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二次元と三次元の境界
              次 と 次  境界
 Boundary of beautiful worlds and the ugly world




ごぉ(ぶらんくのーと)                                2009/09/12
自己紹介




       ・企画
       ・シナリオ
       ・演出
        演出
       ・スクリプト
        UI、パッケ ジetcデザイン
       ・UI パッケージetcデザイン
       ・ユーザーサポート

       …とかやってます
“シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう
 シナリオ の前に ゲーム を作ろう

 ・そもそもノベルゲームは「ゲーム」なのか?


 →ゲームではない
  ゲ ムではない


 →二次元と三次元を繋ぐ「インターフェイス」である
“シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう
 シナリオ の前に ゲーム を作ろう
“シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう
 シナリオ の前に ゲーム を作ろう

 ・シナリオはあくまで一つの要素

  ・絵、音楽と同等
  ・「文字」による演出であり、それ以上でも以下でもない


 ・ただし膨大な量の「文字」を扱わなくてはいけない
   「ひまわり」の場合…
    イベントCG+立ち絵:35枚(差分含まず)
    音楽:70曲
    シナリオ:2MB

       →どれくらいの量?
        どれくらいの量?
“シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう
       シナリオ の前に ゲーム を作ろう
・テキスト10Kb
「起きてくだされ、お嬢様。そろそろお時間でございますよ」 東条(とうじょう)家の朝は遅い。正確には、東条紅葉(もみじ)という女の子の朝は遅い。理由は単純明快――貧血だ。紅葉はその体質のおかげで人一倍朝に弱く、既に成人を迎えた
年頃だというのに一人で起きるという命題を解決できずにいる。なので大学に通う今でも一人暮らしは許されておらず、実家住まいを余儀なくされていた。 だけど、実家暮らしの最大の理由は別にあった。紅葉は東条コンツェルン現総帥の孫娘、
要するに生まれながらのVIPなのだ。一人暮らしをすると言い出そうものなら、最低でもメイドとコック、それにガードマンの三人が付いてくるだろう。そんなの一人暮らしでもなんでもない――というわけで、紅葉は実家住まいを余儀なくされてい
要するに生まれながらの    なのだ   人暮らしをすると言い出そうものなら 最低でもメイドと  ク それにガ ド ンの三人が付いてくるだろう そんなの 人暮らしでもなんでもない    というわけで 紅葉は実家住まいを余儀なくされてい
た。「起きてくだされぇい!」 朝に弱いとは言っても、ただ怠惰に眠りこけているだけではない。紅葉はよく夢を見る。夢というものは、目が覚めるか覚めないかの瀬戸際で見る事が多いらしい。朝の貴重な時間をベッドの中で浪費する紅葉に
とっては、夢は友達も同然だった。 今朝も紅葉は夢を見ていた。 ――懐かしい夢。あの、憎たらしい許嫁と出会った日の夢を。「授業に遅れますぞ、紅葉お嬢様っ!」「う……う――ん」 目を開けると、起き抜けには心臓に悪い物がそこにあっ
た。やたらと濃い造形の、男の顔。「きゃああああああああっ!」「おお。ようやくお目覚めですかな、お嬢様」 最低、と称していいほどの目覚めだった。目を閉じれば憎たらしい許嫁の顔、目を開ければ執事の強面。朝から気を滅入らすには充
分な取り合わせだ。「……ねぇ丈治(じょうじ)さん、私室には勝手に入らないでって何度も言ってるはずだけど?」「しかし、奥様にお嬢様をお起こしするよう命じられましたので」 主人の命は絶対、とばかりに言い放つ強情執事、名前は丈治だと
聞いている。先月から研修という名目で東条の屋敷に住み込んでいる執事見習いだ。「どんな理由があっても、女の子の部屋に無断で入るなんて執事失格よ。それ以前に人間として失格。常識に欠けているわ」「さ、左様でございましたか……」
しかもたちの悪い事に、彼は悪気があってやっているわけではないのだ。主人のため、雇い主のため、彼の熱意は紛れもなく本物だった。そして、熱意故に空回りをする。「まぁいいわ。とにかくもう起きたから、さっさと出て行って」「しかし奥様に
は、お嬢様を無事学校にお送りするよう言われて――」「わたしが着替えるのも、ずっとそこで見てるつもり?」「はっ、失礼しました!」 ……まったく、もう。 東条コンツェルンと言えば、世界でもその名を知らぬ者はいないほどの巨大企業グ
ループだ。特に日本の軍需産業の大半を手中に収めており、政界にもかなりの発言力を持つらしい。とはいえ、第二次世界大戦が終わり八十年以上もの時間が経った今、その勢力には陰りが見え始めていた。特に代理戦争とも揶揄される宇
ル プだ 特に日本の軍需産業の大半を手中に収めており 政界にもかなりの発言力を持 らしい とはいえ 第 次世界大戦が終わり八十年以上もの時間が経 た今 その勢力には陰りが見え始めていた 特に代理戦争とも揶揄される宇
宙開発の分野においては、近年急速に勢力を伸ばしてきた西園寺(さいおんじ)グループにその主導権を握られており、今や東条コンツェルンは完全に遅れを取っている。このままでは主幹事業の航空機の開発製造からも手を引くのではないか
と囁かれているほどだ。 だからだろう、天下の東条家があんなどう考えても二流の執事を雇っているのは。 陰鬱な気分のまま着替えを済ませて玄関へ向かうと、ロビーでおっとりとした声に迎えられた。きゅっと気持ちを引き締める。「あら。お
はよう紅葉。今朝はちゃんと起きられたのね?」「おはようございます、お母様。丈治さんの独特のセンスに溢れたモーニングコールですっかり目が覚めてしまいましたわ」「ふふ……それはよかった。やっぱり彼に任せて正解でしたね」 この人
にはどんなにわかりやすい皮肉もちっとも通用しない。紅葉は半ば諦め気味だった。 東条(とうじょう)穂波(ほなみ)は、東条コンツェルン現総帥・東条平八郎(へいはちろう)の長女であり、紅葉とは違って生粋の淑女だった。淑女と言えば聞こえ
がいいが、温室育ち、世間知らず、箱入り娘――とにかく浮世離れした性格の持ち主だと紅葉は思っている。ただ、それでも母親として自分に愛情を注いでくれる彼女の事を、紅葉は嫌いになる事が出来ずにいた。それが親子の絆と呼ばれるも
のなのかどうかは、よくわからない。 その将来が危ぶまれつつある東条家の、長女と、その娘。少なくとも微妙な立場にいる親子である事は間違いなかった。「丈治さんには、ゆくゆくはうちの執事長を任せたいと思っているのだけど、どうかし
ら?」 ――大却下。とは真っ正面から言えない。紅葉は母に対して気持ちを素直に表現するだけの勇気を持ち合わせていなかった。「彼はまだ執事長と言うには若いですが……」「ええ。ですから、ゆくゆくは、ね」「それに、常識外れな部分も
多々見られますし」「じゃあ 当面は紅葉の専属執事として勉強していただこうかしら」 ――大失態。 あんなのに二十四時間張り付かれた日には 絶対家出してやる
多々見られますし」「じゃあ、当面は紅葉の専属執事として勉強していただこうかしら」     大失態 あんなのに二十四時間張り付かれた日には、絶対家出してやる……。「さ、丈治さんが門の前に車をつけて待っているわ。行ってらっしゃい、
                                                                                     「さ 丈治さんが門の前に車をつけて待 ているわ 行 てら しゃい
気をつけてね」 今すぐ家出してやろうか……。「――はい。行ってまいりますお母様」 紅葉は、満面の笑みで東条家を後にした。              †「お嬢様、学舎が見えてまいりましたよ」 車窓の向こうに見慣れた西邦(さいほう)大学の校
舎を目にして、紅葉はようやく人心地ついた気分になれた。道中車で三十分、永遠に丈治の妹の自慢話を聞かされて、ほとほと疲れ果てていた。仕える相手を差し置いて身内話に興じる執事なんて聞いたことがない。 だけどそれもここまで。
あの大学の門を超えればそこは紅葉の領域、東条の力の及ばない治外法権の地だ。敵国とも言える西園寺グループ傘下の大学にわざわざ入学した理由もそこにある。これでしばらくは家の事を忘れて自由を手に出来る。 それを思えば、キャ
ンパスが少し屋敷から離れているのも些細な事だった。丈治の送り迎えが付く事になったのは大誤算だが、それは二年前の入学初日に地下鉄を乗り過ごして埼玉まで行ってしまった紅葉の失態だ。なぜ東京の地下鉄はあんなにわかりにくい
のだろう。そもそも、駅が見つけづら過ぎる。「このまま文学部の方向へ向かいます。一限目の教室は八号館でよろしかったですかな?」「ちょっと、ここまででいいわよ! キャンパスを黒塗りのリムジンが走ってたら、みんなにどんな目で見られ
るか……」「どこのお屋敷のご令嬢かと思われますな」「だから、それが嫌なのよ」「ご謙遜を。事実ではございませんか」「あのね、それがどれだけ迷惑な事実なのか知ってる? おかげでわたしは、中学でも高校でもみんなから特別な目で見ら
れていたのよ。わたしはみんなの望むお嬢様を演じてなきゃいけなかった。友達だってまともに出来なかったわ」 だけど、この大学では――。「申し訳ございません。私めは庶民の出ですので、つい軽口を……」「いいのよ、わかってくれれば」
「しかし、それとこれとは別問題でございます」 気がつけば、リムジンは正門を超えていた。「あああああ……」「いつなんどき不逞な輩がお嬢様を狙って飛び出してくるかわかりません。きちんと教室まで送り届けさせていただきます」「あぁ……
「しかし それとこれとは別問題でございます」 気がつけば リムジンは正門を超えていた 「あああああ      」「いつなんどき不逞な輩がお嬢様を狙 て飛び出してくるかわかりません きちんと教室まで送り届けさせていただきます」「あぁ
みんなが見てる……白い目で……」「それでお嬢様、大学ではお友達は出来ましたかな?」「この状況でそれを聞く? ええ、出来てないわよ。一切! 全く!」 入学して早二年――未だに紅葉には友達と呼べるような友達はいなかった。大学
生活もすでに後半戦、このままでは結局大学でも友達を作れずに終わってしまう。 これまでほとんど活躍の機会がなかった携帯電話を、きゅっと握りしめる。 本当は、紅葉だってわかっていた。東条家なんて関係ない。こればっかりは紅葉本
人の問題なのだ。紅葉は少し――ほんの少しだけ、特殊と呼ばれる人種だった。そして、その逆境を覆すだけの勇気を持てなかった。わかっている……わかっているのだ。「でも大丈夫、今日は秘密兵器を用意してあるから。友達百人――は無
理だけど、二~三人はゲットしてみせるわよ」「はっはっは、ご成果期待しております」 ――きっと大丈夫、だってほら、ここにはこんなにたくさんの人がいるんだもの。 紅葉は、自分たちを振り返る学生の群れを見回して、期待に胸を膨らませた。
春――大学が新入生で溢れ、にわかに活気づく季節だった。          †「新入生募集中です!」 広大な西邦大学のキャンパスの中でもとりわけ人通りの多い正門前で、紅葉は顔に似合わない大声を張り上げていた。時間は午後四時過ぎ、
授業を終えた一年生達が一斉に正門になだれ込む時間だ。周りでは、柔道部だとか、奇術愛好会だとか、文芸サークルだとかが同じように声を張り上げ、ビラ配りにいそしんでいる。 だけど心なしか、紅葉の前で足を止めてくれる一年生は少
ない。一瞥、素通り、無視……いやいや、なんのその。こんなことで挫けるものか。「ビラだけでもいいんで、貰ってください!」 目の前を通りすがる女子学生に、押しつけるようにビラを渡す。「お願いします!」「あ……えっと……」 よし、立ち止
まってくれた。見たところ押しに弱そうな顔をしている。ここは押して押して押しまくるんだ。「あなた、一年生の方ですか!?」「あ……ごめんなさい、二年生です」「学年は問いません! やる気があれば大丈夫です!」 ここで逃したら駄目だ 「でも
ま てくれた 見たところ押しに弱そうな顔をしている ここは押して押して押しまくるんだ 「あなた    年生の方ですか!?」「あ  ごめんなさい 二年生です」「学年は問いません!                 ここで逃したら駄目だ。「でも
あたし、もう他の部活に――」「掛け持ちオーケーです! 活動日はメンバーの都合に合わせます!」「えっと、でも……」 必ず入部してもらわなくちゃ。「まずはこちらの紙にお名前とメルアドを。決して勧誘以外の事には使いません。お名前、な
んておっしゃいますか?」「……星乃(ほしの)、明香里(あかり)……」「星乃さんですね。それでメルアドの方は――」 絶対絶対、友達になるんだ。「えっと……これって、何のサークルなんですか?」 来た。 ここまで来たら勝利も同然だ。 紅葉
は高らかに宣言した。「――宇宙人捜索部よ!」 記憶は、ここで唐突に途切れる。「宇宙人は実在するんです!」 高らかに宣言したそこは、白いベッドの上だった。「って、あれ? ここどこ……?」「あ、やっと起きてくれた。気分はどうですか、
センパイ」 ベッドサイドの丸椅子に座っているのは、にこにこ顔の女の子。名前はさっき聞いた――星乃明香里だ。 改めて部屋を見回す。白い壁に、白いカーテン。よくわからないけど、大学の保健室かどこかだろうか。「わたし……またトンで
たんだ」「……トン?」 しまった。「あ、ううん、ただの立ち眩み。わたし貧血みたいで、よく立ち眩みをおこすのよ。大学でなったのは初めてだけど」「そうなんですか。急に倒れたからびっくりしました」「星乃さんがここまで運んできてくれたの?」
「あたしの事は、明香里でいいですよ。みんなそう呼んでるし」「わたし、三年の東条紅葉」「えっと……はい、宇宙人捜索部の東条センパイ」 奇妙な対面だった。ベッドの上と、椅子の上。ああ、もうこの人とは普通の友達になれないんだろうなぁ、
なんていう諦念が紅葉の胸をよぎる。 紅葉はたまに、唐突に気を失う事がある。その時間はせいぜい一~二時間。その間の記憶は一切ない。その事を紅葉は『トブ』と表現している。まるで時間が飛んだような錯覚に陥るからだ。 これまで出
来る限り人には知られないようにして生きてきた。なのに、よりにもよって初対面の女の子の前で……。「センパイ。あの、宇宙人捜索部って何ですか?」 もうどうにでもなれ だった 「宇宙人を
来る限り人には知られないようにして生きてきた なのに よりにもよって初対面の女の子の前で        「センパイ あの 宇宙人捜索部って何ですか?」 もうどうにでもなれ、だった。「宇宙人を……捜すの」「へー……」 おっとりとした女の子
                                                                                                 捜すの」「へ   」
だった。彼女のその様子に自身の母親を思い起こし、紅葉は苛立つ。「何も言わないの?」「はい?」「本当に宇宙人なんか信じてるのかとか、どこをどう探すんだとか」 ずっと、そう言われてきた。紅葉が宇宙人の話をする度に、周りにいた人た
ち――もしかしたら友達になれたかもしれない人たちは、紅葉の事を馬鹿にするか蜘蛛の子を散らすように去っていくかだった。気がつけば、紅葉の周りには誰もいなくなっていた。だけど、それでも紅葉は信じていた。 ――宇宙人は実在する
のだと。「わたしのこと……否定、しないの?」「だって、そういうサークルなんですよね?」「あなた、宇宙人信じてるの?」「うーん、どちらかというと信じてないと思います。でも、いたら素敵ですよね」「じゃ、じゃあ――!」 入部して。そしてわたし
と友達になって。 その言葉が出る前に、部屋のドアが開け放たれた。
                                                                                                  →この200倍
“シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう
 シナリオ の前に ゲーム を作ろう

 ・無理だって…


           ↓

 いきなりシナリオを書き始めるのはマズい
  きなりシナリオを書き始める は
魔法少女から、はじめました
魔法少女から はじめました
所詮シナリオ

 ・…と割り切らなきゃやってられん

 ・ではどうやって書けばいいのか?
  ではどうや て書けばいいのか?


  最高のキャラクターのために
    最高のストーリーを
    最高のスト リ を

               →だってギャルゲだし
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 ・世界観
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   →じゃあ作るしかねぇ
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         結局…黙々と作るしかない?
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  音楽作れないし。背景描けないし。
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090912二次元と三次元の境界

  • 1. 二次元と三次元の境界 次 と 次 境界 Boundary of beautiful worlds and the ugly world ごぉ(ぶらんくのーと) 2009/09/12
  • 2. 自己紹介 ・企画 ・シナリオ ・演出 演出 ・スクリプト UI、パッケ ジetcデザイン ・UI パッケージetcデザイン ・ユーザーサポート …とかやってます
  • 3. “シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう シナリオ の前に ゲーム を作ろう ・そもそもノベルゲームは「ゲーム」なのか? →ゲームではない ゲ ムではない →二次元と三次元を繋ぐ「インターフェイス」である
  • 5. “シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう シナリオ の前に ゲーム を作ろう ・シナリオはあくまで一つの要素 ・絵、音楽と同等 ・「文字」による演出であり、それ以上でも以下でもない ・ただし膨大な量の「文字」を扱わなくてはいけない 「ひまわり」の場合… イベントCG+立ち絵:35枚(差分含まず) 音楽:70曲 シナリオ:2MB →どれくらいの量? どれくらいの量?
  • 6. “シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう シナリオ の前に ゲーム を作ろう ・テキスト10Kb 「起きてくだされ、お嬢様。そろそろお時間でございますよ」 東条(とうじょう)家の朝は遅い。正確には、東条紅葉(もみじ)という女の子の朝は遅い。理由は単純明快――貧血だ。紅葉はその体質のおかげで人一倍朝に弱く、既に成人を迎えた 年頃だというのに一人で起きるという命題を解決できずにいる。なので大学に通う今でも一人暮らしは許されておらず、実家住まいを余儀なくされていた。 だけど、実家暮らしの最大の理由は別にあった。紅葉は東条コンツェルン現総帥の孫娘、 要するに生まれながらのVIPなのだ。一人暮らしをすると言い出そうものなら、最低でもメイドとコック、それにガードマンの三人が付いてくるだろう。そんなの一人暮らしでもなんでもない――というわけで、紅葉は実家住まいを余儀なくされてい 要するに生まれながらの なのだ 人暮らしをすると言い出そうものなら 最低でもメイドと ク それにガ ド ンの三人が付いてくるだろう そんなの 人暮らしでもなんでもない というわけで 紅葉は実家住まいを余儀なくされてい た。「起きてくだされぇい!」 朝に弱いとは言っても、ただ怠惰に眠りこけているだけではない。紅葉はよく夢を見る。夢というものは、目が覚めるか覚めないかの瀬戸際で見る事が多いらしい。朝の貴重な時間をベッドの中で浪費する紅葉に とっては、夢は友達も同然だった。 今朝も紅葉は夢を見ていた。 ――懐かしい夢。あの、憎たらしい許嫁と出会った日の夢を。「授業に遅れますぞ、紅葉お嬢様っ!」「う……う――ん」 目を開けると、起き抜けには心臓に悪い物がそこにあっ た。やたらと濃い造形の、男の顔。「きゃああああああああっ!」「おお。ようやくお目覚めですかな、お嬢様」 最低、と称していいほどの目覚めだった。目を閉じれば憎たらしい許嫁の顔、目を開ければ執事の強面。朝から気を滅入らすには充 分な取り合わせだ。「……ねぇ丈治(じょうじ)さん、私室には勝手に入らないでって何度も言ってるはずだけど?」「しかし、奥様にお嬢様をお起こしするよう命じられましたので」 主人の命は絶対、とばかりに言い放つ強情執事、名前は丈治だと 聞いている。先月から研修という名目で東条の屋敷に住み込んでいる執事見習いだ。「どんな理由があっても、女の子の部屋に無断で入るなんて執事失格よ。それ以前に人間として失格。常識に欠けているわ」「さ、左様でございましたか……」 しかもたちの悪い事に、彼は悪気があってやっているわけではないのだ。主人のため、雇い主のため、彼の熱意は紛れもなく本物だった。そして、熱意故に空回りをする。「まぁいいわ。とにかくもう起きたから、さっさと出て行って」「しかし奥様に は、お嬢様を無事学校にお送りするよう言われて――」「わたしが着替えるのも、ずっとそこで見てるつもり?」「はっ、失礼しました!」 ……まったく、もう。 東条コンツェルンと言えば、世界でもその名を知らぬ者はいないほどの巨大企業グ ループだ。特に日本の軍需産業の大半を手中に収めており、政界にもかなりの発言力を持つらしい。とはいえ、第二次世界大戦が終わり八十年以上もの時間が経った今、その勢力には陰りが見え始めていた。特に代理戦争とも揶揄される宇 ル プだ 特に日本の軍需産業の大半を手中に収めており 政界にもかなりの発言力を持 らしい とはいえ 第 次世界大戦が終わり八十年以上もの時間が経 た今 その勢力には陰りが見え始めていた 特に代理戦争とも揶揄される宇 宙開発の分野においては、近年急速に勢力を伸ばしてきた西園寺(さいおんじ)グループにその主導権を握られており、今や東条コンツェルンは完全に遅れを取っている。このままでは主幹事業の航空機の開発製造からも手を引くのではないか と囁かれているほどだ。 だからだろう、天下の東条家があんなどう考えても二流の執事を雇っているのは。 陰鬱な気分のまま着替えを済ませて玄関へ向かうと、ロビーでおっとりとした声に迎えられた。きゅっと気持ちを引き締める。「あら。お はよう紅葉。今朝はちゃんと起きられたのね?」「おはようございます、お母様。丈治さんの独特のセンスに溢れたモーニングコールですっかり目が覚めてしまいましたわ」「ふふ……それはよかった。やっぱり彼に任せて正解でしたね」 この人 にはどんなにわかりやすい皮肉もちっとも通用しない。紅葉は半ば諦め気味だった。 東条(とうじょう)穂波(ほなみ)は、東条コンツェルン現総帥・東条平八郎(へいはちろう)の長女であり、紅葉とは違って生粋の淑女だった。淑女と言えば聞こえ がいいが、温室育ち、世間知らず、箱入り娘――とにかく浮世離れした性格の持ち主だと紅葉は思っている。ただ、それでも母親として自分に愛情を注いでくれる彼女の事を、紅葉は嫌いになる事が出来ずにいた。それが親子の絆と呼ばれるも のなのかどうかは、よくわからない。 その将来が危ぶまれつつある東条家の、長女と、その娘。少なくとも微妙な立場にいる親子である事は間違いなかった。「丈治さんには、ゆくゆくはうちの執事長を任せたいと思っているのだけど、どうかし ら?」 ――大却下。とは真っ正面から言えない。紅葉は母に対して気持ちを素直に表現するだけの勇気を持ち合わせていなかった。「彼はまだ執事長と言うには若いですが……」「ええ。ですから、ゆくゆくは、ね」「それに、常識外れな部分も 多々見られますし」「じゃあ 当面は紅葉の専属執事として勉強していただこうかしら」 ――大失態。 あんなのに二十四時間張り付かれた日には 絶対家出してやる 多々見られますし」「じゃあ、当面は紅葉の専属執事として勉強していただこうかしら」 大失態 あんなのに二十四時間張り付かれた日には、絶対家出してやる……。「さ、丈治さんが門の前に車をつけて待っているわ。行ってらっしゃい、 「さ 丈治さんが門の前に車をつけて待 ているわ 行 てら しゃい 気をつけてね」 今すぐ家出してやろうか……。「――はい。行ってまいりますお母様」 紅葉は、満面の笑みで東条家を後にした。 †「お嬢様、学舎が見えてまいりましたよ」 車窓の向こうに見慣れた西邦(さいほう)大学の校 舎を目にして、紅葉はようやく人心地ついた気分になれた。道中車で三十分、永遠に丈治の妹の自慢話を聞かされて、ほとほと疲れ果てていた。仕える相手を差し置いて身内話に興じる執事なんて聞いたことがない。 だけどそれもここまで。 あの大学の門を超えればそこは紅葉の領域、東条の力の及ばない治外法権の地だ。敵国とも言える西園寺グループ傘下の大学にわざわざ入学した理由もそこにある。これでしばらくは家の事を忘れて自由を手に出来る。 それを思えば、キャ ンパスが少し屋敷から離れているのも些細な事だった。丈治の送り迎えが付く事になったのは大誤算だが、それは二年前の入学初日に地下鉄を乗り過ごして埼玉まで行ってしまった紅葉の失態だ。なぜ東京の地下鉄はあんなにわかりにくい のだろう。そもそも、駅が見つけづら過ぎる。「このまま文学部の方向へ向かいます。一限目の教室は八号館でよろしかったですかな?」「ちょっと、ここまででいいわよ! キャンパスを黒塗りのリムジンが走ってたら、みんなにどんな目で見られ るか……」「どこのお屋敷のご令嬢かと思われますな」「だから、それが嫌なのよ」「ご謙遜を。事実ではございませんか」「あのね、それがどれだけ迷惑な事実なのか知ってる? おかげでわたしは、中学でも高校でもみんなから特別な目で見ら れていたのよ。わたしはみんなの望むお嬢様を演じてなきゃいけなかった。友達だってまともに出来なかったわ」 だけど、この大学では――。「申し訳ございません。私めは庶民の出ですので、つい軽口を……」「いいのよ、わかってくれれば」 「しかし、それとこれとは別問題でございます」 気がつけば、リムジンは正門を超えていた。「あああああ……」「いつなんどき不逞な輩がお嬢様を狙って飛び出してくるかわかりません。きちんと教室まで送り届けさせていただきます」「あぁ…… 「しかし それとこれとは別問題でございます」 気がつけば リムジンは正門を超えていた 「あああああ 」「いつなんどき不逞な輩がお嬢様を狙 て飛び出してくるかわかりません きちんと教室まで送り届けさせていただきます」「あぁ みんなが見てる……白い目で……」「それでお嬢様、大学ではお友達は出来ましたかな?」「この状況でそれを聞く? ええ、出来てないわよ。一切! 全く!」 入学して早二年――未だに紅葉には友達と呼べるような友達はいなかった。大学 生活もすでに後半戦、このままでは結局大学でも友達を作れずに終わってしまう。 これまでほとんど活躍の機会がなかった携帯電話を、きゅっと握りしめる。 本当は、紅葉だってわかっていた。東条家なんて関係ない。こればっかりは紅葉本 人の問題なのだ。紅葉は少し――ほんの少しだけ、特殊と呼ばれる人種だった。そして、その逆境を覆すだけの勇気を持てなかった。わかっている……わかっているのだ。「でも大丈夫、今日は秘密兵器を用意してあるから。友達百人――は無 理だけど、二~三人はゲットしてみせるわよ」「はっはっは、ご成果期待しております」 ――きっと大丈夫、だってほら、ここにはこんなにたくさんの人がいるんだもの。 紅葉は、自分たちを振り返る学生の群れを見回して、期待に胸を膨らませた。 春――大学が新入生で溢れ、にわかに活気づく季節だった。 †「新入生募集中です!」 広大な西邦大学のキャンパスの中でもとりわけ人通りの多い正門前で、紅葉は顔に似合わない大声を張り上げていた。時間は午後四時過ぎ、 授業を終えた一年生達が一斉に正門になだれ込む時間だ。周りでは、柔道部だとか、奇術愛好会だとか、文芸サークルだとかが同じように声を張り上げ、ビラ配りにいそしんでいる。 だけど心なしか、紅葉の前で足を止めてくれる一年生は少 ない。一瞥、素通り、無視……いやいや、なんのその。こんなことで挫けるものか。「ビラだけでもいいんで、貰ってください!」 目の前を通りすがる女子学生に、押しつけるようにビラを渡す。「お願いします!」「あ……えっと……」 よし、立ち止 まってくれた。見たところ押しに弱そうな顔をしている。ここは押して押して押しまくるんだ。「あなた、一年生の方ですか!?」「あ……ごめんなさい、二年生です」「学年は問いません! やる気があれば大丈夫です!」 ここで逃したら駄目だ 「でも ま てくれた 見たところ押しに弱そうな顔をしている ここは押して押して押しまくるんだ 「あなた 年生の方ですか!?」「あ ごめんなさい 二年生です」「学年は問いません! ここで逃したら駄目だ。「でも あたし、もう他の部活に――」「掛け持ちオーケーです! 活動日はメンバーの都合に合わせます!」「えっと、でも……」 必ず入部してもらわなくちゃ。「まずはこちらの紙にお名前とメルアドを。決して勧誘以外の事には使いません。お名前、な んておっしゃいますか?」「……星乃(ほしの)、明香里(あかり)……」「星乃さんですね。それでメルアドの方は――」 絶対絶対、友達になるんだ。「えっと……これって、何のサークルなんですか?」 来た。 ここまで来たら勝利も同然だ。 紅葉 は高らかに宣言した。「――宇宙人捜索部よ!」 記憶は、ここで唐突に途切れる。「宇宙人は実在するんです!」 高らかに宣言したそこは、白いベッドの上だった。「って、あれ? ここどこ……?」「あ、やっと起きてくれた。気分はどうですか、 センパイ」 ベッドサイドの丸椅子に座っているのは、にこにこ顔の女の子。名前はさっき聞いた――星乃明香里だ。 改めて部屋を見回す。白い壁に、白いカーテン。よくわからないけど、大学の保健室かどこかだろうか。「わたし……またトンで たんだ」「……トン?」 しまった。「あ、ううん、ただの立ち眩み。わたし貧血みたいで、よく立ち眩みをおこすのよ。大学でなったのは初めてだけど」「そうなんですか。急に倒れたからびっくりしました」「星乃さんがここまで運んできてくれたの?」 「あたしの事は、明香里でいいですよ。みんなそう呼んでるし」「わたし、三年の東条紅葉」「えっと……はい、宇宙人捜索部の東条センパイ」 奇妙な対面だった。ベッドの上と、椅子の上。ああ、もうこの人とは普通の友達になれないんだろうなぁ、 なんていう諦念が紅葉の胸をよぎる。 紅葉はたまに、唐突に気を失う事がある。その時間はせいぜい一~二時間。その間の記憶は一切ない。その事を紅葉は『トブ』と表現している。まるで時間が飛んだような錯覚に陥るからだ。 これまで出 来る限り人には知られないようにして生きてきた。なのに、よりにもよって初対面の女の子の前で……。「センパイ。あの、宇宙人捜索部って何ですか?」 もうどうにでもなれ だった 「宇宙人を 来る限り人には知られないようにして生きてきた なのに よりにもよって初対面の女の子の前で 「センパイ あの 宇宙人捜索部って何ですか?」 もうどうにでもなれ、だった。「宇宙人を……捜すの」「へー……」 おっとりとした女の子 捜すの」「へ 」 だった。彼女のその様子に自身の母親を思い起こし、紅葉は苛立つ。「何も言わないの?」「はい?」「本当に宇宙人なんか信じてるのかとか、どこをどう探すんだとか」 ずっと、そう言われてきた。紅葉が宇宙人の話をする度に、周りにいた人た ち――もしかしたら友達になれたかもしれない人たちは、紅葉の事を馬鹿にするか蜘蛛の子を散らすように去っていくかだった。気がつけば、紅葉の周りには誰もいなくなっていた。だけど、それでも紅葉は信じていた。 ――宇宙人は実在する のだと。「わたしのこと……否定、しないの?」「だって、そういうサークルなんですよね?」「あなた、宇宙人信じてるの?」「うーん、どちらかというと信じてないと思います。でも、いたら素敵ですよね」「じゃ、じゃあ――!」 入部して。そしてわたし と友達になって。 その言葉が出る前に、部屋のドアが開け放たれた。 →この200倍
  • 7. “シナリオ”の前に“ゲーム”を作ろう シナリオ の前に ゲーム を作ろう ・無理だって… ↓ いきなりシナリオを書き始めるのはマズい きなりシナリオを書き始める は
  • 9. 所詮シナリオ ・…と割り切らなきゃやってられん ・ではどうやって書けばいいのか? ではどうや て書けばいいのか? 最高のキャラクターのために 最高のストーリーを 最高のスト リ を →だってギャルゲだし
  • 10. 世界観→キャラクター→ストーリー ・世界観 →境界の向こう側にある ・キャラクター →境界を乗り越えてくる存在 境界を乗り越えてくる存在 ・ストーリー →キャラクターをユーザーに届ける手段 キャラクタ をユ ザ に届ける手段
  • 11. 好きなものはとことんパクる ・新世紀エヴァンゲリオン →謎に満ちたストーリーってかっこいい ・機動戦艦ナデシコ-The prince of d k 機動戦艦ナデシ Th i f darkness →空の上には捕らわれの少女がいる ・宇宙のステルヴィア 宇宙のステルヴィア →宇宙って実は怖い ・プラネテス →でも宇宙開発は浪漫だ ・イリヤの空 UFOの夏 イリヤの空、UFOの夏 →これがセカイ系ってやつか… D.C. ・D.C. ~ダ・カーポ~ ダ カ ポ →女の戦いすげぇ
  • 12. 好きなものはとことんパクる ・ひぐらしのなく頃に →「雛見沢」というキャラクター
  • 13. 挫けそうな時は ・二次元と三次元の境界は厚い 「これはただの文字だ…」 ↓ 現実に目を向けてみる ↓ 「何というつまらない世界…」
  • 15. 挫けそうな時は ・「エロゲを作るしか能のない連中もいる」 →じゃあ作るしかねぇ ・こいつらを世界で一番愛してるのは俺だ こい らを世界で 番愛してるのは俺だ →じゃあ作るしかねぇ じ あ作るしかね
  • 16. 挫けそうな時は ・完成したら奇跡 →奇跡、起こしてやるよ 奇跡 起 やるよ ・お前はマゾだ…お前はマゾだ… →開眼 ・ノーミュージック、ノーライフ ノ ミ ジック、ノ ライフ →あなたがいてくれるからわたしは笑顔でいます
  • 17. 体験版と未完成版の違い ・体験版 →宣伝目的 →レスポンスは期待しない ・未完成版 →出したらそこで試合終了 ↓ 結局…黙々と作るしかない? 結局 黙々と作るしかな
  • 18. これからが本当の地獄だ ・絵師と喧嘩 →主に性的嗜好の相違で ・またバグが ! またバグが…! →自分の書いた文章を読み直すのはつらい ・コミケで出す物がない コミケで出す物がない →一本作るのに何年もかかるので…許してください… ・音楽作れないし。背景描けないし。 音楽作れないし。背景描けないし。 →フリー素材探してみるか ・そもそもお金ない そもそもお金ない →秋葉原を歩き回って特売品のDVDケースを探した思い出 ↓ シナリオで詰まってる場合じゃない!
  • 19. 二次元と三次元の境界 次 と 次 境界 ~終わり~