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第72回次世代大学教育研究会、株式会社ディスコ8階第1会議室
            2012年8月25日


    現場から創発するイノベーション

  ~お客様センターから経営幹部への業務報告を通して~



           2012年8月25日
       明治大学 サービス創新研究所
     髙野雅之・阪井和男・内藤隆・小林広尚




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はじめに




                                 2/56


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略歴
   髙野雅之

明治大学 サービス創新研究所客員研究員
グローブライド株式会社お客様センター長
略歴
1960年 東京都豊島区目白生まれ
1979年 千葉市立高校卒業
1984年 早稲田大学社会科学部卒業
1984年 ダイワ精工(株)(現社名 グローブライド(株))入社
      営業部 配属
2006年 ダイワ精工(株)  お客様センター配属
2008年 ダイワ精工(株)  お客様センター主事
2010年 グローブライド(株)お客様センター長
2010年 明治大学 サービス創新研究所客員研究員
      現在に至る。                     3/56


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会社概要

   社名  グローブライド株式会社
       (2009年9月にダイワ精工株式会社より社名変更)
   本社 東京都東久米市前沢3丁目14番16号
   東京証券取引所市場第1部上場
   設立      昭和33年7月29日
   資本金     41億8,411万円
   売上高     連結 577億5,400万円(2012年6月)
   営業利益 連結       26億2,400万円(2012年6月)
   経常利益 連結       14億5,700万円(2012年6月)
   従業員     連結 4,615名 個別 645名
   事業内容 釣用品、ゴルフ用品、テニス用品、
            サイクル用品等の製造・販売                 4/56


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グローブライド(株)お客様センター
概要
 2001年12月3日開設
 釣用品のみ対応

 人員 本社CC 5名(男性4名、女性1名)

      アフターサービスCC 2名(女性2名)
 年間受電件数 33,421件(2011年度)

 年間メール件数 5,602件(2011年度)




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サービス創新BAR(交流制約
法)
課題提供者に選出されて




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サービス創新BARへの課題提起
 2012年3月23日(金)19:00~21:00
 動機、期待

  ・課題提起することによる自分自身の問題点の整
  理。
  ・1人で考えるより、多くの人の意見・提言を聞き
  たい。
  ・社内では相談しにくい。
  ・社外の新鮮な意見が聞けるのではないか?
    1.新しい発見
    2.異なる視点・パラダイムからの意見
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⇒ 何を課題として提起するか!
   課題提供者に選定された時の心理状態の推移

        お客様センターのミッションを振り返る



          センター長としての仕事の棚卸



            抱えている問題の抽出



             課題の選定

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お客様センターのミッ
     ション
お客様センターは、グローブライドとお客様と
の直接接点として、お客様満足度の向上を推進
し、グローブライドの利益に貢献することを目
的とします。

   お客様満足度の向上

    1.お客様センターの標準化・効率化
    2.気持のよい、正確な受け答えの定着

   フィッシング事業部との連携

                                        9/56


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センター長としての仕事の棚
      卸
    予算・経費管理
    システム及び環境の整備
    ・受電システムのメンテナンス、改善
    ・回答のために必要な資料(ナレッジ)の整備
    オペレーターの教育、管理
    ・受電、メール内容のチェック、承認
    ・顧客応対教育(マナー、業務知識、商品知識)
    ・メンタルヘルス・ケア
    ・個々人の評価(査定)
    ・人員配置計画の策定と実行(異動等も含む。)
    社内への情報発信、会議
    ・経営幹部への報告 (月1回) 事前報告会有り。
    ・FAQへの掲載要請(週1回)
    ・販促会議(月2回)
    ・品質保証会議(2か月に1回)
    ・その他会議
    クレーム対応(主に部下の接客クレームへの対応)
    個人情報管理システムの運営の検証
    自らも電話にも出ます メール回答も行っています。
    さらに全社へのCSの普及も行いたい!

                                              10/56


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抱えている問題の抽出


   オペレーターの教育、管理
    ・受電、メール内容のチェック、承認

    ・顧客応対教育(マナー、業務遂行能力、商品知
    識)

   社内への情報発信、会議
    ・経営幹部への報告(月1回)・・・事前報告会
    有り。

                                       11/56
    ・品質保証会議(2か月に1回)
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抱えている問題の抽出
    その理由
   オペレーターの教育、管理
    ・受電、メール内容のチェック、承認
     ⇒チケットへの具体的で正確な記入がなされていない。個人差が
    存在。
    ・顧客応対教育(マナー、業務遂行能力、商品知
    識)
     ⇒応対、業務遂行能力、商品知識の個人差が存在。
   社内への情報発信、会議
    ・経営幹部への報告(月1回)・・・事前報告会
    有り。
     ⇒現状で「よし」とされているが、自分自身では不満足!        12/56

    ・品質保証会議(2か月に1回)
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課題の選定

   社内への情報発信、会議
    ・経営幹部への報告(月1回)・・・事前報告会
    有り。
     ⇒現状で「よし」とされているが、自分自身では不満足!
   選定理由
    1.他の問題は、解決方法が見えている若しくは自
    分が主幹ではない。
    2.サービス創新BARへの課題提起の動機、期待
    に最も合致している。
    3.選定課題が、交流制約法の目的である「現場か
    ら創発するイノベーション」を発動する可能性を
    秘めている。
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経営幹部への報告の流れ



    ~現状~



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1.事前報告会
 所要時間 60分
 毎月1回実施(第1週)

 メンバー 4名

  内容
  1.予算・経費報告
  2.経営幹部報告会内容
  3.お客様センターから他部署へのエスカレーショ
  ン内容
  4.お客様センター各員の業務実績

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2.経営幹部への報告会
 所要時間 15分
 毎月1回実施
 参加メンバー フィッシング事業部経営幹部
  営業部、マーケティング部、製造部のライン課長
  以上 約30名
  内容 前月のお客様センターの活動報告
  1.受電、メール受信状況(前年対比、前月対比)
  2.受付タイプ別受電状況(前月との比較)
  3.商品群別受付状況(前年との比較)
  4.新製品への反応
  5.クレーム状況
                                     16/56
  6.その他特記事項(不定期)
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3.経営会議関連日程表
  日程          時間         場所
 11日(月)   8:50~9:15     大会議室B          A報告
          9:15~9:30               お客様センター報告
          9:30~9:50                    B報告
          9:50~10:10                   C報告
          10:10~10:20                   休憩
          10:20~11:15                  D報告
          11:15~11:50                  E-1報告
                                       E-2報告
                                       E-3報告
          11:50~12:00                  F報告
          12:00~13:00                   休憩
          13:00~14:30                  G報告
          14:30~14:40                  H報告
          14:40~14:55                  I報告
          14:55~15:10                  J報告
          15:10~15:30                  K報告
          15:30~15:40                  L報告
          15:40~15:45                  M報告


                                               17/56


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4.報告の要約
 コール数、タイプ別分類、商品別分類
  ・前月、前年対比の報告(数時の羅列)
 新製品動向

  ・直近に発売した新製品の中から昇順に5~10アイ
  テムを抽出し、問合せ内容を要約して提示。
 クレーム

  ・集中したアイテムが存在した場合、その現象を
  分析し、症状の類似性等を要約して提示。
 その他

  ・お客様からのご指摘の中で、重要と思われるも
  のを、できるだけ具体的にお客様の言葉で提示。               18/56


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5.報告資料のサンプル
                                                        お客様センター &
                                                        SLP-CC                                                   お客様センター            TEL対応タイプ別中
                                                        TEL対応数/メール数                                              分類
お客様センター+SLP-CC合計
        曜日         月 火              水       木       金       月       火       水       木       金                     2011年4月                         5月
        日付                          1       2       3       6       7       8       9       10
                                                                                                                  数        構成比①   構成比②   数        構成比①   構成比②
      時間内総発呼数       0       0       123 132 107 253 148 149 130 132
                                                                                                         仕様・機能    963              61%   1,174            63%
       TEL応答数           0       0 119 115 104 201 136 135 124 123

                                                                                                         価格           20            1%       28            1%
        応答率(%)     ### ### 97% 87% 97% 79% 92% 91% 95% 93%

         一次完了数          0       0 116 112           95 183 118 124 107 113
                                                                                                          在庫          56            4%       67            4%
  内
  訳    一次完了率(%)    ### ### 97% 97% 91% 91% 87% 92% 86% 92%                                           製   取扱方法         89            6%    118              6%
                                                                                                     品
         二次完了数          0       0       3       3       9   18      18      11      17       10
                                                                                                     関    要望           6            0%       11            1%
                                                                                                     連   メンテナン
        他部門依頼数          0       0       0       0       2       3       2       0       0        0
                                                                                                          ス           37            2%       23            1%
 お客様センター(5名)
                                                                                                         クレーム     188        8%    12%    209       7%    11%
      時間内総発呼数                        99 102         85 187 117 119                  93       98
                                                                                                         発売時期     106               7%       72            4%
       TEL応答数                        96     87      82 140 106 107                  88       91
                                                                                                         その他      114               4%    165              9%
        応答率(%)     ### ### 97% 85% 96% 75% 91% 90% 95% 93%
                                                                     製品関連: 計 1,579 64% 100% 1,867 63% 100%
         一次完了数          0       0    93     86      76 126          89      99      80       83
  内                                                                  ア
                                                                     フ   修理    357      54%   321      38%
  訳    一次完了率(%)    ### ###          97% 99% 93% 90% 84% 93% 91% 91%
                                                                    連タ  パーツ    229      34%   429      50%
         二次完了数                        3   1   6 14 17     8   8   8  ー
                                                                     関  その他     78      12%   101      12%                                                      19/56
        他部門依頼数                        0   0   2   3   2   0   0   0
                                      5   4   5   5   5   5   5   4  アフター関連:
                                                                        計      664 27% 100%   851 29% 100%
                                            作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
報告をどのように変革したい
のか

~お客様センターから社内へ
           何を伝えたい
 のか~

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サービス創新BARの流れ

1.提案理由並びに内容の説明(課題提供者より)
2. 課題への質問(参加者より)及び質問への回答
3.課題の再定義
4.4名程度のグループに分かれ、課題に対しての討議
   (討議の内容を模造紙に書き込む。)
5.グループでの討議結果のまとめと発表者の選定
   各グループでの討議結果のまとめを発表
6.課題提供者の感想を述べて終了
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1.提案理由   (髙野の憂鬱)
 報告時の反応がほとんどない(儀礼的になってい
  る。)。
 以前からの習慣とは言え、数時の羅列である。

 報告者自身、マンネリ化を感じており、形骸化か
  らの脱皮を図りたい。
 せっかく、お客様より、年間39,023件もの直接の
  アクセスがあるのに、不十分な提言となってい
  る。
 お客様の要望を的確に反映した報告になっている
  のだろうかという疑問が常にある。
 社内で相談できない。                          22/56


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2.質問内容(抜粋)
   報告で何を実現したいのか命題がない。

   会議中、他の報告では質問、討議があるのか。

   クレームの内容は分類されているか。

   データはどのように蓄積されているのか。

   データの抽出方法とその柔軟性。
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3.質問への回答
 報告で何を実現したいのか命題がない。
  ⇒お客様の声から製品・サービスの改善を行う。
 会議中、他の報告では質問、討議があるのか。

  ⇒ほとんどなく、淡々と進んでいく。
 クレームの内容は分類されているか。

  ⇒時間軸、現象等の分類はされていない。
 データはどのように蓄積されているのか。

  ⇒Call Ticket及び全通話録音により記録されてい
  る。
 データの抽出方法とその柔軟性。
                                      24/56
  ⇒あらかじめ想定された設定に基づき抽出。
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4.課題の再定義
~お客様センターからの報告を有意義なものとしたい~



 有意義なものとは?
・お客様情報から当社の改善すべき点を抽出し、
出来得る限り、聞き手に伝わるものに変えていき
たい。




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5.グループ討議の結果
   報告のテーマ
    ・命題がない。
    ・仮説に基づいて発表。
    ・内容の対象者を明確に絞り込む。
    ・お客様の生の声に要望が存在する。
   データの分析手法
    ・数字の分析が不十分。
    ・顧客の要望分析が必要。
    ・クレームが、購入後、何時の時点で、どのような不具合が
    起きて生じたかがの提示がない。
   プレゼンテーションの手法
    ・結論から何故ならでデータ開示。
    ・見せ方を考える。
    ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示。                 26/56


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6.課題提供者の感想
 質問を受けることにより、提供者自身の中で、課
  題の焦点がより明確になっていった。
 同一の社会、グループに属することにより(すな
  わち会社)、自分自身も硬直化していた実感。
 期待通りに新しい観点からの提言を頂けた。

 自分の課題に対して、利害関係のない参加者が、
  真剣に向き合い議論を交わして頂けた。
 課題に対してのモチベーションが高くなった。




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サービス創新BARへの

         課題提供を経験し
て




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取り入れる改善事項
   報告のテーマ
    ・命題がない。
      ⇒再定義の際に解決:お客様情報から当社の改善すべ
    き
      点を抽出し、出来得る限り、聞き手に伝わるものに
    改善する。
    ・仮説に基づいて発表。
    ・お客様の生の声に要望が存在する。
   データの分析手法
    ・クレームが、購入後、何時の時点で、どのような不
    具合が起きて生じたかがの提示がない。
    ・数字の分析が不十分
                                         29/56
   プレゼンテーションの手法
    ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示
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すぐに取り入れた改善事項
 報告のテーマ
  ・命題がない。
   ⇒再定義の際に解決:お客様情報から当社の改
  善すべき点を抽出し、出来得る限り、聞き手に伝
  わるものに改善する。
 プレゼンテーションの手法

  ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示。
  ・結論から何故ならでデータ開示。


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4月の失敗     ~プレゼンテーションの手法~


   いきなり、改革を試みると、報告を受ける立場の
    人が戸惑う。
     * BARの直後、4月の発表資料の一部を変更
    (受電状況の部分を全面改訂)を行ったところ、
    事前報告会で受け入れられず。



               反省と改善
 表現方法を少しづつ変更すべきであった。

 従来の提示方法を残しつつ、新しい発表を1、2
  点付加していく。                             31/56


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改善失敗事例
                             変更前                                                                                     変更後
                                                         お客様センター
                                                         & SLP-CC                                 1.3月受電及びメール状況
                                                         TEL対応数/メール
                                                         数
                                                                                                                          2011年3                 111
お客様センター+SLP-CC合計                                                                                  ①電話    時間内総発呼数   ○○ 件        月
                                                                                                                                   △△ 件   昨年対比
                                                                                                                                                  %
        曜日         月 火           水       木       金       月       火       水       木       金
        日付                       1       2       3       6       7       8       9       10

      時間内総発呼数                                                                                                             2010年3
                    0       0 123 132 107 253 148 149 130 132                                                                      △△ 件 一昨年対比    75%
                                                                                                                               月
       TEL応答数           0    0 119 115 104 201 136 135 124 123

        応答率(%)     ### ### 97% 87% 97% 79% 92% 91% 95% 93%
                                                                                                                          2011年3                 110
                                                                                                         応答数       ○○ 件        月
                                                                                                                                   △△ 件   昨年対比
         一次完了数          0    0 116 112           95 183 118 124 107 113                                                                           %
  内
  訳    一次完了率(%)    ### ### 97% 97% 91% 91% 87% 92% 86% 92%

                                                                                                                          2010年3
         二次完了数          0    0       3       3       9    18     18      11      17       10                                       △△ 件 一昨年対比    81%
                                                                                                                               月
        他部門依頼数          0    0       0       0       2       3       2       0       0        0
                                                                                                         応答率       ○○ %
 お客様センター(5名)

      時間内総発呼数                    99 102          85 187 117 119                  93       98
                                                                                                                                                 128
                                                                                                                          2011年3
                                                                                                  ②メール   受付数       ○○ 件        月
                                                                                                                                   △△ 件   昨年対比
       TEL応答数                    96      87      82 140 106 107                  88       91                                                      %
        応答率(%)     ### ### 97% 85% 96% 75% 91% 90% 95% 93%

         一次完了数          0    0   93      86      76 126          89      99      80       83                              2010年3                 103
  内                                                                                                                                △△ 件 一昨年対比
                                                                                                                               月                  %
  訳    一次完了率(%)    ### ### 97% 99% 93% 90% 84% 93% 91% 91%

         二次完了数                       3       1       6    14     17          8       8        8
                                                                                                                                                       32/55
        他部門依頼数                       0       0       2       3       2       0       0        0
                                     5       4       5       5       5       5       5        4


                                                                             作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
この変更がなぜ受け入れられなかったのか
   従来型の表を口頭で説明すれば良く、表そのもの
    の追加は不要との指摘を受ける。

   デイリーの数字を見せながら、最後の月の集計部
    分を口頭で説明する方が、日々の対応の状態をア
    ピールでき、説得力があるとの考え方。

   簡素化されすぎている。従来型表示の安心感。



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5月報告改善についての思索
「仮説に基づいて発表」について ⇒ 準備不足で見送り
 従来型の集計では、ある程度の仮説も構築が難しい。
 頭の中で顕在化している仮説を新しい集計作業によって照合
  を行う必要性が出てきた。⇒どのような角度からの集計が必
  要か?
 仮説を検証できる Call Ticket ができるためにオペレー
  ターのスキルを上げる必要を痛感。


   そこで、5月の改革では、仮説を提示するのをやめて、
 顧客の行動記録に語らせる手法に切り替えた。




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5月報告会での改革
 報告のテーマ
  ・お客様の生の声に要望が存在する。
   ⇒要点をまとめたお客様の声ではなく、オペ
  レーター
   が記入した、より肉声に近い言葉をそのまま使
  用。
 データの分析手法

  ・クレームが、購入後、何時の時点で、どのよう
  な不具合が起きて生じたかがの提示がない。
  ⇒購入後の経過時間で集計し、円グラフ化
 プレゼンテーションの手法                        35/56


  ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示
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5月報告会の内容
【改革】
 新製品への反応
   1.お客様から頂いた言葉をそのまま記入。
   2.5月に発売された新製品のうち、問合せが集中した
     ものをピックアップという表現を使った。
 クレーム状況
   1.お客様から頂いた言葉をそのまま記入。
   2.クレームの申し出と購入時期との相関関係を円グラフで提示。
   3.クレームの生データを加えた資料を報告会の前日に会議参加者へ
     メールを送信。
【従来型】
 受電、メール受信状況(前年対比、前月対比)
 受付タイプ別受電状況(前月との比較)
 商品群別受付状況(前年との比較)


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5月の報告への反応
 「クレーム」に関して、会議の席上、該当商品を
  担当する副部長より「お客様センターより連絡を
  受けて、現在対策を検討中です。」と発言があっ
  た。
 報告会の翌日、該当商品の開発課長より「新製
  品」に関する発表の内容について、現象の原因に
  関しての詳細な報告があった。
 クレームの申し出と購入時期との相関関係の円グ
  ラフの提示は強いインパクトがあり、参加者の顔
  色が変わった。 (購入後1年未満:72%)
★これらの発言、反応が意味するところ。
 要約していない、お客様の生の声に強い発信力が
  あることが証明された。                         37/56


 新しい切り口と見せ方が強い印象を与えた
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次に取り組むテーマ
   報告のテーマ
    ・仮説に基づいて発表。




   データの分析手法
    ・数字の分析が不十分



                                       38/56


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次に取り組むテーマ
 報告のテーマ
  ・仮説に基づいて発表 ⇒誰が顧客かを探る。
       *データに基づいた仮説の構築。
    1.Call Ticketの分析。
    2.通話録音より肉声の解析。
 データの分析手法
  ・数字の分析が不十分
    1.アクセス回数からのアプローチの試み。
    2. 受電記録システムの機能をシステム製作会社
  に
       照会。
                                     39/56


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テーマへの心構え
自分への戒め
 お客様の声を率直に伝えていく。
  ・脚色を加えない。
 客観的で合理的な発表に留意する。

 データで立証できない限り、特別な場合を除き発
  表しない。
  ・メール等、別の方法で担当者へ伝える
 相手にも立場があることを十分に認識し、過激な
  言葉の表現は使わない。

                                      40/56


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仮説の構築               ~当社にとって誰が顧客か~
Call Ticket の分析
 お客様のアクセス回数の集計
(集計期間:2012年5月1~17日の11日間)
    アクセス数    受電数        比率
        1     806      48.9%
        2     159       9.6%
        3     111       6.7%
        4      73       4.4%   2~4回のお客様比率         20.8%
        5      69       4.2%
        6      33       2.0%
        7      30       1.8%
        8      19       1.2%
        9      23       1.4%   5~9回のお客様比率         10.6%
       10~    160       9.7%   2~9回のお客様比率         31.4%
       20~     93       5.6%
       50~     34       2.1%
      100~     15       0.9%
      200~      2       0.1%
      300~     24       1.5%   10~300以上のお客様比率     19.9%
     複数回計     843      51.1%   (2~300回以上のお客様比率)
      総合計    1649     100.0%

    特徴
    ・初めて電話される方より複数回電話を頂いた方が多い。
    ・2回目のお客様より10~19回のお客様が多い。
    ・10回目以上のお客様の比率が約20%を占めている。                            41/56


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仮説の構築 ~当社にとって誰が顧客か~

通話録音より肉声の解析

   1日平均20件以上お客様からの電話に直接出る。

   他の人の応答も聞く。

   他の人の応答内容を文字起こししてみる。(10件
    実施)


                                       42/56


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通話の事例
お客様の概要
 2009年7月22日より始まる。

 住所、氏名、電話番号、利用店舗までデータ有り。

 今回の録音は5月11日

 その後、5月25日に商品の購入に関する相談の受電
  があった。
 アクセス回数 13回 ⇒ 14回




                                     43/56


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通話の特徴
 お客様が当社に対し、非常に気を使いながら話し
  ている。
 当社の過去の品質との比較をしている。

 社名の変更の話題が出た。

 当初はクレームであったものが、商品の相談に変
  化している。
 最後はお客様本人が結論を出し、電話が終わって
  いる。



                                     44/56


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通話の印象
 強い当社ファンである。
 当社とのお付き合いも長い。

 最近の品質に不安を感じている。

 社名変更が不安要因の1つとなっている。

 お客様は会話がしたい。




                                     45/56


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仮説の構築       ~当社にとって誰が顧客か~
   クオリティーの高い商品を求めている。
     (耐久性、デザイン、塗装の仕上がりなど)
   高額品志向が強い。
   国産品志向が強い。
   信頼・期待値が高い。
   意見を反映して欲しい。
   お客様に記憶されているのはダイワ精工。
   釣りの話をしたい。




    ★こうした要望を持った、ロイヤリティーが高く強い、息の
    長いファンによって、当社は維持されている。                46/56


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データの分析手法

   データの分析手法
    ・数字の分析が不十分
     1.アクセス回数からのアプローチの試み
       ⇒法則性の抽出(今回は偶然からの発見。)

     2. 機能をシステム会社に照会
        ⇒条件を入れてソートしたデータをCSVで吐
    き出せ
         る機能を持っていた。
        ⇒データ抽出の切り口の幅が広がり、時間も
                                          47/56
    大幅に
         短縮される。
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法則性の抽出(今回は偶然からの発見。)
   お客様センターは、直接顧客に接する当社唯一の
    サービスフロントである。

    ~阪井和男先生の「交流制約法」より~

 サービスフロントはカオスの縁。
 カオスは完全に混沌とした状態ではなく、あらゆ
  る秩序が存在している。
 顧客の欲求を無意識的に 暗黙知として獲得ずみ 。


                                       48/56


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年間39,023件の情報
 電話数 33,421件
 メール数  5,602件
   しかも5年以上、情報の全てに接していると法則
  性が見えてくる。

   自分の頭の中で顕在化している法則性と直感的に
    持っている法則性が存在していた。




                                       49/56


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「無意識的に 暗黙知として獲得ずみ」の
実例
   2012年5月1日から5月17日の11日間における受電数から
     お客様のアクセス回数の抽出
   無意識でアクセス回数のピッチを設定

     アクセス数
     1、 2 、3、 4、 5、 6 、7、 8、 9 、10~、 20~、 50~ 、10
    0~、 200~ 、300~、 複数回計

   阪井和男先生の分析

    お客様のアクセス回数にたいする累積受電数の「べき分布」を調べてみたら、
    y = 1156.3x-0.701
    R2 = 0.9484
     という結果で、決定係数が約95%ですから、やはり「べき分布」といっていいで
    しょう。
     このとき、指数の0.7は、フラクタル次元を意味します。

                                                     50/56


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1:異常体験

  2~12:緊急救済



         13~126:高額指向



                 127~:交流指向




                                  52/56


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ベキ分布からのセグメント分け仮説

(2012年6月2日)
グラフの傾斜の変化より
  顧客層/コール回数/内容
 異常体験/1回/何らかの異常体験をした顧客

  ⇒製造上の問題も含まれる。
 緊急救済/2~12回/普及品を日常的に使っている顧
 客
  ⇒必要性にかられて連絡。
 高額指向/13~126回/高額品を購入する顧客

  ⇒利益にもっとも貢献しているかも?
 交流指向/127回/他に話す相手がいない可能性あ
  り                                    53/56


  ⇒ SNSで交流の場。
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まとめ
 サービス創新BARという機会により、個人別アク
  セス回数と受電数の関係という新しい視点に出会
  い、その後の勉強会で、更に全く新しい統計手法
  をご教授頂き、解析の幅が広がった。
 ベキ分布、フラクタル係数とは、自然科学の事象
  統計及び予測の手法。
 0.7という係数は、ガラスのコップを落し、中央か
  らの距離と破片の分布と同じことが分かった。
  例
  ・ハヤブサの再突入時の落下物の飛散状態の系
  数:0.7
  ・東日本大震災の余震の数と規模の系数:0.7~0.9           54/56
 個人別アクセス回数と受電数の関係が、自然法則
  と合致したことの発見と驚き!
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今後の課題
 収集期間によって、傾向が異なっているか同じ
  か?
 プロモーションの効果測定に使える可能性があ
  る!
 「高額指向」の傾きが大きいので、いかに小さく
  出来るかが課題。
 受け身のコミュニケーションからの脱却が必要か
  もしれない。
  (メルマガを止めてしまった。直販は行っていな
  い。)
                                       55/56

    *集計が現在手集計のため、時間かかり過ぎてお
          作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
    り、
ご静聴ありがとうございま
した。




                                 56/56


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Takano 20120825

  • 1. 第72回次世代大学教育研究会、株式会社ディスコ8階第1会議室 2012年8月25日 現場から創発するイノベーション ~お客様センターから経営幹部への業務報告を通して~ 2012年8月25日 明治大学 サービス創新研究所 髙野雅之・阪井和男・内藤隆・小林広尚 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 2. はじめに 2/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 3. 略歴  髙野雅之 明治大学 サービス創新研究所客員研究員 グローブライド株式会社お客様センター長 略歴 1960年 東京都豊島区目白生まれ 1979年 千葉市立高校卒業 1984年 早稲田大学社会科学部卒業 1984年 ダイワ精工(株)(現社名 グローブライド(株))入社 営業部 配属 2006年 ダイワ精工(株) お客様センター配属 2008年 ダイワ精工(株) お客様センター主事 2010年 グローブライド(株)お客様センター長 2010年 明治大学 サービス創新研究所客員研究員 現在に至る。 3/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 4. 会社概要  社名 グローブライド株式会社 (2009年9月にダイワ精工株式会社より社名変更)  本社 東京都東久米市前沢3丁目14番16号  東京証券取引所市場第1部上場  設立 昭和33年7月29日  資本金 41億8,411万円  売上高 連結 577億5,400万円(2012年6月)  営業利益 連結 26億2,400万円(2012年6月)  経常利益 連結 14億5,700万円(2012年6月)  従業員 連結 4,615名 個別 645名  事業内容 釣用品、ゴルフ用品、テニス用品、 サイクル用品等の製造・販売 4/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 5. グローブライド(株)お客様センター 概要  2001年12月3日開設  釣用品のみ対応  人員 本社CC 5名(男性4名、女性1名) アフターサービスCC 2名(女性2名)  年間受電件数 33,421件(2011年度)  年間メール件数 5,602件(2011年度) 5/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 6. サービス創新BAR(交流制約 法) 課題提供者に選出されて 6/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 7. サービス創新BARへの課題提起  2012年3月23日(金)19:00~21:00  動機、期待 ・課題提起することによる自分自身の問題点の整 理。 ・1人で考えるより、多くの人の意見・提言を聞き たい。 ・社内では相談しにくい。 ・社外の新鮮な意見が聞けるのではないか? 1.新しい発見 2.異なる視点・パラダイムからの意見 7/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 8. ⇒ 何を課題として提起するか!  課題提供者に選定された時の心理状態の推移 お客様センターのミッションを振り返る センター長としての仕事の棚卸 抱えている問題の抽出 課題の選定 8/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 9. お客様センターのミッ ション お客様センターは、グローブライドとお客様と の直接接点として、お客様満足度の向上を推進 し、グローブライドの利益に貢献することを目 的とします。  お客様満足度の向上 1.お客様センターの標準化・効率化 2.気持のよい、正確な受け答えの定着  フィッシング事業部との連携 9/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 10. センター長としての仕事の棚 卸  予算・経費管理  システム及び環境の整備 ・受電システムのメンテナンス、改善 ・回答のために必要な資料(ナレッジ)の整備  オペレーターの教育、管理 ・受電、メール内容のチェック、承認 ・顧客応対教育(マナー、業務知識、商品知識) ・メンタルヘルス・ケア ・個々人の評価(査定) ・人員配置計画の策定と実行(異動等も含む。)  社内への情報発信、会議 ・経営幹部への報告 (月1回) 事前報告会有り。 ・FAQへの掲載要請(週1回) ・販促会議(月2回) ・品質保証会議(2か月に1回) ・その他会議  クレーム対応(主に部下の接客クレームへの対応)  個人情報管理システムの運営の検証  自らも電話にも出ます メール回答も行っています。  さらに全社へのCSの普及も行いたい! 10/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 11. 抱えている問題の抽出  オペレーターの教育、管理 ・受電、メール内容のチェック、承認 ・顧客応対教育(マナー、業務遂行能力、商品知 識)  社内への情報発信、会議 ・経営幹部への報告(月1回)・・・事前報告会 有り。 11/56 ・品質保証会議(2か月に1回) 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 12. 抱えている問題の抽出 その理由  オペレーターの教育、管理 ・受電、メール内容のチェック、承認 ⇒チケットへの具体的で正確な記入がなされていない。個人差が 存在。 ・顧客応対教育(マナー、業務遂行能力、商品知 識) ⇒応対、業務遂行能力、商品知識の個人差が存在。  社内への情報発信、会議 ・経営幹部への報告(月1回)・・・事前報告会 有り。 ⇒現状で「よし」とされているが、自分自身では不満足! 12/56 ・品質保証会議(2か月に1回) 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 13. 課題の選定  社内への情報発信、会議 ・経営幹部への報告(月1回)・・・事前報告会 有り。 ⇒現状で「よし」とされているが、自分自身では不満足!  選定理由 1.他の問題は、解決方法が見えている若しくは自 分が主幹ではない。 2.サービス創新BARへの課題提起の動機、期待 に最も合致している。 3.選定課題が、交流制約法の目的である「現場か ら創発するイノベーション」を発動する可能性を 秘めている。 13/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 14. 経営幹部への報告の流れ ~現状~ 14/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 15. 1.事前報告会  所要時間 60分  毎月1回実施(第1週)  メンバー 4名 内容 1.予算・経費報告 2.経営幹部報告会内容 3.お客様センターから他部署へのエスカレーショ ン内容 4.お客様センター各員の業務実績 15/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 16. 2.経営幹部への報告会  所要時間 15分  毎月1回実施  参加メンバー フィッシング事業部経営幹部 営業部、マーケティング部、製造部のライン課長 以上 約30名 内容 前月のお客様センターの活動報告 1.受電、メール受信状況(前年対比、前月対比) 2.受付タイプ別受電状況(前月との比較) 3.商品群別受付状況(前年との比較) 4.新製品への反応 5.クレーム状況 16/56 6.その他特記事項(不定期) 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 17. 3.経営会議関連日程表 日程 時間 場所 11日(月) 8:50~9:15 大会議室B A報告 9:15~9:30 お客様センター報告 9:30~9:50 B報告 9:50~10:10 C報告 10:10~10:20 休憩 10:20~11:15 D報告 11:15~11:50 E-1報告 E-2報告 E-3報告 11:50~12:00 F報告 12:00~13:00 休憩 13:00~14:30 G報告 14:30~14:40 H報告 14:40~14:55 I報告 14:55~15:10 J報告 15:10~15:30 K報告 15:30~15:40 L報告 15:40~15:45 M報告 17/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 18. 4.報告の要約  コール数、タイプ別分類、商品別分類 ・前月、前年対比の報告(数時の羅列)  新製品動向 ・直近に発売した新製品の中から昇順に5~10アイ テムを抽出し、問合せ内容を要約して提示。  クレーム ・集中したアイテムが存在した場合、その現象を 分析し、症状の類似性等を要約して提示。  その他 ・お客様からのご指摘の中で、重要と思われるも のを、できるだけ具体的にお客様の言葉で提示。 18/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 19. 5.報告資料のサンプル お客様センター & SLP-CC お客様センター TEL対応タイプ別中 TEL対応数/メール数 分類 お客様センター+SLP-CC合計 曜日 月 火 水 木 金 月 火 水 木 金 2011年4月 5月 日付 1 2 3 6 7 8 9 10 数 構成比① 構成比② 数 構成比① 構成比② 時間内総発呼数 0 0 123 132 107 253 148 149 130 132 仕様・機能 963 61% 1,174 63% TEL応答数 0 0 119 115 104 201 136 135 124 123 価格 20 1% 28 1% 応答率(%) ### ### 97% 87% 97% 79% 92% 91% 95% 93% 一次完了数 0 0 116 112 95 183 118 124 107 113 在庫 56 4% 67 4% 内 訳 一次完了率(%) ### ### 97% 97% 91% 91% 87% 92% 86% 92% 製 取扱方法 89 6% 118 6% 品 二次完了数 0 0 3 3 9 18 18 11 17 10 関 要望 6 0% 11 1% 連 メンテナン 他部門依頼数 0 0 0 0 2 3 2 0 0 0 ス 37 2% 23 1% お客様センター(5名) クレーム 188 8% 12% 209 7% 11% 時間内総発呼数 99 102 85 187 117 119 93 98 発売時期 106 7% 72 4% TEL応答数 96 87 82 140 106 107 88 91 その他 114 4% 165 9% 応答率(%) ### ### 97% 85% 96% 75% 91% 90% 95% 93% 製品関連: 計 1,579 64% 100% 1,867 63% 100% 一次完了数 0 0 93 86 76 126 89 99 80 83 内 ア フ 修理 357 54% 321 38% 訳 一次完了率(%) ### ### 97% 99% 93% 90% 84% 93% 91% 91% 連タ パーツ 229 34% 429 50% 二次完了数 3 1 6 14 17 8 8 8 ー 関 その他 78 12% 101 12% 19/56 他部門依頼数 0 0 2 3 2 0 0 0 5 4 5 5 5 5 5 4 アフター関連: 計 664 27% 100% 851 29% 100% 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 20. 報告をどのように変革したい のか ~お客様センターから社内へ 何を伝えたい のか~ 20/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 21. サービス創新BARの流れ 1.提案理由並びに内容の説明(課題提供者より) 2. 課題への質問(参加者より)及び質問への回答 3.課題の再定義 4.4名程度のグループに分かれ、課題に対しての討議 (討議の内容を模造紙に書き込む。) 5.グループでの討議結果のまとめと発表者の選定 各グループでの討議結果のまとめを発表 6.課題提供者の感想を述べて終了 21/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 22. 1.提案理由 (髙野の憂鬱)  報告時の反応がほとんどない(儀礼的になってい る。)。  以前からの習慣とは言え、数時の羅列である。  報告者自身、マンネリ化を感じており、形骸化か らの脱皮を図りたい。  せっかく、お客様より、年間39,023件もの直接の アクセスがあるのに、不十分な提言となってい る。  お客様の要望を的確に反映した報告になっている のだろうかという疑問が常にある。  社内で相談できない。 22/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 23. 2.質問内容(抜粋)  報告で何を実現したいのか命題がない。  会議中、他の報告では質問、討議があるのか。  クレームの内容は分類されているか。  データはどのように蓄積されているのか。  データの抽出方法とその柔軟性。 23/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 24. 3.質問への回答  報告で何を実現したいのか命題がない。 ⇒お客様の声から製品・サービスの改善を行う。  会議中、他の報告では質問、討議があるのか。 ⇒ほとんどなく、淡々と進んでいく。  クレームの内容は分類されているか。 ⇒時間軸、現象等の分類はされていない。  データはどのように蓄積されているのか。 ⇒Call Ticket及び全通話録音により記録されてい る。  データの抽出方法とその柔軟性。 24/56 ⇒あらかじめ想定された設定に基づき抽出。 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 26. 5.グループ討議の結果  報告のテーマ ・命題がない。 ・仮説に基づいて発表。 ・内容の対象者を明確に絞り込む。 ・お客様の生の声に要望が存在する。  データの分析手法 ・数字の分析が不十分。 ・顧客の要望分析が必要。 ・クレームが、購入後、何時の時点で、どのような不具合が 起きて生じたかがの提示がない。  プレゼンテーションの手法 ・結論から何故ならでデータ開示。 ・見せ方を考える。 ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示。 26/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 27. 6.課題提供者の感想  質問を受けることにより、提供者自身の中で、課 題の焦点がより明確になっていった。  同一の社会、グループに属することにより(すな わち会社)、自分自身も硬直化していた実感。  期待通りに新しい観点からの提言を頂けた。  自分の課題に対して、利害関係のない参加者が、 真剣に向き合い議論を交わして頂けた。  課題に対してのモチベーションが高くなった。 27/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 28. サービス創新BARへの 課題提供を経験し て 28/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 29. 取り入れる改善事項  報告のテーマ ・命題がない。 ⇒再定義の際に解決:お客様情報から当社の改善すべ き 点を抽出し、出来得る限り、聞き手に伝わるものに 改善する。 ・仮説に基づいて発表。 ・お客様の生の声に要望が存在する。  データの分析手法 ・クレームが、購入後、何時の時点で、どのような不 具合が起きて生じたかがの提示がない。 ・数字の分析が不十分 29/56  プレゼンテーションの手法 ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 30. すぐに取り入れた改善事項  報告のテーマ ・命題がない。 ⇒再定義の際に解決:お客様情報から当社の改 善すべき点を抽出し、出来得る限り、聞き手に伝 わるものに改善する。  プレゼンテーションの手法 ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示。 ・結論から何故ならでデータ開示。 30/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 31. 4月の失敗 ~プレゼンテーションの手法~  いきなり、改革を試みると、報告を受ける立場の 人が戸惑う。 * BARの直後、4月の発表資料の一部を変更 (受電状況の部分を全面改訂)を行ったところ、 事前報告会で受け入れられず。 反省と改善  表現方法を少しづつ変更すべきであった。  従来の提示方法を残しつつ、新しい発表を1、2 点付加していく。 31/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 32. 改善失敗事例 変更前 変更後 お客様センター & SLP-CC 1.3月受電及びメール状況 TEL対応数/メール 数 2011年3 111 お客様センター+SLP-CC合計 ①電話 時間内総発呼数 ○○ 件 月 △△ 件 昨年対比 % 曜日 月 火 水 木 金 月 火 水 木 金 日付 1 2 3 6 7 8 9 10 時間内総発呼数 2010年3 0 0 123 132 107 253 148 149 130 132 △△ 件 一昨年対比 75% 月 TEL応答数 0 0 119 115 104 201 136 135 124 123 応答率(%) ### ### 97% 87% 97% 79% 92% 91% 95% 93% 2011年3 110 応答数 ○○ 件 月 △△ 件 昨年対比 一次完了数 0 0 116 112 95 183 118 124 107 113 % 内 訳 一次完了率(%) ### ### 97% 97% 91% 91% 87% 92% 86% 92% 2010年3 二次完了数 0 0 3 3 9 18 18 11 17 10 △△ 件 一昨年対比 81% 月 他部門依頼数 0 0 0 0 2 3 2 0 0 0 応答率 ○○ % お客様センター(5名) 時間内総発呼数 99 102 85 187 117 119 93 98 128 2011年3 ②メール 受付数 ○○ 件 月 △△ 件 昨年対比 TEL応答数 96 87 82 140 106 107 88 91 % 応答率(%) ### ### 97% 85% 96% 75% 91% 90% 95% 93% 一次完了数 0 0 93 86 76 126 89 99 80 83 2010年3 103 内 △△ 件 一昨年対比 月 % 訳 一次完了率(%) ### ### 97% 99% 93% 90% 84% 93% 91% 91% 二次完了数 3 1 6 14 17 8 8 8 32/55 他部門依頼数 0 0 2 3 2 0 0 0 5 4 5 5 5 5 5 4 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 33. この変更がなぜ受け入れられなかったのか  従来型の表を口頭で説明すれば良く、表そのもの の追加は不要との指摘を受ける。  デイリーの数字を見せながら、最後の月の集計部 分を口頭で説明する方が、日々の対応の状態をア ピールでき、説得力があるとの考え方。  簡素化されすぎている。従来型表示の安心感。 33/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 34. 5月報告改善についての思索 「仮説に基づいて発表」について ⇒ 準備不足で見送り  従来型の集計では、ある程度の仮説も構築が難しい。  頭の中で顕在化している仮説を新しい集計作業によって照合 を行う必要性が出てきた。⇒どのような角度からの集計が必 要か?  仮説を検証できる Call Ticket ができるためにオペレー ターのスキルを上げる必要を痛感。 そこで、5月の改革では、仮説を提示するのをやめて、 顧客の行動記録に語らせる手法に切り替えた。 34/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 35. 5月報告会での改革  報告のテーマ ・お客様の生の声に要望が存在する。 ⇒要点をまとめたお客様の声ではなく、オペ レーター が記入した、より肉声に近い言葉をそのまま使 用。  データの分析手法 ・クレームが、購入後、何時の時点で、どのよう な不具合が起きて生じたかがの提示がない。 ⇒購入後の経過時間で集計し、円グラフ化  プレゼンテーションの手法 35/56 ・伝えたいことを抜き出して分かりやすく提示 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 36. 5月報告会の内容 【改革】  新製品への反応 1.お客様から頂いた言葉をそのまま記入。 2.5月に発売された新製品のうち、問合せが集中した ものをピックアップという表現を使った。  クレーム状況 1.お客様から頂いた言葉をそのまま記入。 2.クレームの申し出と購入時期との相関関係を円グラフで提示。 3.クレームの生データを加えた資料を報告会の前日に会議参加者へ メールを送信。 【従来型】  受電、メール受信状況(前年対比、前月対比)  受付タイプ別受電状況(前月との比較)  商品群別受付状況(前年との比較) 36/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 37. 5月の報告への反応  「クレーム」に関して、会議の席上、該当商品を 担当する副部長より「お客様センターより連絡を 受けて、現在対策を検討中です。」と発言があっ た。  報告会の翌日、該当商品の開発課長より「新製 品」に関する発表の内容について、現象の原因に 関しての詳細な報告があった。  クレームの申し出と購入時期との相関関係の円グ ラフの提示は強いインパクトがあり、参加者の顔 色が変わった。 (購入後1年未満:72%) ★これらの発言、反応が意味するところ。  要約していない、お客様の生の声に強い発信力が あることが証明された。 37/56  新しい切り口と見せ方が強い印象を与えた 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 38. 次に取り組むテーマ  報告のテーマ ・仮説に基づいて発表。  データの分析手法 ・数字の分析が不十分 38/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 39. 次に取り組むテーマ  報告のテーマ ・仮説に基づいて発表 ⇒誰が顧客かを探る。 *データに基づいた仮説の構築。 1.Call Ticketの分析。 2.通話録音より肉声の解析。  データの分析手法 ・数字の分析が不十分 1.アクセス回数からのアプローチの試み。 2. 受電記録システムの機能をシステム製作会社 に 照会。 39/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 40. テーマへの心構え 自分への戒め  お客様の声を率直に伝えていく。 ・脚色を加えない。  客観的で合理的な発表に留意する。  データで立証できない限り、特別な場合を除き発 表しない。 ・メール等、別の方法で担当者へ伝える  相手にも立場があることを十分に認識し、過激な 言葉の表現は使わない。 40/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 41. 仮説の構築 ~当社にとって誰が顧客か~ Call Ticket の分析 お客様のアクセス回数の集計 (集計期間:2012年5月1~17日の11日間) アクセス数 受電数 比率 1 806 48.9% 2 159 9.6% 3 111 6.7% 4 73 4.4% 2~4回のお客様比率 20.8% 5 69 4.2% 6 33 2.0% 7 30 1.8% 8 19 1.2% 9 23 1.4% 5~9回のお客様比率 10.6% 10~ 160 9.7% 2~9回のお客様比率 31.4% 20~ 93 5.6% 50~ 34 2.1% 100~ 15 0.9% 200~ 2 0.1% 300~ 24 1.5% 10~300以上のお客様比率 19.9% 複数回計 843 51.1% (2~300回以上のお客様比率) 総合計 1649 100.0% 特徴 ・初めて電話される方より複数回電話を頂いた方が多い。 ・2回目のお客様より10~19回のお客様が多い。 ・10回目以上のお客様の比率が約20%を占めている。 41/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 42. 仮説の構築 ~当社にとって誰が顧客か~ 通話録音より肉声の解析  1日平均20件以上お客様からの電話に直接出る。  他の人の応答も聞く。  他の人の応答内容を文字起こししてみる。(10件 実施) 42/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 43. 通話の事例 お客様の概要  2009年7月22日より始まる。  住所、氏名、電話番号、利用店舗までデータ有り。  今回の録音は5月11日  その後、5月25日に商品の購入に関する相談の受電 があった。  アクセス回数 13回 ⇒ 14回 43/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 44. 通話の特徴  お客様が当社に対し、非常に気を使いながら話し ている。  当社の過去の品質との比較をしている。  社名の変更の話題が出た。  当初はクレームであったものが、商品の相談に変 化している。  最後はお客様本人が結論を出し、電話が終わって いる。 44/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 45. 通話の印象  強い当社ファンである。  当社とのお付き合いも長い。  最近の品質に不安を感じている。  社名変更が不安要因の1つとなっている。  お客様は会話がしたい。 45/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 46. 仮説の構築 ~当社にとって誰が顧客か~  クオリティーの高い商品を求めている。 (耐久性、デザイン、塗装の仕上がりなど)  高額品志向が強い。  国産品志向が強い。  信頼・期待値が高い。  意見を反映して欲しい。  お客様に記憶されているのはダイワ精工。  釣りの話をしたい。 ★こうした要望を持った、ロイヤリティーが高く強い、息の 長いファンによって、当社は維持されている。 46/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 47. データの分析手法  データの分析手法 ・数字の分析が不十分 1.アクセス回数からのアプローチの試み ⇒法則性の抽出(今回は偶然からの発見。) 2. 機能をシステム会社に照会 ⇒条件を入れてソートしたデータをCSVで吐 き出せ る機能を持っていた。 ⇒データ抽出の切り口の幅が広がり、時間も 47/56 大幅に 短縮される。 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 48. 法則性の抽出(今回は偶然からの発見。)  お客様センターは、直接顧客に接する当社唯一の サービスフロントである。 ~阪井和男先生の「交流制約法」より~  サービスフロントはカオスの縁。  カオスは完全に混沌とした状態ではなく、あらゆ る秩序が存在している。  顧客の欲求を無意識的に 暗黙知として獲得ずみ 。 48/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 49. 年間39,023件の情報  電話数 33,421件  メール数 5,602件 しかも5年以上、情報の全てに接していると法則 性が見えてくる。  自分の頭の中で顕在化している法則性と直感的に 持っている法則性が存在していた。 49/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 50. 「無意識的に 暗黙知として獲得ずみ」の 実例  2012年5月1日から5月17日の11日間における受電数から お客様のアクセス回数の抽出  無意識でアクセス回数のピッチを設定 アクセス数 1、 2 、3、 4、 5、 6 、7、 8、 9 、10~、 20~、 50~ 、10 0~、 200~ 、300~、 複数回計  阪井和男先生の分析 お客様のアクセス回数にたいする累積受電数の「べき分布」を調べてみたら、 y = 1156.3x-0.701 R2 = 0.9484 という結果で、決定係数が約95%ですから、やはり「べき分布」といっていいで しょう。 このとき、指数の0.7は、フラクタル次元を意味します。 50/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 51. 51/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開 することを禁じます
  • 52. 1:異常体験 2~12:緊急救済 13~126:高額指向 127~:交流指向 52/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開 することを禁じます
  • 53. ベキ分布からのセグメント分け仮説 (2012年6月2日) グラフの傾斜の変化より 顧客層/コール回数/内容  異常体験/1回/何らかの異常体験をした顧客 ⇒製造上の問題も含まれる。  緊急救済/2~12回/普及品を日常的に使っている顧 客 ⇒必要性にかられて連絡。  高額指向/13~126回/高額品を購入する顧客 ⇒利益にもっとも貢献しているかも?  交流指向/127回/他に話す相手がいない可能性あ り 53/56 ⇒ SNSで交流の場。 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 54. まとめ  サービス創新BARという機会により、個人別アク セス回数と受電数の関係という新しい視点に出会 い、その後の勉強会で、更に全く新しい統計手法 をご教授頂き、解析の幅が広がった。  ベキ分布、フラクタル係数とは、自然科学の事象 統計及び予測の手法。  0.7という係数は、ガラスのコップを落し、中央か らの距離と破片の分布と同じことが分かった。 例 ・ハヤブサの再突入時の落下物の飛散状態の系 数:0.7 ・東日本大震災の余震の数と規模の系数:0.7~0.9 54/56  個人別アクセス回数と受電数の関係が、自然法則 と合致したことの発見と驚き! 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます
  • 55. 今後の課題  収集期間によって、傾向が異なっているか同じ か?  プロモーションの効果測定に使える可能性があ る!  「高額指向」の傾きが大きいので、いかに小さく 出来るかが課題。  受け身のコミュニケーションからの脱却が必要か もしれない。 (メルマガを止めてしまった。直販は行っていな い。) 55/56 *集計が現在手集計のため、時間かかり過ぎてお 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます り、
  • 56. ご静聴ありがとうございま した。 56/56 作成者の承諾なく本資料を外部に公開することを禁じます