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【採用担当者向け】	
  
失敗しない	
  
ベトナム人採用のための	
  
ガイドブック
現在多くの日本企業がベトナムに進出しています。	
  
しかし、多くの企業の採用活動は失敗します。   	
  
そしてその多くが、ベトナム人側にのみ問題を求めます。	
  
	
  
採用に成功している企業の多くには、ベトナムと日本の違いを深く理解し、
正しく明確な採用戦略や基準が存在します。	
  
同時に、採用のみならずその後の育成においても高い成果をあげています。	
  
	
  
これまで日本国内、そしてベトナムにおいて数百社の採用の現場を	
  
サポートしてきた当社が、 本資料を通じてその仕組みの基盤となる	
  
考え方をお伝えしてまいります。	
  
目次	
1.ベトナム労働市場の現在を理解する	
  
  -­‐産業、企業の変化	
  
  -­‐労働者の変化	
  
2.ベトナム人の特性を理解する	
  
  -­‐どのような国民性を持つのか	
  
  -­‐仕事に対する価値観とは	
3.採用を考える	
  
  -­‐誰をこのバスに乗せるのか	
  
  -­‐ベトナム人をどう評価するのか	
  
  -­‐どのようにアプローチするのか	
  
4.育成を考える	
  
  -­‐典型的な問題から考える組織の成功要因
ベトナム労働市場の現在を理解	
  
ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐	
  産業の変化	
  
・労働力人口は5254万人、1次産業は48%、	
  
 2次産業は22.4%、3次産業は29.6%	
  
・年間100万人の新規労働力が生まれている	
・平均賃金は310万ドン、ホーチミンは388万ドン	
	
  
	
  
	
日本の労働人口とほぼ同じ数値ですが、ベトナムの場合年間100万人が	
  
労働人口として加入してくる状況です。	
  
日本の場合、産業別就業者数の予測によると、20年前は2000万人を	
  
超えていた「製造業・建設業」の就業者数が、2020年には半減するかもしれないという状況。	
  
一方、「情報・サービス業」就業者は2010年から2020年までに約270万人増え、	
  
2人に1人が従事するようになると予測されています。	
  
ベトナムにおいても第3次産業の割合は増加傾向にあり、徐々に日本と同じ割合に	
  
なっていくでしょう。
ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐	
  国営、民営、外資	
  
・GDPは国営33%、民営48%、外資18.8%	
  
・就業者数は国営10.4%、民営86.2%、外資3.4%	
  
・企業数は国営1.1%、民営96.4%、外資2.5%	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
いわゆる社会主義国ではほとんどの企業が国有化されていたため国営企業の	
  
比率が高いのが特徴です。公務員が全体の20%を占めていることになります(日本は4.7%)。	
しかし、社会主義国の崩壊や新自由主義の影響などで現在では世界的に国有企業は	
  
例外を除いて民営化が進み、多くは株式会社になってきています。	
  
日本は1980年代のいわゆる「民活」路線により国営企業の民営化ないし株式会社化が	
  
進行し、狭義の国営企業が存在しません。また、ベトナム政府は外資の参入規制を	
  
大幅に緩和する方針を押し進めているため、今後はさらに外資比率は高まることでしょう。
ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐	
  日系企業の割合	
  
・進出企業数は1452拠点	
  
・製造業47%、卸売業20.7%、サービス業15.3%	
  
・業種別で言うとソフトウェアが4.6%と高い	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
2015年の調査によると、ベトナムに進出している日系企業数は、前年比+10.9%の	
  
1452拠点。毎年100拠点ペースで増加しています。近年は開発のオフショアを中心と	
  
したソフトウェア産業が伸びをみせています。	
  
また、1人当たりのGDPの増加に伴い、ベトナムはコストメリットを生かしたアウトソース先から、
一つのマーケットとして注目を集め始めました。それに伴い、サービス業の進出も増加傾向
にあります。	
  
ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐	
  雇用形態	
  
・雇用者5035万人のうち、雇用主2.9%、一人事業主
43.9%、無償家族労働者18.6%、賃金労働者34.6%	
  
・賃金労働者が増加傾向にある	
・副業率は60%を超える	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
ベトナムの労働者の大半は農業を中心とした自営業、または企業の形態を取らない小規模
事業体のため、一人事業主の比率が高くなる。	
しかし、経済が成長するにつれて、特に都市部では賃金労働者比率が高まっている。	
  
また、現在ベトナムの男性の約50%は専門職・技術職についている。	
  
これは学びと職が連結しているとも言えますが、今後は第3次産業の成長に伴い、	
  
総合職比率も増えていくでしょう。また、約60%が副業しているとされ、公務員ですら	
  
副業禁止条例はありません。	
  
ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐	
  新卒採用について	
  
・卒業時期が学校によって異なる	
  
・新卒一括採用というシステムはない	
  
・30%程度は内定ゼロで卒業する	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
ベトナムの学生が卒業前に就職決定率は68.6%。日本は82.2%ですので、	
  
多くの学生が卒業時点では職が決まっておらず、卒業後に仕事を見つけています。	
  
日本ですと内定が取れずに卒業するとネガティブなイメージがありますが、	
  
ベトナムには日本のような新卒一括採用システムはないため、それぞれのタイミングで	
  
就職活動をしていくのです。	
  
ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐	
  転職率について	
  
・国営企業を除き、3年以上勤務を継続していると長い印象	
・離職率は月に5-­‐10%程度と高く、企業の悩みの種	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
ベトナム人は教育研修の機会と賃金が最も大切とし、日本のような”就社”ではなく、	
  
”契約”といった感覚。	
そしてベトナムの転職率は非常に高いというイメージがあるが、それは厳密には異なります。	
  
学校を卒業し、初職3年以内の転職率は他国と比べ若干高くはなります。	
  
日本の転職経験者の初職3年離職率は53%ですが、ベトナムは70%を超えます。ベトナムに
は石の上にも3年という考えはないのです。	
  
しかし、本当に高いのは転職率ではなく転職回数なのです。1人の人間が20代に転職する回
数は日本の倍以上。3回4回が当たり前の世界です。それは日本とは異なり、転職すれば給
与もポジションも上がるという前提があるからです。日本の場合、雇用の流動性は低く、それ
には終身雇用の残り、同業への転職禁止や副業禁止が強く影響しています。	
  
ベトナム労働市場の現在を理解  -­‐	
  大学/大学院進学率について	
  
・高等教育改革計画(2006-­‐2020)により高等教育機関が増加	
・2000年の178校から2011年419校に増加	
・99年から2007年の間に入学者数は2.4倍に増加	
・大学、職業専門教育入学率は24%(大学進学率は10%)	
  
・学士取得率は4.2%、修士以上は0.2%	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
日本の大学進学率は50%を超えたあたり。これは先進国の中では低い数値で、米国や韓国など
は80%以上となります。日本の場合は大学以外にも高い専門教育を提供する専門学校の存在や、
上記にあげた国々ほど学歴が影響しないこともあるでしょう。	
ベトナムの大学数は増加傾向にあり、特に近年のエンジニア需要の高まりに伴い、国家としてエ
ンジニア増加のための大きな戦略を立てています。 国家戦略として2020年までに100万人(年間
7-­‐8万人増)にまで増やし、GDPの8~10%を担うまでに成長させようとしているのです。	
  
ベトナム人の特性を理解する	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  国民性について	
  
世界には196もの国が存在します。	
  
これはつまり、少なくとも196の国民性があるということ。	
  
	
  
海外でビジネスを展開するにあたり、その国の国民性を理解することは必須。	
  
例えば、ベトナムは世界を見渡しても有数なFacebookユーザーを誇る国です。	
  
	
  
それはなぜなのか。	
  
	
  
これも国民性が少なからず関わってくるということを理解することは容易でしょう。	
  
Facebookの事例は結果論かもしれないが、これから新しいビジネスをここベトナムで	
  
始めるならば、国民性の理解を疎かにする理由はないのです。	
  
それが新しいビジネスではないとしても、もしベトナム人と一緒に	
  
働くことになるのであれば、マネジメントの観点からも国民性の理解は	
  
避けて通れません。	
  
	
  
では、ベトナムの国民性とはどんなものなのか。	
  
今回はベトナムの国民性として挙げられる4Kという特徴をご紹介します。 	
  
4Kとは、器用	
  /	
  向上心・向学心旺盛	
  /	
  近視眼的	
  /	
  カカア天下 を指します。	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  	
  器用	
  
器用	
  
	
  
ベトナム人の手先は器用です。よくベトナム人の器用さを表す例として	
  
下記のようなエピソードが挙げられます。  	
  
	
    	
  
●着物や西陣織の帯刺繍などで不良品率が1%未満と極めて低い   	
  
●アジア地域のロボットコンテスト等では、必ずベトナムの大学が優勝や上位入賞  	
  
●街中でバイクや機械修理を自分達でやってしまう   	
  
●日本人女性観光客にも大人気のオーダーメイド服の制作も即日~数日で完成     	
  
	
  
さらに記憶力も優れており、OA・精密機器メーカーの流れ作業でも、1人で担当する	
  
部品数がアジアの周辺と比べても多い。	
  
手先の器用さが求められる生産分野において世界のトップに立つ可能性があります。     	
  
	
  
実際にNikeのような世界的ブランドも生産工場をベトナムに持ち、	
  
多くの外国投資家がベトナムの労働市場の開拓を始めています。	
  
もしこれらの人材に加え、質の 高い経営管理体制や投資環境が整えば、	
  
他の分野でも同様の成功を遂げられることでしょう。	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  向上心、向学心	
  
向上心、向学心が旺盛	
  
	
  
	
  
ベトナムの人はダブルスクールをしている人や習い事をしている人が圧倒的に多い。	
  
学校が大好きなのだ。新しい知識を貪欲に吸収しようとし、 自分自身の価値を高めることを	
  
至上命題としているようです。	
  
	
  
ただし、だからと言って勝手に学ばせておけば安心ではありません。	
  
もしあなたが管理する側の人間ならば、正しい努力をするようにマネジメントする必要があります。	
  
言葉は悪いが、学ぶことが目的になりがちな側面があり、実体が伴っていないことも。	
  
	
  
プロジェクトにおいても新しい知識を獲得しながら進めていく機会もあるかと思いますが、	
  
努力の方向性を間違えさせないマネジメントも必要になってきます。	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  近視眼的	
  
近視眼的	
  
	
  
	
  
ベトナム人の金銭感覚は「明日の100万円より今日の100円」。	
  
「今稼げるか」という点のみが重要なのだ。この近視眼には理由がある。	
  
背景にはベトナム戦争や急速なインフレなどが影響しているようです。	
  
	
  
40年前のベトナムは戦火に包まれており、今日の生活を維持するのでやっとという人が多く、	
  
そして、数年前にはベトナムは突然インフレ経済となってしまい、物価が10倍になるという	
  
経済現象を体験しています。そのためにベトナム人は中長期の予測は難しい、	
  
今のプラスを取って行こうとい う発想が強く根付いると言われています。	
  
	
  
今でこそ少しずつ銀行預金も増えてきてはいるものの、たんすの貯金が未だに	
  
主流なのはベトナム人の大衆心理の表れかもしれません。	
  
開発プロジェクトにおいてはタスクの重要度と優先度を判断し、意思決定をして	
  
いていかなければならない。そういった面は初めは日本側のサポートが必要でしょう。  	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  カカア天下	
  
カカア天下	
  
	
  
	
  
ベトナムは「カカア天下」だ。近年の日本と共通する部分だが、ベトナムは非常に強い	
  
女性優位の国なのです。 戦争で男手を取られ女性が社会生活を守ってきた歴史的背景	
  
からだと予想するが、ベトナムの女性はこぞって恐妻家。	
  
	
  
	
  「ベトナムには辛くない唐辛子はなく、棘のないばらは無い」ということわざがあるほど、	
  
非常に嫉妬心の強い女性が多いのです。	
  
	
  
会社においても相対的に女性は優秀な印象が強い。	
  
真面目で一生懸命というベトナムの国民性は、女性と働くとより強く感じることでしょう。	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  仕事に対する価値観	
  
優秀な人材があなたの会社で働き続ける理由を理解していますか?	
  
	
  
雇用者が想像する以上に、人によってその理由は異なります。	
  
経営者や採用担当者としては会社のビジョンに共感しているからと一括りに	
  
しがちですが、実際にはより本質的な理由が存在します。	
  
	
  
正しく把握しなければ、中長期的に良い関係性を築き続けることは不可能でしょう。	
  
また、人によって理由が異なるように、国によってもその傾向は異なります。	
  
	
  
それでは、ベトナム人の場合は何を重要視するのでしょうか?	
  
	
  
ベトナム人と日本人の仕事に対する意識を比較した興味深い1つのデータがあります。	
  
これらを見ながら理解を進めていきましょう。  	
  
ベトナム人の特性を理解する -­‐	
  仕事に対する価値観	
  
会社を選ぶ上で何を最も重要視するのか?ベトナムマーケットリサーチの	
  
	
  『Q&Me』がベトナム人と日本人の仕事に対する意識を比較したデータをご紹介。	
  
・ベトナム人にとって最も重要なのは給与 (54%)、	
  
労働環境(40%)、スキルマッチング (39%)	
  	
  	
  	
  	
  
	
  
・日本人は仕事のやりがいを重視するが、 	
  
ベトナム人にとっては優先度が低い     	
  
	
  
・日本人は労働時間を重視するが、ベトナム人に
とってはそもそも残業という概念がない	
ベトナム人にとって給与の優先度は非常に高いです。日本のように長期的な給与設計は
効果的ではないでしょう。また、ベトナム人の20代の転職率は日本の約2倍と、非常に流動
性があります。給与が上がらない、スキルが上がらないと判断すれば簡単に離職してしま
います。
採用を考える	
  
採用 	
  
そもそも採用の目的とは何なのか。	
  
採用は企業の経営戦略を実現するための最も重要な要素。	
  
	
  
パナソニックを創業し世界的企業へと成長させた	
  
松下幸之助も「企業は人なり」という言葉を残しています。	
  
	
  
あなたは、誰をそのバスに乗せますか?	
  
どうやって評価しますか?	
  
どのように候補者を探しますか?	
  
	
  
それぞれ詳しくみていきましょう。	
  
採用 -­‐	
  誰をバスに乗せるのか	
  
採用要件定義	
  
	
  
なぜ採用するのか。それは事業を伸ばすためです。	
  
つまり、事業を伸ばせる人材が欲しいというわけです。 	
  
	
  
その事業おける職種で必要となる要素とは(経験、知識、マインド)	
  
 -­‐過去どのような人材が活躍したのか	
  
	
  
組織のカルチャーに合う性格とは	
  
 -­‐組織における課題は必ずヒトとヒトの”間”から生まれる	
  
 -­‐ゆえにパーソナリティは組織の成果を足し算からかけ算に発展させる過程で不可欠な要素	
  
	
  
上記に当てはまる人材はどこでどのような行動をしているのか	
  
 -­‐採用はマーケティングです。詳細まで言語化し、社内で共通認識が出来るまで落とし込む	
  
 -­‐この過程により、いわゆる「ウチっぽい」という感覚が論理性を持ってきます	
  
	
  
自社にその候補者を振り向かせられるだけの武器はあるのか	
  
 -­‐魅力のない会社にはヒトは集まりません	
  
 -­‐しかし、魅力は今からでも作ることができます	
  
 -­‐そのためには、出会いたい候補者は何を魅力と感じるのかを知る必要があります	
  
採用 -­‐	
  どうやって評価するのか	
  
人材評価は下記の2つの要素から成立します	
  
過去の行動事実	
 面接中の会話	
評価	
・問題解決能力	
  
・挑戦心/達成心	
  
・コミュニケーション力	
  
・その他の印象	
  
面接の目的は”見極め”と”魅力付け”。	
  
見極めができるということは、評価項目を理解しているので	
  
適切な魅力付けもできる状態になります。	
  
各要素については各会社や職種別に言語化と評価軸を作成しましょう。
採用 -­‐	
  どうやって評価するのか	
  
STAR手法を活用した質問の掘り下げ方	
  
SituaLon	
  
(環境や背景)	
Task	
  
(課題や任務)	
AcLon	
  
(本人の行動)	
Result	
  
(結果)	
・きっかけは何だったか	
・目的・目標は何だったか?	
・目標の高さは高かったか?	
・チーム構成は?	
・周囲の意見は?	
・自分の役割、ミッションは?	
・何をすべきだったか?	
・課題や問題点は?	
・工夫したポイントや狙いは?	
・最初に何をしたか?	
・なぜそう考えたか?	
・周囲の人への影響、意見	
・次に何をしたか?	
・どのように工夫したか?	
・その結果、成果は?	
・プロセスにおける改善点	
・学んだことは何かあるか?	
・反省点は何かあるか?	
・他の場面で活かした経験	
「YES/NO」で答えられる質問(クローズドクエスチョン)ではなく、	
5W1Hでの質問(オープンクエスチョン)を行い、応募者の言動行動が	
  
リアルにイメージできるまで深く掘り下げましょう
採用 -­‐	
  採用サービスの種類 	
  
紹介型	
 媒体型	
総合型	
専門型	
・広告料金モデル(月100-­‐300万VND)	
  
・応募者の量は多い	
  
・一方良い候補者の含有率は低い	
  
・大量採用の場合には効果的	
・広告料金モデル(月100-­‐300万VND)	
  
・応募者属性が絞られており、	
  
 良い候補者の含有率は高い	
  
・採用までのスピード感は遅い	
  
・専門型はそもそも紹介モデルが多い	
・成果報酬モデル(2.6ヶ月分/人)	
  
・採用までのスピード感は早い	
  
・選別の上で紹介のため決定率が高い	
  
・総合職の場合効果的	
  
・成果報酬モデル(2.6ヶ月分/人)	
  
・採用までのスピード感は早い	
  
・選別の上で紹介のため決定率が高い	
  
・応募者属性が絞られており、	
  
 良い候補者の含有率は高い	
  
・専門職の場合効果的	
  
自社の状況を加味し、最適なサービスを選択
育成を考える	
  
-­‐典型的な問題から考える組織の成功要因-­‐	
  
典型的な問題から考える組織の成功要因 	
  
よくベトナムの組織で問題になるのが、品質に関する意識の低さです。	
  
	
  
満足に対するハードルが低く、「これでOK」「自分はもうその言語は完璧だ」といったこと
が多々あります。これにより、組織内では様々な問題が発生していくのです。	
  
	
  
例えば、プロジェクトの全体像の把握や仕様に対する理解不足、テスト不足などが挙げ
られる。この問題に遭遇すると、多くの日本人は「ベトナム人のレベルは低いんだ」と判
断してしまいますが、その判断の前に考えるべき点があります。   	
  
	
  
それは、私たちが常識だと考えていることが、海外では常識ではないという可能性です。
典型的な問題から考える組織の成功要因 	
  
ここで述べたいのは、どちらが正しいのかということではなく、違いが存在し、それに対し
てどう対処するかということです。 	
  
	
  
例えば、日本人同士で仕事をする場合、日本独特の空気を読む感覚や曖昧なコミュニ
ケーション。私たち日本人はこれが仕事を円滑に進めるためには悪くない選択だと思っ
ているが、海外から見たら違う反応になるでしょう。	
  
	
  
つまり、どちらかのやり方を押し付けるのではなく、歩み寄りながらお互いの課題に対処
していく姿勢が必要なのです。品質に対する意識であれば、教育と仕組みで十分にフォ
ローできるはず。そして、本来そうあるべきです。     	
  
	
  
常識が異なる環境下では、違いが混ざり合うことにより、”本来あるべき姿”が浮き彫り
になるという良い点もあるのです。  
典型的な問題から考える組織の成功要因 	
  
コミュニケーション量が不足	
 コミュニケーションの質に問題あり	
コミュニケーションの仕組みがない	
 仕事の依頼の仕方が悪い	
組織における課題の大多数が”ヒト”と”ヒト”の間に生じる。	
  
つまり、コミュニケーションが全ての要因
コミュニケーションの量	
  
1.海外の人と仕事していく上で相手に理解してもらえるための	
  
 コミュニケーションの量は対日本人と比べて1.5倍~2倍以上かかる   	
  
	
2.文化の違い、育った環境、基礎知識、経験、法律の違いなどがあり、	
  
 理解してもらうためには背景についても説明が必要   	
  
	
3.日本人担当者が疲弊した結果、発信する側の情報量が少なくなり、	
  
 受け取る側の認識が不足し、その結果、間違った認識で開発を進む   	
  
	
4.成果物は仕様と異なり、再度修正の依頼や再度仕様の説明をする	
  
 はめになるなど悪循環に陥る	
	
  
	
  
	
特に初めは丁寧に、時間をかけて、簡単な言葉でお互いの信頼関係を	
  
築くことが重要です。これにより、その後のスピードがぐんと増します。  
コミュニケーションの質	
  
 1.「なぜ」理由付けと論理理解  	
 -­‐「なぜしなければならないのか?」などの理由付けを明らかにすることが重要  	
 -­‐「ここの値を変えて…」など作業単位での依頼ではなく理由を含めた会話が大事  	
 -­‐このプロセスをやることでどう変わるのか、何故やるのかを説明することで自分で	
  
 考えながら作業を進めていくことができます 	
	
2.「言った、言わない」「誤解していた」「聞いてない」をなくす  	
 -­‐このような事態を避けるためにも公式なものの決定については文書化をしましょう  	
 -­‐不具合の連絡や仕様伝達などあらゆるQ&A連絡は、定型フォーマットを活用した	
  
 ほうが効果的です 	
	
3.理解の確認           	
 -­‐自分の結論を一方的に伝えただけでなく相手が理解しているか確認をする必要あり  	
 -­‐仕事をする上で分かったと言って実は分かってなかったなど多々あり  	
 -­‐なにが分かったのかを明確にすることも重要  	
 -­‐失敗を恐れさせない雰囲気作りが大切 
円滑なコミュニケーションの仕組みの構築	
  
1.プロジェクトの目的、概要などを細かく伝える    	
 -­‐伝えたつもりでも、実は自身が思うほど伝わっていないことを知る    	
 -­‐言語化し、いつでも見返せる状態になっているか    	
 -­‐目的を伝えることで、自分で考えて応用をきかせることが可能となる     	
	
2.何をコミュニケーターに求めるのかを明文化する	
 -­‐阿吽の呼吸はない	
 -­‐その上で何を学んで欲しいのかを示す(努力の方向性を間違えさせない)    	
 -­‐何が優先度が高いのかをきちんと伝える     	
  
	
  
3.中長期的に育てる意識を持たなければ、結果として短期的にも成功しない    	
 -­‐全体的に若いベトナム人には経験値が少なく、日本企業が求める質を初めから	
  
 求めることは困難だと考えた方が良い    	
 -­‐新卒採用のように、育て上げる気持ちで接した方が結果が出やすい
仕事の依頼の仕方	
  
1.タスクの目的、背景、期限、優先度、想定リスクを先に洗い出す	
  -­‐すべて言語化、文書化し、初めにコンセンサスを取る     	
	
2.初めにそのタスクをきちんと理解したかを確認する	
 -­‐ただでさえ言語の違いにより誤解が生まれやすい状況    	
 -­‐後から修正する方が時間がかかる     	
	
3.中間報告を入れ、大きなズレを解消する	
 -­‐物理的な距離もあり、仕事を投げっぱなしになりやすい    	
 -­‐日本人のような報連相の文化は薄いため、初めは強制的にでもしてもらう     	
	
4.上手くいかなかった場合、その原因を一緒に考える姿勢を持つ	
 -­‐時間がかかっても答えを考えさせることが大切    	
 -­‐その後の生産性が変わる     	
	
5.ただの外注先として扱わず、チームの仲間であることを忘れない	
 -­‐この気持ちがあるかないかで、一つ一つのアクションに大きく影響
Viecoiについて	
  
Get	
  job	
  ,	
  Get	
  bonus	
  
Viecoi	
・ベトナム国内向けの祝い金型転職サイト	
  
・マネジメント層人材に効率的にアプローチ	
  
・成果報酬額は業界最安値の1ヶ月分のみ	
FB:hXps://www.facebook.com/Viecoi.vn/	
URL:hXp://viecoi.vn/	
MAIL:info@viecoi.vn

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【採用担当者向け】失敗しない ベトナム人採用のためのガイドブック

  • 2. 現在多くの日本企業がベトナムに進出しています。   しかし、多くの企業の採用活動は失敗します。     そしてその多くが、ベトナム人側にのみ問題を求めます。     採用に成功している企業の多くには、ベトナムと日本の違いを深く理解し、 正しく明確な採用戦略や基準が存在します。   同時に、採用のみならずその後の育成においても高い成果をあげています。     これまで日本国内、そしてベトナムにおいて数百社の採用の現場を   サポートしてきた当社が、 本資料を通じてその仕組みの基盤となる   考え方をお伝えしてまいります。  
  • 3. 目次 1.ベトナム労働市場の現在を理解する     -­‐産業、企業の変化     -­‐労働者の変化   2.ベトナム人の特性を理解する     -­‐どのような国民性を持つのか     -­‐仕事に対する価値観とは 3.採用を考える     -­‐誰をこのバスに乗せるのか     -­‐ベトナム人をどう評価するのか     -­‐どのようにアプローチするのか   4.育成を考える     -­‐典型的な問題から考える組織の成功要因
  • 5. ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐  産業の変化   ・労働力人口は5254万人、1次産業は48%、    2次産業は22.4%、3次産業は29.6%   ・年間100万人の新規労働力が生まれている ・平均賃金は310万ドン、ホーチミンは388万ドン     日本の労働人口とほぼ同じ数値ですが、ベトナムの場合年間100万人が   労働人口として加入してくる状況です。   日本の場合、産業別就業者数の予測によると、20年前は2000万人を   超えていた「製造業・建設業」の就業者数が、2020年には半減するかもしれないという状況。   一方、「情報・サービス業」就業者は2010年から2020年までに約270万人増え、   2人に1人が従事するようになると予測されています。   ベトナムにおいても第3次産業の割合は増加傾向にあり、徐々に日本と同じ割合に   なっていくでしょう。
  • 6. ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐  国営、民営、外資   ・GDPは国営33%、民営48%、外資18.8%   ・就業者数は国営10.4%、民営86.2%、外資3.4%   ・企業数は国営1.1%、民営96.4%、外資2.5%             いわゆる社会主義国ではほとんどの企業が国有化されていたため国営企業の   比率が高いのが特徴です。公務員が全体の20%を占めていることになります(日本は4.7%)。 しかし、社会主義国の崩壊や新自由主義の影響などで現在では世界的に国有企業は   例外を除いて民営化が進み、多くは株式会社になってきています。   日本は1980年代のいわゆる「民活」路線により国営企業の民営化ないし株式会社化が   進行し、狭義の国営企業が存在しません。また、ベトナム政府は外資の参入規制を   大幅に緩和する方針を押し進めているため、今後はさらに外資比率は高まることでしょう。
  • 7. ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐  日系企業の割合   ・進出企業数は1452拠点   ・製造業47%、卸売業20.7%、サービス業15.3%   ・業種別で言うとソフトウェアが4.6%と高い               2015年の調査によると、ベトナムに進出している日系企業数は、前年比+10.9%の   1452拠点。毎年100拠点ペースで増加しています。近年は開発のオフショアを中心と   したソフトウェア産業が伸びをみせています。   また、1人当たりのGDPの増加に伴い、ベトナムはコストメリットを生かしたアウトソース先から、 一つのマーケットとして注目を集め始めました。それに伴い、サービス業の進出も増加傾向 にあります。  
  • 8. ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐  雇用形態   ・雇用者5035万人のうち、雇用主2.9%、一人事業主 43.9%、無償家族労働者18.6%、賃金労働者34.6%   ・賃金労働者が増加傾向にある ・副業率は60%を超える             ベトナムの労働者の大半は農業を中心とした自営業、または企業の形態を取らない小規模 事業体のため、一人事業主の比率が高くなる。 しかし、経済が成長するにつれて、特に都市部では賃金労働者比率が高まっている。   また、現在ベトナムの男性の約50%は専門職・技術職についている。   これは学びと職が連結しているとも言えますが、今後は第3次産業の成長に伴い、   総合職比率も増えていくでしょう。また、約60%が副業しているとされ、公務員ですら   副業禁止条例はありません。  
  • 9. ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐  新卒採用について   ・卒業時期が学校によって異なる   ・新卒一括採用というシステムはない   ・30%程度は内定ゼロで卒業する                   ベトナムの学生が卒業前に就職決定率は68.6%。日本は82.2%ですので、   多くの学生が卒業時点では職が決まっておらず、卒業後に仕事を見つけています。   日本ですと内定が取れずに卒業するとネガティブなイメージがありますが、   ベトナムには日本のような新卒一括採用システムはないため、それぞれのタイミングで   就職活動をしていくのです。  
  • 10. ベトナム労働市場の現在を理解 -­‐  転職率について   ・国営企業を除き、3年以上勤務を継続していると長い印象 ・離職率は月に5-­‐10%程度と高く、企業の悩みの種               ベトナム人は教育研修の機会と賃金が最も大切とし、日本のような”就社”ではなく、   ”契約”といった感覚。 そしてベトナムの転職率は非常に高いというイメージがあるが、それは厳密には異なります。   学校を卒業し、初職3年以内の転職率は他国と比べ若干高くはなります。   日本の転職経験者の初職3年離職率は53%ですが、ベトナムは70%を超えます。ベトナムに は石の上にも3年という考えはないのです。   しかし、本当に高いのは転職率ではなく転職回数なのです。1人の人間が20代に転職する回 数は日本の倍以上。3回4回が当たり前の世界です。それは日本とは異なり、転職すれば給 与もポジションも上がるという前提があるからです。日本の場合、雇用の流動性は低く、それ には終身雇用の残り、同業への転職禁止や副業禁止が強く影響しています。  
  • 11. ベトナム労働市場の現在を理解  -­‐  大学/大学院進学率について   ・高等教育改革計画(2006-­‐2020)により高等教育機関が増加 ・2000年の178校から2011年419校に増加 ・99年から2007年の間に入学者数は2.4倍に増加 ・大学、職業専門教育入学率は24%(大学進学率は10%)   ・学士取得率は4.2%、修士以上は0.2%           日本の大学進学率は50%を超えたあたり。これは先進国の中では低い数値で、米国や韓国など は80%以上となります。日本の場合は大学以外にも高い専門教育を提供する専門学校の存在や、 上記にあげた国々ほど学歴が影響しないこともあるでしょう。 ベトナムの大学数は増加傾向にあり、特に近年のエンジニア需要の高まりに伴い、国家としてエ ンジニア増加のための大きな戦略を立てています。 国家戦略として2020年までに100万人(年間 7-­‐8万人増)にまで増やし、GDPの8~10%を担うまでに成長させようとしているのです。  
  • 13. ベトナム人の特性を理解する -­‐  国民性について   世界には196もの国が存在します。   これはつまり、少なくとも196の国民性があるということ。     海外でビジネスを展開するにあたり、その国の国民性を理解することは必須。   例えば、ベトナムは世界を見渡しても有数なFacebookユーザーを誇る国です。     それはなぜなのか。     これも国民性が少なからず関わってくるということを理解することは容易でしょう。   Facebookの事例は結果論かもしれないが、これから新しいビジネスをここベトナムで   始めるならば、国民性の理解を疎かにする理由はないのです。   それが新しいビジネスではないとしても、もしベトナム人と一緒に   働くことになるのであれば、マネジメントの観点からも国民性の理解は   避けて通れません。     では、ベトナムの国民性とはどんなものなのか。   今回はベトナムの国民性として挙げられる4Kという特徴をご紹介します。   4Kとは、器用  /  向上心・向学心旺盛  /  近視眼的  /  カカア天下 を指します。  
  • 14. ベトナム人の特性を理解する -­‐    器用   器用     ベトナム人の手先は器用です。よくベトナム人の器用さを表す例として   下記のようなエピソードが挙げられます。          ●着物や西陣織の帯刺繍などで不良品率が1%未満と極めて低い     ●アジア地域のロボットコンテスト等では、必ずベトナムの大学が優勝や上位入賞     ●街中でバイクや機械修理を自分達でやってしまう     ●日本人女性観光客にも大人気のオーダーメイド服の制作も即日~数日で完成         さらに記憶力も優れており、OA・精密機器メーカーの流れ作業でも、1人で担当する   部品数がアジアの周辺と比べても多い。   手先の器用さが求められる生産分野において世界のトップに立つ可能性があります。         実際にNikeのような世界的ブランドも生産工場をベトナムに持ち、   多くの外国投資家がベトナムの労働市場の開拓を始めています。   もしこれらの人材に加え、質の 高い経営管理体制や投資環境が整えば、   他の分野でも同様の成功を遂げられることでしょう。  
  • 15. ベトナム人の特性を理解する -­‐  向上心、向学心   向上心、向学心が旺盛       ベトナムの人はダブルスクールをしている人や習い事をしている人が圧倒的に多い。   学校が大好きなのだ。新しい知識を貪欲に吸収しようとし、 自分自身の価値を高めることを   至上命題としているようです。     ただし、だからと言って勝手に学ばせておけば安心ではありません。   もしあなたが管理する側の人間ならば、正しい努力をするようにマネジメントする必要があります。   言葉は悪いが、学ぶことが目的になりがちな側面があり、実体が伴っていないことも。     プロジェクトにおいても新しい知識を獲得しながら進めていく機会もあるかと思いますが、   努力の方向性を間違えさせないマネジメントも必要になってきます。  
  • 16. ベトナム人の特性を理解する -­‐  近視眼的   近視眼的       ベトナム人の金銭感覚は「明日の100万円より今日の100円」。   「今稼げるか」という点のみが重要なのだ。この近視眼には理由がある。   背景にはベトナム戦争や急速なインフレなどが影響しているようです。     40年前のベトナムは戦火に包まれており、今日の生活を維持するのでやっとという人が多く、   そして、数年前にはベトナムは突然インフレ経済となってしまい、物価が10倍になるという   経済現象を体験しています。そのためにベトナム人は中長期の予測は難しい、   今のプラスを取って行こうとい う発想が強く根付いると言われています。     今でこそ少しずつ銀行預金も増えてきてはいるものの、たんすの貯金が未だに   主流なのはベトナム人の大衆心理の表れかもしれません。   開発プロジェクトにおいてはタスクの重要度と優先度を判断し、意思決定をして   いていかなければならない。そういった面は初めは日本側のサポートが必要でしょう。    
  • 17. ベトナム人の特性を理解する -­‐  カカア天下   カカア天下       ベトナムは「カカア天下」だ。近年の日本と共通する部分だが、ベトナムは非常に強い   女性優位の国なのです。 戦争で男手を取られ女性が社会生活を守ってきた歴史的背景   からだと予想するが、ベトナムの女性はこぞって恐妻家。      「ベトナムには辛くない唐辛子はなく、棘のないばらは無い」ということわざがあるほど、   非常に嫉妬心の強い女性が多いのです。     会社においても相対的に女性は優秀な印象が強い。   真面目で一生懸命というベトナムの国民性は、女性と働くとより強く感じることでしょう。  
  • 18. ベトナム人の特性を理解する -­‐  仕事に対する価値観   優秀な人材があなたの会社で働き続ける理由を理解していますか?     雇用者が想像する以上に、人によってその理由は異なります。   経営者や採用担当者としては会社のビジョンに共感しているからと一括りに   しがちですが、実際にはより本質的な理由が存在します。     正しく把握しなければ、中長期的に良い関係性を築き続けることは不可能でしょう。   また、人によって理由が異なるように、国によってもその傾向は異なります。     それでは、ベトナム人の場合は何を重要視するのでしょうか?     ベトナム人と日本人の仕事に対する意識を比較した興味深い1つのデータがあります。   これらを見ながら理解を進めていきましょう。    
  • 19. ベトナム人の特性を理解する -­‐  仕事に対する価値観   会社を選ぶ上で何を最も重要視するのか?ベトナムマーケットリサーチの    『Q&Me』がベトナム人と日本人の仕事に対する意識を比較したデータをご紹介。   ・ベトナム人にとって最も重要なのは給与 (54%)、   労働環境(40%)、スキルマッチング (39%)             ・日本人は仕事のやりがいを重視するが、   ベトナム人にとっては優先度が低い         ・日本人は労働時間を重視するが、ベトナム人に とってはそもそも残業という概念がない ベトナム人にとって給与の優先度は非常に高いです。日本のように長期的な給与設計は 効果的ではないでしょう。また、ベトナム人の20代の転職率は日本の約2倍と、非常に流動 性があります。給与が上がらない、スキルが上がらないと判断すれば簡単に離職してしま います。
  • 21. 採用    そもそも採用の目的とは何なのか。   採用は企業の経営戦略を実現するための最も重要な要素。     パナソニックを創業し世界的企業へと成長させた   松下幸之助も「企業は人なり」という言葉を残しています。     あなたは、誰をそのバスに乗せますか?   どうやって評価しますか?   どのように候補者を探しますか?     それぞれ詳しくみていきましょう。  
  • 22. 採用 -­‐  誰をバスに乗せるのか   採用要件定義     なぜ採用するのか。それは事業を伸ばすためです。   つまり、事業を伸ばせる人材が欲しいというわけです。      その事業おける職種で必要となる要素とは(経験、知識、マインド)    -­‐過去どのような人材が活躍したのか     組織のカルチャーに合う性格とは    -­‐組織における課題は必ずヒトとヒトの”間”から生まれる    -­‐ゆえにパーソナリティは組織の成果を足し算からかけ算に発展させる過程で不可欠な要素     上記に当てはまる人材はどこでどのような行動をしているのか    -­‐採用はマーケティングです。詳細まで言語化し、社内で共通認識が出来るまで落とし込む    -­‐この過程により、いわゆる「ウチっぽい」という感覚が論理性を持ってきます     自社にその候補者を振り向かせられるだけの武器はあるのか    -­‐魅力のない会社にはヒトは集まりません    -­‐しかし、魅力は今からでも作ることができます    -­‐そのためには、出会いたい候補者は何を魅力と感じるのかを知る必要があります  
  • 23. 採用 -­‐  どうやって評価するのか   人材評価は下記の2つの要素から成立します   過去の行動事実 面接中の会話 評価 ・問題解決能力   ・挑戦心/達成心   ・コミュニケーション力   ・その他の印象   面接の目的は”見極め”と”魅力付け”。   見極めができるということは、評価項目を理解しているので   適切な魅力付けもできる状態になります。   各要素については各会社や職種別に言語化と評価軸を作成しましょう。
  • 24. 採用 -­‐  どうやって評価するのか   STAR手法を活用した質問の掘り下げ方   SituaLon   (環境や背景) Task   (課題や任務) AcLon   (本人の行動) Result   (結果) ・きっかけは何だったか ・目的・目標は何だったか? ・目標の高さは高かったか? ・チーム構成は? ・周囲の意見は? ・自分の役割、ミッションは? ・何をすべきだったか? ・課題や問題点は? ・工夫したポイントや狙いは? ・最初に何をしたか? ・なぜそう考えたか? ・周囲の人への影響、意見 ・次に何をしたか? ・どのように工夫したか? ・その結果、成果は? ・プロセスにおける改善点 ・学んだことは何かあるか? ・反省点は何かあるか? ・他の場面で活かした経験 「YES/NO」で答えられる質問(クローズドクエスチョン)ではなく、 5W1Hでの質問(オープンクエスチョン)を行い、応募者の言動行動が   リアルにイメージできるまで深く掘り下げましょう
  • 25. 採用 -­‐  採用サービスの種類    紹介型 媒体型 総合型 専門型 ・広告料金モデル(月100-­‐300万VND)   ・応募者の量は多い   ・一方良い候補者の含有率は低い   ・大量採用の場合には効果的 ・広告料金モデル(月100-­‐300万VND)   ・応募者属性が絞られており、    良い候補者の含有率は高い   ・採用までのスピード感は遅い   ・専門型はそもそも紹介モデルが多い ・成果報酬モデル(2.6ヶ月分/人)   ・採用までのスピード感は早い   ・選別の上で紹介のため決定率が高い   ・総合職の場合効果的   ・成果報酬モデル(2.6ヶ月分/人)   ・採用までのスピード感は早い   ・選別の上で紹介のため決定率が高い   ・応募者属性が絞られており、    良い候補者の含有率は高い   ・専門職の場合効果的   自社の状況を加味し、最適なサービスを選択
  • 27. 典型的な問題から考える組織の成功要因    よくベトナムの組織で問題になるのが、品質に関する意識の低さです。     満足に対するハードルが低く、「これでOK」「自分はもうその言語は完璧だ」といったこと が多々あります。これにより、組織内では様々な問題が発生していくのです。     例えば、プロジェクトの全体像の把握や仕様に対する理解不足、テスト不足などが挙げ られる。この問題に遭遇すると、多くの日本人は「ベトナム人のレベルは低いんだ」と判 断してしまいますが、その判断の前に考えるべき点があります。        それは、私たちが常識だと考えていることが、海外では常識ではないという可能性です。
  • 28. 典型的な問題から考える組織の成功要因    ここで述べたいのは、どちらが正しいのかということではなく、違いが存在し、それに対し てどう対処するかということです。     例えば、日本人同士で仕事をする場合、日本独特の空気を読む感覚や曖昧なコミュニ ケーション。私たち日本人はこれが仕事を円滑に進めるためには悪くない選択だと思っ ているが、海外から見たら違う反応になるでしょう。     つまり、どちらかのやり方を押し付けるのではなく、歩み寄りながらお互いの課題に対処 していく姿勢が必要なのです。品質に対する意識であれば、教育と仕組みで十分にフォ ローできるはず。そして、本来そうあるべきです。         常識が異なる環境下では、違いが混ざり合うことにより、”本来あるべき姿”が浮き彫り になるという良い点もあるのです。  
  • 29. 典型的な問題から考える組織の成功要因    コミュニケーション量が不足 コミュニケーションの質に問題あり コミュニケーションの仕組みがない 仕事の依頼の仕方が悪い 組織における課題の大多数が”ヒト”と”ヒト”の間に生じる。   つまり、コミュニケーションが全ての要因
  • 30. コミュニケーションの量   1.海外の人と仕事していく上で相手に理解してもらえるための    コミュニケーションの量は対日本人と比べて1.5倍~2倍以上かかる      2.文化の違い、育った環境、基礎知識、経験、法律の違いなどがあり、    理解してもらうためには背景についても説明が必要      3.日本人担当者が疲弊した結果、発信する側の情報量が少なくなり、    受け取る側の認識が不足し、その結果、間違った認識で開発を進む      4.成果物は仕様と異なり、再度修正の依頼や再度仕様の説明をする    はめになるなど悪循環に陥る     特に初めは丁寧に、時間をかけて、簡単な言葉でお互いの信頼関係を   築くことが重要です。これにより、その後のスピードがぐんと増します。  
  • 31. コミュニケーションの質    1.「なぜ」理由付けと論理理解    -­‐「なぜしなければならないのか?」などの理由付けを明らかにすることが重要    -­‐「ここの値を変えて…」など作業単位での依頼ではなく理由を含めた会話が大事    -­‐このプロセスをやることでどう変わるのか、何故やるのかを説明することで自分で    考えながら作業を進めていくことができます  2.「言った、言わない」「誤解していた」「聞いてない」をなくす    -­‐このような事態を避けるためにも公式なものの決定については文書化をしましょう    -­‐不具合の連絡や仕様伝達などあらゆるQ&A連絡は、定型フォーマットを活用した    ほうが効果的です  3.理解の確認             -­‐自分の結論を一方的に伝えただけでなく相手が理解しているか確認をする必要あり    -­‐仕事をする上で分かったと言って実は分かってなかったなど多々あり    -­‐なにが分かったのかを明確にすることも重要    -­‐失敗を恐れさせない雰囲気作りが大切 
  • 32. 円滑なコミュニケーションの仕組みの構築   1.プロジェクトの目的、概要などを細かく伝える      -­‐伝えたつもりでも、実は自身が思うほど伝わっていないことを知る      -­‐言語化し、いつでも見返せる状態になっているか      -­‐目的を伝えることで、自分で考えて応用をきかせることが可能となる      2.何をコミュニケーターに求めるのかを明文化する  -­‐阿吽の呼吸はない  -­‐その上で何を学んで欲しいのかを示す(努力の方向性を間違えさせない)      -­‐何が優先度が高いのかをきちんと伝える         3.中長期的に育てる意識を持たなければ、結果として短期的にも成功しない      -­‐全体的に若いベトナム人には経験値が少なく、日本企業が求める質を初めから    求めることは困難だと考えた方が良い      -­‐新卒採用のように、育て上げる気持ちで接した方が結果が出やすい
  • 33. 仕事の依頼の仕方   1.タスクの目的、背景、期限、優先度、想定リスクを先に洗い出す   -­‐すべて言語化、文書化し、初めにコンセンサスを取る      2.初めにそのタスクをきちんと理解したかを確認する  -­‐ただでさえ言語の違いにより誤解が生まれやすい状況      -­‐後から修正する方が時間がかかる      3.中間報告を入れ、大きなズレを解消する  -­‐物理的な距離もあり、仕事を投げっぱなしになりやすい      -­‐日本人のような報連相の文化は薄いため、初めは強制的にでもしてもらう      4.上手くいかなかった場合、その原因を一緒に考える姿勢を持つ  -­‐時間がかかっても答えを考えさせることが大切      -­‐その後の生産性が変わる      5.ただの外注先として扱わず、チームの仲間であることを忘れない  -­‐この気持ちがあるかないかで、一つ一つのアクションに大きく影響
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