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(仮称)和泉市職員 放課後勉強会( H25.1.30)


         東日本大震災
        被災地派遣報告
             
報告:  和泉市生きがい健康部高齢介護室 保健師




                      写真:警察庁   1
報告者について
• 所属 : 和泉市役所  高齢介護室
       
・   職種 : 保健師  (市役所勤務 14 年目)

・ 業務 : 

〇 高齢者の健康づくり・介護予防
〇 認知症になっても安心してくらせるまちづくり
〇 医療と介護が必要になっても、望む場所
  で自分らしく暮らせるまちづくり

 などに市民の皆様と共に取り組んでいます。
                              2
 町役場
災害対策本部会議中、津波到来




                 3
本日の内容
★  本日のご報告は、現地で見聞きした
事実     をお伝えするのみで、「
教訓」にまで昇華することはできていま
せん。

★ それぞれのお立場で、市職員として「
その時」に備えるために何ができるか
?を考える機会になれば幸いです。
                      4
派遣の概要
 派遣先:岩手県 大槌町

 期間 :平成 23 年 5 月 6 日~ 5 月 31
  日

 任務:大槌町役場における保健福祉業
  務
                                5
市町村職員の派遣システム
                  派遣の実施


                 最終的な派遣要請
     照会             照会
            被災県
            被災県                     協力依頼
被
被           (岩手
            (岩手     派遣要請
                                           派
                                           派
    派遣要請            とりまと
                            総務省
                            総務省
災
災            県)
             県)       め                    遣
                                           遣
市
市                                          市
                                           市
町
町    派遣市町                                  町
                                           町
村
村    村の連絡
            連携
                     派遣申出         派遣要請
                                   提供
                                           村
                                           村
                      の伝達
(
(                            派遣
                              派遣           (
                                           (
大
大           被災県
            被災県             都道府県 派遣可能
                            都道府県           和
                                           和
                                   性の照会
槌
槌           (岩手
            (岩手             (大阪
                             (大阪           泉
                                           泉
町                            府)
                              府)           市
                                           市
町    連携      県)
             県)      連携
                            全国市長
                            全国市長           )
                                           )
)
)           市長会
            市長会               会
                              会    派遣申出
            町村会
            町村会             全国町村
                            全国町村           6
                              会
                              会  出典:総務省資料を一部改編
岩手県大槌町の概要・交通
• 人口:約 15,000 人
• 世帯数:約 6,300 世帯
• 高齢化率: 28.5%
• 交通:
(新幹線)
 新大阪 ⇔ 東京( 2 時間 30 分)
 東京  ⇔ 新花巻( 3 時間 15 分)
 花巻空港 ⇔ 大槌町(車で 2 時間 30
  分)
 
(飛行機)
 伊丹空港 ⇔ 花巻空港( 1 時間 30
  分)
 花巻空港 ⇔ 大槌町(車で 2 時間 30
  分)
                                 8
                         出典:岩手県観光協会
岩手県




      9
大槌町の地形




                      旧役場
         仮設役場




            出典:大槌町津波復興計画
大槌町中心部(震災
    前)




     出典:藤枝宏  「大槌夢幻」心象舎 2011年
                         11
大槌町中心部(震災
    後)




                        12
      出典:藤枝宏  「大槌夢幻」心象舎 2011
堤防




     13
岩手県大槌町  5 月初旬




                14
漁業のまち




        15
津波想定区域を超えた浸水




               16
消防




     17
消防車




      18
積み上げられる瓦礫




            19
プレハブで役場再開




            20
震災 2 ヵ月後、役場の様子
各種申請に、朝4時半から行列ができ
 る
開庁以降は電話回線がパンク
全国からの応援職員による混成部隊
タテ割りの情報提供で町民は右往左往
ネット、FAXは総務課のみ
職員は震災以降連日出勤、
  避難所からの通勤
被災役場、業務上の問題点

◆ 首長不在、新しい幹部職、急な人事異
   動
◆ 土地勘のない派遣モザイク部隊の調整
◆ 地元緊急雇用アルバイトの教育
◆ 全国ボランティアの調整
◆ 被災者対応と同時に、通常事務の対応
 赴任中の業務内容
    5月
         1 週目     2週目   3週目        4週目




業     生活再建支援金
務
内    災害義援金への対応                  高齢者家庭訪問
容
                              母子保健相談


                        避難所巡回        予防接種




     電話対応・庁内案内・その他事務
震災2か月後、町民生活
ライフライン:断水は継続
住まい:避難所生活
      (在宅避難も多数)
食事:支援物資が頼り
     (カップ麺、缶詰が中心)
入浴:テント風呂
ゴミ:排出量激増、臭気が強烈

                    25
仮設テント風呂




          写真:日本赤十字社
避難所生活での問題点 
   ハード面                   ソフト面


・ 劣悪な生活環境             ・諸事情で避難所に来ない
                       人
・ プライバシーの欠如
                       (⇒車中、半壊家屋避難)
・ バリアフリー不備
                      ・見えない障がいへの
・ 子どもの遊び場のな
                       理解の無さからくるトラ
  さ
                       ブル
   (親子共しんどい)
                      ・情報収集力の格差
                      ・物資分配の不平等
                      ・女性のニーズ・性犯罪

   写真:静岡県避難所運営マニュアル
                       
女性のニーズは、「女性」が言い出し
     にくいことばかり

                    28
停電・断水の中
二階で暮らす人々




           29
建設用地がなく、
採石場の真下に建てざるを得なかっ
た
仮設住宅




                   30
発災 4 か月後から、仮設住宅の入居が始ま
る
コミュニティーが分断され、孤立する人も
あり




                    31
被災住民の健康問題の変化
3 月 11
         1 週間後      1 か月後      2 か月後
日震災直                                           半年後
  後
 救命治療

  持病への薬の処方

     寝たきり、床ずれ


              肺炎、感染症

                              高血圧、高コレステロール

                                 孤立、アルコール依存

                                   運動不足で機能低下
 出典:朝日新聞 平成 23 年 9 月 7 日を一部
 改変
行政職員 派遣側の 課題

◆ 現地に負担をかけない事前の情報収集
◆ 現地に負担をかけない自己完結型の装備
◆ 二次被災メンタルヘルス対策 (特に行政職
)
◆ リレー派遣の場合、申し送り時間の確保
◆ 派遣職員の残された同僚の業務負担配慮
「1人派遣(特に女子)」は
10       運転能力と最低限の
km   整備力が問われる・・・(^^;?




                        34
片側通行の
沿岸部県道




        35
給水式洗面所




仮設トイレ            36
任期終了後、ボランティアで再度訪問
した際は、体育館が宿舎に開放されて
いた。
                  37
仮設シャ
ワー
(1人15分厳守)




            38
「その時」、に備えるための行政の責務
「その時」動ける、防災計画づくり
  (特に女性・弱い立場の人の目線を反
  映)
◆ 市民防災活動のバックアップ
◆ 「とっさの現場判断」のできる市職員の育成
  強化
◆ 「その時」、即座にワンストップ相談窓口
  を開設できる準備
平時からの 脱!タテ割り
私たちにはまだ、備える時間があります
  災害に強いまち・和泉に向けて     40
   一緒に力を合わせましょう!

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震災派遣報告2013.1.30

Notes de l'éditeur

  1. 2013/1/30
  2. 加藤宏暉町長(69)と町議1人、課長7人ら幹部を含めた町職員三十数人は行方不明のままだ。 課長は11人のうち7人が犠牲となり、残った4人のうち3人が定年退職。幹部を一度に失い、総務課ナンバー2の主幹だった平野さんが総務課長を経て6月、町長職務代理者に抜てきされた。 住民基本台帳を管理するサーバーも流され、約1万5千人の住民のデータが消失。職員らは、各避難所で安全が確認された人たちの手書き情報を集めて名簿をつくり、町民らが閲覧できるようにしている。  津波が庁舎を襲ったのは11日午後3時半過ぎ。東梅副町長は、階段を駆け上り、はしごをつたって2階建て庁舎の屋上に。屋上に町長の姿はなかった。  「がれきとともに、2階の天井近くまで波が押し寄せてきた。壁も突き破られた」  停電と断水が続く中、同町では42カ所の避難所に約6200人が身を寄せる。対策本部と避難所をつなぐ電話は9カ所しかなく、ガソリンも十分にない。そんな中でなお山火事が相次ぎ、消火が追いつかない状況だ。  「大槌ふれあい運動公園」の避難所では、弓道場の土間に段ボールを敷いて約600人が寝泊まりしている。ストーブは6台、毛布もわずか。配置された4人の職員では手が足りず、配膳(はいぜん)やトイレの清掃、補給物資の整理などは、自然発生的にできた町民ボランティアが担っている。 2013/1/30
  3. 2013/1/30
  4. 2013/1/30
  5. 2013/1/30
  6. 2013/1/30
  7. ・記録が全て流された。 ・後に奇跡的にサーバが発見され、データが復旧したが、未入力分は 住民さんの記憶に頼らざるを得なかった(予防接種)。 2013/1/30
  8. 2013/1/30
  9. 「罹災証明書」というのは家屋などの被害状況を市町村が判定した証明書で、各種の支援金の受け取りなどに必要なもの。 普通は税担当部署が発行するのですが、罹災証明書を受け取るためには、まず、町民さんは戸籍課に行って戸籍抄本をとらなければなりません。 生活再建支援金、災害義援金の申請受付けが開始するも、役場と銀行の処理速度が追い付かず。(申請から入金まで約 1 か月) 2013/1/30
  10. ・保健師本来の機能を使うことができたと思えたのは、赴任半月後くらいから。 2013/1/30
  11. 2013/1/30
  12. こちらは、震災10日過ぎ頃から運動場などに設置された、仮設のテント風呂です。 このように手すりもなく、またいで、入る必要がありますので、高齢者や障がい者には、とても苦労が多かったとのことです。また、人に手間隙を掛けたくないとのことで、お風呂を遠慮してしまう人も多くあったといいます。 2013/1/30
  13. 震災当日は、ひとつの体育館に、災害対策本部、救護所、遺体安置スペースが混在し、トイレ後に土足で体育館に入り、そこに人が横たわるという環境だったといいます。そして、いわゆる弱肉強食の原理が働き、弱者は良い場所を取れない現状があった。 劣悪な衛生環境( スペースの狭さ、 生活・ごみの臭気、感染症、栄養の偏り) ねる、たべるが一緒なところと、はじめか用途(着替え、オムツ替え、授乳、など)に応じてスペースを分けたところでは、その後 4 日ヶ月に渡る避難所生活の質に、大きな格差があった。 プライバシー (「今更仕切りはできない」「下着が干せない」「授乳室がない」) 物資分配の不平等(「おたくさんは避難所にいないから」) 避難所に来れない人(「ペットがいるから」、「障がい者がいるから」) 高齢者、障がい者のバリアフリー対策の不備 (仮設トイレ、仮設風呂) 女性への性犯罪 女性特有の生活必需品(「生理用品が必要な人は手を挙げて」「化粧品は贅沢だ」) 子どもが安心して遊べる場のなさ、育児ストレス 見えない障がいへの理解の無さからくるトラブル 情報収集力の格差 メディアによる行き過ぎた取材 など 2013/1/30
  14. 慣れない電子レンジ、炊飯器 薄い壁による隣近所への遠慮 (子どもの泣き声等) 周りは知らない人ばかり 山奥で交通がなく、“買い物難民”が発生 高齢者の孤立、閉じこもりによる足腰の機能低下  単身男性の食生活の自立 心の問題、抑うつ、自殺 避難所では不要だった生活費用の発生に直面 就労問題、 2 年後には出ないといけないが、どこにもいくところがない。 暑さ、寒さ、湿気、アリ バリアフリーが不完全 クマが出没 2013/1/30
  15.  こちらは、避難住民の健康問題の変化です。  被災者の健康状態は、時と共に変わってきておりました。震災直後は、低体温症や外傷などの救急治療が中心でした。その後は、東北の厳寒期(関西の約 1 ヵ月遅れ)であったことと、密集した環境等のために、インフルエンザなどの感染症が流行りました。  避難所生活が始まって 1 ヶ月前後からは、偏りのある食生活やストレスで、高血圧が高い人が急増。悪化すると、脳卒中や心筋梗塞になる危険もあり、震災で生き残っても、そうした病気で命を落とす、「震災関連死」にもつながることになります。  私が 3 月 4 月に、被災地派遣を強く希望した理由も、この震災関連死を少しでも減らせないかということに保健師としてお役に立てないかという気持ちがあったからです。   避難所へ移ったこと、職や生きがいを無くしたことなどから心の問題や 今回の震災は、津波被害ということもあり、救急隊( DMAT) の本来の機能があまり必要ちされなかった。ガレキの下の医療を想定して、機材も外傷用現地に入るのですが、今回は、 処置よりも、被災地域外への搬送の方が圧倒的にニーズがあり。 乱れる食生活、 3 月末から 3 ヶ月間、 6 割の人が 140 以上、 3 割が 収入や住まい、将来への不安から、不眠になったりお酒に走ってしまったり。 環境の変化のために動けない人 することが無いので動かない人 動かないように、制止されている人 これから、精神的ケアと慢性疾患の管理 精神的ケア・・・こころのケアチームは 1 週間交代。「いつ帰るか分からない人に、ケアされたくない。町保健師も安易につなげない。」よその言葉で話して、あさって帰る人にはそう心は開けない 2013/1/30
  16. ・国の通知、豪華なパンフレット等、現場には届かず。 ・頭の隅っこで、「そのときは仕方がない」と思いながら仕事 ・数多くの縦割りルート(たとえば、保健師で言えば、厚生労働省、今回の総務省、  看護協会等)で、数多くの人が現地に先遣隊として行っているはずなのに  赴任前の打合せ会議でも、「行ってみないと分からない」といわれた。   2013/1/30
  17. ・「防災計画」特に、今回赴任して、援助を受ける「受援計画」 ・行政の限界・・・民間、ボランティアとの連携、行政が通知を送っても、 避難経路がどうなのか、地域の実情を知っているのは住民 ・とっさの判断が生死を分けている(特に公務員についてはその責任は重い)現場はどれだけ準備しても、想定外だらけ。   ・他の機関との連携には、それまでに蓄積してきたフェーストゥーフェースの関係が、絶対に力を発揮すると思う。 (災害時でも、組織間とのやり取りは、やはりそこは組織ですのでシビアな面がある。電話して、依頼する時に普段からか顔を知っているのといないとのでは、大きな格差があると思う) 災害時に限りませんが、市民さんの安全を守るということにおいて、行政職員の責任は非常に重い。逆に言えば、公務をしっかり考えるということについては、人生をかける価値があると思いますので、 2013/1/30
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