経営学習研究所 ギャラリーMALL「対話型鑑賞を人材育成に活かす」2013/01/11 中原淳ラップアップ資料

1. 僕が何を感じたのか？
対話型鑑賞の「鑑賞」

2. 中原 淳（なかはら・じゅん）
 東京大学 准教授, 博士
 「大人の学びを科学する」
 人材育成研究（OJT、OFF-JT）
 人が育つ職場をどのようにつくるか？
 最近の主要な著書
 「職場学習論」（単著、東京大学出版会）
 「経営学習論」（単著、東京大学出版会）
 「職場学習の探求」（共著、生産性出版）
 「インプロする組織」（共著、三省堂）
 「プレイフルラーニング」（共著、三省堂）
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3. 対話型鑑賞
①アート作品を対象として
②複数の人々が
③自分の感じたこと / 考えたことを表出し
④ひとつの結論をだすことを拒否し
⑤鑑賞すること
だと理解しました。
なぜ「対話型」なのか？
なぜ「対話」という言葉が使われているの
か？
（C）

4. 対話とは「違い」を愉しむこと
「違い」を隠さないこと
違っていることを隠さないで、愉しむ
しかし、違いがわかること
（C）

5. 通常のオフィスでのコミュニケー
ションと真逆！
①もれなく、重複なく、だぶりなく
②結論は最初に、スピード感をもって
③違いは隠して、根回しで穏便に
対話は、一見、
「ぬるくて、かったるくて、まどろっこしい」
なかなか進まない。「答えをくれくれ君」
にはこの曖昧な時間を耐えられない
みんなが違う、グローバル化していく職場、組織の中で
大切なことを学ぶ機会になるのかも
違いがある、でも、その違いを認識して協業できる
（C）

6. 例えば新人研修・・・
①自分の意見をもつことは重要である
②みんな違った意見・価値観をもっている
③対話することは重要である
④ファクトは何かを追求する
説教したって仕方がないでしょ
最も伝えにくいことを、伝えるきっかけになる
（C）

7. 例えばグローバルなメンバーでの
ミーティングの最初に
●小生の海外ミーティングの経験
・メンバー全員で大学美術館へ
「えっ・・・俺、話すの？作品についてみんな
で話すんだ」
●文化が違うってことはこういうことなんだ
違いの中でコミュニケーションするという
ことはこういうことなんだ
●信頼感をつくる
アートの鑑賞は「擬似的民主制」をつくる
（C）

8. 例えば、ミドルキャリアの
キャリア研修などで
●鑑賞物自体を「仕事の絵」にすると・・・
仕事とは何か？
働くとは何か？
●鑑賞物自体を「人生の絵」にすると・・・
「後付け意味づけ力」で、どのようにも利用可能に
僕には思える
（C）

9. 対話型鑑賞は「鋭いナイフ」にもなる
自己の価値観が表出する
「これから、週に３本、映画を一緒に見て欲しいんだ
よ。見る映画はわたしが選ぶ。それが、これからおま
えがうける唯一の教育だ」
「だれかに映画を推薦するのは、大きな危険をともな
う行為である。ある意味で、それはだれかに手紙をし
たためるとの同じく、自分の内面を露わにす る行為
なのだから。それは自分の思考法を示し、自分がど
ういうことに感動するかを示すわけだし、ときには、
自分が世間にどう見られているかを示すことすら あ
る」 父と息子のフィルムクラブ
自己が見える＝他者が見える
ただし、そこには「リスク」もある
（C）

10. 結びつけビジネスとアート
小生は、Management Artを提唱したい
●アート？ ビジネスとは最も遠い領域
「えっ、アート」
●「実践的なマネジメントサイエンス」はある
・実践者には気づかないものを、サイエンス
の力で可視化し、フィードバックする
●しかし、マネジメントアートは、なぜかない
・実務家が暗黙の前提としていること、
アートの力で可視化する
アートもサイエンスも、実務に利用するという関係でい
えば、僕にはたいしたかわらない活動に思える
（C）

11. 対話型鑑賞？そんな「先が見えなくて不
確実なもの」とつきあえないよ？
●だったら、そういう人は「イノベーションを興
せ」といってはいけない
●イノベーションとは、「経済的合理性をこえ、
かつ、不確実性のもっとも高い活動」である。
しかも、対話型鑑賞より、長期間にわたるプ
ロセスであり、その間、「非経済合理性」「不
確実性」を受け入れる必要があるから
●度量・本気度が試されますね
（C）