9. 教育改革で見過ごされがちなつながり The Missing Link
Carrie R. Leana “The Missing Link in School Reform”, Stanford
Social Innovation Review (2011)という論文から
2005年から2007年にかけて、ニューヨーク市の公立小学校4、5年
生の教師1000人以上、130校を対象に調査。算数の学力テストの
点数の変化は何で説明できるかを実証した。経済的なニーズ、出席
状況、子どもの特別支援の状況も勘案していて分析。
結果は、教師たちが頻繁にコミュニケーションし、教師間に信頼や
親近感がある場合に、もっとも高い算数の到達度となった。
より厳密に言うと、最も算数の到達度が高いのは、教師が算数を教
えることを得意としており、かつ同僚との強い関係性をもつ場合。
つまり、人的資源(=教師の個人の力量)とソーシャルキャピタル
(=教師間の同僚性)がともに高い場合であった。
逆に、算数を教えるのが苦手な教師で、かつソーシャルキャピタル
も弱い場合は、もっとも点数が低い結果であった。興味深いのは、
算数を教えるのが苦手な教師であっても、職場で強いソーシャル
キャピタルを有している場合は、子どもは平均的な到達度にいくこ
とがわかった。
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