムフレーム」(監訳,翔泳社,2006),「システムアーキテク
チャ構築の原理」(監訳,翔泳社),「実践アジャイルテスト」(監訳,翔泳社)

情報処理学会,情報システム学会,プロジェクトマネジメント学会,IEEE Computer
Society,ACMの各正会員。                      © 2010 IBM Corporation
ITスキル標準(ITSS)におけるITアーキテクトの役割
     IT投資の局面       経営戦略策定
                   経営戦略策定            戦略的情報化企画
                                     戦略的情報化企画                               開発
                                                                            開発                  運用・保守
                                                                                                運用・保守
       と活動領域
                 経営目標/     ビジネス        課題         ソリューション        コンポネント      ソリューション      ソリューション      ソリューション
                 ビジョン策定    戦略策定      整理/分析          設計             設計          構築            運用           保守
     職種
                                    (ビジネス /IT)    (構造/パターン )   (システム/ 業務)   (開発 /実装)     (システム /業務)   (システム /業務)

                 目標/ビジョン
                 目標/ビジョン    ビジネス
                            ビジネス    ビジネス課題
                                    ビジネス課題
     セールス         の確認
                  の確認      戦略の確認    ソリューション提案
                           戦略の確認    ソリューション提案

                 目標/ビジョン
                 目標/ビジョン   ビジネス戦略
                           ビジネス戦略   ソリューション       ソリューション
                                                  ソリューション
    コンサルタント       の提言      策定の助言
                           策定の助言    策定のための          の設計
                                                    の設計
                  の提言
                                      助言

       IT                           ソリューション       ソリューション       コンポネントの      ソリューション
                                    ソリューション
                                    の枠組み策定         アーキテク          設計           の構築
    アーキテクト                          の枠組み策定
                                                  チャーの設計

                                    プロジェクト基
                                    プロジェクト基
    プロジェクト                                        プロジェクトの       プロジェクトの      プロジェクトの      プロジェクトの      プロジェクトの
                                    本計画の策定
                                    本計画の策定
    マネジメント                                         管理/統制         管理/統制        管理/統制        管理/統制        管理/統制

                                                                             システム・コン      システム・コン
                                                  システム構築        システム・コン
                                                                システム・コン       システムの        システムの       システム・コン
                                                                                                        システムの
       IT                                         システム構築                     ポネントの導入
                                                  計画の策定          ポネントの                    ポネントの運用      ポネントの保守
    スペシャリスト                                       計画の策定         ポネントの設計       導入構築
                                                                               構築            運用          保守
                                                                  設計                      支援
            •ビジネス戦略                                             アプリケーション     アプリケーション   アプリケーション    アプリケーション
                                                   アプリケーション
    アプリケーション
                                                 ITアーキテクト
                                                   アプリケーション
                                                  開発計画の策
                                                  開発計画の策定    コンポネント                 ITアーキテクチャ
                                                                               コンポネント    コンポネント コンポネント
     スペシャリスト
            •ビ ジ ネ ス プ ロ セ ス                         の活動 の設計
                                                       定                        の開発      の運用支援
                                                                                           の運用
                                                                                        (開発へ)      の保守

     カスタマ                                                        導入計画        ハードウェア       ハードウェア       ハードウェア
             検討結果                                                導入計画
                                                                 の策定         ソフトウェア       ソフトウェア       ソフトウェア
     サービス                                                        の策定
                                                                              の導入          の保守          の保守

                                                                                 運用計画 /   システムの        システムの
    オペレーション                                                                      運用管理     運用と管理        運用と管理
                                                                                  の策定
                                                                                  の策定
                 主たる活動局面            従たる活動局面
3                                                                                                       © 2010 IBM Corporation
ITSS v.3にみるITアーキテクトの活動内容
 ビジネス及びIT上の課題を分析し、ソリューションを構成する情報システム化要件として再構成す
  る。ハードウェア、ソフトウェア関連技術(アプリケーション関連技術、メソドロジ)を活用し、顧客のビ
  ジネス戦略を実現するために情報システム全体の品質(整合性、一貫性等)を保ったITアーキテク
  チャを設計する。設計したアーキテクチャが課題に対するソリューションを構成することを確認する
  とともに、後続の開発、導入が可能であることを確認する。また、ソリューションを構成するために情
  報システムが満たすべき基準を明らかにする。さらに実現性に対する技術リスクについて事前に影
  響を評価する。
 IT投資の局面においては、戦略的情報化企画(課題整理と分析(ビジネス及びIT)、ソリューション
  設計(構造とパターン))を主な活動領域として以下を実施する。
     戦略的情報化企画
       –ソリューションの枠組み策定
       –ソリューションアーキテクチャの設計
 当該職種は、以下の専門分野に区分される。
 アプリケーションアーキテクチャ
     ビジネス及びIT上の課題を分析し、機能要件として再構成する。機能属性、仕様を明らかにし、アプリケー
      ションアーキテクチャ(アプリケーションコンポネント構造、論理データ構造等)を設計する。設計したアーキテ
      クチャがビジネス及びIT上の課題に対するソリューションを構成することを確認するとともに、後続の開発、導
      入が可能であることを確認する。
 インテグレーションアーキテクチャ
     全体最適の観点から異種あるいは複数の情報システム間の統合及び連携要求を分析し、統合及び連携要
      件として再構成する。統合及び連携仕様を明らかにし、インテグレーションアーキテクチャ(フレームワーク構
      造およびインタオペラビリティ)を設計する。設計したアーキテクチャが統合及び連携要求を満たすことを確認
      するとともに、後続の開発、導入が可能であることを確認する。
 インフラストラクチャアーキテクチャ
     ビジネス及びIT上の課題を分析し、システム基盤要件として再構成する。システム属性、仕様を明らかにし、
      インフラストラクチャアーキテクチャ(システムマネジメント、セキュリティ、ネットワーク、プラットフォーム等)を
      設計する。設計したアーキテクチャがビジネス及びIT上の課題に対するソリューションを構成することを確認
4
      するとともに、後続の開発、導入が可能であることを確認する。                   © 2010 IBM Corporation
アーキテクチャとは何か

Architecture: the fundamental organization of a system embodied in
 its components, their relationships to each other and to the
 environment, and the principles guiding its design and evolution.
 「アーキテクチャ:コンポーネントを統合したシステムの基本的な編成,コン
 ポーネント相互およびコンポーネントと環境間の関係,そしてシステム設計と
 進化を導く原則」
       IEEE Std.1471-2000 Recommended Practice for Architectural Description of Software Intensive Systems



キーワード: organization, components, principles




「分け方とつなぎ方」 → 「全体をどう切り分け,部分をどのように関係づけるか」
           中国では「結構」(ものごとの構えとその結びつき)と表現される


                                                                                           © 2010 IBM Corporation
IEEE Std. 1471-2000 アーキテクチャ記述の概念モデル




                               © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトの主要活動領域



           ④ ビジネスとITのギャップを埋め,ソリューションの枠組みを作る

    ビジネス
            ③ ビジネスの形態に応じてITソリューションを最適化する




              ② ITシステム構築手法を決定する
     IT
              ① ITアーキテクチャをデザインする




7                                     © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則

    ITアーキテクチャの構築
      Separation of Concerns
    ITソリューションの構築手法決定
      Method Adoption
    ITソリューションの最適化
      Solution Optimization
    ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで
      Business-IT Alignment




8                               © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則

    ITアーキテクチャの構築
      Separation of Concerns
    ITソリューションの構築手法決定
      Method Adoption
    ITソリューションの最適化
      Solution Optimization
    ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで
      Business-IT Alignment




9                               © 2010 IBM Corporation
アーキテクチャ構成の基本原則
機能要求のモデル化(コンポーネントベースでの分析・設計)
テクノロジー・セレクションのためのモデル化(インフラ設計の抽象化)
コンポーネントをどのようにノードに配置するか
関心事の分離(Separation of Concerns)




        機能実装        ITシステム
                                   稼働環境実装

                     包含する
               コンポーネント       ノード

                     配置する




                                            © 2010 IBM Corporation
Separation of Concerns

アーキテクチャは多様な側面から設計されるべき
  建築の設計図面のアナロジー
  立体を平面に表現しなければならない
IT設計においては以下が必要
  要求の切り分け
  上位概念(メタ)による分類
全体をいかに「切り分け」て,
 いかに「組み合せ」るか




                          © 2010 IBM Corporation
ソリューション・アーキテクチャ

                  ビジネス・アーキテクチャ
                  • ビジネス・プロセス/ルール
                  • サービス・ゴール
                  •…


                  アプリケーション・アーキテクチャ
                  • アプリケーション・コンポーネント
                  • アプリケーション・フレームワーク
                  •…
ソリューション・
アーキテクチャ           配置(データサービス/アプリケーション)
(全体として1           • データサービス・アーキテクチャ
つのアーキテ            • コンポーネント配置
クチャ)
                  •…


                  インフラストラクチャ・アーキテクチャ
                  • ネットワーク・アーキテクチャ
                  • セキュリティ・アーキテクチャ
                  • ハードウェア・ノード物理配置
                  •…




                                    © 2010 IBM Corporation
エンタープライズ・アーキテクチャとソリューション・アーキテクチャ



                            ソリューションB              ソリューションD

                                       ソリューションC
                 ソリューションA




 全   全
 社   社
 経   I
 営   T
 戦   戦
 略   略


         全社インフラストラクチャ・アーキテクチャ

 アーキテクチャ・ガバナンス


                                                     © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則

     ITアーキテクチャの構築
       Separation of Concerns
     ITソリューションの構築手法決定
       Method Adoption
     ITソリューションの最適化
       Solution Optimization
     ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで
       Business-IT Alignment




14                               © 2010 IBM Corporation
構築技術の変遷とプラットフォーム


  方法論の
  人口                     データ中心
  (世界)

           機能中心

                                   オブジェクト指向

         1970     1980      1990   2000

                    UNIX
         メインフレーム

  プラット                   クライアント/
  フォーム                   サーバー
                                    Web

                                              © 2010 IBM Corporation
構築技術変遷の背景


 機能中心
       演算コストの高価な時期に処理機能を中心に最適化
                                                     CASEツール
 データ中心
       取り扱うデータの種類・項目数の増大に伴い,DB編成や入出力のコストが機能より高価に
       データ項目/データ構造/データの流れ中心,機能は単なるデータ変換の役割
 オブジェクト指向
       データ構造と処理をカプセル化               Visualプログラミング
       GUIやイベント駆動のプログラミング・モデルに合致
 コンポーネント指向
       再利用性の追求が必要に       J2EE/.NET など
       変化に対する柔軟性が求められる
 サービス指向
       サービスの柔軟な組み合わせを指向
       ビジネスの変化に対するスピード性を重視         Webサービス, ビジネス・インテグレーション
 …




                                                        © 2010 IBM Corporation
開発規模と負荷
     1Kステップ(LOC)当たりの相対負荷


30



             個人差
25

             欠陥除去活動


20           最小労力




15




10




 5



 0
        1    2      4   8   16   32   64   128   256   512   1,024   2,048
                                                                開発Kステップ(LOC)
                                                                     © 2010 IBM Corporation
開発における手戻りコスト

    前工程以前の欠陥に対する除去コスト


    工程内の欠陥に対する除去コスト


    本来の理想的な開発コスト




                                                          開発工程

   要件定義   外部設計     内部設計   開発実施         統合テストb   システムテスト

                            (統合テストa)

                                                          © 2010 IBM Corporation
構築手法の選択はリスクヘッジの組み込みでもあります。

     IT構築は実装終了間近まで要求の実現可能性を確
      信しづらい
      アプリケーション開発プロジェクトの成功率 == 28%*
      要求定義段階からリリースまでのタイムラグ
      ビジネスシステムとしての観点まで広げるなら,更に不透明
      いくつかのリスクヘッジ手法
       –プロトタイピング
       –モデル駆動型開発
       –反復型開発プロセス
       –スモールリリースと継続的インテグレーション
       –ビジネスプロセス・モデリングとシミュレーション
                              * Standish Group “Chaos Report 2007”

19                                                 © 2010 IBM Corporation
構築手法の選択は、何を重視するかによって変わります。

     プロセス        ウォーターフォール開     反復型開発   アジャイル開発
                 発
     成功の測定       計画への適合                 変化への対応
                                        動くコード
     マネジメント文化    命令と制御                  リーダーシップ
                                        協業的
     要求と設計       大きくて前払い                継続的・発現的
                                        ジャストインタイム
     コーディングと実装   全機能を同時に                コーディングとユニッ
                  コーディング                トテスト
                 後でテスト                  順番に納品
     テストと品質保証    大きく、計画に基づく             継続的・同時発生
                 遅くテスト                  早期にテスト
     計画と         PERT・詳細・範囲固定           2レベル計画・期日固定
     スケジューリング    時間と工数を見積もり             範囲を見積もり

 出展:「アジャイル開発の本質とスケールアップ」
20                                               © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則

     ITアーキテクチャの構築
       Separation of Concerns
     ITソリューションの構築手法決定
       Method Adoption
     ITソリューションの最適化
       Solution Optimization
     ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで
       Business-IT Alignment




21                               © 2010 IBM Corporation
ソリューションの最適化とは。

ITソリューション実現方法のコスト・方法の最適化
ソリューション自体のパラダイムチェンジ
  – e.g. 飲料自販機の補充に最適経路の実装を求められたら
最適なソリューションを生むために必要なもの
  ドメイン知識
  実現技術を選択するための知識
  問題分析とパターン化の知識                   ドメイン
   (要求工学プラクティス)                    知識


                                ソリューション
                                最適化
                           実現                 問題
                           技術                 分析


                                          © 2010 IBM Corporation
要求工学の技術体系に学ぶ。

要求工学=要求開発+要求管理
                                    要求工学 RE
                                    (Requirements Engineering)



       要求開発 RD                                                  要求管理 RM
       (Requirements Development)                               (Requirements Management)



要求獲得                          要求分析                           要求仕様記述                          要求検査
(Requirements
Elicitation /                 (Requirements                  (Requirements                   (Requirements
Acquision)                    Aanalysis)                     Specification)                  Validation)

P. Sawyer, Software Requirements, R. H. Thayer, et al., Software Engineering, 3 rd ed, IEEE Computer Society, 2005


                                                                                                            © 2010 IBM Corporation
要求のスコープを確実に理解し、インパクトを認識します。

階層的なスコープ:ビジネス/システム/ソフトウェア/ハードウェア
   環境: ステークホルダ,市場/ビジネス慣行,法規制 etc

    ビジネス            ビジネス要求

      ビジネス戦略    ビジネス               ビジネス
                          データ
      / ゴール     プロセス               ルール

   システム                システム要求

     ソフトウェア    ソフトウェア要求
                                   ハードウェア
       機能要求     非機能要求     将来要求     要求




                                            © 2010 IBM Corporation
Non-Functional Requirements (NFR) : 非機能要求


Non-functional requirements, as the name suggests, are those
 requirements which are not directly concerned with the specific functions
 delivered by the system. They may relate to emergent system properties
 such as reliability, response time and store occupancy. Alternatively, they
 may define constraints on the system such as the capabilities of I/O
 devices and the data representations used in system interfaces.
                  (Software Engineering 6th Edition, Ian Sommerville, 2001)

非機能要求は,時として,制約条件(constraints)もしくは品質要求(quality
 requirements)として知られている。また,この要求はさらに以下のように分類できる。
 (例えば)性能要求,保守容易性要求,安全性要求,信頼性要求,電磁気互換性要求,
 その他の様々なタイプの要求である。
               (ソフトウェアエンジニアリング基礎知識体系 – SWEBOK, 2003)




                                                                    © 2010 IBM Corporation
NFRの特徴

主観的
 ヒトによって解釈と評価が異なる面を持つ
相対的
 重要な点は,対象システムの特性によって異なる
相互干渉的
 一つのNFRを達成しようとすると,他のNFRを「損じる」



 このように扱いが難しいのに,
 システムの重要成功要因として大きな比重を占めている




                                 © 2010 IBM Corporation
NFR トレードオフの例
                                                                      Inter-        Maintain-
               Availability   Efficiency   Flexibility   Integrity                                Portability   Reliability   Reusability   Robustness    Usability
                                                                      operability       ability


Availability                                                                                                        +                          +


Efficiency                                     -                          -              -            -             -                          -              -


Flexibility                       -                         -                            +            +             +


Integrity                         -                                       -                                                       -                           -

Inter-
                                  -            +            -                                         +
operability

Maintain-
                    +             -            +                                                                    +
ability

Portability                       -            +                          +              -                                        +                           -


Reliability         +             -            +                                         +                                                     +              +


Reusability                       -            +            -             +              +            +             -


Robustness          +             -                                                                                 +                                         +


Usability                         -                                                                                                            +


                                                                     Source: “Software Requirements”, Karl E. Wiegers
                                                                                                                                               © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則

     ITアーキテクチャの構築
       Separation of Concerns
     ITソリューションの構築手法決定
       Method Adoption
     ITソリューションの最適化
       Solution Optimization
     ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで
       Business-IT Alignment




28                               © 2010 IBM Corporation
ビジネスとITライフサイクルの一体化が重要です。

                    ビジネスゴールの設定と
                    ブレイクダウン
  メトリクス・ポートフォリオ分析
                                    ビジネスプロセス・モデリング




                           ビジネス
                                            要求定義
 監視



         IT運用


                                             開発リソース最適化

  テストとディプロイ              ソフトウェア開発

                              設計と構築




                                                     © 2010 IBM Corporation
ビジネス・アーキテクチャーの全容をカバーする方策が必要です
   。
                                                *
                                                      BusinessEnvironment

                                        is influenced by
                      *

                                                                      assembles
        Business                                                                                                                                 BusinessResource

                                        performs                                                                                          1..*                 1..*
                1           1
                                                                                                                            input
                                    *
                                                                 belongs
                                            BusinessUnit                            Role
  is defined by                                                  1           1..*                                                                       output
                                    1..*
                       achieves                                                            1..*
                                                                                                          drives
                *                                                                                                  *   1
                    1..*                                                                           1..*                             1

                                                                                                                                  1..*                  1..*
        BusinessGoal                                                                                 BusinessProcess                     is driven by             BusinessEvent
                                1                     fulfills                             1..*
                                                                                                                                          1
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                                                                     1..*
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                                                                                                                       is decomposed by
                                                             BusinessPolicy
            1         1                                                                                            *
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                                                                             constraints
   BusinessPerformance                                                                            1..*     BusinessRule



                                                                               IPA ITスキル標準センター アーキテクチャ・メタモデル解説書
                                                                                                                                                                 © 2010 IBM Corporation
“Business”関連ソリューションが密接に連携します。

                                                                     Detect
          何が起こっているか?                                いつ行動をとるか?
        What’s Happening                             When to Act    BEP
                                                     イベントソース
BAM                                                                                    Decide
                                                         BEPランタイム             BRMS
                                                          評価・相関




                                           何を実行するか?
                                            What to Do        !


• BEP := Business Event Processing
• BPM := Business Process Management
                                             BPM
• BAM := Business Activity Management
• BRMS = Business Rule Management System

                                                                               © 2010 IBM Corporation
異なる課題に対する異なる技術を統合して,総合的なソリューションを構築します。

                 イベントの関連付けやイベント・パターン検知し、他のプロセスへの通知や対応
                 アクションの発動を行う
                   • 製品調査のイベントが発生したら、ダイレクト・メールのデータベースを更新
 ビジネス・イベント処理       • 製品調査のイベントが2回発生したら、テレマーケティングのワークフローを発動
 (BEP)             • 製品調査のイベントが2回発生し、かつ、2日以内に購入のイベントが発生しないなら、営
                     業によるフォローアッププロ説を発動

                 サービスやプロセス・ステップにおけるビジネス判断や推奨を自動化するための
                 ビジネス・ルールを実装する
                   • 口座審査結果を受けて、顧客のクレジット限度額の変更を実施
                   • 申し込みから社会福祉援助の適格性を判断
ビジネス・ルール管理         • 保健契約申込書の承諾と保険料の価格設定
(BRMS)

                 キャプチャー、集約、測定、KPIの表示を行い、閾値を超えた場合にアラートを発動
                 する
                   • 重要性のアクティビティを示すグラフ
                   • データの集約と閾値
ビジネス・アクティビティ監視     • 例外に起因したアラート通知
(BAM)


                 人間系およびシステム・アクティビティの特定のシーケンスを実行する
                   • ヘルプデスクへの電話に対応するためのプロセス
                   • 新しいクライアントをサインアップするためのプロセス
                   • 新規従業員を登録するためのプロセス
ビジネス・プロセス管理
(BPM)
                                                       © 2010 IBM Corporation
時間制約のあるイベントを処理する一般的なフレームワーク


 金融市場       イベントベース・エンジンは時間制約を
 データ        守りつつ、イベント・データのルーティン
            グ、順序付け、フィルタリングを行う



 RFID データ                              適宜選択してシステム
                                       や人に通知
                                        イベントの通知

                     イベントベース・エンジン
 リッチ・メディア
                     イベント・ストリームを        関心のあるパターンを
                     連続的に解析             識別
                       イベントの解析          イベントに対するアクション


 監視システム
                                   データ      TDDB: Time-dependent DB
              TDDB      DB
                                   ウェアハウス
                                                       © 2010 IBM Corporation
ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則

     ITアーキテクチャの構築
       Separation of Concerns
     ITソリューションの構築手法決定
       Method Adoption
     ITソリューションの最適化
       Solution Optimization
     ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで
       Business-IT Alignment
     ニュー・パラダイムへの挑戦


34                               © 2010 IBM Corporation
データは時間的にも空間的にもますます細かな精度で
得られるようになっています。

 「人」に対するセンサー: 居場所
  (その人が持っているデバイスの位置より
  推測)、 活動(カレンダーやデスクトップ情
  報から推測)、 生体認証、
  など

 「場所」に対するセンサー: 部屋の状態(動
  きや音から推測。ただし、人物の特定はし
  ない)、(人や物の)所在確認、 混雑具合
  (圧力パッドやカメラの映像より推測)、な
  ど

 「モノ」に対するセンサー: 位置 (RFID)、
  状態(テレマティックスやデスクトップなど
  の監視センサー)、
  など

 「ビジネス」に対するセンサー: データベー
  ス、Webなどから得られる状況データ
  (医療データ、クレジットカードの利用履歴、
  場所の履歴)、 業務プロセスより得られる
  状況データ




                             © 2010 IBM Corporation
クラウド・コンピューティングはアーキテクチャ設計技術に大きな
     変化をもたらすでしょう。


       キーとなる5つの性質:
       1. On-demand self-service
       2. Ubiquitous network access
       3. Location independent resource pooling
       4. Rapid elasticity
       5. Flexible pricing models




36                                           © 2010 IBM Corporation
                                                             36
企業システムの価値や求められる優先順位が変化しています。


 時間軸   企業システムの価値(例)               キーワード

       • 手作業をITに置き換えて人件費を下げる
 旧来    • 人・ライン等の資源の生産性を上げる        QCD
       • IT処理により品質を上げる


       • 新しい商品やサービスに素早く対応できる
 近年    • 柔軟かつ迅速にサプライチェーンの変更ができる   Agility
       • 段階的・連続的なシステム変更ができる


       • 大量・連続的データをリアルタイムに解析できる
                                  Dynamic /
 将来    • 解析結果をもとにビジネス行動の最適化を図る
       • ITリソース自体の最適化が動的に行われる     Optimization




                                            © 2010 IBM Corporation
技術の変化に追随しつつ、
技術の断片に惑わされない原則を身につける。
ITアーキテクトの醍醐味はそこにあります。




                   © 2010 IBM Corporation

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  • 2. 自己紹介 1986年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。以来,主にサービス部門にて, SEとして銀行,新聞社,電子部品メーカー,自動車メーカーなど多数のプロ ジェクトに参画。専門はアーキテクチャ設計技術。2006年から同社東京基 礎研究所にてサービス・ソフトウェア・エンジニアリングの研究に従事した後, 2008年1月よりグローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業に帰任。 現在全世界のエンタープライズ・アーキテクチャ&テクノロジー部門の責任者兼, GBS事業技術統括CTO。IBMディスティングイッシュト・エンジニア(技術理事)。 著書:「SEの基礎知識 アプリケーション開発技術」(共著,リックテレコム),「ソフトウェ ア品質知識体系(SQuBOK)ガイド」(共著,オーム社),「ITアーキテクトになる方法」 (翔泳社 予定) 訳書:「MDAモデル駆動アーキテクチャ」(共訳,エスアイビー・アクセス),「ソフトウェ アエンジニアリングの基礎知識体系 –SWEBOK-」(共訳,オーム社),「Eclipseモデリ ングフレームワーク」(監訳,翔泳社),「実践ソフトウェアエンジニアリング」(監訳,日 科技連出版社),「SOA大全」(共訳,日経BP)MDAマニフェスト」(共訳,エスアイ ビー・アクセス),「プロブレムフレーム」(監訳,翔泳社,2006),「システムアーキテク チャ構築の原理」(監訳,翔泳社),「実践アジャイルテスト」(監訳,翔泳社) 情報処理学会,情報システム学会,プロジェクトマネジメント学会,IEEE Computer Society,ACMの各正会員。 © 2010 IBM Corporation
  • 3. ITスキル標準(ITSS)におけるITアーキテクトの役割 IT投資の局面 経営戦略策定 経営戦略策定 戦略的情報化企画 戦略的情報化企画 開発 開発 運用・保守 運用・保守 と活動領域 経営目標/ ビジネス 課題 ソリューション コンポネント ソリューション ソリューション ソリューション ビジョン策定 戦略策定 整理/分析 設計 設計 構築 運用 保守 職種 (ビジネス /IT) (構造/パターン ) (システム/ 業務) (開発 /実装) (システム /業務) (システム /業務) 目標/ビジョン 目標/ビジョン ビジネス ビジネス ビジネス課題 ビジネス課題 セールス の確認 の確認 戦略の確認 ソリューション提案 戦略の確認 ソリューション提案 目標/ビジョン 目標/ビジョン ビジネス戦略 ビジネス戦略 ソリューション ソリューション ソリューション コンサルタント の提言 策定の助言 策定の助言 策定のための の設計 の設計 の提言 助言 IT ソリューション ソリューション コンポネントの ソリューション ソリューション の枠組み策定 アーキテク 設計 の構築 アーキテクト の枠組み策定 チャーの設計 プロジェクト基 プロジェクト基 プロジェクト プロジェクトの プロジェクトの プロジェクトの プロジェクトの プロジェクトの 本計画の策定 本計画の策定 マネジメント 管理/統制 管理/統制 管理/統制 管理/統制 管理/統制 システム・コン システム・コン システム構築 システム・コン システム・コン システムの システムの システム・コン システムの IT システム構築 ポネントの導入 計画の策定 ポネントの ポネントの運用 ポネントの保守 スペシャリスト 計画の策定 ポネントの設計 導入構築 構築 運用 保守 設計 支援 •ビジネス戦略 アプリケーション アプリケーション アプリケーション アプリケーション アプリケーション アプリケーション ITアーキテクト アプリケーション 開発計画の策 開発計画の策定 コンポネント ITアーキテクチャ コンポネント コンポネント コンポネント スペシャリスト •ビ ジ ネ ス プ ロ セ ス の活動 の設計 定 の開発 の運用支援 の運用 (開発へ) の保守 カスタマ 導入計画 ハードウェア ハードウェア ハードウェア 検討結果 導入計画 の策定 ソフトウェア ソフトウェア ソフトウェア サービス の策定 の導入 の保守 の保守 運用計画 / システムの システムの オペレーション 運用管理 運用と管理 運用と管理 の策定 の策定 主たる活動局面 従たる活動局面 3 © 2010 IBM Corporation
  • 4. ITSS v.3にみるITアーキテクトの活動内容  ビジネス及びIT上の課題を分析し、ソリューションを構成する情報システム化要件として再構成す る。ハードウェア、ソフトウェア関連技術(アプリケーション関連技術、メソドロジ)を活用し、顧客のビ ジネス戦略を実現するために情報システム全体の品質(整合性、一貫性等)を保ったITアーキテク チャを設計する。設計したアーキテクチャが課題に対するソリューションを構成することを確認する とともに、後続の開発、導入が可能であることを確認する。また、ソリューションを構成するために情 報システムが満たすべき基準を明らかにする。さらに実現性に対する技術リスクについて事前に影 響を評価する。  IT投資の局面においては、戦略的情報化企画(課題整理と分析(ビジネス及びIT)、ソリューション 設計(構造とパターン))を主な活動領域として以下を実施する。  戦略的情報化企画 –ソリューションの枠組み策定 –ソリューションアーキテクチャの設計  当該職種は、以下の専門分野に区分される。  アプリケーションアーキテクチャ  ビジネス及びIT上の課題を分析し、機能要件として再構成する。機能属性、仕様を明らかにし、アプリケー ションアーキテクチャ(アプリケーションコンポネント構造、論理データ構造等)を設計する。設計したアーキテ クチャがビジネス及びIT上の課題に対するソリューションを構成することを確認するとともに、後続の開発、導 入が可能であることを確認する。  インテグレーションアーキテクチャ  全体最適の観点から異種あるいは複数の情報システム間の統合及び連携要求を分析し、統合及び連携要 件として再構成する。統合及び連携仕様を明らかにし、インテグレーションアーキテクチャ(フレームワーク構 造およびインタオペラビリティ)を設計する。設計したアーキテクチャが統合及び連携要求を満たすことを確認 するとともに、後続の開発、導入が可能であることを確認する。  インフラストラクチャアーキテクチャ  ビジネス及びIT上の課題を分析し、システム基盤要件として再構成する。システム属性、仕様を明らかにし、 インフラストラクチャアーキテクチャ(システムマネジメント、セキュリティ、ネットワーク、プラットフォーム等)を 設計する。設計したアーキテクチャがビジネス及びIT上の課題に対するソリューションを構成することを確認 4 するとともに、後続の開発、導入が可能であることを確認する。 © 2010 IBM Corporation
  • 5. アーキテクチャとは何か Architecture: the fundamental organization of a system embodied in its components, their relationships to each other and to the environment, and the principles guiding its design and evolution. 「アーキテクチャ:コンポーネントを統合したシステムの基本的な編成,コン ポーネント相互およびコンポーネントと環境間の関係,そしてシステム設計と 進化を導く原則」 IEEE Std.1471-2000 Recommended Practice for Architectural Description of Software Intensive Systems キーワード: organization, components, principles 「分け方とつなぎ方」 → 「全体をどう切り分け,部分をどのように関係づけるか」 中国では「結構」(ものごとの構えとその結びつき)と表現される © 2010 IBM Corporation
  • 6. IEEE Std. 1471-2000 アーキテクチャ記述の概念モデル © 2010 IBM Corporation
  • 7. ITアーキテクトの主要活動領域 ④ ビジネスとITのギャップを埋め,ソリューションの枠組みを作る ビジネス ③ ビジネスの形態に応じてITソリューションを最適化する ② ITシステム構築手法を決定する IT ① ITアーキテクチャをデザインする 7 © 2010 IBM Corporation
  • 8. ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則 ITアーキテクチャの構築  Separation of Concerns ITソリューションの構築手法決定  Method Adoption ITソリューションの最適化  Solution Optimization ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで  Business-IT Alignment 8 © 2010 IBM Corporation
  • 9. ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則 ITアーキテクチャの構築  Separation of Concerns ITソリューションの構築手法決定  Method Adoption ITソリューションの最適化  Solution Optimization ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで  Business-IT Alignment 9 © 2010 IBM Corporation
  • 11. Separation of Concerns アーキテクチャは多様な側面から設計されるべき  建築の設計図面のアナロジー  立体を平面に表現しなければならない IT設計においては以下が必要  要求の切り分け  上位概念(メタ)による分類 全体をいかに「切り分け」て, いかに「組み合せ」るか © 2010 IBM Corporation
  • 12. ソリューション・アーキテクチャ ビジネス・アーキテクチャ • ビジネス・プロセス/ルール • サービス・ゴール •… アプリケーション・アーキテクチャ • アプリケーション・コンポーネント • アプリケーション・フレームワーク •… ソリューション・ アーキテクチャ 配置(データサービス/アプリケーション) (全体として1 • データサービス・アーキテクチャ つのアーキテ • コンポーネント配置 クチャ) •… インフラストラクチャ・アーキテクチャ • ネットワーク・アーキテクチャ • セキュリティ・アーキテクチャ • ハードウェア・ノード物理配置 •… © 2010 IBM Corporation
  • 13. エンタープライズ・アーキテクチャとソリューション・アーキテクチャ ソリューションB ソリューションD ソリューションC ソリューションA 全 全 社 社 経 I 営 T 戦 戦 略 略 全社インフラストラクチャ・アーキテクチャ アーキテクチャ・ガバナンス © 2010 IBM Corporation
  • 14. ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則 ITアーキテクチャの構築  Separation of Concerns ITソリューションの構築手法決定  Method Adoption ITソリューションの最適化  Solution Optimization ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで  Business-IT Alignment 14 © 2010 IBM Corporation
  • 15. 構築技術の変遷とプラットフォーム 方法論の 人口 データ中心 (世界) 機能中心 オブジェクト指向 1970 1980 1990 2000 UNIX メインフレーム プラット クライアント/ フォーム サーバー Web © 2010 IBM Corporation
  • 16. 構築技術変遷の背景  機能中心  演算コストの高価な時期に処理機能を中心に最適化 CASEツール  データ中心  取り扱うデータの種類・項目数の増大に伴い,DB編成や入出力のコストが機能より高価に  データ項目/データ構造/データの流れ中心,機能は単なるデータ変換の役割  オブジェクト指向  データ構造と処理をカプセル化 Visualプログラミング  GUIやイベント駆動のプログラミング・モデルに合致  コンポーネント指向  再利用性の追求が必要に J2EE/.NET など  変化に対する柔軟性が求められる  サービス指向  サービスの柔軟な組み合わせを指向  ビジネスの変化に対するスピード性を重視 Webサービス, ビジネス・インテグレーション  … © 2010 IBM Corporation
  • 17. 開発規模と負荷 1Kステップ(LOC)当たりの相対負荷 30 個人差 25 欠陥除去活動 20 最小労力 15 10 5 0 1 2 4 8 16 32 64 128 256 512 1,024 2,048 開発Kステップ(LOC) © 2010 IBM Corporation
  • 18. 開発における手戻りコスト 前工程以前の欠陥に対する除去コスト 工程内の欠陥に対する除去コスト 本来の理想的な開発コスト 開発工程 要件定義 外部設計 内部設計 開発実施 統合テストb システムテスト (統合テストa) © 2010 IBM Corporation
  • 19. 構築手法の選択はリスクヘッジの組み込みでもあります。 IT構築は実装終了間近まで要求の実現可能性を確 信しづらい アプリケーション開発プロジェクトの成功率 == 28%* 要求定義段階からリリースまでのタイムラグ ビジネスシステムとしての観点まで広げるなら,更に不透明 いくつかのリスクヘッジ手法 –プロトタイピング –モデル駆動型開発 –反復型開発プロセス –スモールリリースと継続的インテグレーション –ビジネスプロセス・モデリングとシミュレーション * Standish Group “Chaos Report 2007” 19 © 2010 IBM Corporation
  • 20. 構築手法の選択は、何を重視するかによって変わります。 プロセス ウォーターフォール開 反復型開発 アジャイル開発 発 成功の測定 計画への適合 変化への対応 動くコード マネジメント文化 命令と制御 リーダーシップ 協業的 要求と設計 大きくて前払い 継続的・発現的 ジャストインタイム コーディングと実装 全機能を同時に コーディングとユニッ コーディング トテスト 後でテスト 順番に納品 テストと品質保証 大きく、計画に基づく 継続的・同時発生 遅くテスト 早期にテスト 計画と PERT・詳細・範囲固定 2レベル計画・期日固定 スケジューリング 時間と工数を見積もり 範囲を見積もり 出展:「アジャイル開発の本質とスケールアップ」 20 © 2010 IBM Corporation
  • 21. ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則 ITアーキテクチャの構築  Separation of Concerns ITソリューションの構築手法決定  Method Adoption ITソリューションの最適化  Solution Optimization ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで  Business-IT Alignment 21 © 2010 IBM Corporation
  • 22. ソリューションの最適化とは。 ITソリューション実現方法のコスト・方法の最適化 ソリューション自体のパラダイムチェンジ – e.g. 飲料自販機の補充に最適経路の実装を求められたら 最適なソリューションを生むために必要なもの  ドメイン知識  実現技術を選択するための知識  問題分析とパターン化の知識 ドメイン (要求工学プラクティス) 知識 ソリューション 最適化 実現 問題 技術 分析 © 2010 IBM Corporation
  • 23. 要求工学の技術体系に学ぶ。 要求工学=要求開発+要求管理 要求工学 RE (Requirements Engineering) 要求開発 RD 要求管理 RM (Requirements Development) (Requirements Management) 要求獲得 要求分析 要求仕様記述 要求検査 (Requirements Elicitation / (Requirements (Requirements (Requirements Acquision) Aanalysis) Specification) Validation) P. Sawyer, Software Requirements, R. H. Thayer, et al., Software Engineering, 3 rd ed, IEEE Computer Society, 2005 © 2010 IBM Corporation
  • 24. 要求のスコープを確実に理解し、インパクトを認識します。 階層的なスコープ:ビジネス/システム/ソフトウェア/ハードウェア 環境: ステークホルダ,市場/ビジネス慣行,法規制 etc ビジネス ビジネス要求 ビジネス戦略 ビジネス ビジネス データ / ゴール プロセス ルール システム システム要求 ソフトウェア ソフトウェア要求 ハードウェア 機能要求 非機能要求 将来要求 要求 © 2010 IBM Corporation
  • 25. Non-Functional Requirements (NFR) : 非機能要求 Non-functional requirements, as the name suggests, are those requirements which are not directly concerned with the specific functions delivered by the system. They may relate to emergent system properties such as reliability, response time and store occupancy. Alternatively, they may define constraints on the system such as the capabilities of I/O devices and the data representations used in system interfaces. (Software Engineering 6th Edition, Ian Sommerville, 2001) 非機能要求は,時として,制約条件(constraints)もしくは品質要求(quality requirements)として知られている。また,この要求はさらに以下のように分類できる。 (例えば)性能要求,保守容易性要求,安全性要求,信頼性要求,電磁気互換性要求, その他の様々なタイプの要求である。 (ソフトウェアエンジニアリング基礎知識体系 – SWEBOK, 2003) © 2010 IBM Corporation
  • 26. NFRの特徴 主観的 ヒトによって解釈と評価が異なる面を持つ 相対的 重要な点は,対象システムの特性によって異なる 相互干渉的 一つのNFRを達成しようとすると,他のNFRを「損じる」 このように扱いが難しいのに, システムの重要成功要因として大きな比重を占めている © 2010 IBM Corporation
  • 27. NFR トレードオフの例 Inter- Maintain- Availability Efficiency Flexibility Integrity Portability Reliability Reusability Robustness Usability operability ability Availability + + Efficiency - - - - - - - Flexibility - - + + + Integrity - - - - Inter- - + - + operability Maintain- + - + + ability Portability - + + - + - Reliability + - + + + + Reusability - + - + + + - Robustness + - + + Usability - + Source: “Software Requirements”, Karl E. Wiegers © 2010 IBM Corporation
  • 28. ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則 ITアーキテクチャの構築  Separation of Concerns ITソリューションの構築手法決定  Method Adoption ITソリューションの最適化  Solution Optimization ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで  Business-IT Alignment 28 © 2010 IBM Corporation
  • 29. ビジネスとITライフサイクルの一体化が重要です。 ビジネスゴールの設定と ブレイクダウン メトリクス・ポートフォリオ分析 ビジネスプロセス・モデリング ビジネス 要求定義 監視 IT運用 開発リソース最適化 テストとディプロイ ソフトウェア開発 設計と構築 © 2010 IBM Corporation
  • 30. ビジネス・アーキテクチャーの全容をカバーする方策が必要です 。 * BusinessEnvironment is influenced by * assembles Business BusinessResource performs 1..* 1..* 1 1 input * belongs BusinessUnit Role is defined by 1 1..* output 1..* achieves 1..* drives * * 1 1..* 1..* 1 1..* 1..* BusinessGoal BusinessProcess is driven by BusinessEvent 1 fulfills 1..* 1 1 1 consists of 1 1..* 1..* estimates evaluates includes is decomposed by BusinessPolicy 1 1 * 1..* constraints BusinessPerformance 1..* BusinessRule IPA ITスキル標準センター アーキテクチャ・メタモデル解説書 © 2010 IBM Corporation
  • 31. “Business”関連ソリューションが密接に連携します。 Detect 何が起こっているか? いつ行動をとるか? What’s Happening When to Act BEP イベントソース BAM Decide BEPランタイム BRMS 評価・相関 何を実行するか? What to Do ! • BEP := Business Event Processing • BPM := Business Process Management BPM • BAM := Business Activity Management • BRMS = Business Rule Management System © 2010 IBM Corporation
  • 32. 異なる課題に対する異なる技術を統合して,総合的なソリューションを構築します。 イベントの関連付けやイベント・パターン検知し、他のプロセスへの通知や対応 アクションの発動を行う • 製品調査のイベントが発生したら、ダイレクト・メールのデータベースを更新 ビジネス・イベント処理 • 製品調査のイベントが2回発生したら、テレマーケティングのワークフローを発動 (BEP) • 製品調査のイベントが2回発生し、かつ、2日以内に購入のイベントが発生しないなら、営 業によるフォローアッププロ説を発動 サービスやプロセス・ステップにおけるビジネス判断や推奨を自動化するための ビジネス・ルールを実装する • 口座審査結果を受けて、顧客のクレジット限度額の変更を実施 • 申し込みから社会福祉援助の適格性を判断 ビジネス・ルール管理 • 保健契約申込書の承諾と保険料の価格設定 (BRMS) キャプチャー、集約、測定、KPIの表示を行い、閾値を超えた場合にアラートを発動 する • 重要性のアクティビティを示すグラフ • データの集約と閾値 ビジネス・アクティビティ監視 • 例外に起因したアラート通知 (BAM) 人間系およびシステム・アクティビティの特定のシーケンスを実行する • ヘルプデスクへの電話に対応するためのプロセス • 新しいクライアントをサインアップするためのプロセス • 新規従業員を登録するためのプロセス ビジネス・プロセス管理 (BPM) © 2010 IBM Corporation
  • 33. 時間制約のあるイベントを処理する一般的なフレームワーク 金融市場 イベントベース・エンジンは時間制約を データ 守りつつ、イベント・データのルーティン グ、順序付け、フィルタリングを行う RFID データ 適宜選択してシステム や人に通知 イベントの通知 イベントベース・エンジン リッチ・メディア イベント・ストリームを 関心のあるパターンを 連続的に解析 識別 イベントの解析 イベントに対するアクション 監視システム データ TDDB: Time-dependent DB TDDB DB ウェアハウス © 2010 IBM Corporation
  • 34. ITアーキテクトが押さえるべき4つの原則 ITアーキテクチャの構築  Separation of Concerns ITソリューションの構築手法決定  Method Adoption ITソリューションの最適化  Solution Optimization ビジネス戦略・課題の領域からIT領域まで  Business-IT Alignment ニュー・パラダイムへの挑戦 34 © 2010 IBM Corporation
  • 35. データは時間的にも空間的にもますます細かな精度で 得られるようになっています。  「人」に対するセンサー: 居場所 (その人が持っているデバイスの位置より 推測)、 活動(カレンダーやデスクトップ情 報から推測)、 生体認証、 など  「場所」に対するセンサー: 部屋の状態(動 きや音から推測。ただし、人物の特定はし ない)、(人や物の)所在確認、 混雑具合 (圧力パッドやカメラの映像より推測)、な ど  「モノ」に対するセンサー: 位置 (RFID)、 状態(テレマティックスやデスクトップなど の監視センサー)、 など  「ビジネス」に対するセンサー: データベー ス、Webなどから得られる状況データ (医療データ、クレジットカードの利用履歴、 場所の履歴)、 業務プロセスより得られる 状況データ © 2010 IBM Corporation
  • 36. クラウド・コンピューティングはアーキテクチャ設計技術に大きな 変化をもたらすでしょう。 キーとなる5つの性質: 1. On-demand self-service 2. Ubiquitous network access 3. Location independent resource pooling 4. Rapid elasticity 5. Flexible pricing models 36 © 2010 IBM Corporation 36
  • 37. 企業システムの価値や求められる優先順位が変化しています。 時間軸 企業システムの価値(例) キーワード • 手作業をITに置き換えて人件費を下げる 旧来 • 人・ライン等の資源の生産性を上げる QCD • IT処理により品質を上げる • 新しい商品やサービスに素早く対応できる 近年 • 柔軟かつ迅速にサプライチェーンの変更ができる Agility • 段階的・連続的なシステム変更ができる • 大量・連続的データをリアルタイムに解析できる Dynamic / 将来 • 解析結果をもとにビジネス行動の最適化を図る • ITリソース自体の最適化が動的に行われる Optimization © 2010 IBM Corporation